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池田学 北米初大規模個展 “Flowers from the Wreckage” 前編
「ウィスラーマウンテンから新たな海へ」

池田学さん。オデイン美術館/ウィスラー。Photo by Leo FK/Japan Canada Today
池田学さん。オデイン美術館/ウィスラー。Photo by Leo FK/Japan Canada Today

 緻密なペンの描線で、壮大な世界を描き出す画家として、日本の個展で30万人を魅了した池田学さん。 池田さんの代表作60数点を集めた北米初の大規模個展がウィスラーのオデイン美術館で開かれている。

 池田さんが新作を公開制作する特別プログラムも見逃せない。国際的アーティストの現在進行形の創作を目の当たりにできる貴重な機会となる。

「誕生 Rebirth 」(2013-16)をみる来場者。オデイン美術館/ウィスラー。Photo by Leo FK/Japan Canada Today
「誕生 Rebirth 」(2013-16)をみる来場者。オデイン美術館/ウィスラー。Photo by Leo FK/Japan Canada Today

 先月24日から10月9日までオデイン美術館で開かれている、池田学さんの北米初の大規模個展「Flowers from the Wreckage」では、代表作「予兆 Foretoken」(2008)、「Meltdown」(2013)、「誕生 Rebirth 」(2013-16)など、世界の美術館や個人の所蔵品など60数点の作品が展示されている。

 特別に設けたスタジオギャラリーでは、池田さんが2019年から海を主題に描き続けている3mx6mの新作を、活動拠点のアメリカ・ウィスコンシン州マディソンからウィスラーに運び、公開制作を行なっている。オデイン美術館で初めての試みだ。

池田さんの手とペン。オデイン美術館/ウィスラー。Photo by Leo FK/Japan Canada Today
池田さんの手とペン。オデイン美術館/ウィスラー。Photo by Leo FK/Japan Canada Today

 池田さんは一貫して、ペン先が1mmにも満たない丸ペンやGペンと主にアクリル顔料インクを使う、緻密なペン画を描き続けている。丸ペンは、細くて精密な線が描けるペンで、地図の等高線を引く際に使われたり、漫画のキャラクターの瞳などの質感、背景などの細かい部分を描くのに多用されている。そのペン先は微小で、1日8~9時間を費やしても描けるのは10cm四方ほどだ。一つの作品に1年以上かかることも少なくない。

 ダイナミックな自然を捉える池田さんの作品は、近づいてみると莫大な情報量のミクロな世界が仔細に描き込まれている。それらは観るものそれぞれの経験、記憶を呼び起こし、想像の翼を広げる装置となる。

 池田さんのペン画の筆致は素早く繊細だ。ペンを軽く持つので、意外なことにペンダコもできず、腱鞘(けんしょう)炎にもならないという。唯一手の支点となるところが固くなっているそうだ。池田さんは、数年がかりの大作「誕生 Rebirth」の制作終盤で右手をけがし左手で仕上げた経験を教訓に、長期戦に備えるアスリートのように体調を管理している。

池田学さん。スタジオギャラリー、オデイン美術館/ウィスラー。Photo by Leo FK/Japan Canada Today
池田学さん。スタジオギャラリー、オデイン美術館/ウィスラー。Photo by Leo FK/Japan Canada Today

 「海も山もないマディソンで写真を見たり、想像を膨らませて海を描いていたが限界を感じていた。ウィスラーの山々の圧倒的な迫力に、突き動かされてすごい勢いで作品が動き出している」

 先月ウィスラーに到着してからの筆の進みを池田さんは満足そうに語った。

 2013年からマディソンに拠点を置いて活動している。

 「ペン画を続けることに変わりはないが、アメリカという広大な国に10年住んで、装飾的なものをたくさん描くのではなく、部分より全体を捉えて描きたいと感じるようになった。2019年から取り掛かっているこの作品は、海の表面の、塊、量感を大事にしたいと思っている」。ウィスラーの自然に溶け込むさまざまな意匠が凝らされているオデイン美術館は、自然光が溢れる大きな空間で、制作中の3mx6mの大作を壁にかけて全体のバランスを見ることができる。

 「今までの小さな部分を積み上げる描き方ではなく、全体を見て量感を高めるインスピレーションが湧いてきた。薄く絵の具を引いて影を入れてから塗り重ねるような手法を試している。今回は、波にキャラクターを書き込むようなことはせず、細かい点や線でどれだけ広大なものが表せるのか挑戦したい」

 ウィスラーマウンテンの壮大な景色と環境が池田さんを新たな海へ誘っている。

後編「バンクーバーの出会いから続く挑戦」に続く。

池田学「Flowers from the Wreckage」

開催期間:2023年10月9日まで 
場所:Audain Art Museum(4350 Blackcomb Way, Whistler, British Columbia)
ウェブサイト: https://audainartmuseum.com/

(取材 大倉野昌子)

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Honda Celebration of Light 2023、オーストラリアで幕開け

 Honda Celebration of Light 2023が7月22日、幕を開けた。真夏の暑さが残るイングリッシュ・ベイには、多くの人々がこの日を待ちわびて集まった。初日の夜の空を華やかに彩ったのはオーストラリア。色とりどりの巨大花火が夜空を照らすたびに、観衆からは大歓声が上がった。

 オーストラリアでは20日からニュージーランドとの共同開催でFIFA女子ワールドカップが開幕した。まるで大会の開催をも祝うようにバンクーバーの夜空に大輪の花を咲かせた。

