日本人薬剤師の佐藤厚さん、BC州薬剤師協会のBowl of Hygeia賞を受賞

授賞式で受け取った表彰盾を手に、佐藤厚さん。写真提供 佐藤厚さん
授賞式で受け取った表彰盾を手に、佐藤厚さん。写真提供 佐藤厚さん

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州薬剤師協会(BC Pharmacy Association)が5月2日、地域に貢献した薬剤師を表彰する“Awards for Excellence”の2026年受賞者8人を発表。当社でコラム「また、お薬の時間ですよ!」を執筆している佐藤厚さんが、Bowl of Hygeia賞を受賞した。同日、バンクーバー市で授賞式が行われた。記録が残っている限りでは日本人薬剤師の受賞は今回の佐藤さんが初めて。

 同賞は、コミュニティへの貢献が顕著だった薬剤師に与えられる賞という。佐藤さんはBC州サンシャインコースト地域の町ギブソンズのロンドンドラッグスで薬局のマネージャーとして毎日薬局に訪れる人々と向き合っている。

 今回の受賞について「このたびはBC Pharmacy Associationから地域社会への貢献を称える『Bowl of Hygeia賞』という、大変名誉ある賞をいただき、誠に光栄に思います」と喜んだ。

2026年5月2日、バンクーバー市で行われた授賞式で。佐藤厚さん(左)と賞のプレゼンターを務めたロンドンドラッグス薬局部門GMのChris Chiewさんと一緒に。Photo courtesy of The BC Pharmacy Association
2026年5月2日、バンクーバー市で行われた授賞式で。佐藤厚さん(左)と賞のプレゼンターを務めたロンドンドラッグス薬局部門GMのChris Chiewさんと一緒に。Photo courtesy of The BC Pharmacy Association

 「1999年3月に初めてバンクーバーを訪れて以来、その美しい街に魅了され、また当時は北米で薬剤師の役割が臨床志向に変遷していた時期ということもあり、私も薬剤師としてカナダで働きたいと強く願うようになりました。ただその道のりは平坦ではなく、国家試験の実地試験には3回不合格になるなど苦労もしました」と振り返り、「それでもあきらめずに薬剤師となり、また18年後にこのように私の仕事を評価していただけたことを、心からうれしく思います。これまで支えてくださったロンドンドラッグス、地域の患者さん、薬局チーム、そして長時間の勤務にも理解を示し、支えてくれた家族には深く感謝しています」と感謝した。

 同僚や患者など多くの人から受賞への祝福の言葉がSunshine Coast BC Canadaのフェイスブックを通じて寄せられている。

 佐藤さんが受賞したBowl of Hygeia(ボウル・オブ・ハイジーア)のハイジーアは、健康・衛生・病気予防を司るギリシャ神話の女神の名前に由来するという。

 ギブソンズで薬剤師として活躍する佐藤さんだが、BC州を中心とするカナダの日本語コミュニティでも、コラムを通してBC州の薬局や薬剤事情を発信するとともに、オンラインで個人的な相談にも応じている。国が違い、言葉が違うカナダで薬に関して不安を感じる日本人も多く、そうした人々にも丁寧に寄り添う活動は、国境を越えた地域社会への貢献となっている。

 BC薬剤師協会はBowl of Hygeiaの他に、Excellence in Patient Care、Collaborative Care、Pharmacy Leadership、Murray Dykeman Mentorship、Pharmacy Leadership、New Practitioner、Ben Gant Innovative Practiceの各賞も発表した。

(取材 三島直美)

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