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コナともこ

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「年末年始は着物でより華やかに」

カナダde着物

第9話 季節*歳末

 今年もあとわずかとなりました。今まで経験したことのないコロナ禍の中での冬を迎えております。まだまだ予断の許さない状況とは理解しておりますが、この現実の中でも「いつも心に花束を…」と思いながら、静寂と平安の中で年末年始を過ごせたら幸いです。

いつも心に花束を Photo © コナともこ
いつも心に花束を Photo © コナともこ

「年末年始に映える着物姿」

  年末年始は1年のうちでも一番着物が映える時かも知れません。忙し時期でもありますが、少し頑張って着物で出掛けましたら、気持ちは着る前とかなり違うと感じられるかと思います。

 人が精神的に影響されるものは、自分から一番近いものだそうです。ということは、毎日身にまとうものに私たちは何かしら影響を受けているということでしょうか。制服姿などは、その職業になりきることができますね。どこか演じているようでもあります。

 着物姿の時は他の自分になれるのかも知れません。年末年始はいつもより少しだけ華やかな着物を選んでみませんか。表情などが変わると同時に肌の色つやも明るくなると思います。

「ハレとケ 日本人の心の習慣」 

 日本には”ハレとケ”(*1)という考え方が生活の中にあるようです。ハレが非日常で、ケが日常となります。良い日もあれば上手く行かない日もある。それでもハレの日は華やかに過ごすことで、ケガレを落とし、また日々の生活を繰り返していくという、古くからの日本人の生き方なのでしょう。

 ”晴れの日”とも呼ばれる中で代表的なものは、結婚式、成人式、七五三などですね。あとは昔ほどではないのですが、宗教的な儀式を通してハレの場を一生のうちに何度か経験するかと思います。もちろんハレばかりでもメリハリがなく、つまらないものになってしまいます。ケと言われる日常があっての晴れの日なのですね。ちなみにお葬式はケガレと呼び分けているようです。

 ハレとケという感覚は着物にも深くかかわりがあり、目的によって着物の種類を分けてきた日本人にとっては、ドレスコードの基本となります。私もそれを意識して日々の着物選びをしております。

 さて、当地カナダ事情はどうでしょうか。私はカナダに移住してから、夫のルーツであるヨーロッパ系の慣わしや儀式を教会ですることが多いです。カナダの皆さんは、儀式といっても参加者はビジネスぐらいの装いで、ネクタイ姿が正装に見えるほどカジュアルで気楽な感じですね。

 日本人ほどハレとケという感覚は強くはないようです。私が一番に思いつくのは、カナダでは隣組のようなコミュニティーはないので、町内のお祭りなどはほぼ皆無です。「隣は何をする人ぞ…。」という感じで、コミュニティーは各自のバックグランドや宗教別で、それぞれが集まっているように見えます。

 もしかして、そのグループの中ではハレとケというような習慣があり、それぞれの儀式や活動ではそれに伴い民族衣装などを着ているのでしょうか。

 私が始めました”和の学校@東漸寺”では、まさに日本の歳時記を通してハレとケを継承する活動をしております。今年の夏は中止になりましたが、お寺でのお盆参りや過去にしました子どもの地蔵盆などは、普段着ない浴衣や着物で盆踊り、スイカ割り、お茶会をして、ハレの日を楽しむものです。

 コロナが収束し、皆さまと集まることが可能になりましたら、”ハレとケ”に習い、また年中行事をしていきたいと思います。皆さまも是非ご参加くださいませ。

東漸寺での地蔵盆*子ども達によるお茶会 Photo © コナともこ
東漸寺での地蔵盆*子ども達によるお茶会 Photo © コナともこ
和の学校@東漸寺*子ども達による雛祭茶会  Photo © コナともこ
和の学校@東漸寺*子ども達による雛祭茶会 Photo © コナともこ

「ハレの日の着物」

 コキットラムにあります東漸寺では、残念ながら今年の大晦日の除夜の鐘、元旦の初詣は中止及び延期となりました。いつもですと何百人の参拝者で賑わうそうです。これからの状況によりますが、またお寺が再開した際には着物でお参りにお出かけしてみませんか。

 そうです。ハレの日の着物ですね。着物と帯、どちらもおめでたい柄は沢山あります。その中でもお正月に合うものは、松竹梅、橘、南天、宝づくし、鶴亀などの文様が代表的なものでしょうか。華やかで格式高い図柄は、周りの皆さんにもとても喜ばれることでしょう。

東漸寺でのお正月*初参り Photo © コナともこ
東漸寺でのお正月*初参り Photo © コナともこ
東漸寺でのお正月*着物チーム V]\
東漸寺でのお正月*着物チーム Photo © コナともこ

ゆく年くる年

 今年は多くのイベントや行事がキャンセルになり、着物どころか洋服でも出かけられない日々でした。2021年はどのような年になるでしょうか。丑年は「我慢(耐える)」、「これから発展する前触れ(芽が出る)」というような年になるといわれているそうです。

 新しい年が皆様にとりまして 幸多き年となりますよう心よりお祈り申し上げます。

コナともこ

(⋆1)ハレとケ  暮らしの歳時記より http://www.i-nekko.jp/

 古来より、日本人は、普段通りの日常を「ケ」の日、祭礼や年中行事などを行う日を「ハレ」の日と呼び、日常と非日常を使い分けていました。「ハレ」の日には、晴れ着を着たり、神聖な食べ物である餅や赤飯を食べたり、お酒を飲んで祝ったりして、特別な日であることを示します。古来より、日本人は、木にも火にも水にも神様が宿っていると感じ、これを「八百万の神」といって大切にしてきました。そして、身辺で起こるよいことも悪いことも、神様のおかげ、神様のせいと考え、人々は祭り(祀り)をつかさどるようになりました。祭りの華やかさ、行事の晴れやかさ、ケガレを落とした後の清々しさが「ハレ」であり、「晴れ晴れ」「晴れ着」「晴れ姿」など「ハレ」の気持ちを表した言葉がたくさんあります。

カナダで楽しむ着物の世界、「着物語り」の連載を始めるコナともこさん  Photo © コナともこさん
カナダで楽しむ着物の世界、「着物語り」の連載を始めるコナともこさん  Photo © コナともこさん

コナともこ
アラフィフの自称着物愛好家。日本文化の伝道師に憧れ日々お稽古に励んでおります。

10年前からコキットラム市の東漸寺で「和の学校」を主宰。日本文化を親子で学び継承する活動をしております。

カナダ人の夫+高校生と大学生3人娘+老犬1匹と暮らしております。バンクーバー近郊在住。

和の学校ホームページ https://wanogakkou.jimdofree.com/
Facebook https://www.facebook.com/tomoko.kona.98
Instagram https://www.instagram.com/konatomoko/?hl

「華やかに上品に*クリスマスコーデ!」

カナダde着物

第8話 季節*師走

 12月に入りまして街はクリスマス一色、イルミネーションがまばゆく感じられます。早いもので、今年もくれようとしています。どんな1年でしたでしょうか。

 もちろん世の中はコロナ禍で混沌とした雰囲気はありますが、子供も大人もクリスマスが近づいて来ますとワクワクしますね。

バンクーバーの街 クリスマス一色/Photo © Manto Artworks
バンクーバーの街 クリスマス一色/Photo © Manto Artworks

「週末、何する?と言える贅沢な時間」

 例年でしたら12月の毎週末はパーティーや忘年会に追われているかも知れませんが、今年は「週末、何する?」と家族に話すことが多いです。そのフレーズはどこか懐かしく、遠い昔の学生時代を思い出します。夫も子供もいなくて、家の雑用も少なかった若いころ、ぽっかり空いた週末を何して過ごそうか考える金曜日。今から思えば、なんと贅沢な時間でしたしょう。

