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「帰省*月がとっても青いから」

カナダde着物

第36話 *夏に最適なしじら織*

今月の着物コラムは、帰省しております静岡からお届けいたします。

6月末に成田空港に着くや否や、日本列島は梅雨明けになりまして、蒸し暑い毎日を過ごしております。

昨年はカナダでも猛暑がありましたので、地球上のどこにいてもこの異常な暑さと共に生活をしなくてはならないようです。

連日の天気予報と同時に伝えられるニュースは、ロシアのウクライナ侵攻のこと、そして突然の元首相の訃報が一日中どこかで流れています。

仏教に「無常」という言葉があります。
「私たちのいる世界は常では無く、自分の心の中も常では無い。そんな私たちだけれども、どうにかして今ここに愛が燈るようにしたい。」と私は解釈しています。

娘の名前には「Light up in the world 世界中に燈火を」(*1)という意味が含まれています。この世界が「無情」でないことを切に願います。

「月がとっても青いから」Photo by Manto Artworks
「月がとっても青いから」Photo by Manto Artworks

「月がとっても青いから...」と口ずさみながら七夕まつりの準備をする母は、以前より着物を着ることが少なくなりました。夏は特にそうですが、この猛暑の中での着物は高齢の体にはきついようです。

私の里帰りの楽しみの中に「着物でお出掛け」があるのですが、夏日の昼間を避け、気温が下がる夕方から夜に日本料理店(*2)へ行くことにしました。

静岡市の繁華街の隅にある小さいお店です。雰囲気があり、京都のたん熊で修行した店主の料理は手を掛けた素晴らしい品々でした。

「着物で来てくださる方は少ないので嬉しいです。」と言ってくださり、同席した着物姿の姪っ子は「インスタ映えする!」と喜んでくれました。

「日本料理店くりた 着物:小紋藍染め 帯:絽桔梗」Photo by Tomoko Kona
「日本料理店くりた 着物:小紋藍染め 帯:絽桔梗」Photo by Tomoko Kona
「七夕の便り」Photo by Noriko Tidball
「七夕の便り」Photo by Noriko Tidball

カナダ在住の写真家Norikoさんから七夕の写真が送られてきました。

「夏の着物、しじら織」

姪っ子に着せた今流行りのターコイズブルーの浴衣ですが、手触りがゴワっとしたしじら織(*3)で、単衣の着物としても使えます。

麻なので、座った後のシワを誤魔化せますし、綿のようにべたっと生地が貼りつく感触も少ないですね。

夏の着物に加えてみてはいかがですか。

世界に燈火を(*1)
仏教やキリスト教の他に様々な宗教の経典にも出てくる言葉である。他にも「燈明」、「一隅を照らす人」などもある。

静岡の日本料理店 くりた(*2)
店主は静岡県掛川市出身で、京都の老舗たん熊で京料理の真髄を学んだ。

地元に戻り店を構えるなら静岡市でと2011年出店。静岡市街地のオアシス、常盤公園脇のマンション1Fにひっそりと佇む、正に大人の隠れ家的名店。 暖簾をくぐり、趣深い石畳みを進むと、6名迄対応可能な個室を横目に、白木のカウンターが美しい店内へ。店主がもてなせる範疇に留められる様、カウンターは6席のみ。完全予約制となっている。

しじら織(*3)
シボという独特の凹凸で、縦糸と横糸の本数と組み合わせによる張力差により生み出されています。 張力差を計算して柄や模様を整えることから、卓越した技術と経験を要しますが、シボがあることで、肌触りがよく、軽くて着やすくなり、汗をかいても肌に張りつかないため、特に夏のクールビズ衣料として重宝されています。

https://www.kyo-kurita.com/

引用

日本の行事・暦:koyomigyouji.com/index.html

参照:https://ichigu.net/person/

コナともこ
アラフィフの自称着物愛好家。日本文化の伝道師に憧れ日々お稽古に励んでおります。

10年前からコキットラム市の東漸寺で「和の学校」を主宰。日本文化を親子で学び継承する活動をしております。和の学校オンラインサロン*無料*は、対面式が始まりましたので、不定期で開催することになりました。次回の開催日と内容につきましては、後日お知らせいたします。
その折には、是非ご参加くださいますよう宜しくお願い申し上げます。また皆さまとお会いできることを楽しみにしております。

*詳しくはコナともこ までお問い合わせ下さい。tands410@gmail.com
東漸寺は非営利団体で、和の学校の収益は東漸寺の活動やお寺の維持の為に使われています。

カナダ人の夫+高校生と大学生3人娘+老犬1匹と暮らしております。バンクーバー近郊在住。

和の学校ホームページ https://wanogakkou.jimdofree.com/
Facebook https://www.facebook.com/tomoko.kona.98
Instagram https://www.instagram.com/konatomoko/?hl

 

「初夏*雲の晴れ間の青空も懐かしく」

カナダde着物

第35話 *着物でイベントへGO!* 

「夏はどこへ行ったの?」

そんな言葉が飛び交うグレーターバンクーバーですが、夏至(*1)に入りまして、昼間が1年で一番長い時期となります。

皆さま、初夏を迎えいかがお過ごしでしょうか。

たまに顔を出す晴れ間の青い空は、ノースショアの山々を美しく際立たせ「カナダに住んでいて良かった!」と思わせてくれます。

私はいつも「青空」を見て思い出すのですが、中国の思想家荘子の「井の中の蛙大海を知らず」ということわざがありますね。

「見識が狭く自分の範囲以内でしか物事を考えられない」という意味で使われているかと思いますが、その後、日本で付け加えられたと言われている部分をご存じですか。

それは「されど空の深さ(青さ)を知る」です。

「狭い世界で自分の道を突き詰めたからこそ、その世界の深いところまで知ることができる」という意味です。

昨今、インターネットで多くの情報を得るようになり、一見、世界のことを知ったかのように勘違いしてしまいますが、本質的なところはそう簡単に分かるものではないでしょう。

それに、他者を知る前に自分の国の文化や歴史、そして自分のことを良く知っているでしょうか。

多様性が尊重される時代になったからこそ、この言葉のようにひとつの物事を深く学び考え、他者の考えに耳を傾け、それらをもう一度自分の中で咀嚼し、互いが受けいれ合うことが大事ではないかと思います。

