ホーム 著者 からの投稿 編集部

編集部

編集部
493 投稿 0 コメント

労働組合が政府の労働協約案で暫定合意、ストライキ終了へ

バンクーバーダウンタウンの連邦ビルディング前でストライキをする労働組合PSACの人々。2023年4月20日、バンクーバー市。Photo by Japan Canada Today
バンクーバーダウンタウンの連邦ビルディング前でストライキをする労働組合PSACの人々。2023年4月20日、バンクーバー市。Photo by Japan Canada Today

 カナダ政府は5月1日、連邦職員の労働組合the Public Service Alliance of Canada(PSAC)と労働協約で暫定合意に達したと発表した。これで4月19日から組合員によって実施されていたストライキが終了し、5月1日から職場復帰する。

 カナダ予算庁(Treasury Board of Canada Secretariat)の発表によると合意内容は、賃上げは2021年に遡り2025年夏までの期間をカバーする4年間11.5%で、3年目には0.5%のグループ別手当が含まれる。また、協約の期間中にグループ別の改善と、2,500ドルの一時金が支給されるとしている。

 組合側の要求は3年で13.5%の賃上げだったが、連邦政府は3年で9%を提示していた。

 予算庁は先週金曜日の4月28日に「最終提案」を組合側に提示。週明けの5月1日早朝に暫定的な合意が発表された。

 組合はリモートワークについて協約に組み入れることを要求していたが、今回は見送られた。リモートワークについて政府は、「引き続き、近代的でハイブリッドな職場の実現に取り組み、該当する職員には週3日まで在宅勤務を継続できる柔軟性を提供している」とし、「労働協約以外で、リモートワークについて両者が満足するような暫定的な和解が成立している」と説明している。

カナダ歳入庁のストライキは継続

 PSAC約12万人は職場に復帰するが、カナダ歳入庁(CRA)職員の労働組合でPSACグループの一つThe Union of Taxation Employee(PSAC-UTE)は引き続き交渉を続けている。PSACは、現在交渉は大詰めに入っていると伝えている。

(記事 編集部)

合わせて読みたい関連記事

バンクーバー市内プール使用時の服装を規定

最長レーンの長さが137メートルもある巨大プール、キツラノプール。海のすぐそばにあり、塩辛い。Photo by Pacific Walkers
最長レーンの長さが137メートルもある巨大プール、キツラノプール。海のすぐそばにあり、塩辛い。Photo by Pacific Walkers

 バンクーバー公園庁(Vancouver Park Board)は、管轄するプールの使用について、公共プールでの服装規定を4月25日に決定した。

 水着やTシャツ、水泳用ヘジャブなどが「適切な服装」として挙げられる一方で、性的なデザインのもの、ジーンズやスウェットパンツなど水分を含むと重くなるものは不適切とみなされる。また生殖器は完全に隠すことが求められる。

 服装規定は、現場スタッフからの要望に応じたもので、トラブル防止のためのガイドラインが必要との声が上がっていた。1年間のパイロット・プロジェクトで翌年に見直される予定だ。

バンクーバー公園庁が適切と定めた服装は以下の通り。

  • bathing suit
  • swim trunks or board shorts
  • T-shirts and shorts
  • burkini
  • swim hijab, leggings and tunic
  • rash guard
  • wet suit

(記事 編集部)

合わせて読みたい関連記事

5月1日からバンクーバー市で使い捨てカップ代を廃止へ

File photo by Japan Canada Today
File photo by Japan Canada Today

 これまでカフェやフードベンダーに課されていた使い捨てカップへの課金25セントが5月1日から廃止される。

 これは、バンクーバー市が3月28日に発表した使い捨てカップ条例廃止の施行によるもの。これにより、これまで使い捨てカップでコーヒーなどを購入した時に課金されていた25セントがなくなる。