 私の周りの環境は昔と違いますが、2020年はそのような気持ちにリセットさせてくれました。今のこの状況は、きっと過ぎてしまえば矢の如し。永遠に続くものではないと信じたいものです。

バンクーバーの夜景 Photo © Manto Artworks
バンクーバーの夜景 Photo © Manto Artworks

「クリスマス、様々なシーンで活躍する着物」 

 クリスマスシーズンに華やかに装うことは愉しみのひとつでもありますね。ドレスも素敵ですが、和装姿は少し派手めにクリスマスコーデをしても上品さが残り、華やかさもドレスに負けないぐらい装えます。

 旅行先でクリスマスパーティーへ参加するときも大活躍します。スーツケースに入れても皺になり難くい素材、ウール、混綿、混麻、ポリエステルなどで、汚れが目立ち難い濃い目の色を選ばれると良いかと思います。

 帯は荷物を減らすために半幅帯にし、色目はやはりクリスマスカラーがいいですね。

昨年のメキシコでのクリスマス*絣の着物でカジュアルに  Photo © コナともこ
昨年のメキシコでのクリスマス*絣の着物でカジュアルに  Photo © コナともこ

「クリスマス茶会で遊び心」

 日本でもクリスマス茶会の様子が多く見られるようになりました。私がカナダで通う茶道グループでは、毎年“ホリデー茶会”が行われます。いつものお茶会より遊び心がいっぱいで、心待ちにしております。(今年はキャンセルとなり残念です。)

 1年に1回あるクリスマスのために着物と帯を揃えるほどでは…という方には、自前の帯をDIYしてテンポラリー帯が作れます。こちら、去年のホリデー茶会での着物です。グレーの色無地着物と、黒い帯がありましたので無地の裏側を使いまして、スノーフレークの紙製オーナメントを軽く縫い付けました。

実はこのやり方で、ハロウィンやバレンタインデイなども帯に装飾ができるのです。カジュアルなパーティーでいかがでしょうか。

自前の帯をクリスマス風にアレンジしました Photo © コナともこ
自前の帯をクリスマス風にアレンジしました Photo © コナともこ

「日本の呉服屋さんにはクリスマス柄の着物が増えてます」

 日本の他文化を受け入れる柔軟さは、世界一なのではないかといつも思います。日本の着物市場には次々にクリスマス柄が増えて来ました。インターネット販売で検索しましたら、沢山の写真が出てきます。

 千円前後で楽しめるクリスマス柄の半襟(*1)も気軽に愉しめていいですね。

(*1)半襟はんえり 半衿とも書きます。
 着物に下に着る「長襦袢」ながじゅばんに付ける「」のことです。直接、着物に首の汚れが付かないように保護する長細い布です。こちらを長襦袢に縫い付けます。白半襟は着物とお顔の間に入り両方を際立たせます。刺繍、染めやプリントのある襟はお洒落のポイントにもなります。

カナダで楽しむ着物の世界、「着物語り」の連載を始めるコナともこさん  Photo © コナともこさん
カナダで楽しむ着物の世界、「着物語り」の連載を始めるコナともこさん  Photo © コナともこさん

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10年前からコキットラム市の東漸寺で「和の学校」を主宰。日本文化を親子で学び継承する活動をしております。

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「七五三のお祝いに想う2」 

カナダde着物

第7話 季節*晩秋

前回から続く

「七五三をカナダで」

~10年前から始めた、お寺でのお祝い~

和の学校@東漸寺  Photo by Manto Artworks
和の学校@東漸寺  Photo by Manto Artworks

 私のカナダでの茶道の師匠は、92歳の日本人先生とアメリカ人の先生です。ご縁というものは不思議でして、お寺の僧侶でもあるアメリカ人の先生に、お寺で子供向けに日本文化継承の活動をさせて頂けないかと相談したところ、普段は表情をあまり変えられない先生に、ふっとあたたかい笑みが垣間見れました。

 無理かなと半信半疑で尋ねましたので、受け入れてくださり感謝しております。七五三のお祝いの法要では、お子さん達が飽きないように、短いお経で、分かり易い禅語などを引用しお説教をして下さいます。

 3歳のお子さんがその話をどこまで理解しているのか、知る由もないのですが、じ~と聞いてますので、何かしら感じるものがあるのでしょう。

東漸寺*鐘突堂 Photo © Manto Artworks
東漸寺*鐘突堂 Photo © Manto Artworks

 年齢とは単なる記号であり、本当の精神の成熟度とは違うのかも知れないと感じる場面が多々あります。

 年を重ねても、人の心を感じ取ることができない方もいれば、3歳でも相手の気持ちを察するお子さんもいます。

 昨今のニュースからは、人間はどこまでも欲深く嫉妬深く、この世の中は傲慢に満ちているのではないか、自分の中にもそのような邪気が潜んでいる、、と嘆くことがありますが、神仏を前に人は謙虚で優しくもなれるのだろうと思います。

「七五三のお祝い、これから」

 昨今の着物で写真撮影をする人気は、七五三でも同じでして、華やかな着物姿を記録に残すことは、ディズニーランドでの思い出作りと同じくらい、ご家族のアクティビティとなっております。

 着物を後世に残すためにも、このイベントは大事な役割を果たすことでしょう。私も着物での撮影は大好きです。

3歳のお祝い 東漸寺本堂にて Photo ©平鍋ゆきお
3歳のお祝い 東漸寺本堂にて Photo ©平鍋ゆきお

「置き去りにしないで。謙虚な心」

 ディズニーランドでの思い出作りと七五三のお祝いとでは、少し違いがあります。

 それは、私たちは与えられた物で幸せを感じるだけではなく、与えることで幸せを感じるものだと言われます。七五三はそれを再認識できる儀式だと思います。

 子育てはボランティアのようで、自ら与えることで多くを学びます。そして親自身、ここまで生きて来られたのは、多くの支えがあったからだと親になって気づきます。

 物質的満足はいつか賞味期限が切れますが、精神的満足は長く継続する特徴があると聞きます。

 目の前のイベントをこなすことに夢中になり過ぎて、そのような心を見失わないように、心を落ち着かせ、子供たちと向き合う時間を設けることが、現代に合った七五三のお祝いの形なのかなと思います。

錦秋の時期に*着物紋付ぼかし色無地*帯錦菊づくし Photo © コナともこ
錦秋の時期に*着物紋付ぼかし色無地*帯錦菊づくし Photo © コナともこ

1115日は着物の日」

 七五三で着物を身近に感じたところで、もっと着物を愉しんでいただきたいという思いからできた日でしょうか。日本では各地で着物のイベントが開催されるようです。

雑学ネタ帳よりhttps:/zatsuneta.com/archives/111152.html
きものの日(11月15日 記念日)

 全日本きもの振興会が、1966年(昭和41年)の設立の時に制定。また、全国2000店の呉服店で組織する日本きもの連盟も制定。

 日付は「七五三」の日に、家族そろってきもので出かけてほしいとの願いから。また、子どもたちの成長を願う日として、きもの姿が似合う日であることから。きものを着る運動のシンボル的な日として、きものの美しさ、文化的な要素をアピールしていくことが目的。

きものについて

 「着物(きもの)」とは、元々は「着るもの」という意味であり、からだに着るものの総称、「衣服」を意味する言葉である。また、現在では「洋服」に対して「和服」を総称する言葉でもある。

 「呉服(ごふく)」という呼び名は、和服用の織物の呼称の一つで、特に絹織物を指す言葉である。元々は絹織物を指す語として、綿織物・麻織物を指す「太物(ふともの)」と区別されていたが、現在は和服用の織物の総称としても使用される。