カナダの青空を眺めながら、今、ここにいる自分を感じ、大海へ向かう勇気も持てましたら幸いです。

「井の中の蛙大海を知らず、されど空の深さを知る」(*2)

「Sunset in Vancouver」 Photo by Manto Artworks
「Sunset in Vancouver」 Photo by Manto Artworks

「着物でイベントへGO!」

コロナ禍の規制が徐々に緩和され、毎週末どこかでイベントが開かれております。

今月はバンデューセン公園の黄藤が見事に咲き、ダウンタウンでのジャパンマーケット(*3)、バーナビーの日系ファーマーズマーケット(*4)、そして先日は久石譲さんのコンサート(*5)が ザ オヒュームでありました。

どの会場でも沢山の人がいらしていて、皆が冬眠から覚めたようです。

私もその中の一人で、毎週末、時には着物で出掛けておりました。

暦の上では、6月から単衣(ひとえ)となります。着物は裏地のない薄い生地で仕立てられていて、季節を早取りするお洒落さんたちは、すでに半襟や帯上げなどの小物を夏用の紗や絽のものにしています。

それでも、まだまだ曇りや雨で寒い日もありますので、6月は衣替えの調整期間でありその時の気候で臨機応変に選んでおります。

着物の色目は明るい方が気分的に初夏を感じます。暗い色目の着物の場合は小物に差し色をしてアクセントとして足しても良いのではないでしょうか。

いつも提案させていただいておりますが、ご夫婦で着物でお出掛けはいかがですか。

男性の着物は色や柄の種類が少ないのですが、最近の浴衣は着物でも愉しめそうなアートな柄も多く出ています。次回の里帰りで、夫の浴衣兼着物を調達しようかと思います。

男性も是非、着物でお出掛けくださいませ!

「黄金の黄藤、帯がつづく」 Photo by Noriko Tidball
「黄金の黄藤、帯がつづく」 Photo by Noriko Tidball

夫婦やカップルでも愉しめる着物

Photo by Tomoko Kona
Photo by Tomoko Kona

*おまけ*

6月週末のイベントにて

ツイッターより写真 「ジャパンマーケットバンクーバー2022」

(*1)夏至
太陽のエネルギーが最も溢れる期間である。禊をする祭典が二見興玉神社夫婦岩の前で行われる。古くから二見浦一帯は、伊勢参宮を控えた人々が心身を清め、罪穢れを祓うべく、禊祓をされた場所だった。午前3時30分より夏至祭が斎行され、続いて日の出の時刻(午前4時40分頃)に合わせて禊行事が行われる。夏至の前後1か月だけ、夫婦岩の間から朝日が昇る。

(*2)「井の中の蛙大海を知らず、されど空の深さを知る」
「井の中の蛙大海を知らず」はもともとは中国で誕生した言葉であり、中国の思想家である荘子の「秋水篇」にある「井蛙不可以語於海者、拘於虚也」が由来である。

後に続く言葉は、他にも「天の高さを知る」、「天の広さを知る」などもあるが、ことわざとしては正式には無い。

(*3)ジャパンマーケットバンクーバー
バンクーバー在住の日本人女性3人が企画、主催。日本人作家によるクラフト、ジュエリー、和装小物や着物、手作りせっけんなどのベンダーが出店した。
http://japanmarket.ca/

(*4)バーナビーの日系ファーマーズマーケット
バンクーバー新報オンライン記事から https://www.japancanadatoday.ca/community/community-news/2022/06/09/nikkei-garden-farmers-market-june-2022/

(*5)久石譲さんのコンサート
バンクーバーでは6月17日、18日にザオヒュームにてVSOとの共演でコンサートが開かれた。
https://joehisaishi-concert.com/
https://www.vancouversymphony.ca/event/music-of-joe-hisaishi-2021/

引用
日本の行事・暦 koyomigyouji.com/index.html

参照
ダ・ヴィンチWebから https://ddnavi.com/serial/679081/a/

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アラフィフの自称着物愛好家。日本文化の伝道師に憧れ日々お稽古に励んでおります。

10年前からコキットラム市の東漸寺で「和の学校」を主宰。日本文化を親子で学び継承する活動をしております。和の学校オンラインサロン*無料*は、対面式が始まりましたので、不定期で開催することになりました。次回の開催日と内容につきましては、後日お知らせいたします。

その折には、是非ご参加くださいますよう宜しくお願い申し上げます。また皆さまとお会いできることを楽しみにしております。

*詳しくはコナともこ までお問い合わせ下さい。tands410@gmail.com

東漸寺は非営利団体で、和の学校の収益は東漸寺の活動やお寺の維持の為に使われています。

カナダ人の夫+高校生と大学生3人娘+老犬1匹と暮らしております。バンクーバー近郊在住。

和の学校ホームページ https://wanogakkou.jimdofree.com/
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「皐月*夏も近づく八十八夜~♪」

カナダde着物

第34話 *母と着物* 

 皐月(さつき)の皐には「神に捧げる稲」という意味があるそうです。八十八の字を組み合わせると「米」になり、八十八夜(*1)に摘まれた新茶は栄養価が高く古くから珍重されています。

 カナダに住んでいますと、青々とした田んぼやお茶畑を目にすることができないのが時々残念に思います。この時期に里帰りされている皆さん、新緑の日本の風景を十分にご満悦されて来てくださいね。

雨がやめば五月晴れ。©Noriko Tidball
雨がやめば五月晴れ。©Noriko Tidball

母と着物

 穏やかな五月の日曜日。店先の色とりどりの花々は母の日のためでしょう。

 この日、お寺ではお釈迦様の誕生を祝う「花まつり」がありました。

 生前のお母さまの着物で法要に参加された方が、「母より背が高くなりサイズが合わないのですが、この着物を身に付けることで供養になると思います」と、工夫されながら素敵に着こなされていました。

 花々に囲まれたお釈迦様に甘茶をかけて、皆さまがそれぞれのお母さまを思い出されたことでしょう。人は誕生して一生を終えるまで様々な経験をし、いつかあの世へ旅立つ日がきます。

 人生の終わりに思い浮かべる人は誰ですか。

母の着物に手を通す。©Noriko Tidball
母の着物に手を通す。©Noriko Tidball
花まつり@東漸寺2022。Photo courtesy of Tomoko Kona
花まつり@東漸寺2022。Photo courtesy of Tomoko Kona