 次回は、7月26日メキシコ、29日フィリピンとなっている。

Honda Celebration of Light 2023

7月22日、26日、29日に開催。
会場はバンクーバー市イングリッシュ・ベイ
ウェブサイト:https://hondacelebrationoflight.com/

Australia in Honda Celebration of Light 2023; July 22, 2023, English Bay, Vancouver. Photo by Koichi Saito
Australia in Honda Celebration of Light 2023; July 22, 2023, English Bay, Vancouver. Photo by Koichi Saito
Australia in Honda Celebration of Light 2023; July 22, 2023, English Bay, Vancouver. Photo by Koichi Saito
Australia in Honda Celebration of Light 2023; July 22, 2023, English Bay, Vancouver. Photo by Koichi Saito
Australia in Honda Celebration of Light 2023; July 22, 2023, English Bay, Vancouver. Photo by Koichi Saito
Australia in Honda Celebration of Light 2023; July 22, 2023, English Bay, Vancouver. Photo by Koichi Saito
Australia in Honda Celebration of Light 2023; July 22, 2023, English Bay, Vancouver. Photo by Koichi Saito
Australia in Honda Celebration of Light 2023; July 22, 2023, English Bay, Vancouver. Photo by Koichi Saito
Australia in Honda Celebration of Light 2023; July 22, 2023, English Bay, Vancouver. Photo by Koichi Saito
Australia in Honda Celebration of Light 2023; July 22, 2023, English Bay, Vancouver. Photo by Koichi Saito

(写真・ビデオ 斉藤光一/記事 編集部)

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GK高丘「勝ちたかった…」、メキシコ・レオンとPK19回 リーグスカップ

 ホワイトキャップスはホームでメキシコのレオンと対戦。リーグスカップ第1戦はPK19回の死闘の末、メキシコに軍配が上がった。 

 リーグスカップ初戦、いきなりメキシコの強豪クラブ・レオンと当たったホワイトキャップス。バンクーバーでも大声援を受けるレオンと互角の戦いを見せ、試合は同点でPK戦に。GK高丘も見せ場を作ったが、一歩及ばなかった。

7月21日(BCプレース:17,391)

23分に先制されたホワイトキャップスは、前半終了間際の44分。Cordovaが落ち着いて決め同点とした。後半に入って、動きが良くなったキャップスは57分、再びCordovaが決め2-1とリード。しかし、77分にHernandezがミドルシュートを決め同点に。その後、両チーム決定弾が出ず、PK戦へ。後攻のキャップスは、GK高丘が止め、次を決めれば勝てるというチャンスを作ったが決められず、19回のPKの末、敗れた。

「勝ちたかった…」GK高丘

 試合後、GK高丘は「勝ちたかった」と何度か口にした。勝てるチャンスがあった試合だった。前半はレオンが試合を圧倒したがそれでも1-1の引き分けで折り返した。後半はリードした。しかし、2023年CONCACAF Champions League優勝チームはそう簡単には勝たせてくれなかった。

 77分に追いつかれると、試合はPK戦に。リーグスカップは必ず勝敗を決める。90分が終了して同点の場合は、延長戦はなく、そのままPK戦となる。

 この試合、結局19回目で決着した。勝ったのはレオン。後攻のホワイトキャップスは、先にレオンが決めたあと、Martinsが決められず試合は決定した。「外したキッカーは責任を感じていると思うので、僕がもっと早く止めて勝利に導きたかったなと思います」と高丘はチームメートをかばった。

 PK19回の間には高丘自身が蹴る場面もあった。19回までPKが続く経験をしたのも初めてなら、自身が蹴ったのも初めて。「たぶん初めてだと思う。まさか自分が蹴るくらいまで回ってくるとは思ってなかったので」と話したが、「まあ、落ち着いて蹴れたかなと思います」と自身のゴールを振り返った。「こういう大会が変わるときはPKの練習をするので、それを出せたかなと思います」と落ち着いていた。

 それでも最後に口をついて出たのは「勝ちたかった…」。相手が「チャンピオンズリーグの優勝チームでもありますし、能力も高かったですし、チームとしてもコンセプトがある相手でしたけれども、90分間を通して僕らも互角以上の戦いをできたと思いますし、そういうところは自信を持っていいと思うんで、次はアウェイですけど、いい準備をしたいなと思います」

 次は、7月29日にロサンゼルスでLAギャラクシーと対戦する。

注目のメッシがいきなり決勝ゴールで盛り上がるリーグスカップ

 リーグスカップは7月21日から始まった。ウエスト、イースト、セントラル、サウスの4地区に分かれ、ウエストが3グループ、他は4グループでグループラウンドを戦う。1グループは3チームで、上位2チームが次のラウンドに進む。

 ホワイトキャップスはウエスト3グループで、レオン、LAギャラクシーと対戦する。この日レギュラータイムで引き分けたため1ポイントを獲得した。次のLAギャラクシーに勝てば次のラウンドに進む可能性も十分にある。

 リーグスカップと言えば、同日にインター・マイアミCFでMLSデビューしたメッシがFKでいきなり決勝ゴールを決める活躍を見せ、注目を集めた。

 ホワイトキャップスがサウス3のマイアミと当たるには、決勝まで進む必要があるが、おもしろいトーナメントとなりそうだ。

(写真・ビデオ 斉藤光一/記事 三島直美)

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西川流四世家元 西川千雅さんに名取の「ごあいさつ」

(前方左から)西川佳洋、西川洋雪、西川洋香、西川流四世家元西川千雅師匠、(後方左から)西川流家元補佐西川陽子先生、西川流補佐西川まさ子先生。2023年5月18日、愛知県名古屋市。写真提供:西川流カナダ彩月会
(前方左から)西川佳洋、西川洋雪、西川洋香、西川流四世家元西川千雅師匠、(後方左から)西川流家元補佐西川陽子先生、西川流補佐西川まさ子先生。2023年5月18日、愛知県名古屋市。写真提供:西川流カナダ彩月会