 女性の正装用の着物は、原則的に結婚式・叙勲などの儀式・茶会など格の高い席やおめでたい儀式で着用される。また、着物などに似せた東洋風の服は欧米では「kimono」と呼ばれる。

 「きもの」に関連した記念日として、2月10日は「ふ(2)と(10)もの」(太物)と読む語呂合わせで「太物の日」、5月29日は「ご(5)ふ(2)く(9)」(呉服)と読む語呂合せで「呉服の日」となっている。

カナダで楽しむ着物の世界、「着物語り」の連載を始めるコナともこさん  Photo © コナともこさん
カナダで楽しむ着物の世界、「着物語り」の連載を始めるコナともこさん  Photo © コナともこさん

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アラフィフの自称着物愛好家。日本文化の伝道師に憧れ日々お稽古に励んでおります。

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カナダ人の夫+高校生と大学生3人娘+老犬1匹と暮らしております。バンクーバー近郊在住。

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「七五三のお祝いに想う」  

カナダde着物 

第6話 季節*照紅葉

 11月15日は七五三のお祝いの日です。もちろん、この日にお祝いをしなくてはいけない訳ではなく、ご家族のご都合の良い日が一番“佳き日”なのだと思います。

 元々は子どもの死亡率が今よりも高かった昔に、子どもたちの健康祈願と成長を感謝する儀式として始まったそうです。宗教や地域を問わず七五三のお祝いができたらいいですね。

紅楓 Photo © コナともこ
紅楓 Photo © コナともこ

「子育て、親育て、そして七五三でちょっと立ち止まりましょうか」

 私は着物好きが高じて、お子様たちへ晴れ着のお支度をさせて頂くようになりました。

 最初にバンクーバーにありました写真屋さんで、七五三写真撮影の着付を担当させていただきました。それ以降、現在に至るまでカナダに住む日本人ご家族、カナダ人ご家族、多国籍ご家族などなど…400組以上のご家族のお祝いのお手伝いをしてまいりました。

 そこで感じましたのは、世界のどこで子育てをしていても、どの親も子どもへの思いは同じであり、その子育てを通じて様々な経験と感動を親たちは味わうのだということです。

 山あり谷ありの子育てですが、時には立ち止まり、自分の子育てを振り返り、色々な思いを馳せる、そのような時間が必要だと痛感しました。

 七五三は子どもたちの成長のお祝いですが、親にとっても大事な人生の節目であると感じたのです。

七五三のお祝い/7歳、5歳、3歳 Photo © コナともこ
七五三のお祝い/7歳、5歳、3歳 Photo © コナともこ

「子育て 10の壁から学んだこと」

 着付の仕事は、途中、写真屋さんが閉店したり、日本へ移住されたりしたものですから、一旦は休んでおりましたが、いくつかの七五三用の着物が手元に残りました。

 「さて、どうしましょう」と考えていました時、長女が日本語学校のカリキュラムについて行けずやめてしまいまして、 “10歳の壁”といわれます反抗期も重なり親子喧嘩が絶えない日々が続いておりました。

 様々な習い事をやめてしまいましたが、日本語を使うことは楽しんでいる長女でしたので、何か他に彼女が日本語を使い学べるチャンスがないかと模索しておりました。

その時、夫に言われました。

「日本には、日々の生活の中に文化があり、習慣があり、言葉がある。日本語学習は机上だけではなく、衣食住の多くの場面でも学べる」

 そうなのです。うん十年前に夫は“こんにちは”と “ありがとう”しか日本語は知らず日本へ降り立ちましたが、ホームステイや日本の友人を通じて、生活の中で日本語を習得していきました。

 もちろん、読み書きの学習努力も加わり、言語にいっそうの磨きを加えたのだと思います。

 私のやり方は、日本語学校の同級生と同じ勉強のペースに合わせ、ただ魚を木に登らせるように(*1)一方的に進めていたのです。

 彼女にとって、どのように日本語を学ぶことが良いのかという問題に向き合っていませんでした。そして、「長女が日本語学校の通学を続けられなかった…」という私の悲観は、自分の子育ての理想を実現できなかったという私の挫折感だったのだと気がつきました。

 日本人の親を持つ子ども達が日本語を話せることに誇りを持ち、伝統の着物や日本食、そして日本の季節のしつらえなどを「素敵だな。いいなー」と感じてもらえるような活動をしたいと思いました。

 それが、お寺での七五三祝法要を始めたきっかけとなりました。

和の学校@東漸寺  Photo by Manto Artworks
和の学校@東漸寺  Photo by Manto Artworks

(*1)魚を木に登らせるような教育を疑問視する運動があるそうです。元はアインシュタインの言った「人は誰もが天才である。しかし魚に木を登らせようとするのなら、その魚は一生、自分が愚かだと信じて生きていかなくてはならないだろう」からきてまして、個々の個性を尊重し能力を伸ばしていくことは、子どもの幸せに繋がるという考えです。

(後半へ続く)

茶道*炉開き@東漸寺 着物訪問着菊柄 帯つづれ織名古屋彩雲  Photo © コナともこ
茶道*炉開き@東漸寺 着物訪問着菊柄 帯つづれ織名古屋彩雲  Photo © コナともこ

 七五三のお祝いを迎える皆さま、おめでとうございます。

 混沌とした世の中ではありますが、ご家族の愛に包まれ、ますます健やかにご成長されますよう、心からお祈りいたします。

カナダで楽しむ着物の世界のkona tomoko コナともこさん

コナともこ
 アラフィフの自称着物愛好家。日本文化の伝道師に憧れ日々お稽古に励んでおります。
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 カナダ人の夫+高校生と大学生3人娘+老犬1匹と暮らしております。バンクーバー近郊在住。 

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「着物でお出かけ2」

カナダde着物 

第5話 季節*錦秋 

 どの季節も好きですが、木々の彩りが日ごとに変化を見せるこの時期は私達の目を楽しませてくれます。

 さて、今年のハロウィーンは土曜日です。子供たちにとっては嬉しいですね。そして、満月になるようです。大人たちは月見酒でしょうか。

 例年より静かなハロウィーンとなりそうですが、楽しい時間をお過し下さい。

バーナビーの公園にて*紅葉 Photo © コナともこさん
バーナビーの公園にて*紅葉 Photo © コナともこさん

~前回のコラムから続きます~

 SNS上で目にしました、海外在住者の着物事情を考えます。

「目的にあった礼装と正装着物は、会場で華やか過ぎるということはありません」

 日本人以外の家族からの誤解があり、着物へ持つイメージが適切ではない場合が多々あるようです。所謂、着物へのステレオタイプです。

 例えば、着物は結婚式に着ていくと新郎新婦より目立ってしまう。着物は芸者が着るものだ。(この芸者の意味も現代の認識ではない)、性差別の衣装ではないか…などなど、世界は広く誤解も多種多様だと実感しております。笑

 殆どの場合、思い込みや勘違いでしょう。本来、相応の礼装や正装着物(*1)は、自分が一番に目立つ為に着るものではないのです。

「着物に歴史あり敬意あり」

 長い歴史の中で変化してきた日本の民族衣装の着物は、全てに意味が含まれております。礼装や正装にルールがあるのは、その意味から由来するものでしょう。まず「新郎新婦より目立ってしまう」と誤解されている方に伝えたいのは、冠婚葬祭で着物を装うことは“お相手への敬意”であり、尊敬を示している表れだということです。

 例外として、新郎新婦からのドレスコードがあり、民族衣装や高価な衣装でのパーティーの参加を控えて欲しいとの要望があった場合でしょうか。

 それ以外でしたら、パーティーの大きさや様子を確認して、それ相応の着物で参加することに問題はないでしょう。(ご招待された方に事前に確認されてもいいですね)