*おまけ* 

 五月のお節句「端午の節句」にミニ茶会を開きました。

 (*1)八十八夜(はちじゅうはちや)は雑節のひとつで、立春を起算日(第1日目)として88日目(立春の87日後の日)にあたる。

文部省唱歌 『茶摘み』 – 「♪夏も近づく八十八夜…」と茶摘みの様子が歌われている。作詞・作曲:不詳。

出典: フリー百科事典ウィキペディア(Wikipedia)より 

(*2)花まつり 正式名称は「灌仏会(かんぶつえ)」お釈迦様の誕生を祝う仏教行事のこと。“仏に灌(そそ)ぐ”ことから「灌仏会」と名付けられ、その起源は平安時代までさかのぼるといわれています。また、花まつりの名称は明治時代に浄土宗が採用したものと推定されています。

***引用***

日本の行事・暦
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「春爛漫*桜さくらこの手にとまれ」

カナダde着物

第33話 *着物でお参り* 

 桜が咲き始めてあっという間に4月もそろそろ終わりとなりました。振り返りますと今年のバンクーバー近郊は、暖かい日もあり桜はいつもより早く咲き始めました。4月9日と10日に行われたサクラデイズ・ジャパンフェア (*1)では、バンデューセン公園の満開の枝垂れ桜を見ることができました。

  桜は日本人にとって縁の深い花で、愛でるだけでなく、着物や帯の図柄や小物、そして食用としても多く利用されています。

 昔から「山の神様」が春になると「田の神様」となって里に降りてくると信じられ、桜の花が咲いたら、その印とされ、とても縁起の良いものと伝えられてきたそうです。

 そう言えば、春の俳句の季語には「山笑う」「猫の恋」など不思議なものがあります。

 春の日差しが私たちを夢うつつの気分にさせるのも「田の神様」の仕業でしょうか。

見上げれば桜のトンネル。Photo courtesy of Noriko Tidball
見上げれば桜のトンネル。©Noriko Tidball

着物でお参り

 昨今のお参りは季節や行事を問わず、ご家族の予定やその地にあった季節や天候で愉しむ新しい世代が増えました。

 1/2成人式は十歳のお祝い、十三歳参り、十五歳元服、成人式や結婚記念日は、お天気が良くなる春にお参りや撮影をされます。

 その他にもお誕生日記念や6月の卒業式は、人生の節目にご家族で集える、とても良いチャンスですね。

 日本でも欧米のように新学年の始めを9月初めを推奨するニュースを見ますが、それでも4月に行われているということは、日本人は草花が芽吹く春を人生の節目のスタートと重ねるからでしょうか。

 賛否はありますが、日本を離れて暮らしていますと、桜の中、新しいバックパックで出かける子供たちの姿もいいなと感じます。

卒業の思い出 お友達同士で撮影 2022。Photo courtesy of Tomoko Kona
卒業の思い出 お友達同士で撮影 2022。Photo courtesy of Tomoko Kona
結婚記念日、成人式の撮影 2022。Photo courtesy of Tomoko Kona
結婚記念日、成人式の撮影 2022。Photo courtesy of Tomoko Kona

*おまけ* 

 サクラデイズ・ジャパンフェアでは、毎年、茶道裏千家バンクーバー協会(*2)によるデモンストレーションと呈茶がございます。こちらはお茶席のチケットがすぐに完売します。多くのカナダの皆さまが茶道をはじめ日本文化に興味があることを嬉しく思います。

春のお茶席では、明るい色目の着物姿が目を引きます。

(*1)サクラデイズ・ジャパンフェア

詳しくはバンクーバー新報オンライン記事より
https://www.japancanadatoday.ca/community/2022/04/25/sakura-days-japan-fair-2022/

(*2)茶道裏千家バンクーバー協会

正式名称は、茶道裏千家淡交会バンクーバー協会。来年、協会が発足して60周年を迎えます。今月、99歳をお迎えになられた大宗匠の国際茶道の願いを受け継ぎ、ここバンクーバーの地で精進していきます。

会の目指す道 The way of the tea                             

私達は茶道の真の相を学び それを実践にうつして たえず己の心をかえりみて 一盈を手にしては  多くの恩愛に感謝をささげ お互いに人々によって 生かされていることを知る茶道のよさを みんなに伝えるよう努力をいたします」

***引用***

日本の行事・暦
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「弥生*春日遅々」

カナダde着物

第32話 *能楽と着物* 

 春日遅々(しゅんじつちち)とは太陽の光、そして時間がゆっくりと過ぎる様子を表しているそうです。夏時間に変り、バンクーバー近郊もそのような景色を見ることができます。

 しかし、今、同じ地球上の裏側では悲しい人類の一面を目のあたりにしています。ゆっくりとした時間とは真逆の世界です。

 私達の中にある生気と邪気は永遠になくならないのでしょうか。お互いを傷つけ合い、破壊と再生を繰り返します。そのような状況の中で、いつも被害を被るのは社会的弱者です。

 難民の方々へ一刻でも早い救済がありますように。私たちに与えられた尊い命、どうか大切に大切に、遠くの人々、近くの人々の心に花を咲かせることができますよう願います。

 南禅寺元官長を勤められた、故柴山全慶老師の綴ったこの詩を見つけました。

「花語らず」

 花は黙って咲き / 黙って散ってゆく / そうして 再び枝に帰らない けれども その一時一處に / この世のすべてを托している 一輪の花の声であり / 一枝の花の真である 永遠に滅びぬ 生命のよろこびが / 悔いなくそこに輝いている 

君と咲きたい。© Noriko Tidball
君と咲きたい。© Noriko Tidball

「能楽から学ぶ着物の世界」

 お寺の裏庭で、和歌山の紀州梅が咲き始めた2月末の日曜日、東漸寺で能楽(*1)のレクチャーが行われました。

 有難いご縁がありまして、宝生流の能楽師と能楽コーディネーターの方(*2)がお寺へいらしてくださり、30名の参加者の皆さんにお能実演とお能体験、そして茶道裏千家バンクーバーの有志による花びら餅とお抹茶の呈茶の振る舞いがありました。