 対象は使い捨てカップを使用している店やフードベンダーなどで、バンクーバー市は5月1日よりカップ代25セントを削除するよう通達している。

 使い捨てカップへの課金は、ごみ削減のために取られた政策だったが、課金によるごみ削減に効果がないため、今回廃止を決定したとしている。

 市は、カップ代は廃止したものの、引き続き、「使い捨てカップのゴミを減らすために、再利用可能なオプションを採用し続けることを企業に奨励する」としている。

 また、2023年末までに使い捨てカップの削減に役立つ潜在的な政策や戦略に関する推奨事項を審議会に報告する予定と発表している。

視点:新型コロナの影響で再利用オプションに変化

 今回の決定で、市は、業者に対して、使い捨て飲料用カップに最低25セントの課金、ビジネスライセンスの更新時に使い捨て飲料用カップ数の報告、店内での注文時に清潔なリユースカップ受け取り義務の3点を廃止すると通達した。

 また、「再利用可能なオプションの採用」として、「全ての温かい飲み物・冷たい飲み物(店内、モバイルアプリ、ドライブスルー)で再利用可能なカップを受け入れ、マイカップを持参した客に割引を提供する、リユースカップでのドリンク提供、持ち帰り用カップの貸出」などを推奨している。

 これらは、新型コロナウイルス感染拡大前には環境問題への取り組みから推奨されていた対応だが、2020年春以降は新型コロナ感染予防のために停止されていた。

 新型コロナ感染予防対策もすでに多くが撤廃され、ようやく環境問題への配慮も再開したと言える。

(記事 編集部)

合わせて読みたい関連記事

バンクーバー市のビーチや公園で今夏も飲酒が可能に!

Vanier Park, Kitsilano, Vancouver, British Columbia; File photo © Japan Canada Today
Vanier Park, Kitsilano, Vancouver, British Columbia; File photo © Japan Canada Today

 バンクーバー市公園庁(Vancouver Park Board)は4月25日、バンクーバー市内の7つのビーチで19歳以上の飲酒を許可することを決定した。

 飲酒が可能となるビーチは、Spanish Banks、Jericho Beach、Lorcarno Beach、Kitsilano Beach、Second Beach(Stanley Park)、New Brighton Parkのビーチ、Trout Lake Beach南側の砂浜。いずれもガラスのビンは禁止。パイロット・プロジェクトとして6月1日からスタートする。

 これに加え、飲酒可能な公園40カ所も発表した。全ての場所で飲酒できる時間帯は午前11時〜午後9時。飲酒可能な期間は以下の通り。ほとんどの場所で1年を通して飲酒が認められ、一部は毎年夏季のみ可能となる。

6月1日から1年間を通して飲酒できる31公園

  • Adanac Park
  • Balaclava Park
  • Burrard View Park
  • Elm Park
  • Fraser River Park
  • Garden Park
  • Granville Park
  • Harbour Green Park
  • Jericho Beach Park
  • John Hendry/Trout Lake Park
  • Jonathan Rogers Park
  • Jones Park
  • Kitsilano Beach Park
  • Langara Park
  • Locarno Beach Park
  • Maple Grove Park
  • McBride Park
  • Memorial West Park
  • New Brighton Park
  • Pandora Park
  • Queen Elizabeth Park
  • Riverfront Park
  • Spanish Banks Beach Park
  • Stanley Park (Lumberman’s Arch)
  • Stanley Park (Southwest and Second Beach)
  • Sunrise Park
  • Tatlow Park
  • Vanier Park
  • Victoria Park
  • Volunteer Park
  • Woodland Park

7月1日から8月31日まで飲酒が毎年可能となる16公園

  • Braemer Park
  • Brewers Park
  • Clinton Park
  • Collingwood Park
  • Columbia Park
  • Falaise Park
  • Memorial South Park
  • Norquay Park
  • Oak Park
  • Quilchena Park
  • Robson Park
  • Ross Park
  • Rupert Park
  • Slocan Park
  • Winona Park