今年のサンクスギビングディナーは家族だけで。着物は白地に黄色で銀杏の葉と七宝柄、半幅帯は黒と金色の冠柄 Photo © コナともこさん
今年のサンクスギビングディナーは家族だけで。着物は白地に黄色で銀杏の葉と七宝柄、半幅帯は黒と金色の冠柄 Photo © コナともこさん

「着物ステレオタイプとの日々」

 海外で着物と関るようになってから、様々な日本文化、着物、日本人に対してのステレオタイプと遭遇してまいりました。

 実は、それは日本人同士でもしかりです。以前のコラムで伝統は幻かもしれない、と申しましたが、ひとくくりにできないということが、色んな解釈を生み、海外の映画やドラマの中の日本人の振る舞いや服装が、現実とかけ離れてしまったという現実があります。

 私ができることは、着物で出掛けた先で着物姿を見ていただき、もし極端な誤解や感想を持っている方がいらしたら、今現在の着物文化をご紹介することかなと思います。

「着物で出掛けて、着物と日本の親善大使に」

 昨年の里帰りで京都や浅草を訪れました。日本の観光地には、着物姿の若い方や家族連れが溢れていました。話している言葉を聞かなければ、どこの国の方なのか見た目だけでは分かりません。皆さん、それはそれは嬉しそうでした。

 着物姿が素敵だなと思うと、ついつい声をかけてしまう私です。京都の伏見稲荷大社では、山頂までお参りしていた振袖姿のマレーシア人の女性たちがいました。(根性ある~!)「日本人は着物でお参りしますか?」と聞かれまして、「晴れ着でお参りは行きますが、ここの頂上まで行く方は少ないと思いますよ。」と答えました。

 東京浅草でも、お子さん連れの家族やカップルの皆さんが、浴衣風着物、着物、袴、などで境内や街を散策されてました。大きなサイズの中古着物を探してましたので、レンタル着物のお店に尋ねましたら、Lサイズの使わなくなったものがいくつかありましたので譲って頂き、色々と着物レンタル事情のお話も聞きました。

 以前はヨーロッパのお客さんが多かったのですが、最近は断然、南アジア系の方々が多いそうで、大きいサイズをたくさん用意しなくても問題がない、とのことです。

 観光の中のアクティビティーではありますが、着物姿の多くが外国からの方々だとしたら、わざわざ飛行機代と滞在費と着物をレンタルして、着物をアピールして下さる海外の皆さまに感謝したい気持ちになります。

 さて、日本人の私たちはどうでしょうか。最後に着物を着られたのはいつですか。

 以前、日本文化に造詣のある海外の方に「今の日本人は素晴らしい伝統の上にあぐらをかいているようだ」と言われたことがありました。

 確かに、身近には海外の方々が憧れる伝統文化があるにも関らず、気付いていない人々が多いのかも知れません。

 “道”がつくお稽古事は、敷居が高く独特な世界観があり入りにくいのかも知れませんが、着物は普段着から正装まで多種ありますので、とても気軽に一歩が踏み出せるのではと思います。

 是非、皆さまに“民間の日本親善大使”になっていただき(大げさかしら?)、勘違いステレオタイプが減少するように伝道しませんか。私たちが海外でも堂々と民族衣装が装えますよう切に願います。私も着物の活動を通じて、お手伝いができたら本望です。

(*1)礼装と正装 礼装は儀礼の中で着られる着物で、正装は一般的なフォーマルな装いです。
   例:新郎新婦は礼装、参列者が正装となります。

「ハロウィーンの衣装*着物編」

 昔から仮装して非現実を楽しむ行事は、北米だけでなく日本でもあります。節分の日だけ行なわれる「お化け」というもので、芸鼓さん達が笑いを取るような髭オジサンやバカ殿などになる京都花街の仮装大会です。そのハンパない本気度は、さすがプロです。

 いつもは楚々とした芸鼓さんたちが、この日はお茶目で可愛いですね。

 世界での着物仮装の事情はどうでしょうか。実は近年、稚拙なステレオタイプや人種差別を招くということで、日本人以外の人達が着物の仮装をすることを躊躇するようになってきております。

 他の例ですが、ハリウッド女優やモデルがファーストネイションのファッションをすると批判が出ます。その人種と民族以外の人達が伝統的な衣装をまとう時、その背後にある歴史や政治などが絡んできて、人々の心は複雑に反応するようです。

 10年以上前は、よくハロウィーンで着たいと着物のレンタルを受けることがありました。小学校の先生にも貸した覚えがあります。

 この10年で社会は変わり、多くの人々が性や人種差別に対して意識を向け、慎重に考えるようになってきているのが分かります。

 「日本人以外の方々に、もっと着物を着て愉しんで欲しいな」と思いますが、こういった一面を持つ民族衣装は、現代社会を映す鏡のようですね。

「コナのお勧め着物仮装はコスプレ」

 このようにセンスティブな問題をクリアしながらの着物仮装ですが、カナダの皆さんや日本の方にもお勧めしますのは、キャラクターとして仮装することです。 

 「雪女」「鬼太郎」ジプリ作品でお馴染みの「千尋とハク」などなど、キャラクターを真似たらいかがでしょうか?

 私の友人で着物仲間のF子さんは、どんな衣装も手作りしてしまう“スーパー和裁ウーマン”です。ご興味がある方はコナまでご連絡を。ご紹介いたします。

ハロウィーンコスチューム「雪女」より Photo © コナともこさん
ハロウィーンコスチューム「雪女」より Photo © コナともこさん
カナダで楽しむ着物の世界のkona tomoko コナともこさん

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「着物でお出かけ」

カナダde着物 

第4話 季節*中秋の名月 

 暦の上では今年の十五夜は10月1日でした。実は本当の満月は10月2日だったそうです。今回はアメリカからの煙の影響で、ベールの中にあるような幻想的な月を見られた方も多かったのでは。

 インディアンサマーと呼ばれるお天気の良い日もありますが、やはり風や光そして陰は徐々に冬へと向かっている気配がします。

 茶道の世界では10月を“名残月(なごりづき)”とも呼びます。華やかな夏とは対照的に寂びた淋しい感じを表しています。去り行く秋を名残惜しむ日本人らしい感情ですね。

 そして10月になりますと、日本では猫も杓子も衣替えとなります。街で見かける学生さんたちが一斉にブレザーなど冬の装いになりますね。衣替えは日本らしい季節の風物詩のようです。

 着物の世界では単衣ひとえ(*1)から袷あわせ(*2)に変わります。大きく分けますと、着物全体に裏地があるかないかで見分けられます。今月から来年5月頃まで着ますので、1年の殆どは袷の着物を着るということですね。

カナダで眺めた中秋の名月 Photo © the Vancouver Shinpo
カナダで眺めた中秋の名月 Photo © the Vancouver Shinpo

「カフェde着物」

 まだまだ世の中はコロナ禍が続いていまして、カフェやレストランへのお出掛けが難しいのですが、条件の下、パティオのあるカフェなどで愉しまれるのはいかがでしょうか?