 和の学校では初めての「能楽の集い」でしたが、皆さまに喜んでいただいたようで幸いです。

 今回は能楽の衣裳はありませんでしたが、能装束は着物の原点と言えますでしょうか。装束は豪華絢爛で面は角度で表情は変わり、謡は熱を帯て響き渡り、総合芸術の極めのようでもあります。

 前回の着物コラム内で「着物と所作」について綴りましたが、お能の所作にも着物を美しく着続けるヒントが多くありました。ゆっくりとした動きや歩き方は、大変、参考になります。

 当日、着物姿の参加者が多く、会場を華やかにしてくださいました。

 私は能楽師をあしらった訪問着とモダンな白地の袋帯を選んでみました。「いつか能楽堂へ、この着物でお出かけしてみたいわ~」と夢うつつしたことがありましたが、まさかカナダで実現するとは思いませんでした。

 このような機会をいただきまして、関係者の皆さまに感謝しております。これからも日本の伝統文化をお寺から発信してけたらと思います。どうぞ、よろしくお願いいたします。

能楽の集い。Photo courtesy of Tomoko Kona
能楽の集い。Photo courtesy of Tomoko Kona

「能楽の集い*和の学校@東漸寺*2022」

*おまけ* 3月といえば雛祭りです。先日、和の学校の着付教室の皆さまとミニ雛祭り茶会を開きました。練きりのお菓子は春らしい鶯や春の花々を、着物は梅の花です。

「ミニ雛祭り茶会

能楽(*1)
「能楽」は、「能」と「狂言」からなる古典芸能です。
古くは「猿楽」と呼ばれ、「能楽」の名がつけられたのは明治時代以降のことです。
600年以上の歴史を経て、海外でも高い評価を得ています。平成13年5月18日には、ユネスコ世界無形遺産に登録されました。平和市民公園能楽堂から http://www.nogaku.jp/nohgaku

能楽師、能楽コーディネーター(*2)
能楽師 宝生流 辰巳和麿 さま
http://www.hosho.or.jp/member/757/
https://tatsumi-kazuma.jp/profile/

能楽師 宝生流 葛野りさ さま
http://www.hosho.or.jp/member/1055/

能楽コーディネーター 清水美穂子さま
株式会社Global能楽社(東京都中野区)
https://jp.nohgaku-experience.com/flower 

和の学校@東漸寺主催「能楽の集い*2022」https://wanogakkou.jimdofree.com/%E5%BE%A9%E7%BF%92-%E4%BB%8A%E3%81%BE%E3%81%A7%E3%81%AE%E5%92%8C%E3%81%AE%E5%AD%A6%E6%A0%A1/

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「初午*運気高まる」

カナダde着物

第31話 *着物と所作* 

 三寒四温の今日この頃ですが、ゆっくりと確実に春はやってきていると感じます。

 「2月は逃げて走る」と言いますが、旧暦の正月や立春が過ぎますと瞬く間にこの月は去っていきます。

 時間はどんな人にも平等にあり、二度と戻ってきません。改めて時間を大事にしなくてはいけないと思います。

春光輝く畔にて。© Noriko Tidball
春光輝く畔にて。© Noriko Tidball

 今年の初午(*1)は2月10日で、運気が高まる日といわれております。

 ドラマの撮影で馬を目にすることの多いこの頃ですが、凛として走る姿は潔く、可愛らしい目は私達を癒してくれます。

 馬小屋で生まれたイエスキリスト、仔馬が生まれる瞬間、馬はいつも「光と誕生」を想像させます。草や花が芽吹くこれからの季節に、生きるパワーを感じる初午の日でした。

仔馬の誕生。© Noriko Tidball
仔馬の誕生。© Noriko Tidball

「着物と所作」

 私がカナダで着物を愉しむようになって随分経ちますが、よく聞かれることに、「どうして着物は着崩れるのか」という質問があります。殆どの方は「ちゃんと着付をしていないから」と答えるでしょう。

 その一方で「ちゃんと着続けていないから」と答える方は、普段から着物を召されている方ではないかと思われます。

 元々着物の構造は洋服と違い、立体の身体に平面の生地を巻き付け、紐や小物で抑えているものです。着付けをしながら仮縫いをしているような感じですので、生地を引っ張れば出てきますし、押し戻せば直ります。朝、着付けた後、日暮れの頃まで一寸とも生地がずれないということはありません。

 もちろん、きちんと着付けをしましたら、崩れることを極力抑えることはできます。それに加えまして、着物のサイズが合っていることも大事な要素でしょう。

 着物を着ている間は、引き続き仮縫い中だと思う方が良いでしょうか。歩き方、物の取り方、動作のすべてを着物仕様にしましたら、かなり着崩れを防ぐことができます。

 そこで大事になるのが「着物の所作」(*2)となるわけです。

 茶道や日本舞踊をされている方はお分かりかも知れませんが、大きすぎる仕草や無駄な動きは、見ていて美しくないだけでなく、色々な支障も出てきます。着物の裾を踏んでしまったり、車内で思いきり後ろを向き背中の筋を傷めたり、現代建築の中ではドアノブに袖をひっかけ糸がほつれたりと…。

 そう考えると、私達の周りは着物仕様になっていない環境なのかもしれません。

 では、せめて自分の動きは着物に合うように心がけてみようかと思うのです。

 着崩れの防止だけでなく、美しい動作も身に付けられるといいですね。

梅花小紋*七宝柄半幅帯。如月初牛の頃/東漸寺にて。Photo courtesy of Tomoko Kona
梅花小紋*七宝柄半幅帯。如月初牛の頃/東漸寺にて。Photo courtesy of Tomoko Kona 

 さて、桃の節句がもうすぐです。「春よ、来い」(*3)のピアノバージョンを聴きながら、そろそろ雛人形を出しましょうか。バンクーバーの梅の開花を楽しみにしています。

(*1)「午(うま)」は方位の南を示し、時間は正午を表わします。この時間は太陽が最も高く上がり、一日のうちで陽光の力が最も強まる時といわれています。立春を迎える2月の最初の午の日は、一年のうちで最も運気の高まる日とされています。

(*2)「所作しょさ」とは、 身のこなし。身ぶり。しぐさ。動作やおこない。特に、古くは読経、礼拝など神仏に対するおこない、日々の日課をいうことが多い。歌舞伎の文献では1687年(貞享4)の《野良立役舞台大鏡》にみえるのが古く,所作事ははじめやつし事として,職業の意味での所作から,職業とくに職人の動きを舞踊に写したものであった。(精選版 日本国語大辞典「所作」の解説から)