6月1日から9月4日まで飲酒可能な7ビーチ

  • Jericho Beach
  • Spanish Banks
  • Locarno Beach
  • Second Beach (Stanley Park)
  • Kitsilano Beach
  • John Hendry / Trout Lake Beach
  • New Brighton Beach

(記事 編集部)

合わせて読みたい関連記事

日本入国4月29日から新型コロナ水際対策終了へ

東京国際羽田空港。2022年6月。Photo by Japan Canada Today
東京国際羽田空港。2022年6月。Photo by Japan Canada Today

 日本政府は4月28日(現地時間)、4月29日(現地時間)からこれまで実施していた新型コロナウイルス感染症に対する水際対策を終了すると発表した。

 外務省は、新型コロナウイルス感染症に関する今後の水際措置として、新型コロナウイルス感染症が「新型インフルエンザ等感染症」と認められなくなる旨公表されたことを踏まえ、4月29日午前0時以降、水際措置を全ての入国者に対し、「出国前72時間以内に受けた検査の陰性証明書」及び「ワクチンの接種証明書(3回)」のいずれも提出を求めないと発表した。

 これまでは5月8日から水際対策を終了としていたが、ゴールデンウィーク前に前倒しされることになった。日本に向けカナダを28日に出発する便から適用となる。

 ただし、新型コロナウイルス感染症の有症状の入国者に対して現在実施している入国時検査及び新型コロナウイルス感染症陽性判明時における施設等での療養を5月8日午前0時まで継続し、5月8日午前0時に感染症ゲノムサーベイランスを開始するとしている。

(記事 編集部)

合わせて読みたい関連記事

ブリティッシュ・コロンビア州、観光インフラの補修・改善に5,000万ドルを投資

観光業への支援を発表するBC州デイビッド・イービー州首相。左側は、BC州ラナ・ポファム観光・アート・文化・スポーツ大臣。2023年4月25日、バンクーバー市サイエンスワールド。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
観光業への支援を発表するBC州デイビッド・イービー州首相。左側は、BC州ラナ・ポファム観光・アート・文化・スポーツ大臣。2023年4月25日、バンクーバー市サイエンスワールド。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州を世界的な観光地として構築し続けるため、サイエンスワールドを含む州内のさまざまな観光インフラの修理・改良に5,000万ドルを投資するとBC州政府が4月25日に発表した。

 BC州デイビッド・イービー州首相はサイエンスワールドで行われた記者会見で、「BC州は人気の観光地で、多くのアトラクションや観光スポットは世界中の観光客を惹きつけている。しかし、これらの魅力は、単に偶然に生まれたものではありません。観光客がBC州の魅力を十分に体験し、州民もアトラクションを楽しめるようにするためには、強力な観光産業を確立する必要がある。観光業は州にとって強力で多様な経済効果をもたらすと確信している」と語った。

 今回州政府は、ドームなどの優先的なインフラ補修・改善を支援するためサイエンスワールドに2,000万ドルを投資する。これにより、エネルギー効率の高い新電力へのアップグレードやその他の重要なインフラ整備が行われるという。

 サイエンスワールドは、1986年にEXPO86でオープンして以来、バンクーバーのランドマーク的な観光スポットで、観光客だけでなく、州民にとっても、人気アトラクションの一つ。新型コロナウイルス感染拡大以前には年間86万人以上が来場していた。

 今回はサイエンスワールドの他にも州内の90の観光開発プロジェクトを支援する。

 BC州政府は過去3年間で、観光支援に5億ドル以上を投資してきた。今回の投資により、地域経済を支援しながら、トップクラスの観光地としての地位を確立することを目的としているという。

 今回の支援金の対象となった市や観光施設のリストはBC州ホームページで確認できる。https://news.gov.bc.ca/files/Tourism_funding_April2023.pdf