 私はカフェの雰囲気に合わせてカジュアル着物を選びます。低価格品、中古品、母の若い頃のもの、そして頂きものでしたら、必要以上に汚れることを気にせず食事にも出掛けやすいです。

 しかしカナダで着物で出掛けることに抵抗がある方もいらっしゃるでしょう。目立つから嫌だな、変な人に話しかけられたらどうしよう、などなど、当地で着物を着ることはちょっと恐いと思われるかも知れません。私も当初はそうでした。

 日本在住着物ブロガーのように、どこでも着物で出掛けるとは行かないですね。なので当地でのちょっとした気をつけたい点をいくつか紹介させていただきます。

フレーザー通りにあるオーガニックカフェ*お店のテーマカラーに合わせました  Photo © コナともこ
フレーザー通りにあるオーガニックカフェ*お店のテーマカラーに合わせました  Photo © コナともこ

「事前に着ていく場所と目的は考えておきます。」

 不特定多数が集まる場所や道では、目的もなくふらふらと歩かず、すーっとその場から消えていくように、さーっと歩くのがお勧めです。

 残念ですが、着物やアジア人への差別的な考えの人々がいるのも事実でして、特にひとりで歩く時は気をつけたいものです。日本とは違う環境ですので身の安全を第一に行動されて下さいね。

 でもでも、安全に楽しく行ける場所もいっぱいありますので、これからコラムでご紹介していきますね。“着物でインスタ栄え”するお店や公園もありますよ。

 日本のお友達やご親戚に写真を送ったら、驚かれることでしょう。

「いい雰囲気のお店に出掛けましょう」

バーナビーにあるカフェ*La foretにて。店内は広くてインテリアも植物が多くて落ち着きます。カジュアルな銘仙着物と半幅帯で気軽に装いました Photo © コナともこ
バーナビーにあるカフェ*La foretにて。店内は広くてインテリアも植物が多くて落ち着きます。カジュアルな銘仙着物と半幅帯で気軽に装いました Photo © コナともこ

 まず、訪れるお店や場所は清潔で安全でしょうか。お店のコンセプトが明らかであり、こだわりのあるカフェやレストランに着物で行きますと、お店の方々にとても喜ばれ気持ちのよい接客を受けられることがあります。

 知的好奇心のある礼儀正しいお客さん達が集まるお店では、あちらは一目で私たちが日本人だと分かりますので、日本について質問されたり、新しい出会いもあるかも知れません。

「社交の場、パーティーでは大活躍の着物」

 出会いといえば、パーティーですね。こちらではカップルでの参加もよくありまして、パートナーの会社や趣味グループのパーティーでは知らない人が多く、会話が苦手な人にとっては、地獄の時間となってしまいます(あら、私のことかも知れません)。

 食事がビュッフェだとしたら、席と食べ物の間を往復し続けてしまう“パーティーあるある”事情をどうにかしたいものです。それでも話をしたくないということではなく、共通点が見つからないだけで、話しのきっかけを探しているのです。

 政治や宗教の話は避けたいですし、個人のことを根掘り葉掘り聞くのもな~という時、服装やそれに伴う文化の話題はとても便利です。

 お相手が民族衣装でいらしていれば、話の準備ができますし、個人的な話もスムーズに入りやすいですね。ということは、こちらが着物ですとお相手も同じように話しかけやすいかも知れません。

 着物をコミュニケーションツールに使い、お友達の輪を広げていきましょう! 

(*1)単衣ひとえ 主に6月頃~9月頃まで着られる生地が1枚仕立ての着物です。薄い生地を守るために裏布が縫いつけられているものもあり、単衣には色々な仕立て方があるそうです。単衣のウールや木綿の着物は、袷の時期でも自宅でのパーティーや習い事のお稽古着などで活躍します。

(*2)袷あわせ 二枚の生地が重なって仕立てられている着物です。袷ならではのおしゃれ、八掛は、裾回りに見える裏地です。ちらりと表地と違う色が見えたら素敵ですね。

 着物の格によって、比翼(ひよく)のような重ね襟がついているものもあります。

「秋の豊作をイメージした、黄八丈」

 鮮やかな黄色い彩色が特徴的な黄八丈という、草木染の絹織物があります。八丈島が本場でこの名前が付いたと聞きますが、秋田県にも違う植物で染めた秋田黄八丈があるそうです。

 植物からの煮汁を使い秋初頭に染め始めるそうなので、黄八丈は秋の豊作と重なります。

 紬ファンが草木染にも心奪われるのは、植物の生命力と自然色彩の美しさが理由でしょう。この草木染の中に黄金のような色が出るイネ科の雑草があり、紬着物が“織物のシンデレラ”でしたら、こちらのコブナ草は“草木染のシンデレラ”なのでは。



「お寺で七五三のお祝いしませんか?」
 10月の日曜日、バンクーバーアイランドから素敵なご家族が七五三のお祝いの参りとお嬢さまの記念撮影の為にコキットラム市にあります東漸寺へいらっしゃいました。

 最初は緊張気味な小さなレディー。振袖をまとうと目が輝き始め、とても上品で凜とした佇まいへと変わりました。これが着物マジックです。

 和の学校@東漸寺では、今年も七五三のお祝いをお手伝いいたします。ただ、昨年までのような合同のご祈祷などは出来かねますので、完全予約制の個別で着物レンタル、着付、記念写真撮影、ご祈祷などを承ります。

 詳しくはコナまでお問い合わせ下さいませ。

日時:随時受付けております。

*サンデープラン*
毎週日曜日、午前10時と午後1時のお席を設けております。
(ご予約状況により、ご希望に添えないこともございますので、ご了承下さいませ。)

会場:東漸寺館内 209 Jackson St, Coquitlam 
お問い合わせ コナともこ tands410@gmail.com
和の学校ホームページ https://wanogakkou.jimdofree.com/

去年お参りに来られたご家族 © 七五三@Tozenji、 Photo by Yukio Hiranabe
去年お参りに来られたご家族 © 七五三@Tozenji、 Photo by Yukio Hiranabe
カナダで楽しむ着物の世界のkona tomoko コナともこさん

コナともこ
 アラフィフの自称着物愛好家。日本文化の伝道師に憧れ日々お稽古に励んでおります。
 10年前からコキットラム市の東漸寺で「和の学校」を主宰。日本文化を親子で学び継承する活動をしております。
 カナダ人の夫+高校生と大学生3人娘+老犬1匹と暮らしております。バンクーバー近郊在住。 

和の学校ホームページ https://wanogakkou.jimdofree.com/
Facebook https://www.facebook.com/tomoko.kona.98

「着物とマナー」

カナダde着物 

第3話 季節*初秋「白露」

 “マナーとは、他人に好かれたりいい感じに見せる為のツールではなく、お相手への思いやりの心です。”

 当地で有名な新渡戸稲造氏が「武士道」の中で言葉を残していました。
 (コナ流に言い換えております。)

 本文では「体裁で行なうのなら礼儀はあさましい行為である」とも言ってます。現代にも通じる教えではないでしょうか。

 マナーはお付合いの上で切っても切り離せないものですが、着物を身に付けてますと特に人の目に付くこともあり、その素行を見られてしまう場面が多いようです。

 着物が着崩れない動きや歩き方は、着物を身に付けるようになると自然にできる様になりますが、マナーは時代や場所によって違うこともありますので、いつも気にかけて自分なりのものさしを決め、心の通うお付合いをしていきたいものです。

「着物警察」
 今回テーマは“着物警察”です。

 浴衣論争に続き、こちらもSNS上では物議を醸しているようです。

 “着物警察”を検索していただければ様々な女性達の声が見られるでしょう。簡単に説明しますと、街に着物や浴衣で繰り出した人達(この場合、若い女性のケースが多いです)が、見ず知らずの女性達に呼び止められ、着付や着物と帯の取合せ諸々、批判的な言葉や注意を浴びるという、とてもよくできた俗語です。

「伝統文化って何?」
 この問題は伝統文化の歴史と深い関わりがあるので、作家の藤井青銅氏のコラムとご意見を参考にさせて頂きました。

「日本の伝統って何?」と聞かれて、皆さんはどう説明しますか?様々な歴史背景の中受け継がれてきたもので、宗教、商業や政治経済にも影響を受けとても幅広く、ひとくくりにできにくいと言われております。