(*3)「春よ、来い」は、松任谷由実の26枚目のシングル。作詞・作曲:松任谷由実。歌詞の一部は文語体で書かれている。最後のサビの繰り返しでは、童謡「春よ来い」(相馬御風作詞、弘田龍太郎作曲)の一節がコーラスで歌われている。小学校や中学校の卒業ソングとしても人気がある。
(ウィキペディアWikipediaから)

Youtube 春よ、来い – ピアノカバー – pianocover – CANACANA

***引用***

日本の行事・暦
koyomigyouji.com/index.html

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「新春を彩る*小正月」

カナダde着物

第30話 *家族写真* 

 2022年の幕開けです。

 グレーターバンクーバー界隈は、年末のホワイトクリスマスから続きまして、お正月も真っ白な雪で美しい景色を満悦することができました。皆さまはどのようにお過ごしでしたでしょうか。

 私事ですが、年末から体調を崩しまして大晦日からお正月は料理も飾り付けもできず、もの足りない新年を迎えておりました。当たり前に健康で暮らすことがこんなに有難いものなのかを、年の初めに深々と感じております。

 幸いなことに日本の暦の上には「小正月」があります。旧暦のお正月はこれからですし、お正月気分を取り戻すことができそうです。

 このような年中行事があることは大変に有難く、やや下降気味でした私の気分を晴らしてくれそうです。

 昔から日本人は、無病息災や五穀豊穣を願いながら、季節折々の行事を愉しんで来たのでしょうね。 

シリーズWaldeinsamkeitより。 Photo courtesy of Noriko Tidball
シリーズWaldeinsamkeitより。© Noriko Tidball

「今その一瞬を、家族で写真撮影」

 いつの時代でも家族写真は思い出に残るものです。

 東北の地震の時、津波に流されたアルバムの写真をボランティアの方々が乾かし整え、持ち主へ返すニュースを見ました。家族や家を失くしても、家族がいたこと、家があったことを残された人たちは忘れずにいたいのでしょう。

 写真はその時の想いを今の心にまた複写してくれ、失くしたものを呼び起してくれます。

 カナダのホリデーシーズンや日本の年末年始は、クリスマス、お正月、成人の日などがあり、家族写真を撮る良いチャンスですね。

 一般的に着物を着る習慣は、特別な儀式や行事の時となっている現代ですが、たまに華やかな着物姿もいかがでしょうか。

成人の日、華やかな振袖姿。©Manto Artworks
成人の日、華やかな振袖姿。©Manto Artworks
ご家族での写真撮影。©Manto Artworks
ご家族での写真撮影。©Manto Artworks

*** 写真家のご紹介 ***

「今年の着物コラム、素敵な写真を提供してくださる写真家のお二人をご紹介いたします」

那須則子 Noriko Nasu-Tidball

 1990年カナダへ移住し会社員生活を送る。退職後、自身のポートレート撮影を依頼した際、写真教室を勧められ受講。その後、その講師であった写真家のアシスタントを務め結婚式等の撮影を行う。傍らNPOやバンクーバー教育委員会からの依頼の仕事をする。ここ何年かはフィルムで自分のテーマに沿った写真を撮っている。

E-mail  
ptidjp@yahoo.co.jp

https://www.norikotidball.com/

(コナのひと言)
 則子さんは、2019年から和の学校@東漸寺にて、可愛らしい子供たちの写真を撮影してくださっています。特に七五三祝いでの晴れ着姿は、母親の目線でお子さまの表情を捉えますので、安心してお任せできるでしょう。 

中村マント Manto Nakamura

 世界のスポーツ、人間、そして自然を描写する平和主義の報道プロ写真家。 オーガニック納豆事業とサッカー指導も手がける。

E-mail  
manto@show.ca

https://www.facebook.com/MantoArtworksPhotography

(コナのひと言)
 マントさんは、人や自然にフォーカスし、様々なロケーション撮影の経験がある写真家です。和の学校@東漸寺では、ご家族のストーリーを今の一瞬と共に写し出し、初参りから七五三祝い、そして成人式など、幅広い被写体を得意としていると思います。

コナともこ
 アラフィフの自称着物愛好家。日本文化の伝道師に憧れ日々お稽古に励んでおります。

 10年前からコキットラム市の東漸寺で「和の学校」を主宰。日本文化を親子で学び継承する活動をしております。和の学校オンラインサロン*無料*は、対面式が始まりましたので、不定期で開催することになりました。次回の開催日と内容につきましては、後日お知らせいたします。

 その折には、是非ご参加くださいますよう宜しくお願い申し上げます。また皆さまとお会いできることを楽しみにしております。

 *詳しくはコナともこ までお問い合わせ下さい。tands410@gmail.com

 東漸寺は非営利団体で、和の学校の収益は東漸寺の活動やお寺の維持の為に使われています。

 カナダ人の夫+高校生と大学生3人娘+老犬1匹と暮らしております。バンクーバー近郊在住。

和の学校ホームページ https://wanogakkou.jimdofree.com/
Facebook https://www.facebook.com/tomoko.kona.98
Instagram https://www.instagram.com/konatomoko/?hl

 

「師走*祖母の着物姿」

カナダde着物

第29話 季節*大寒~冬至

 大雨や災害から始まりました今年の冬ですが、皆さまお元気にお過ごしでしょうか。

 住みやすい環境を望んでいても、いつ降りかかるのか分からない自然災害や環境破壊に対して、私達はどう向き合えばよいでしょうか。年の終わりに出された宿題のように考えております。

 仏教の教えの中に、「縁起」という相互依存の考え方があるそうです。

 私達の環境は「いのち」であり、それを壊された時には、まず一番苦しんでいる人と原因を探し、数字や理論を持ってそれを取り除く。そして事業を起こす為の優先順位を決める。どこでも仲良く、平和に暮らすことを本質的に持ち、正しい知識と判断をし、行うことができる能力があるのが人間だと信じること。それが仏教的なアプローチなのだそうです。