 西川流師範西川佳洋(松野洋子)さん率いる彩月会から、西川洋香(リトンかおり)さん、西川洋雪(芦田有希子)さんが名取式を終え、会も西川流カナダ彩月会に改名した。

 バンクーバーで長く西川流の伝承に努めてきた佳洋さんにとっても、2人の名取はこれからもバンクーバーで西川流が受け継がれていく礎ができたことを意味する。

 今回は7月5日、日系文化センター・博物館で西川流カナダ彩月会の稽古が終わった後に、西川佳洋さん、洋香さん、洋雪さんに話を聞いた。後編は名古屋での舞踏披露や家元とのひと時について。

緊張した名古屋の家元の前での舞踊披露

 3人は、5月18日に「ごあいさつ」のために愛知県名古屋市の西川流西川会会館を訪問。洋香さんと洋雪さんは、師匠の西川流四世家元西川千雅さんらの前で稽古した踊りを披露した。

長唄 雨の五郎より「藪のうぐいす」・・西川洋香(ようか)。2023年5月18日、愛知県名古屋市。写真提供:西川流カナダ彩月会
長唄 雨の五郎より「藪のうぐいす」・・西川洋香(ようか)。2023年5月18日、愛知県名古屋市。写真提供:西川流カナダ彩月会

 家元の前で踊ったときの感想を聞くと「そりゃあ、緊張しましたよ」と洋香さん。「なんか久しぶりに忘れていた緊張感でした」と笑う。洋雪さんも「緊張しました」と微笑んだ。「私が踊った演目は『重ね扇』っていう(佳洋)先生が名取を取られたときと同じ演目だったんですけど。それも1カ月くらい前に『覚えなさい』と言われて、すごくがんばって家でお稽古しました」。「重ね扇」は上下運動が多いにもかかわらず動作がゆっくりなのだと言う。「だから、本番では、体が緊張してゆっくりの動きで手が震えたりしました」

端唄 重ね扇・・西川洋雪(ようせつ)。2023年5月18日、愛知県名古屋市。写真提供:西川流カナダ彩月会
端唄 重ね扇・・西川洋雪(ようせつ)。2023年5月18日、愛知県名古屋市。写真提供:西川流カナダ彩月会

 洋香さんも名古屋行きがトントンと決まって「藪のうぐいす」を稽古する時間が短かったと振り返る。「2カ月しかないうえに、お稽古はここ(日系センター)では1週間に1回しかないですから。自分のお稽古は2、3回って感じでしょうか...」と言う。

 大変な中で無事に終えた家元の前での披露。「ホッとしました。終わった~って感じで」と洋香さん。一方、洋雪さんは「自分でミスったなっていう場面が2、3カ所あって。ちょっと緊張して忘れちゃったなぁとか、気になりましたけど、でも終わったときは、あ~がんばってよかったなという達成感みたいなものはありました」と笑顔を見せた。

名取授与で頂いた西川流のお扇子を手にして・・西川洋香さん、西川洋雪さん。2023年5月18日、愛知県名古屋市。写真提供:西川流カナダ彩月会
名取授与で頂いた西川流のお扇子を手にして・・西川洋香さん、西川洋雪さん。2023年5月18日、愛知県名古屋市。写真提供:西川流カナダ彩月会

 佳洋さんは「私は自分が踊るより緊張して大変でした。(自分の名取は)60年前だったんですけど、私は本番になると結構平気なんです、踊りは。でも(2人の時は)緊張しました」と笑った。

 「一番緊張したのは(佳洋)先生かもしれないですね」と洋香さん。洋雪さんも「先生の、家元さんの家に行かれた時の行きの顔と帰りの顔が全然違うんです、写真で見ると。すごい緊張されていました」と師匠の緊張ぶりを楽しそうに話した。

 名古屋では西川流家元の西川千雅さんや家元補佐まさ子さん、家元補佐陽子さんに会い、それぞれに感じたことがあったという。佳洋さんは西川千雅さんに会ったのは初めて。「初めてお目にかかったんだけど、若くて、す~~~~~~っごい、いい人なの」と力が入る。色々な人から「千雅先生はものすごく優しいって聞いてたの。でもほんとにそう。優し~い人」と満面の笑みを浮かべて、写真も一緒に撮ったと自慢する。

西川流四世家元西川千雅師匠(左)と西川佳洋。2023年5月18日、愛知県名古屋市。写真提供:西川流カナダ彩月会
西川流四世家元西川千雅師匠(左)と西川佳洋。2023年5月18日、愛知県名古屋市。写真提供:西川流カナダ彩月会

 洋香さんも「すごくオープンマインドな人でした」との印象。「それに、みなさんとても歓迎してくださったんです。本当に温かく迎えてくださって。みなさんで喜んでくださっているというのがよくわかって。それで、少し緊張が和らいだところはありました」

 家元に踊りを披露する前に、本番の舞台を使わせてもらえたのだという。「よく遠くから来てくださって」という気持ちが見えたことに感謝した。

 西川流カナダ彩月会への名称変更を「家元さんがすごい喜んでくれているんです」と佳洋さん。会全体が西川流に入った感じで、洋香さんは「それがすごく意味があると思うんです」とバンクーバーで西川流が継承されていくことを噛みしめた。

