フードバンク利用者が急増、インフレ率と生活費高騰が要因

 フードバンク・カナダは10月25日、レポート「HungerCount」を発表した。毎年発表されるレポートではその年の3月の利用数を報告、過去のデータと比較している。

 最新データによると、今年のフードバンク利用数は1989年の調査開始以来、最高となっている。2023年3月だけで200万回近くの利用があり、2022年3月より32%の増加、2019年3月に比べると78.5%も増えている。

 数年前までは食糧支援の大きな要因は失業だった。しかし現在はインフレ率と生活のコスト高に取って代わり、今年は職を持っている人の利用がこれまでになく増えているという。また利用者のうち18歳以下の子どもが占める割合はおよそ3分の1。目立った変化はないものの、この年齢層が総人口の20%であることを考えると高すぎる割合だと言えると分析している。

 こうした傾向はブリティッシュ・コロンビア(BC)州も例外ではなく、2023年3月の利用数は20万回。2022年3月より20%、2019年3月からは57%の増加となっている。CBC電子版の取材に対し、Greater Vancouver Food Bankのチーフ・オペレーティング・オフィサーCynthia Boulterさんは、利用増加の原因として低賃金と高い家賃などを挙げている。また利用者の約3分の1は仕事を持っているとし、フードバンクはもはや離職者や失業保険、年金受給者のためのサービスではないと話している。

(記事 編集部)

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