 私達が持っているはずの能力で、きっと良い環境を後世に残せるのだと信じたいものです。

Rain in Vancouver. ©Manto Artworks
Rain in Vancouver. ©Manto Artworks

「師走に見た祖母の着物姿」

 私が子どもの頃、年の暮れの餅つきは、「ファミリー餅つきパーティー」とでも言いましょうか、コナ家の大イベントでありました。

 親戚一同が集まり、大人たちは餅をつき、子どもたちは、じっと次の餅がつき上がるのを待ち構え、できたての餅を今度は醤油で食べようか、きな粉にまぶそうかとワクワクしたものです。

 玄関の外まで香るもち米を蒸す匂いや餅をつく音は、今でもとても懐かしいです。

 同時に記憶に残っているのが、臼の周りで腰を低くして動き回る割烹着姿の祖母です。昭和を生き抜いた女性は誰でもそうでしょうが、とても粘り強く逞しかった印象があります。

 静岡空襲で家が焼かれた後に終戦となりましたが、静岡市街が焼け野原で何もなくなった時に、「は~、ごせっぽい」と言っていたそうです。これだけ焼いたら、もう爆弾を落とさないだろうから安心だと思ったでしょうか。

 「ごせっぽい」とは、静岡弁で「せいせいする」という意味ですが、この一言に色々な想いが詰まっていたと想像できます。昭和の時代、戦争をまたぎ5人の子供たちを育てた上げた静岡の祖母は、生前、毎日着物姿でした。いつもテレビを観ながら笑っていましたが、和裁が得意で手元は常に動かしていました。

 カナダには祖母の着物はありませんが、着物の袖を触った時の感触やお醤油のまじったような匂いが微かに記憶に残っています。着物は普段着の木綿の絣やウールだったでしょう。

 この時期になると思い出す祖母の着物姿です。

 皆さまにも思い出される年の暮れがありますか。

Sunset in Vancouver. ©Manto Artworks
Sunset in Vancouver. ©Manto Artworks

 今年最後の「着物語り」となりました。お読みいただきまして、ありがとうございました。12か月間、季節折々の自然と着物について綴ってまいりました。

 つたない文章で恐縮ですが、愉しんでいただけましたら幸いです。

 来年2022年は、「壬寅(みずのえとら)」だそうで、その意味の由来は、厳しい冬を越えて、芽吹き始め、新しい成長の礎となるとあります。

 コロナ禍が収束すれば、私達に新しい世界が開けることを願います。

 皆さまにとりまして、新年が最高の年になりますようお祈り申し上げます。

 よいお年をお迎えくださいませ。

コナともこ

Vancouver at night. ©Manto Artworks
Vancouver at night. ©Manto Artworks

*** 引用 ***

日本の行事・暦 http://koyomigyouji.com/index.html

コナともこ
 アラフィフの自称着物愛好家。日本文化の伝道師に憧れ日々お稽古に励んでおります。

 10年前からコキットラム市の東漸寺で「和の学校」を主宰。日本文化を親子で学び継承する活動をしております。和の学校オンラインサロン*無料*は、対面式が始まりましたので、不定期で開催することになりました。次回の開催日と内容につきましては、後日お知らせいたします。

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「霜月*七五三のお祝い」

カナダde着物

第28話 季節*立冬

 早いもので、今年もあと2カ月を切りました。これから立春まで、冬への一直線です。

 バンクーバーでは、ハロウィンが過ぎた頃から雨の日が続きます。枯れ葉が舞う秋という日は少なく、キルトの作品のように色々の葉が地面にぺったりと張り付きまして、庭掃除はなかなかはかどりません。

 そのような時はあえて掃除はせず、風景としてそのままにしておきます。これも肥しとなり地面へと栄養が届くでしょう。11月11日のリメンバランス・ディ(*1)での赤いポピーは、戦地に残された動物や人間の死骸が土となり満開のポピーを咲かせたそうです。

 人が生まれ死んでいくことも、この世にあったものが無くなることも、自然界では太古から続く無駄のない営みなのでしょうね。

バンクーバーの自然の中で。©Manto Artworks
バンクーバーの自然の中で。©Manto Artworks

 「コロナ禍の中、2回目の七五三のお祝い」

 去年の今頃、毎年恒例のお寺での七五三法要や着物レンタルを中止にしようかと考えておりました。

 コロナがどうなるのか分からず、先の見えない状況、そしてコロナ禍以外の人種差別や社会問題が次々とあぶり出されました。

 お寺での七五三祝い(*2)は、2011年から続いているもので、有難いことに毎年多くの日本人や日系人のご家族がお参りに来られます。

 お寺の和尚さんや檀家さん、そして和の学校の生徒さん達が、いつも真心でボランティアをしてくださり、子供達の成長を祝い、若い世代のご家族を応援します。

 そのような活動は、私がお寺で和の学校を立ち上げたときに考えていた理想のままです。

 政府からの規制などが強くなる中、人と関わらなくなることが利点になる場合もあれば、関わらなければ上手く行かないこともありましたが、やはり私達は社会の中で生きるものであり、人は人に助けられるものではないかと感じました。

 そして、人数制限はしたものの、いつも通りお寺には賑やかな声が響き、お子様の成長を祝う1日となりました。

七五三祝い@東漸寺 2021 本堂にて。Photo courtesy of Tomoko Kona
七五三祝い@東漸寺 2021 本堂にて。Photo courtesy of Tomoko Kona

 今年も11月14日、21日にも東漸寺の本堂にて合同法要を行います。

 このような世の中ではありますが、ご家族ご一緒にお寺へ行ったことをお子様たちは思い出の中にしっかり残すのではないでしょうか。

 スティーブジョブズが残した言葉です。

 「私が勝ち得た富は、(私が死ぬ時に)一緒に持っていけるものではない。私が持っていける物は、愛情にあふれた思い出だけだ。」

七五三祝い@東漸寺2021 お父さんと遊ぶ女の子。七五三祝い@東漸寺 2021 本堂にて。Photo courtesy of Tomoko Kona
七五三祝い@東漸寺2021 お父さんと遊ぶ女の子。七五三祝い@東漸寺 2021 本堂にて。Photo courtesy of Tomoko Kona

*** 引用 ***

暮らしの歳時記 http://www.i-nekko.jp/

*1 リメンバランス・ディ 毎年11月11日は、Remembrance Dayというカナダの祝日。第一次世界大戦以降の戦争で亡くなった軍人、退役軍人らを追悼する日である。日本語では「戦没者追悼記念日」「休戦記念日」。