 名取のエピソードは尽きないが、最後に気を引き締めて「名取」という意味に重みを感じると語る洋香さん。「『守破離(しゅはり)』という言葉に出合って『尊敬する指導者の教えを真似、続いて教えを破り、最後は独自の道に進む』という意味で、『学んだり、成長したりする過程を表している』ということなんだそうです。名取というのは長い歴史の中で芸を引き継いでいくために受け取るもので、何事もその道は深いですね」と語った。

西川流カナダ彩月会

約47年にわたりバンクーバーで西川流日本舞踊を教えている西川佳洋さんが、2011年に日系文化センター・博物館で教え始めたグループ「彩月会」から2023年6月16日に改名した。
稽古は、毎週水曜日、会場は日系文化センター・博物館
会員は現在20人、随時募集している
https://satsukikaibc.wixsite.com/satsukikai

左から、西川流家元補佐西川陽子先生、西川佳洋、西川洋香、西川洋雪、西川流四世家元西川千雅師匠、西川流補佐西川まさ子先生。2023年5月18日、愛知県名古屋市。写真提供:西川流カナダ彩月会
左から、西川流家元補佐西川陽子先生、西川佳洋、西川洋香、西川洋雪、西川流四世家元西川千雅師匠、西川流補佐西川まさ子先生。2023年5月18日、愛知県名古屋市。写真提供:西川流カナダ彩月会

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バンクーバーで西川流の芸をつなぐ「西川流カナダ彩月会」(前編)

左から、西川洋雪さん、佳洋さん、洋香さん。2023年5月18日、愛知県名古屋市。写真提供:西川流カナダ彩月会
左から、西川洋雪さん、佳洋さん、洋香さん。2023年5月18日、愛知県名古屋市。写真提供:西川流カナダ彩月会
左から、西川洋雪さん、佳洋さん、洋香さん。2023年5月18日、愛知県名古屋市。写真提供:西川流カナダ彩月会
左から、西川洋雪さん、佳洋さん、洋香さん。2023年5月18日、愛知県名古屋市。写真提供:西川流カナダ彩月会

 西川流師範西川佳洋(松野洋子)さん率いる彩月会から、西川洋香(リトンかおり)さん、西川洋雪(芦田有希子)さんが名取式を終え、会も西川流カナダ彩月会に改名した。

 バンクーバーで長く西川流の伝承に努めてきた佳洋さんにとっても、2人の名取はこれからもバンクーバーで西川流が受け継がれていく礎ができたことを意味する。

 今回は7月5日、日系文化センター・博物館で西川流カナダ彩月会の稽古が終わった後に、西川佳洋さん、洋香さん、洋雪さんに話を聞いた。

2人にとって名取は通過点

 リトンかおりさん、芦田有希子さんは佳洋さんの「洋」を引き継ぎ、それぞれ西川洋香、西川洋雪として、次の一歩を踏み出した。

 名取後について洋香さんは、「私自身はなにも変わらないですね。まだ実感がないんで(笑)。たぶん今まで通り。でも(佳洋)先生にお稽古をつけていただく中で、少しでも進歩できればいいかなって。そんな気持ちです」と語った。

 佳洋さんは、「これで西川の苗字に入ったから、大っぴらにかおり(洋香)さんもできるから大丈夫です」と笑う。「できる」とは佳洋さんの代役。これまでも「代役」として会を支えてきた。だから「これからは(名取として)大っぴらに」とうれしそうだ。「先生が優しい分、私が厳しく…」と返す洋香さん。信頼関係は強い。

 洋雪さんは「私はまだ勉強中なので、新しい踊りも覚えたいし、古典をもうちょっと勉強しないとダメだなって思います。まだ発展途上なのでお稽古させていただきたいと思っています」と気を引き締める。

 「有希子(洋雪)さんは前から日にちがたてばお稽古して(苗字を)いただきたいっていう話はしてたの」と佳洋さんは目を細める。若い人に芸を引き継ぐことは師範として自分の役割の一つが果たせることになるのだろう。

 今回2人の名取が同時に実現したのは、彩月会を支えてきたリトンかおりさんの名取希望からだったと佳洋さんは振り返った。「なんのきっかけか忘れちゃったけど、かおりさんがわたしも西川の苗字内に入りたいって。それですぐ1月18日に家元さんに手紙を書いて。名古屋まで行けませんけど、と説明して。そしたら、私の推薦だから大丈夫ですって」

 それから4月1日にはオンラインで名取式が行われ、正式に西川洋香、洋雪となった。佳洋さんは以前のコメントで、「特に『彩月会』のまとめ役のリトンかおりさんが西川の苗字内に入ってくれまして私としてはとてもうれしいです」と語っている。

 彩月会を支え、西川流を引き継ぐ、2人の名取は西川佳洋さんにとって格別だったようだ。

西川流カナダ彩月会

約47年にわたりバンクーバーで西川流日本舞踊を教えている西川佳洋さんが、2011年に日系文化センター・博物館で教え始めたグループ「彩月会」から2023年6月16日に改名した。
稽古は毎週水曜日、会場は日系文化センター・博物館
会員は現在20人、随時募集している
https://satsukikaibc.wixsite.com/satsukikai

*後編「緊張した名古屋の家元の前での舞踊披露」は、7月21日発行の新聞「日加トゥデイ」に掲載。西川流四世家元西川千雅さんインタビュー動画も同時公開。

長唄 雨の五郎より「藪のうぐいす」・・西川洋香(ようか)。2023年5月18日、愛知県名古屋市。写真提供:西川流カナダ彩月会
長唄 雨の五郎より「藪のうぐいす」・・西川洋香(ようか)。2023年5月18日、愛知県名古屋市。写真提供:西川流カナダ彩月会
端唄 重ね扇・・西川洋雪(ようせつ)。2023年5月18日、愛知県名古屋市。写真提供:西川流カナダ彩月会
端唄 重ね扇・・西川洋雪(ようせつ)。2023年5月18日、愛知県名古屋市。写真提供:西川流カナダ彩月会

(取材 三島直美)

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ソフトボール女子日本代表、カナダカップ優勝!!