サイエンスワールドで、ゴキブリの種類の昆虫を手に微妙な表情のBC州デイビッド・イービー州首相。2023年4月25日、バンクーバー市サイエンスワールド。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
サイエンスワールドで、ゴキブリの種類の昆虫を手に微妙な表情のBC州デイビッド・イービー州首相。2023年4月25日、バンクーバー市サイエンスワールド。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today

(記事 編集部)

合わせて読みたい関連記事

今年の3カ月でBC州での薬物による死亡者は600人に

 ブリティッシュ・コロンビア州(BC)州で検死を行うBC検視局(B.C. Coroners Service)が、4月18日に予備報告を発表。2023年に入ってわずか3カ月の間に、596人が薬物で命を落としたことが分かった。

 これは、「公衆衛生上の緊急事態」が宣言された2016年以降、同時期では2番目に多い数字となる。最も多かったのは2022年の599人。死亡者のうち71%が30歳〜59歳で、77%が男性だという。

 違法薬物中毒死は、引き続きBC州における不自然死の最大の原因で、殺人や自殺、交通事故死、溺死、火災による死亡者を合わせた数よりも多い。緊急事態宣言以降、少なくとも11,807人が違法薬物接種によって死亡している。

 また4月21日にはFirst Nations Health Authorityが新しいデータを発表。2022年のBC州での違法薬物接種死亡者のうち、先住民が占める割合は16.4%であることが分かった。BC州の人口で先住民が占める割合はわずか3.3%。先住民族の薬物による死亡者の割合は、人口全体に比べて6倍近く高いことになる。死亡者数は373人で、そのうち63.5%が男性だった。

(記事 編集部)

合わせて読みたい関連記事

ナナイモとバンクーバーのダウンタウンを結ぶ新しいフェリー、この夏お目見え

バンクーバーとナナイモをつなぐフェリー「Hullo」。Photo provided by the Vancouver Island Ferry Company (VIFC)
バンクーバーとナナイモをつなぐフェリー「Hullo」。Photo provided by the Vancouver Island Ferry Company (VIFC)

 バンクーバーとバンクーバー島東側のナナイモ間に、乗客のみ(車両運搬なし)のフェリーサービスが新しく就航する。Hulloと名付けられたこのフェリーは、Vancouver Island Ferry Company(VIFC)が運営する。バンクーバー・ダウンタウンのVancouver Harbour Flight Centreとナナイモ・ダウンタウンのNanaimo Port Authorityを70分で結ぶ。

 VIFCによると、今夏の就航を目指しており、1日往復7便を予定。バンクーバー島住民が、バンクーバー・ダウンタウンへの通勤やナイトライフを楽しめるよう考慮した運航スケジュールとなるという。旅客定員354人のカタマラン(双胴船)2隻による運航で、船内ではフリーWIFIやスナックの販売も。また座席は、コンフォート、プレミアム、ビジネスの3種類から選べる。

 現在、船はベトナムで最終テストを行っていて、5月にバンクーバー島に到着する。また、ダウンタウン・ナナイモではすでに、Hullo就航に向けたターミナル工事が始まっている。400台駐車可能な駐車場や、電気自動車のチャージステーションなどが設置される予定。

 詳細は6月初旬に発表する予定としている。

Hulloホームページ:https://hullo.com/

(記事 編集部)

合わせて読みたい関連記事

トロント国際空港で2,000万ドルの金や貴重品の荷物が行方不明に

 トロント・ピアソン国際空港で4月17日、金や貴重品など総額2,000万ドル相当が入ったコンテナが盗難にあった。

 捜査を担当しているピール地域警察によると、盗まれたコンテナを積んだ飛行機は、夕方に同空港に到着。コンテナは機内から運び出された後、通常通りカーゴの取り扱い施設で保管されていたが、何者かが「違法な手段で」移動させたという。