 青銅氏が日本の伝統を“ザ・幻想”と本の中で述べていたのは、その浮雲のような世界の中で変化し続ける人々の想いを表現されたのかなと思います。

「まぼろし~!」(IKKOさん登場)私達が幻想の中に生きているのなら、もう一度、伝統とは何かを世代を超えて共有し考え、現代に起こる様々な人間関係のトラブルを避けていきたいものです。

「お互いにマナーを守りながら、学び合う」
 話は着物警察へ戻りますが、昔は正論だった知識や常識を、見ず知らずの着物を装う方々に一方的に指摘し、不快な思いをさせてしまうのでしたら、それはマナー違反になってしまう気がします。

<僭越ながらコナ流のご提案>
 お声を掛ける前に、6秒間考えてみるのはいかがでしょうか?(*1)

 目の前にいる方は、どういう目的で着物を着ているのでしょうか。礼装でしょうか、モダンなファッションでしょうか、もしくはコスプレということもあります。

 言いたくなったら少しの間、考えてみます。見ず知らずの方に声を掛ける時、普通はそのようにされますね。

 ただ私もそうなのですが、同胞に対して人は親切心や親心のような感情があふれ、余計な事を言ってしまう可能性があります。確かに着物の知識があれば、着物への関心が向きますから、声を掛けたくなるは自然なことです。

 素敵だな~と見られて嫌な方は少ないでしょう。もしお相手から意見を求められた時は分かる範囲で答えますが、地方や職業別の着付、そして流派もありますので個人的な意見は最小限に抑えます。

 基本的に礼装や準礼装以外でしたら、個人の好みとして装ってよいかと思います。見知らぬ方には軽く声を掛けるぐらいが丁度いいのかも知れません。ただ、いきなり着物や帯を触るのは控えたいものです。

(そうそう、コナから声を掛けられて“着物警察”と感じられたら、ごめんなさい。先に謝っておきますね。笑)

 逆に、言われた方も6秒間は様子を伺ってみてはいかがでしょう。もしかしたら適切なアドバイスだということもありますし、着物を通して親しくなる可能性もあります。心無く不適切だと感じたら、直ぐにその場から立ち去りましょう。

 お互いに謙虚な気持ちと態度で、人への思いやりを忘れずにいたいものです。

 皆さま、着物警察を恐れないで、着物でお出掛けしましょう!

昨年、京都で見かけた着物の二人。Photo © the Vancouver Shinpo
昨年、京都で見かけた着物の二人。Photo © the Vancouver Shinpo

「若い世代から学ぶ」
 コナ世代以上が考えたいのが、若い世代からも日本の伝統は学べるということです。新しい伝統が次々に生まれてます。京都の千家十職(*3)でも世代交代が進んでいますし、若手着物デザイナーがインターネットで今までにない着物、帯や和装小物を提案しております。

 私も購入しました“半襟Tシャツ”や“うそつき半襦袢”(*4)などは、当初は批判もありましたが、いろいろと改善もされているようで、カジュアルな着物の下に着るのにお手入れが楽で、暑い夏の日本では肌襦袢(下着)の代わりにもなります。

「伝統リテラシーを意識しましょう」
 最後に、青銅氏がこれから古くからの伝統を受継ぎ、新しい伝統に出会う日本人が“大切にしたいこと”を提案されてましたので、これから活動する上で気に留めておきたいと思います。

 伝統リテラシー(*4)は、簡単に言うと伝統を評価していく力、です。

 日本にとどまらず世界中に和風やジャパニーズスタイルといった商品がはびこっていると思います。北米で流行ってますZENスタイルもそうでしょう。フェイクと言っていいぐらいの日本人から見て眉をひそめるものが流行ると複雑な気持ちになりますね。

 反対に日本から離れて良さを見直されるものもあります。

 世界に出て行った日本の文化を日本人がちゃんと評価できるのかどうか、これから大事になるのではないでしょうか。

 茶道の世界では「基本が出来ていないと応用が出来ない。」とよく言われます。歌舞伎では漫画のストーリーとコラボレーションしても基本の歌舞伎を守っていると聞きました。

 どんなに伝統が変化しても“品格”そして「武士道」の中にある礼儀、つまり“人への思いやりは”守り続けていただきたいと願います。

 「伝統リテラシー」を意識していくことが、海外に住む私達の役割でしょうか。 

(*1)「6秒考える」 アンガーマネージメントで使われる6秒間の我慢です。
(*2)「千家十職」 茶道に関わり、三千家に出入りする塗り師、指物師などの十の職家をあらわす尊称です。
(*3)「半襟Tシャツ」 普通のTシャツですが襟だけ着物用の半襟になってます。もう少し原型に近い「うそつき半襦袢」の他にも「うそつき長襦袢」「大うそつき襦袢」もあるそうで、どこまでうそつくの!ってぐらいです。
  長襦袢の見える所だけ本物と同じ素材で、見えない所は着心地の良い、汗を吸収しやすい木綿などを使います。インターネットで検索して見て下さいね。
(*4)リテラシー 世の中に出回る沢山の情報を取得選択していく時に、裏表や真偽を見抜き、客観的に評価する力、知識や能力をリテラシーと呼びます。

参考資料*藤井青銅氏 「日本の伝統」の正体

「紬の女王*大島紬」

 前回のコラムでを“織着物のシンデレラ”と紹介しましたが、覚えていらっしゃいますか?

 その紬の中で女王と呼ばれているのは大島紬です。

 その中でも九州の鹿児島県を発祥の地としました大島紬は、手染で泥染めが有名です。工程の手間と織の精密さで「世界三大織物」とも呼ばれてます。希少価値が高いのでしょうね。

 絹100%の紬ですが、準礼装の二十歳の振袖として鹿児島のお嬢さんたちは着飾るそうです。地元愛を感じますね。

コナの大島風紬

 本物の大島紬ではなくても、いろいろな紬がありますから愉しまれて下さい。色が濃いと汚れが目立たず、普段着にぴったりです。そろそろ秋の気配なので渋い色同士で揃えました。

大島紬ではないけれど雰囲気が似ている紬です。9月上旬は白系の帯と合わせました。絹紬*露草 ナイロン製半幅帯*流水 Photo © コナともこさん
大島紬ではないけれど雰囲気が似ている紬です。9月上旬は白系の帯と合わせました。絹紬*露草 ナイロン製半幅帯*流水 Photo © コナともこさん
9月中旬はブラウン系の名古屋帯と合わせました。絹紬*露草 混麻名古屋帯*吟風 Photo © コナともこさん
9月中旬はブラウン系の名古屋帯と合わせました。絹紬*露草 混麻名古屋帯*吟風 Photo © コナともこさん

「お寺で七五三のお祝いしませんか?」

 瞬く間に過ぎていった今年の夏ですが、暦の上では既に秋となりました。

 和の学校@東漸寺では、今年も七五三のお祝いを計画しております。

 ただ、昨年までのような合同のご祈祷などは出来ませんので、完全予約制の個別式で着物レンタル、着付、記念写真撮影などを承ります。

 詳しくはコナまでお問い合わせ下さいませ。

日時:随時受付けております。
会場:東漸寺館内 
209 Jackson St, Coquitlam 
お問い合わせ コナともこ tands410@gmail.com
和の学校ホームページ https://wanogakkou.jimdofree.com/

カナダで楽しむ着物の世界のkona tomoko コナともこさん

コナともこ
 アラフィフの自称着物愛好家。日本文化の伝道師に憧れ日々お稽古に励んでおります。
 10年前からコキットラム市の東漸寺で「和の学校」を主宰。日本文化を親子で学び継承する活動をしております。
 カナダ人の夫+高校生と大学生3人娘+老犬1匹と暮らしております。バンクーバー近郊在住。 