2023年カナダカップ完全優勝を果たした日本代表。2023年7月16日、サレー市ソフトボール・シティ。
2023年カナダカップ完全優勝を果たした日本代表。2023年7月16日、サレー市ソフトボール・シティ。

 ソフトボール・シティで開催された女子ソフトボール国際大会Canada Cup International Softball Championshipの決勝が7月16日に行われ、日本が優勝した。

 今大会はアメリカ代表が不参加で、決勝の相手はアメリカから参加のTCコロラド。宇津木麗華監督率いる日本は、4回に2点、5回ににも2点追加、投げては三輪さくら、上野由岐子両投手が1点も許すことなく4-0の完封勝ち。トーナメントを通して10戦全勝、北京、東京五輪で金メダルに輝いた実力を見せた。MVPには工藤環奈選手が選ばれた。3位はイタリア、カナダは4位。

優勝カップを受け取る宇津木麗華監督(右)とカナダカップ代表Greg Timm氏。2023年7月16日、サレー市ソフトボール・シティ。Photo by D. Laird Allan/Sportswave.ca
優勝カップを受け取る宇津木麗華監督(右)とカナダカップ代表Greg Timm氏。2023年7月16日、サレー市ソフトボール・シティ。Photo by D. Laird Allan/Sportswave.ca

 今年は世界各地から8チームが参加。7月10日から1週間、ソフトボール・シティで熱い戦いが繰り広げられた。

 トーナメントは、他にも7月7日から始まったU-19やU-18のユースが参加するフィーチャーズ(ゴールド・セレクト)、ショーケース(ゴールド・セレクト)も同会場ほかで同時進行。今年はU-19ウクライナが参加、支援の輪が広がった。

 バンクーバー市郊外サレー市にあるソルトボール・シティは球場が4面あり、2016年にはWBSC世界女子ソフトボール選手権も開催されている。新型コロナウイルス感染拡大や東京五輪出場準備などがあり今大会に参加するのは2017年以来だが、それまでは毎年必ず参加していた日本代表。バンクーバーにファンも多い。特に今年も出場した上野由岐子投手にはいつもサインを求める子どもたちや選手が周りを囲むほど。カナダカップは宇津木妙子監督時代から日本代表にとってもかかわりが深い。

 東京五輪以降は正式種目から外れる女子ソフトボールにとって貴重な国際大会としての役割も期待されている。

先発した三輪さくら投手。2023年7月16日、サレー市ソフトボール・シティ。Photo by D. Laird Allan/Sportswave.ca
先発した三輪さくら投手。2023年7月16日、サレー市ソフトボール・シティ。Photo by D. Laird Allan/Sportswave.ca
緊迫した決勝戦。2023年7月16日、サレー市ソフトボール・シティ。Photo by D. Laird Allan/Sportswave.ca
緊迫した決勝戦。2023年7月16日、サレー市ソフトボール・シティ。Photo by D. Laird Allan/Sportswave.ca
日本(優勝)、TCコロラド(2位)、イタリア(3位)の選手、関係者らが記念撮影。2023年7月16日、サレー市ソフトボール・シティ。Photo by D. Laird Allan/Sportswave.ca
日本(優勝)、TCコロラド(2位)、イタリア(3位)の選手、関係者らが記念撮影。2023年7月16日、サレー市ソフトボール・シティ。Photo by D. Laird Allan/Sportswave.ca

(記事 編集部)

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ホワイトキャップス勝利も、勝ち方にこだわるGK高丘

 快勝という内容ではなかったが、ホワイトキャップスはホームで2試合連続の勝ち点3を獲得。前半戦を終え西カンファレンス7位で折り返すことになった。

7月15日(BCプレース:18,354)

バンクーバー・ホワイトキャップスFC 4-2 LAギャラクシー

ホワイトキャップスが試合開始早々からポンポンポンと3得点した。最初のゴールは開始2分、White(#24)が決め1-0。10分にはキャプテンGauld(#25)、22分には相手選手がレッドカードで退場、そのPKのチャンスに再びGauldが決め3-0として前半を終えた。後半に入るとギャラクシーが61分、74分にゴールして3-2。キャップスは76分にWhiteと交代したCordova(#9)がアディショナルタイムの94分に決めて4-2で勝利した。

大量点のあとの拙攻は教訓に

 GK高丘は「前半はいい戦い方ができたと思いますし、入り方も含め集中して。3点も入れましたし、前半に関しては良かったと思いますけど、後半の試合運びのところでは到底満足できるものではないですし、未熟さが出てしまったなという印象です」と試合を振り返った。自分の足の間を抜けてゴールされた2点目のあとには、相当悔しがっていた。

 試合開始から3点を連続で決めたことについては「相手もあまり立ち上がり集中していないように見えたので」と相手の隙をついての3得点だったと分析した。

 この日、チームの指揮を執ったのはMichael D’Agostinoコーチ。Vanni Sartini監督が出場停止だったため代役を務めた。「流れが途中で変わる中で(指揮が)難しい試合だった」とD’Agostinoコーチ。後半については「チームプランよりも選手が個人プレーに走った感じがあった」と振り返った。

