MLS日本人対決が実現、ホワイトキャップスは引き分けに

GK高丘陽平選手、FCシンシナティとの試合終了後にロッカールームの前で。2023年6月10日、BCプレース。Photo by Japan Canada Today
GK高丘陽平選手、FCシンシナティとの試合終了後にロッカールームの前で。2023年6月10日、BCプレース。Photo by Japan Canada Today

 バンクーバーでMLS日本人対決が実現した。GK高丘陽平を擁するホワイトキャップスは6月10日、FW久保裕也が所属するFCシンシナティと対戦。フォワード対ゴールキーパーのまさに「直接対決」を期待した。

6月10日(BCプレース:16,086)

バンクーバー・ホワイトキャップスFC 1-1 FCシンシナティ

前半からホワイトキャップスが得点機会を作り優勢に試合を進めるが相手GKの攻守に阻まれ得点できず。シンシナティもGK高丘の活躍もあり無得点で、前半を終える。試合が動いたのは83分。シンシナティAcostaが決め0-1。しかしキャップスはPKのチャンスを得てGauldがゴールし89分に同点に追いついた。

「相手がどこでもホームであるなら勝ち点3は取っていきたい」

 FCシンシナティは現在東カンファレンス1位。アウェイでも3勝1敗4分で、今季この1敗が唯一の黒星という強さ。GK高丘は「東の1位で大変でしたけど、相手がどこでもホームであるなら勝ち点3は取っていきたいなと僕自身は思っています」とホームでの勝ちにこだわった。

 ホワイトキャップスは序盤から積極的に攻めて、得点好機を何度も作った。しかし、なかなか得点できない。先制したのはシンシナティ。Acostaがネット左前から放ったシュートはゆっくりとした弧を描いてGK高丘の頭上を越え、吸い込まれるように右隅に。猛攻を続けてきたキャップスの一瞬のエアポケットのような時間に相手ゴールが決まった。結果的にはキャップスがPKのチャンスを得て試合終了間際に同点に追いついて引き分けたが、内容と結果のギャップにしっくりこない後味の悪さが残った。

 「僕らがボールをほとんど持ってましたし、そういう意味ではホームであればやっぱり勝っていかないといけないな」と高丘。「しっかり最後勝ちきれるようなチームになっていきたいです。僕自身も、ここ最近は毎試合失点が続いてしまっているので、もう 1 回無失点の試合をやって、僕自身もそうですし、チームも、無失点がどれだけ大事かってことを習慣づけないといけない。そういう意味では悔しい試合ではありました」と反省が口をついた。

北米で日本人ががんばっているということを発信していきたい

 バンクーバーでMLS日本人対決が実現した。試合中、久保はなんどもシュート機会をうかがうがシュートできたのは68分。キャップスのディフェンスに阻まれ、GK高丘までは届かなかったが、日本人対決が実現した。前半途中にはネット前で2人が並ぶ場面も。

 今季最初で最後のMLS日本人対決に高丘は「初めての感覚だったんで、なんか変な感じというか、(そんな感じ)はしましたけど、こうやってこの地で日本人選手ががんばってるんだってところを僕自身も発信していきたいなと思ってましたし、こっちで対戦できたのは1つ大きいというか、思い出の1つにはなったかなと思います」とこの日の対戦を振り返った。

 久保のプレーについては、「相手のシステム的にも、うちのディフェンスラインと中盤の間で嫌なところで受けるシーンがやっぱり多かったですし、そこをターンして仕掛けてくるっていうところはチームとしても警戒していたので、やっぱりクオリティがあるなと思っていました」と言う。「もともと代表のキャリアもある選手ですし、すばらしい選手であることは間違いないので、これからも切磋琢磨してやっていけたらと思います」と次の対戦を楽しみにしていた。

 試合終了後にはフィールドで高丘が久保に歩み寄って、2人で話していた。MLS入団について相談したのも久保だった。「本当にこっちに来る時に、たくさん相談に乗っていただいたんで、そういったところの感謝を伝えさせてもらったっていうのと、近況報告というかお互いに話したっていう感じですね」と笑顔を見せた。

6月はアウェイで今季初勝利を

 ホワイトキャップスはここまで17試合を戦って5勝5敗7分け22ポイントで西カンファレンス6位につけている。ただ、アウェイでは1勝もなく4敗3分け。

 チームは今週休養を取った後、6月21日コロラド・ラピッズ、6月24日ロサンゼルスFC、7月1日スポーティングKCと3試合アウェイが続く。どうしてもアウェイ初白星がほしいところ。

 「アウェイで勝ち点3を取れてないっていうのは、僕自身も引っかかるポイントであります」と高丘。ホームとアウェイで気持ち的に違うのかと問うと、「う~ん、ホームと同じようなメンタリティーというか勢いというか」と特に違いはないと言う。ただ、「アウェイゲームがよりアウェイゲームの感じをするというか。日本だとアウェイゲームはそんなにアウェイじゃない感じがするんですけど、こっちはアウェイゲームの位置づけが多少違うのかなっていうところは感じるんで、そこを踏まえつつ、勝ち点3を取れるようにしていきたいなと思います」と語った。

7月・8月のホームゲームhttps://www.whitecapsfc.com/

7月8日(土)7:30pm シアトル・サウンダーズFC
7月12日(水)7:30pm オースティンFC
7月15日(土)7:30pm ロサンゼルス・ギャラクシー
7月21日(金)7:30pm クラブ・リオン(リーグスカップ)
8月20日(日)7:30pm サンノゼ・アースクエイク

(記事 三島直美)

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