スタンレーパークには、日系戦没者記念碑があり、1918年11月11日から2年後に、日系コミュニティの寄付金により建てられもの。毎年、戦争で犠牲となった日系カナダ人を偲んで戦没者の追悼式典が行なわれている。

コナのひとこと。リメンバランス・ディは、戦争の犠牲となった軍人に敬意を表すだけでなく、全ての戦争の犠牲者の死を心から悼み、政治家と私たちが歴史の過ちを覚える日であるべきだと願います。

*2 お寺で七五三のお祝い コキットラム市にありますTozenji Temple(西山浄土宗 東漸寺)で、七五三のお祝いをお手伝いさせていただいております。

東漸寺 https://www.facebook.com/tozenji.bc

コナともこ
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「寒露*袷の着物に手を通す」

カナダde着物

第27話 季節*鴻雁来(こうがんきたる)

 日本では、夏に日本で過ごした燕などの夏鳥が南へと渡り、今の時期に北から冬鳥がやって来るそうです。雁はその代表的な野鳥でしょうか。

 カナダは世界的に有名なバードウォッチングの聖地のひとつだと、以前、飛行機の中で同乗しました「日本野鳥の会」の皆さんから教えていただきました。

 おひとりの方は、もう何十回とカナダへ来ていますが、ガスタウンやキャピラノブリッジにも訪れたことはなく、ひたすら珍しいカナダの鳥たちを追いかけていると話していました。

 私はこちらに20年以上住んでいますが、庭先に来る鳥たちを見て喜んでいる程度です。カナダにはまだまだ知らない魅力が溢れているようです。

 この冬は、カナダの冬鳥(*1)に注目してみようと思います。

Canada Geese & Seagull。©Manto Artworks
Canada Geese & Seagull。©Manto Artworks
マントさんはカナダの鳥を多く撮影されている写真家です。©Manto Artworks
マントさんはカナダの鳥を多く撮影されている写真家です。©Manto Artworks

 「寒露(かんろ)の時期、袷きものに手を通す

 近所の木々が紅葉し始めて、朝方、冷たい露が紅葉した草花にうっすらとベールのように包みますと、着物はやはり袷が欲しくなります。

 裏地がついていますので、単衣の着物に比べますとやや重さがあります。先日、1日掛かりで衣替えをしまして、自分でデザインしましたIKEA自家製着物タンス(*2)に袷の着物を移しました。

 今シーズンはどの着物に手を通そうかと考えるのが、10月の楽しみなのですが、お茶会やソーシャルな集まりも自粛で少なくなっています。コロナ禍の郵便事情でまだ日本から届いていない着物もありますし、やや盛り上がりの欠ける今年の衣替えでした。

神無月 移りゆく木々の色。©Manto Artworks
神無月 移りゆく木々の色。©Manto Artworks

「戦国時代風に普段のきもの」

 時々しております、テレビや映画の着付の仕事ですが、現代の着物からタイムスリップして戦国時代を覗いてみますと、新しい発見が生まれます。

 外へ着物で出かけるチャンスが少ないので、家で気軽に楽しめる着物はないかと思っておりましたら、戦国時代の女性の着方(*3)が良さそうだと気が付きました。

 5分以内で着ることができ、帯を締めたときに苦しくなく、それでいて着物の華やかさもあります。

 戦国時代は生きるか死ぬかでお洒落もする余裕がなかったのでしょうか(いえいえ、色々な理由があるそうです)、現代の男性の着物のような着方でした。小袖と呼ばれる着物は袖が短く、身丈です。身八ツ口がありません。帯は細帯で現代の男性の角帯のようなものです。 

 早速真似してみましたら、それはそれは着心地が良く、すっかり私の最近の装いは戦国時代です。皆さまも「お家de着物」は戦国風で愉しんでみませんか。

「戦国時代風に着てみました。」

*** 写真家のご紹介 ***

 いつも私の着物コラムに素敵なお写真を提供してくださっています、写真家のマントさん。カナダにいる珍しい野鳥の写真を1年を通じて撮影し続けておられます。

 写真はこちらからご覧くださいませ。
 https://www.facebook.com/manto.nakamura

***引用***

暮らしの歳時記 http://www.i-nekko.jp/

*1 カナダの冬鳥 バンクーバーは高緯度にありながら、近くを暖流が流れている関係で、冬でも気候が温暖で、カナダの中でも唯一、北からの冬鳥の越冬地となっている。

 海沿いに位置するバンクーバーは湿地が多く、特に水鳥の多さは目を見張るものがある。ハシグロアビ、ナキハクチョウ、クビワキンクロ、コスズガモ、アラナミキンクロ、キタホオジロガモ、ヒメハジロ、オウギアイサ、カナダヅル、クロワカモメ、カリフォルニアカモメ、ウミバトなど、日本では珍鳥とされる野鳥が多く、数百羽のハクガンの群れが間近に見られることもある。
還暦からのネイチャーフォト から https://mustachio.exblog.jp/17898199/

Y Bird 山本幸正の社長日誌 
http://www.ybird.jp/field/index.cgi?no=r549

*2 IKEA自家製着物タンス(コナの自作キャビネット)
IKEAのキャビネットを使い、着物を収納できるスペースをデザインした。

IKEA pax wardrobe
https://www.ikea.com/ca/en/search/products/?q=pax%20wardrobe

*3 戦国時代の女性の着方
歴ペディア 
https://rekisi-omosiroi.com/sengokuzida-zyosei/


コナともこ
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 その折には、是非ご参加くださいますよう宜しくお願い申し上げます。また皆さまとお会いできることを楽しみにしております。

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 東漸寺は非営利団体で、和の学校の収益は東漸寺の活動やお寺の維持の為に使われています。

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「天高く*秋ひとえ」

カナダde着物

第26話 季節*秋分の日

 今年の十五夜は中秋の名月と同じ日で、9月21日でした。暦上と天文学上の満月が重なったようです。グレーターバンクーバーエリアでは綺麗な満月を見ることができました。

 ファーストネーションの文化では「ハーベストムーン」と呼び、収穫の時期に日没と入れ替わりに出る明るい満月は、農作業をする人々を助けたそうです。

Full moon and Totem poles。©Manto Artworks
Full moon and Totem poles。©Manto Artworks