 22分に相手選手が退場した後、1人多いアドバンテージがあったにもかかわらず、クロスバーに当たるなどの不運もあり、なかなか追加点が奪えない中で、2点を取られる脆さが露呈した。「3-0とリードしているとそういう気持ちも分かるが、今日の試合はいい教訓になったと思う」と笑顔を見せた。

リーグ前半戦を7位で折り返し、後半はほぼアウェイで戦うことに

 ホワイトキャップスは15日の試合で前半戦を終了。MLSオールスターゲーム、リーグスカップをはさんで、MLSレギュラーシーズンが始まるのは8月後半となる。

 ここまで22試合を終え、8勝7敗7分、31ポイントで、現在西カンファレンス7位につけている。

 今季のキャップスはホームでは7勝2敗4分と強いが、アウェイではまだ1勝のみで、5敗3分とかなり負け越している。

 しかも後半戦は、ほぼアウェイという過酷な日程。ホームゲームは4試合しかない。前半戦のようにアウェイ1勝5敗ペースではプレーオフはかなり厳しい。

 GK高丘は、「試合数が少なくなってくる後半戦は、アウェイでしっかり勝ち点をどうやって拾っていけるかというのは大事なポイントになってくるかなと思います」と試合後に語った。

 チームは21日にリーグスカップでメキシコのClub LeonとBCプレースで対戦する。試合に出るメンバーはまだわからないがと断ったうえで、「チームにとって成長する場だと思うので、しっかり勝って上のラウンドにもいきたいですし、そこでもしっかり結果を求めてやっていきたいと思います」と語った。

 リーグスカップは7月21日から8月19日まで行われるCONCACAF(北中米カリブ海サッカー連盟)の公式大会。LIGA MX(メキシコのプロリーグ)から18、MLSから29の47チームがワールドカップ形式のトーナメントを戦い、3チームが2024年のCONCACAF Champions Leagueの出場権を得る。

レギュラーシーズン終了までのホームゲームhttps://www.whitecapsfc.com/

7月21日(金)7:30pm Club Leon戦(Leagues Cup)
8月20日(日)7:30pm サンノゼ・アースクエイク戦
9月30日(土)7:30pm D.C.ユナイテッド戦
10月4日(水)7:30pm セントルイスシティSC戦
10月21日(土)6:00pm LAFC戦

前半、際どいシュートに反応するGK高丘。バンクーバー・ホワイトキャップスFC対LAギャラクシー。2023年7月15日、BCプレース。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
前半、際どいシュートに反応するGK高丘。バンクーバー・ホワイトキャップスFC対LAギャラクシー。2023年7月15日、BCプレース。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
後半74分、GK高丘、痛恨の2失点目。バンクーバー・ホワイトキャップスFC対LAギャラクシー。2023年7月15日、BCプレース。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
後半74分、GK高丘、痛恨の2失点目。バンクーバー・ホワイトキャップスFC対LAギャラクシー。2023年7月15日、BCプレース。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today

(動画・写真 斉藤光一/記事 三島直美)

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日本語認知症サポート協会より「オンライン de Cafe・笑いヨガ」のお知らせ

「笑顔の力」を引き出そう〜「笑いヨガ」で、元気な心と体づくり〜

毎月、「笑いヨガ」を行っています。自宅にいながら参加できる、オンラインでのセッションです。
興味のある方、初めての方も大歓迎。楽しく一緒に笑いましょう!

日時:2023年8月17日(木)午後8時〜午後9時
会場:Zoom
参加費:初回無料、2回目からドネーション(e-Transfer、PayPalまたは小切手にて)
申し込み締め切り:2023年8月15日(火)

申し込みリンクhttps://forms.gle/q8iqgXCTNdSmPoqf9

*お申し込みいただいた方には、追って、参加方法をご案内いたします。

お問い合わせ先orangecafevancouver@gmail.com

主催:日本語認知症サポート協会(Japanese Dementia Support Association)
http://www.japanesedementiasupport.com

パリと東京の風を感じる和モダンなペイストリーをバンクーバーに

 ペイストリーショップ ❛Le Pont❜ がウエストバンクーバーに5月30日、オープンした。自然光が優しく降り注ぐ明るい店内に、カラフルな一口サイズのエクレアが並ぶ。

 ウエストバンクーバーの人気スポット、アンブルサイドから徒歩5分。CEO本庄周(あまね)さんは「このすばらしい環境の地域にお店をオープンできたことをうれしく思います」と笑顔がはじけた。

フランスのミシュラン星ペイストリー店で修業したパティシエが手がける「フレーバーエクレア」

 本庄さんが勧めるのは、8種類のフレーバーが楽しめる一口サイズのエクレア。「皆さんにたくさんの味を楽しんでいただくためにミニサイズでご用意しました」。グリーンがあったり、ピンクやチョコのクリームがシューから覗いていたりと、見た目もカラフルで楽しい。「今人気なのはジャパニーズティ・フレーバーと言って、抹茶とか、ほうじ茶が入ったティフレーバーセットです」と本庄さん。他にも8種類のフレーバー全てが入ったボックスも人気と言う。

 手がけているのは、エグゼクティブシェフの山口良(まこと)さん。パリのル・コルドン・ブルー(Le Cordon Bleu)を首席で卒業し、フランスのさまざまなミシュラン星店を含むペイストリーショップで修行した経歴を持つ。東京世田谷では15年以上ペイストリーショップを経営し、日本の人気料理番組3分クッキングなどにも出演する、よく知られたパティシエと紹介する。