和の学校ホームページ https://wanogakkou.jimdofree.com/
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「織りの着物で軽快に装う」

カナダde着物 

第2話 季節*初秋 重陽の節句

 “人とは良いところとお付き合いするといい”と言われます。誰でも長所と短所があり完璧な人はいないでしょう。着物も同じで、どの素材にも良し悪しがあり、目的にあったものを選ぶことは、着物と付き合う大事な要素だと思います。

 着物には大きく分けて織物染物があり、織物がカジュアルで染物がフォーマルとなります。

 基本的に6月と9月は単衣の季節です(*1)。そこで活躍するのは第1話でご紹介したおしゃれ着浴衣がございます。

 そして、着物通の方に人気の高い紬(つむぎ)を忘れてはならないでしょう。紬は“織着物のシンデレラ”と勝手に名付けておりますが、繭から生絹を取れなかったくず絹から作られ、大変手間の掛かる高い技術が必要となる先染平織りの素材です。

カナダで楽しむ着物の世界、「着物語り」単衣紬*縞織り 帯*織り名古屋 吟風 #2  Photo © コナともこさん
単衣紬*縞織り 帯*織り名古屋 吟風   Photo © コナともこさん

 紬を語ると長くなりますので割愛させていただきますが、元々は農家の野良着であったこともあり、正装としては着ることはありません。しかし、その丈夫さと風合いの良さは着物愛好者をメロメロにするようです。

 皆さんがこちらを聞いて思い出すのは、ジーンズではないでしょうか。海の向こうで同じ運命をたどり人々から愛される素材だと知ると感慨深いですね。

 ですので、紬を着る時はおしゃれなカジュアル系で軽快に装うと素敵かなと思います。

(*1)6月と9月はお天気が安定しない期間でもありますので、その土地の気候に合わせて素材は選んでも良いそうです。

カナダで楽しむ着物の世界、「着物語り」雑誌*美しいキモノ 紬特集  Photo © コナともこさん
雑誌*美しいキモノ 紬特集  Photo © コナともこさん

“素材の格×目的で着分けよう!”

「日系のお祭りで何を着る?」

 9月4、5日に日系文化センター博物館で催されたサマー・アット・日系ガーデンへ行って参りました。今年はコロナ禍の為、人数制限や規制もあり静かなお祭り風景となりました。

カナダで楽しむ着物の世界、「着物語り」サマー・アット・日系ガーデンでのちび太鼓の演奏
サマー・アット・日系ガーデンでのちび太鼓の演奏Photo © Manto Artworks

 日系文化センター博物館では1年を通していろんな日本文化に関るイベントが愉しめます。「カナダで着物。どこに着ていけばいいの?」とお考えの方、是非こちらへ着物姿でお出掛けしましょう。

 9月は昼間はまだ日差しが強く、夕方から肌寒い日もあります。「何を着ていこう…」と考えてしまいます。もちろん夏祭りには浴衣がぴったりですが、先出のも良いかも知れません。

 お祭りには、和装や和雑貨のベンダーさんがいますので、カナダでそれらを手に入れる絶好のチャンス!です。

カナダで楽しむ着物の世界、「着物語り」Pac West Import Export Ltd の Yokoさん。いつも優しく接して下さいます。
Pac West Import Export Ltd の Yukoさん。いつも優しく接して下さいます。Photo © Manto Artworks

 今回も可愛いものが揃ってましたよ。

 館内では、中古品の和物雑貨や着物、小物が販売されてました。カナダ移民の先輩方が残してくださった物をありがたく使わせていただきましょう。ビンテージ品にも出会えるかも知れませんね?

カナダで楽しむ着物の世界、「着物語り」Kanadell Japanese Bakeryさんでご褒美メロンパンを購入
Kanadell Japanese Bakeryさんでご褒美メロンパンを購入Photo © Manto Artworks

Japanese Bakery – Kanadell
https://www.kanadell.com/

Pac West Import Export Ltd
https://kimono.pacwestie.com 

「お寺で七五三のお祝いしませんか?」

 瞬く間に過ぎていった今年の夏ですが、暦の上では既に秋となりました。

 和の学校@東漸寺では、今年も七五三のお祝いを計画しております。

 ただ、昨年までのような合同のご祈祷などは出来ませんので、完全予約制の個別式で着物レンタル、着付、記念写真撮影などを承ります。

 詳しくはコナまでお問い合わせ下さいませ。

日時:随時受付けております。
会場:東漸寺館内 
209 Jackson St, Coquitlam 
お問い合わせ コナともこ tands410@gmail.com
和の学校ホームページ https://wanogakkou.jimdofree.com/

カナダで楽しむ着物の世界のkona tomoko コナともこさん

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 アラフィフの自称着物愛好家。日本文化の伝道師に憧れ日々お稽古に励んでおります。
 10年前からコキットラム市の東漸寺で「和の学校」を主宰。日本文化を親子で学び継承する活動をしております。
 カナダ人の夫+高校生と大学生3人娘+老犬1匹と暮らしております。バンクーバー近郊在住。 

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「少し上等な浴衣を着物のように装う」

カナダde着物 

第1話 季節*夏~初秋

 マジョリティーが今までない物を残して来たのは世の常ですが、和服の世界でも同じようです。どんなに邪道な物も多くの人気を得れば、王道となり市場に広まります。

 昨今、浴衣を着物(*)のように愉しむ方々が増えて来ました。

 浴衣は元々はバスローブのように湯上りに軽く羽織るものでしたが、その後、サマーワンピースのように気軽なお出掛用となり、今は小紋や付け下げに使う名古屋帯を合わせられる着物レベルまで昇級してまいりました。そして、まだまだ進化の過程の中にあるようです。

 和服のルールの多くは、和装学校や呉服業界の人たちが決めてきたと聞いたことがあります。でも、それらは時代が変ればルールも徐々に変るのが実際の所でして、私が学んだ頃とは違うなと感じる時があります。その為か年代により認識がかなり差が出てしまいました。代表的なのが浴衣です。 “浴衣論争”というものがSNS上で多く見られます。

 「バスローブの役目の浴衣を街に着ていくの!?」「いや、もはや浴衣は着物と同じおしゃれ着よ」「じゃあ、せめてお茶室には着て来ないで」などなど、それぞれの言い分があります。

 論争の最後には、「出掛ける相手先や主催者のルールに従いましょう。ただ、浴衣や着物はファッションであり、常識もルールも変化して行くものである」という結論に至る事が多いようです。

(*)「和装」「和服」「呉服」「着物」「浴衣」の違いですが、ここでは和装、和服、呉服を総称として呼び、その中に着物(長襦袢の上に着る素材)と浴衣(肌襦袢や下着の上に着る素材)があると設定いたしました。

2020年の夏~初秋、コナの考える浴衣の着方
“素材の格×目的で着分けよう!”

「従来通り*カジュアルな浴衣」 

 低額の“化学繊維”や“綿”の浴衣は、肌襦袢(下着)の上に浴衣を着て、帯は半幅で素足に下駄を履きます。目的場所は、カジュアルなお祭りや自宅や友人宅でのホームパーティーなどいかがでしょうか?

(カナダでは少ないですが、お座敷に上がる時は足袋をご持参することをお勧め致します。素足で下駄で外を歩きますと、かなり足の裏が汚くなります。お相手先へ気遣いですね。)

カナダで楽しむ着物の世界。白地浴衣 木綿 藍草木染め リバーシブル半幅帯 ナイロン製
白地浴衣 木綿 藍草木染め リバーシブル半幅帯 ナイロン製。Photo © コナともこさん

「ちょっとフォーマル*おしゃれ着浴衣」  

 素材は少し高級な“絞り” “綿紅梅”“絹紅梅” “綿絽”がとても素敵です。絽の半襟をつけた長襦袢を着て少しフォーマル感を出します。帯は半幅帯にしてお好みで帯締めをします。名古屋帯の場合は帯上げと帯締めが必要です。足元は足袋に草履になります。

 目的場所は、浴衣のみの場合より広がり、夏のフォーマルパーティー、お茶会、演劇鑑賞、高級レストランなどなど、殆どの夏のお出掛けに対応できるのではないでしょうか?