 コンテナの紛失はただちに警察に通報された。このコンテナを積んでいたのがどのエアラインなのか、どこから到着したフライトなのかについては公表されていない。

 警察は会見で、このような盗難は非常に珍しいケースとし、プロの手によるものかどうか判断するのは時期尚早としている。現在のところ逮捕者はなく、容疑者の情報も公開されていない。また、ギャングとの関連性についても言及されていない。そして、コンテナがどこにあるのか、カナダ国内にあるのかどうかについては「分からない」と話している。

 この事件について、警察は他の事件との関連性はないと見ており、空港業務への影響はなく、また公共の安全を脅かすものでもないとしている。

(記事 編集部)

合わせて読みたい関連記事

ジャパンレールパス料金、今秋から大幅値上げへ

新幹線もジャパンレールパスで利用できる。Photo by Japan Canada Today
新幹線もジャパンレールパスで利用できる。Photo by Japan Canada Today

 日本全国のJRで利用できるジャパンレールパス。JR6社が共同提供する鉄道利用パスで、外国人観光客や在留邦人が、個人や家族・友人と、団体でなど、日本全国津々浦々を旅行する時に利用できる割安移動手段として人気がある。

 そのジャパンレールパスの料金が今秋から大幅に改定されることが4月14日に発表された。

 これまで、普通車7日間利用は、指定代理店購入で29,650円、専用サイトで33,610円だった料金は50,000円に、14日間利用は、指定代理店購入で47,250円、専用サイトで52,960円から80,000円に、引き上げられる。その他の料金設定も約50%引き上げられる。

 今回の改定に伴い、現在は「ひかり」号のみの利用となっている利用列車が、料金改定以降は専用切符を追加で購入すれば、「のぞみ」「みずほ」も利用できると案内している。

 その他、国内観光施設などで「ジャパンレールパス」を利用している訪日旅行者向けの割引サービスも予定しているとも発表している。

 料金改定時期は「2023年10月頃を目途」とし、明確な開始時期はまだ発表されていない。

 改定後の表金は以下の発表を参照。

 ジャパンレールパスのウェブサイト:https://japanrailpass.net/

(記事 編集部)

合わせて読みたい関連記事

連邦職員労働組合PSACストライキ3日目、話し合いは継続

バンクーバーダウンタウンの連邦ビルディング前でストライキをする労働組合PSACの人々。2023年4月20日、バンクーバー市。Photo by Japan Canada Today
バンクーバーダウンタウンの連邦ビルディング前でストライキをする労働組合PSACの人々。2023年4月20日、バンクーバー市。Photo by Japan Canada Today

 連邦職員の労働組合The Public Service Alliance of Canada(PSAC)が4月19日からストライキを実施している。政府側と交渉を続けてきたが4月18日午後9時(東部標準時)までに合意に達しなければストライキを実施すると公表していたPSACは、合意に達することができなかったと19日からストライキを実施している。

 ただ、19日に会見したPSACのChris Aylward会長、予算庁モナ・フォーティエ長官ともに、話し合いは継続していると話している。Aylward会長は会見で、お互いの内容はまだ合意に至るにはかけ離れているが、我々の目的は労働協定を結ぶことであり、話し合いは継続すると語っている。

 報道によると、PSACは年4.5%の給与上昇を3年間とリモートワークを協定に盛り込むことを要求しているという。4月20日の一部報道では給与上昇率についてはPSAC側が多少譲歩したということも伝えられているが、予算庁は3年9%を提示しているという。

 今後ストライキが長引けば、国民の生活やカナダ経済への影響も懸念されるため、カナダ政府がBack-to-work法案を提出するかも注目されている。Back-to-work法案が可決されれば、職員はストライキを中止し職場復帰しなければならない。通常与党が提出し、多数派政権の場合はそのまま可決するが、少数派政権の場合は野党の協力が必要となる。現在の自由党は少数派政権のため野党の協力が必要となるが、新民主党(NDP)は法案には協力しないと明言している。

