桜楓会、総会および新年会3年ぶりの対面開催に笑顔が弾ける

 バンクーバー桜楓会の年次総会および新年会が1月12日、ブリティッシュ・コロンビア州バーナビー市の日系文化センター・博物館で開催された。

 桜楓会では毎年1月に新年会が開かれていたが、新型コロナウイルス感染症対策のため中止やオンライン開催が重なり、対面での新年会開催は3年ぶりとなった。

 当日は60人以上の会員が出席。参加者たちは新年のあいさつを交わしながら、和やかな雰囲気で団らんの時間を楽しんだ。

久保会長が継続

久保克己会長によるあいさつ。2023年1月12日、日系文化センター・博物館。Photo by ©Koichi Saito
久保克己会長によるあいさつ。2023年1月12日、日系文化センター・博物館。Photo by ©Koichi Saito

 総会は、役員の大西眞雄さんの司会で穏やかに進められた。昨年度に実施された行事や会計報告などが行われ、2022年度は新型コロナの影響で引き続き中止になった行事もあったが、今年は秋のバス旅行など状況を見ながら徐々に解禁する予定を確認した。

 続いて、2年に一度行われる会長選挙も実施された。会長を過去最も長く務めた桑原誠也名誉会長の紹介の後、今後2年間も久保克己会長が継続することが発表された。これで会長歴は10年となる。

 久保会長は、この任期を最後にすべく後任を探し、この2年間も全力で取り組んでいきたいと話した。

 9人中8人の役員が留任することも決定。役員のひとり大西さんは、日本へ帰国のため役員として務めた14年間の幕を閉じることを決断したという。2009年に桜楓会に入会し2016年から副会長として桜楓会を支えてきた。久保会長も感謝の言葉を述べ、副会長は松尾健一さんに引き継がれた。

久保会長「第二の人生をこの場所で楽しく安全に、かつ有意義に」

 久保会長に桜楓会の抱負を聞いた。55歳以上のメンバーで構成されている桜楓会では、「第二の人生をこの場所で楽しく安全に、かつ有意義にするべく、セミナーや旅行、懇親会を通して情報を交換したりしながら絆を深めていきたい」と語った。また、個人としての抱負は、「記憶に残ることをたくさんしていきたい。昨年からゴルフを楽しんでいて、今年もまた日本に帰ることも考えている」と笑顔を見せた。

 毎年2回開かれる懇親会は同窓会のようでもあり、2021年にはZOOM開催となったが60人から70人が参加したという。対面でなくても出席率が高いことから会員間の仲の良さが伺えたと喜んだ。

 次回の懇親会は8月に開催予定。行事としては3月から4月にかけてメンバーで新緑と桜を楽しむ「歩こう会」も予定している。

久しぶりにみんなで集まった新年会、彩月会が花を添える

開会式であいさつをする丸山総領事。2023年1月12日、日系文化センター・博物館。Photo by ©Koichi Saito
開会式であいさつをする丸山総領事。2023年1月12日、日系文化センター・博物館。Photo by ©Koichi Saito

 在バンクーバー日本国総領事館・丸山浩平総領事も出席した。

 あいさつでは「花々がそれぞれの場所で争うことなくきれいな花を咲かせる」という意味を持つ「桜梅桃李」の言葉から、桜楓会がこれまで日本とカナダの間でどのような親睦の役割を果たしてきたのかを想像したという。「みなさまお元気で、すばらしい1年をお過ごしくださいますようお祈りしております」と桜楓会の健勝を願った。

 また新年会では、西川流師範・西川佳洋(松野洋子)さんが指南する彩月会(さつきかい)が三味線奏者・秋元麻依さんとのコラボレーションによる歌と踊りのパフォーマンスを披露した。彩月会には桜楓会の役員でもある吉武真理さんも加わり、3人の優雅で艶やかな舞に秋元さんの三味線と華やかな歌声が組み合わさり、バーナビー市の会場は趣ある日本の雰囲気に包まれた。

 そのほかお座敷遊びの「トラ・トラ」やクイズ大会も行われ、参加者らも手を取り合って立ち上がり、踊りや手拍子で和気あいあいと盛り上がった。

西川佳洋さんと三味線・秋元さんとのコラボ「梅は咲いたか」。2023年1月12日、日系文化センター・博物館。Photo by ©Koichi Saito
西川佳洋さんと三味線・秋元さんとのコラボ「梅は咲いたか」。2023年1月12日、日系文化センター・博物館。Photo by ©Koichi Saito

バンクーバー桜楓会

 満55歳以上の日本語を話す人を会員としており、1985年に「退職移住者の会」として発足した。今年2月で38周年を迎える。新年会のほか、暖かい季節には桜や初夏の香りを楽しむ「歩こう会」やブルーベリー摘みなどのイベント、芸術や健康などについて学べる教養講座など、BC州で生活している会員同士の親睦を深め、生活を充実させるための情報交換の場となっている。

彩月会による「元禄花見踊り」。左から、吉武真理さん、リトンかおりさん、西川佳洋さん。2023年1月12日、日系文化センター・博物館。Photo by ©Koichi Saito
彩月会による「元禄花見踊り」。左から、吉武真理さん、リトンかおりさん、西川佳洋さん。2023年1月12日、日系文化センター・博物館。Photo by ©Koichi Saito
秋元麻依さんの三味線がリードする、お座敷遊び「トラ・トラ」。2023年1月12日、日系文化センター・博物館。Photo by ©Koichi Saito
秋元麻依さんの三味線がリードする、お座敷遊び「トラ・トラ」。2023年1月12日、日系文化センター・博物館。Photo by ©Koichi Saito
立ち上がって手拍子とともに「北国の春」を歌って踊る参加者たち。2023年1月12日、日系文化センター・博物館。Photo by ©Koichi Saito
立ち上がって手拍子とともに「北国の春」を歌って踊る参加者たち。2023年1月12日、日系文化センター・博物館。Photo by ©Koichi Saito

(取材 池田茜音 / 写真 斉藤光一)

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