カナダで楽しむ着物の世界。夏のおしゃれ着*アンティーク 綿絽浴衣 /リバーシブル半幅帯 流水 帯留トンボ 
夏のおしゃれ着*アンティーク 綿絽浴衣 /リバーシブル半幅帯 流水 帯留トンボ Photo © コナともこさん

 おしゃれ着浴衣のメリットは低額でお手入れが楽だということです。基本的に浴衣ですので高級素材でもブランドのワンピースぐらいの値段で新品が購入できます。そして、自宅で洗える浴衣が多くクリーニング代も安めです。

「地球温暖化で求められる昔から残る麻素材*縮(ちぢみ)」

 近年見かけますのが、新潟地方の小千谷縮(おじやちぢみ)です。母がよく話してましたが、昔はちぢみの夏の寝具が多くあったそうです。暑い日本の夏ですから、涼しく感じる素材の商品が増えているようですね。汗をかいても丸洗いできる縮、“越後縮、小千谷縮、能登縮、明石縮”などが有名だそうです。

カナダで楽しむ着物の世界。夏のおしゃれ着*黒地絞り浴衣/木綿製  リバーシブル半幅帯 荒磯
夏のおしゃれ着*黒地絞り浴衣/木綿製  リバーシブル半幅帯 荒磯 Photo © コナともこさん

2020年 特別展 きものKIMONO 東京国立博物館にて」

 2020年6月30日~8月23日まで東京で開催されてました「きものKIMONO」展ですが、ネット上で行かれた方々の感想を読みますと、かなり見応えのある素晴らしい展示だったとのことでした。

 今年初頭からのコロナ禍でカナダから日本へ行く事が難しくなり、私も含め特別展へ行くことを諦めた方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

 またいつか、こちらの特別展が開催されることを願います。
 特別展の詳細はホームページからご覧下さい。https://kimonoten2020.exhibit.jp/

カナダで楽しむ着物の世界のkona tomoko コナともこさん

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 10年前からコキットラム市の東漸寺で「和の学校」を主宰。日本文化を親子で学び継承する活動をしております。
 カナダ人の夫+高校生と大学生3人娘+老犬1匹と暮らしております。バンクーバー近郊在住。 

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コナともこ「着物語り」-Kona Kimono Story –

 カナダで着物ライフを愉しむ、コナともこさんの新連載。

 第一回は自己紹介、次週9月3日には着物の装いについての提案です。

 どうぞお楽しみに!

カナダde着物

 初めまして。コナともこと申します。この度、カナダで着物や和装文化に関するコラム”着物語り”を発信させて頂くこととなりました。どうぞ、宜しくお願い致します。

 今まで和服にご縁のなかった方、ご両親やご祖父母の着物があっても着るチャンスがなかった方、これから着物を愉しみたいと思っている方、そして和服愛好進行中の皆さまとコラムを通じて語り合えたら幸いでございます。

 ”文化はその土地で育つもの”と言われます。日本の伝統を守りながら、カナダ在住ならではの和装そして日本文化をご一緒に愉しみませんか?

「カナダで着物を着たい!」

 呉服店も和装履物店もないバンクーバー近郊に住みながら「着物を着たい!」とせっせと日本里帰りの度に着物や和装道具をカナダへ持ち込んで、季節の折々に愉しむ生活をして参りました。

 カナダで出会った着物好きなお友達たちの中には、足りない道具などを当地で手に入る物で作ったり、代用品を使ったり、とてもクリエイティブな方々が多いのです。着付や和裁に精通するお友達からも色々なことを教わり、益々着物に魅せられ手持ちの着物にも愛着が湧いていきました。

「コナの着物との出会い」

 元々、私は出身地の静岡で近所に住む80歳のお婆ちゃん先生から着付を習ったことがありました。芸者街で育った先生は粋な着方をされてました。使う仮紐(*)は1本で、補正も最小限に抑え、着物で働いても遊んでも動きやすく苦しくない、身体と着物が一体となることが大事だと教わりました。

 着物好きな母が自宅で茶道を教えていたこともあり、着物は身近にあったものでしたが、西洋文化にかぶれていた20代初め頃の私は、全く着物には興味がありませんでした。

 日本の良さを知ったのは、カナダ人夫に出会ってからでしょうか。日本の着物がとても高尚な文化であり、Cool!であると気付いたのです。
*「仮紐(かりひも)」: 着付の際に使う紐で次の動作がしやすいように仮に留めておくものです。

「過去から現在、そして、これからの着物業界」

 皆さまがご存知の三井、三越という会社は当初は呉服屋さんでした。100年前は殆どの日本人は着物で生活をしていました。呉服屋さんは大繁盛したことでしょう。

 それが西洋から洋服が伝わり、その便利さと今までに無い多様なデザインが受け、あっという間に和服は衰退してしまいます。

 そこで、呉服業界や和装の学校が着物のフォーマル化を勧め、和装ルールを決め、着物業界の復活に奮闘したと聞きました。皮肉なことにそれが現代に入り、人々からの和服離れを起こしてしまった理由でもあったようです。

 そして2000年代に入りますと、インターネットの普及により若い世代や海外の方々へ着物、和装文化が伝わり、新品&中古品のネット販売やオークションなどで、安く着物や帯が手に入るようにもなりました。私も定価では買えない高額な着物をオークションで手に入れ、お得感いっぱいでルンルン気分の朝を迎えたことがありました。(オークション最後の落札時間は、カナダ時間の早朝になります。早起きして戦に向かいましょう(笑)戦うのが面倒な方、実物を見たい方にはあまりお勧め致しません)

 次世代の皆さんにとっての着物は、ご自分の個性を表現するファッションになっていくと思います。そうなると自然にかつてのフォーマルからカジュアルな日常での着物が回帰してくるでしょう。

 情報社会と若者&海外の人達によって、時代に合ったスタイルへと変化することが市場で着物が生き残る道であると同時に、カジュアル着物に魅せられた人々が次に伝統的な着物に興味が移ることで結果的に伝統文化も受け継いでいくことになると思います。

 私は今の若い方々が羨ましいです。現在の和服市場には、私の知る範囲でもアンティーク着物、現代モダン着物、コスプレ着物、洋服一体型着物、などなど多種多様な着物が出回っております。ネット上でこれらの写真を見ているだけでワクワクします。自分の好みで選べる“着物&和装ワールド”への門がこんなに開かれているいるなんて! いつ愉しむの?「今でしょ」(ついつい使ってしまうフレーズです)

 人それぞれ着物のスキルも好みも違います。「着物好き!」という共通点があれば、世代や国を超えて出会いがあり、着物をきっかけにもっと日本文化を学ぶチャンスが増えますね。

 ともかく、着物は着てなんぼのもの…最初はカジュアルから気軽に始めませんか?

 ご一緒に愉しみましょう!

kona tomoko コナともこさん

コナともこ
 アラフィフの自称着物愛好家。日本文化の伝道師に憧れ日々お稽古に励んでおります。

 10年前からコキットラム市の東漸寺で「和の学校」を主宰。日本文化を親子で学び継承する活動をしております。

 カナダ人の夫+高校生と大学生3人娘+老犬1匹と暮らしております。バンクーバー近郊在住。 

和の学校ホームページ https://wanogakkou.jimdofree.com/

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