ストライキ実施で、ビザやパスポート発給やタックスリターンの審査に影響

 連邦職員約12万人の大多数がストライキ実施に賛成したと労働組合The Public Service Alliance of Canada(PSAC)が4月12日、発表した。

 職員は13州・準州全国で勤務しており、ストライキの実施で連邦政府が提供するサービスに大きな影響が出る

 ストライキは23省庁の職員が実施しているため、影響は大きい。中でも、歳入庁、外務省、移民・難民・市民権省は、申請などの手続きが遅れるなどの直接的な影響がすでに出ていると報道されている。

 歳入庁職員の労働組合でPSACグループの一つThe Union of Taxation Employee(PSAC-UTE)はPSACに先駆けてストライキ実施に労働組合が賛成したと発表した。ストライキの実施でタックスリターンなどの処理が遅れるなどの影響が出ると歳入庁は発表している。ただし、タックスリターンの提出期限が延長されることはないと発表している。

 外務省は、「国民の安全、安心、健康に影響を及ぼす可能性のある全ての必須サービスを維持する」としている。トラベルアドバイスなどのサービスは影響を受けない一方で、「市民権やパスポートサービスを含む領事サービスは、在外公館のネットワークを通じて引き続き提供されるが、遅れが生じることが予想される」という。その他、文書認証や輸出入許可証のサービス、CanExportプログラムなども影響を受ける可能性があると発表している。

 移民・難民・市民権省は、申請書などのオンラインや郵送での提出やオンラインアカウントは影響なく利用できるが、以下には遅れなどの影響が出るとしている。

・申請書類の処理、・市民権授与式を含む対面での予約またはイベント、・Eメール、電話、ソーシャルメディアを通じた連絡への返信、・領事館での市民権・パスポートサービス、・カナダでのパスポートサービスなど。永住権カード(Permanent Resident Card)の更新も同省への申請のため影響を受ける可能性がある。

 PSACは5グループからなり、UTEも含まれる。組合員は約159,000人で、そのサービス内容は多岐にわたっている。

 カナダ環境省や、州営のカナダポスト、CBC(カナダ放送協会)、カナダ輸出開発公社(Export Development Canada)などは労働組合が違うため今回のストライキに影響しない。

(記事 編集部)

合わせて読みたい関連記事

3月のインフレ率は4.3%、住宅ローンの金利負担が増加

Image photo by Japan Canada Today
Image photo by Japan Canada Today

 カナダ統計局が4月18日に発表した3月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比4.3%の上昇で、2021年8月の4.1%以来の低い上昇率となったと報告した。住宅ローンの金利負担が大幅に上昇した一方、エネルギー価格の下落が物価上昇を抑えた。

 食品とエネルギーを除いた物価は、2月の4.8%から3月は前年比4.5%増となり、住宅ローン金利負担を除く全項目CPIは2月の4.7%から3月は3.6%増と、いずれもやや鈍化した。

 住宅購入者の買い替え費用は、住宅市場の全般的な冷え込みを反映して、2月の3.3%に対し3月は1.7%増と減速傾向が続いている。

 一方、住宅ローンの金利負担は、2月は23.9%だったのに比べ3月は26.4%で、より速いペースで上昇している。これは、国民がより高い金利で住宅ローンの更新や開始したためで、過去1年間で最大の上昇率となったと報告している。

 食品の価格は依然として高い上昇率だが、2月の10.6%に比べ、3月は9.7%で上昇幅がやや小さくなった。カナダ統計局は生鮮青果物の価格低下が主な要因と分析。生鮮果実の価格は、2月は10.5%上昇したが、3月は7.1%にとどまった。また、生鮮野菜の価格も、2月の13.4%に比べ、3月は10.8%上昇に抑えられた。

 地域別では、全ての州で価格の上昇ペースが鈍化した。

 カナダ銀行は4月に発表した政策金利を前回の発表に続いて据え置いている。

(記事 編集部)

合わせて読みたい関連記事

Today’s セレクト

最新ニュース