 エクレアのほかにも、さまざまな種類の焼き菓子も用意され、特別なケーキの注文も受け付けている。

店内は和紙を使った照明で柔らかな雰囲気を演出

 店に入ると丸い照明が目を引く。有名な日系アメリカ人彫刻家イサム・ノグチの照明彫刻Akariだ。日本の和紙を使った照明で「内装でこだわったところの一つ」という。「カナダでペイストリーショップを作る中でもおもしろいかなと思っています」。内装を手がけたのはバンクーバーのCANADOO Enterprises。

 また、奥のコーヒーカウンターには、壁に、山口良エクゼクティブシェフのヒストリーを写真で紹介したり、店の名前Le Pontにちなんだ「橋」をモチーフにしたイラストや、エクレアなどLe Pontの商品のイラストも飾っている。「お店の商品をプロのイラストレーターさんに書いていただいたかわいい絵もちょっと見ていただけたらなと思っています」と本庄さん。

 山口エクゼクティブシェフやスタッフと共に、美味しいペイストリーだけでなく、和のテイストを活かした温かい雰囲気づくりで、訪れた人を迎え入れている。

 本庄さんは、「これからもいいお店作りをめざしていきます。どうぞお越しください」と笑顔を見せた。

Le Pont -Patisserie-

住所:230 15th Street, West Vancouver, BC
営業時間:火~日 午前10時~午後7時
TEL:236-335-0019
Email:info@patisserielepont.ca
ウェブサイト: https://patisserielepont.ca

CANADOO Enterprises Inc.

住所:120-3855 Henning Dr., Burnaby, BC
TEL:604-687-6252
ウェブサイト: https://canadoo.ca/

‘Le Pont’の一口サイズ「フレーバーエクレア」。Photo by Koichi Saito
‘Le Pont’の一口サイズ「フレーバーエクレア」。Photo by Koichi Saito

(動画 斉藤光一/記事 編集部)

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パウエル祭は今年も見どころ満載!
8月5日、6日に開催!!

パウエル祭が最も盛り上がる相撲大会。女子決勝戦!2022年7月31日、オッペンハイマー公園。Photo by Japan Canada Today
パウエル祭が最も盛り上がる相撲大会。女子決勝戦!2022年7月31日、オッペンハイマー公園。Photo by Japan Canada Today

 バンクーバーもいよいよ夏本番!これから夏のイベントが目白押し。なかでも注目はやっぱり日系のお祭り「パウエル祭」。今年47回目を迎えるバンクーバーの夏の風物詩。

 「パウエル祭」を運営するパウエルストリート・フェスティバル・ソサエティは、7月6日に全日程を発表。早速プログラム・コーディネーターの小西実樹さんに今年の見どころを聞いた。

日本から参加するパフォーマーがすごい

 小西さんは、「今年は日本から参加してくれるパフォーマーに注目です」と切り出した。最初に紹介したのは、鏡味味千代さんの「大神楽」。ポンポンブラザーズの鏡味勇二郎氏に弟子入りして芸を磨いた鏡味さんは、これまでも海外での公演も多く、今回初めてパウエル祭で公演する。8月6日午後3時から3時30分までファイアーホール劇場で。

 次はがらりと変わり、今人気急上昇中というJ-popグループ「EPITHYMiA」(エビシミア)。5人組の男性グループで、パウエル祭での公演はデビュー前の北米ツアーだとか。「EPITHYMiA」はギリシャ語で「願い」という意味だという。パフォーマンスは5日6時30分からダイアモンドステージで。

 ほかにはトロントから参加のten tenもおススメと小西さん。三味線、太鼓、篠笛、尺八という日本の伝統楽器で民謡にインスピレーションを受けたオリジナル音楽を演奏するトリオ。小西さんによると「鏡味さんと一緒に獅子舞の紹介をしてくれます」と言う。こちらも要チェックだ。

毎年参加のバンクーバー日系コミュニティのプログラムも健在

バンクーバー沖縄太鼓。2022年7月30日ストリートステージ(ジャクソン&アレキサンダー通り)Photo by Japan Canada Today
バンクーバー沖縄太鼓。2022年7月30日ストリートステージ(ジャクソン&アレキサンダー通り)Photo by Japan Canada Today

 小西さんは「多くの団体や個人の方が毎年参加してくれるのでとても楽しいです」という。ただ、新しいプログラムと恒例プログラムのバランスの取るのが「なかなか大変です」と笑う。

 パウエル祭で人気のパフォーマンスは和太鼓。今年は和太鼓グループが多く参加している。その他では、もちろん、「お神輿、相撲大会などは人気で、今年も開催されます」。綱引きやスイカ割もある。

 ほかに注目は子どもが楽しめるプログラムが充実していること。今年は、バンクーバー日本語学校で、H.R.マックミラン・スペースセンターとのコラボによる「プラネタリウムで七夕」、「プラネタリウムで日系書籍朗読」が開催される。もちろん大人も楽しめるとのこと。当日会場での事前申し込みが必要。

 珍しいところでは、ドキュメンタリーフィルムの上映会も紹介した。「ノモト:B.C.の悲劇」というタイトルで、6日にファイアーホール劇場で上映される。

当日は水分補給など体調管理に十分注意して楽しんで

夏祭りに欠かせないかき氷。バンクーバーで宇治金時。The Powell Street Festival in 2018
夏祭りに欠かせないかき氷。バンクーバーで宇治金時。The Powell Street Festival in 2018

 パウエル祭と言えば、やっぱり日本フード。毎年ズラリと並ぶ屋台には、たこ焼き、焼きそば、お好み焼き、焼き鳥、夏に欠かせないかき氷に、アイスクリーム、他に甘味ならまんじゅう、クレープなどなど、選ぶのに困るほど。

 毎年充実したプログラムのパウエル祭は、2日間では全てを回るのは不可能。小西さんは、「パウエル祭のいいところはプログラムがどれも無料なところです。事前にプログラムをチェックして、興味があるところから回るのがお勧めです」と笑う。

 また「当日は暑くなることが多いので、水分補給など体調管理に十分注意して楽しんでほしいです」と話した。

パウエル祭

日時:8月5日、6日 11:30 am – 7:00 pm
会場:オッペンハイマー公園、バンクーバー仏教会、ファイアーホール劇場、バンクーバー日本語学校(公園や学校の周辺の通りも歩行者天国で会場となっている)
ウェブサイトhttps://powellstreetfestival.com/
*ウェブサイト・プログラムページ(https://powellstreetfestival.com/all-festival-events/)から、2日間の日程表(日英語併記)と会場マップのPDFがダウンロードできる。

人気の隣組ブース、着物コーナーで。2022年7月30日オッペンハイマー公園。Photo by Japan Canada Today
人気の隣組ブース、着物コーナーで。2022年7月30日オッペンハイマー公園。Photo by Japan Canada Today
パウエル祭前半の人気イベント神輿。2022年7月30日、オッペンハイマー公園。Photo by Japan Canada Today
パウエル祭前半の人気イベント神輿。2022年7月30日、オッペンハイマー公園。Photo by Japan Canada Today
武仙会カナダのデモ。2022年7月30日オッペンハイマー公園。Photo by Japan Canada Today
武仙会カナダのデモ。2022年7月30日オッペンハイマー公園。Photo by Japan Canada Today
フード店前にはいつも行列が...。Photo by Japan Canada Today
フード店前にはいつも行列が…。Photo by Japan Canada Today

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GK高丘アシストも、チームはサウンダーズに逆転負け

GK高丘、試合後にロッカールームの前で。シアトル・サウンダーズ戦。2023年7月8日、BCプレース。Photo by Japan Canada Today
GK高丘、試合後にロッカールームの前で。シアトル・サウンダーズ戦。2023年7月8日、BCプレース。Photo by Japan Canada Today

 再三のリードも勝ちにつながらなかった。バンクーバー・ホワイトキャップスFCはBCプレースにシアトル・サウンダーズを迎えた。カスケディア対決となったこの日、ホワイトキャップスはアディショナルタイムに逆転を許し黒星を喫した。

7月8日(BCプレース:16,399)

バンクーバー・ホワイトキャップスFC 2-3 シアトル・サウンダーズ

先制はホワイトキャップス。24分にキャプテンGauld(#25)のFKからVeselinovic(#4)がヘッドで合わせて右隅にゴール。34分にもシュートが決まったかに見えたがオフサイドでノーゴールとなり、前半を1-0で終えた。後半に入り、サウンダーズは60分に同点に追いつく。それでも72分にはGK高丘からの縦パスがつながりGauldがゴール。再び突き放した。しかし、サウンダーズは76分に同点とすると、91分に逆転ゴールを決め、終了のホイッスル。ホワイトキャップスがレギュラーシーズンをホームで負けたのは開幕戦2月25日のリアル・ソルトレイク以来、2試合目となった。

ホームでは勝ち点3を取りたかった

 試合後、高丘からは反省の言葉しかでなかった。「ホームですし、勝ち点3を取りたかったですけど。取れそうだったけど、手からこぼれ落ちてしまったというか、もったいないゲームだったというか。甘さというかちょっとした隙が出てしまった試合かなと思います」

 レギュラーシーズンこれまでホームで3失点したことはない。「後半に入ってゲームをコントロールできなかったというのもそうですし、守備のところでプレッシングだったり、後半は相手がゲームをコントロールしていたと思うんで、後半は反省するところがたくさんあったなと思います」

 この日は今季初めてアシストが付いた。72分にホワイトキャップスがあげた2点目。高丘の縦パスを中盤でWhite(#24)がヘディングでつないで前線にいたGauldがゴールを決めた。それでも守りで納得がいっていない。

 「最近、無失点の試合があんまりないので、自分としてはやっぱり気になるところではあるんで、復習しても続いてしまってるんで、そこのところは自分でも修正して。いくら2点、3点取ってくれても、それ以上失点してしまっては勝てないので。中3日ですけど、またホームでできるので、無失点で勝てるようにいい準備したいです」

LAFC戦に今季アウェイで初勝利

 6月24日にロサンゼルスで行われたロサンゼルスFC戦。それまでまだアウェイで1勝もできていなかったホワイトキャップスがようやくアウェイ初白星をあげた。

 結果は3-2。高丘は「90分間を通したチームのパフォーマンスも良かったですし、2失点してしまいましたけど、90分間通して、自分たちがある程度ゲームをコントロールできたと思うんで。そういったところで、アウェイ初勝利ということもありますけど、非常に大きい勝ちだったと思います」

 ただ、それから2連敗していることを反省し、「あれをベースにと言いますか、上下動が多少あるんで、少しでもなくしていかなくてはいけないかなと思います」

7月、8月のホームゲームhttps://www.whitecapsfc.com/

7月12日(水)7:30pm オースティンFC
7月15日(土)7:30pm ロサンゼルス・ギャラクシー
7月21日(金)7:30pm クラブ・リオン(リーグスカップ)
8月20日(日)7:30pm サンノゼ・アースクエイクス

(記事 三島直美)

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