 そして、9月23日の秋分の日(*1)は、昼間と夜がほぼ同じ長さとなり、春分の日と同様、古代から特別な習慣や儀式が行われています。

 メキシコでは、「ククルカンの降臨」(*2)と呼ばれる現象がピラミッドで見られるそうです。大蛇が現れる瞬間を一度は見てみたいものです。

 日本では秋のお彼岸に入ります。カナダでは見ることがないのですが、真っ赤な彼岸花(*3)は美しいですね。

 自宅でも作ることができそうな餡子で包まれたおはぎは、シンプルですが懐かしい故郷の味がします。

 さて、今宵は何をしましょうか。

 「天高く*秋ひとえ」

 6月から単衣(ひとえ)や薄物を愉しんでまいりまして、いよいよ10月からは袷(あわせ)の着物となります。

 9月は単衣の着納めの月でしょうか。贅沢ですが、9月だけに着る「秋ひとえ」と呼ばれる着物があります。同じく、6月にも「紗合わせ」という着物もありまして、季節限定でとても素敵です。

 カナダでの9月の空は、時に晴れ渡り澄み通った青い空で「インディアンサマー」と呼びますが、個人的には秋の蒼色が好きです。名残惜しい青空を連想させるからでしょうか。この時期は、織りのものや御召(おめし)(*4)が合いそうです。

秋ひとえ 着物*蒼の織り 帯*織物。Photo courtesy of Tomoko Kona
秋ひとえ 着物*蒼の織り 帯*織物。Photo courtesy of Tomoko Kona

 先日、お寺で一周忌法要がありまして、故人を偲ぶ気持ちを秋ひとえに表してみました。いつまでも私達のお稽古を見守ってくださるお茶人を想いながら手を合わせました。(合掌)

一周忌法要 着物*大島風御召 帯*一重名古屋帯。Photo courtesy of Tomoko Kona
一周忌法要 着物*大島風御召 帯*一重名古屋帯。Photo courtesy of Tomoko Kona

*1 秋分の日 
 二十四節気の「秋分」に入ります。
秋分の日は、昼夜の長さがほぼ同じになる日で、この日を境に日が短くなり、秋の夜長に向かう。雑節の「彼岸」の中日でもあり「祖先を敬い、亡くなった人をしのぶ日」として国民の祝日になっている。秋の彼岸は、春の彼岸に対して「後の彼岸」「秋彼岸」とも呼ばれる。

*2 ククルカンの降臨 
 マヤ文明と太陽のコラボレーションによる一大イベント。 ククルカンとは、羽毛をまとった蛇神のこと。 巨大なククルカンが年に2度、晴れた日限定で、天から地へと降臨する。

遺跡ときどき猫さんから 
http://isekineko.jp/tyubei-kukulukann.html

*3 彼岸花(ひがんばな)
 別名は「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」で、サンスクリット語で「天界に咲く花」を意味する。おめでたい事が起こる兆しに赤い花が天から降ってくる、という仏教の経典からついた名前である。

*4 御召(おめし)
 御召着物とは織りのきものでの一種で、小紋と紬(つむぎ)の中間のよそゆき着である。男性、女性ともに御召はあつかわれていて、男物の無地御召の場合は一つ紋を入れると茶席やフォーマルなど略礼装として活用される。光沢とシャリ感があり、高級感があるコーディネートを楽しむことができる。

***引用***

暮らしの歳時記 http://www.i-nekko.jp/

婦人画報 「秋ひとえ」 https://www.fujingaho.jp/uts-kimono/essay/g37605319/kimono-takashimaya-akihitoe-210918/

着物用語大全 http://www.so-bien.com/kimono/


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「日系ミニ祭り*夫婦でお出かけ」

カナダde着物

第25話 季節*重陽の節句

 9月9日は重陽の節句(*1)です。これで1月から始まりました今年の五節句が終わります。五節句は、人日(じんじつ/1月7日)、上巳(じょうし/3月3日)、端午(たんご/5月5日)、 七夕(たなばた/7月7日)、重陽(ちょうよう/9月9日)となります。

 他の節句に比べると、現代では馴染みの薄い重陽の節句ですが、命を尊び、健やかで幸せな日々が続くことを願う大切な日なのだそうです。

 重陽の節句は、別名「菊の節句」と呼ばれます。私が花を食用として食べたのが菊でしょうか。母の作るお正月のお節料理に添えられていて、何かご利益がありそうで、苦みのある菊ですが少しつまんだ記憶があります。

 最近では、スミレ、ビオラ、マリーゴールドやローズなどなどが食事に添えられることは普通です。他にも人工の着色料を避けるため、花や植物を使う方々が増えてきているようです。 菊をそのまま食べることに抵抗がある方は、花びらを白湯に浮かべたり、菊酒のように日本酒に入れても良いかも知れませんね。

Bee and Sunflower。©Manto Artworks
Bee and Sunflower。©Manto Artworks

 「日系ミニ祭り*夫婦でお出かけ」

 9月4日と5日に、日系文化センター・博物館で日系祭りが行われました。今年はミニと付いていましたが、フードトラック、各種出店、パフォーマンスは行われ、とても賑わっていました。

 毎年、学校が再開する直前の週末に行われますので、久し振りに会う友人たちと夏休みの報告に話の花が咲くという感じで、イベント同様にいつも楽しみにしております。

 日本のお祭りですので、もちろん!装いは着物ですね。先日、日本から届いたばかりのデニム着物がありましたので、昔風に言いますと「ペアルック」今風では「お揃いコーデ」で、主人と出かけました。

 デニム着物(*2)は、何年か前から見かけていましたが、コロナ禍中にネットショッピングについつい目がいきまして、「カワ(・∀・)イイ!!」と、本当にこのような顔でポチッと購入をクリックしてしまいました。

 色は基本的に青系が多いのですが、私達は黒色を選びました。以前のコラムでも綴りましたが、伝統着物を崩すのは簡単ですが、品よく崩すことは難しく、特にシニア近くになりますと「清潔感」と「無駄を削ぎ落したシンプル感」が大事になるかと思います。

 昔、チャーミーグリーンのコマーシャルに出ていたご夫婦や、お揃いコーデが素敵なインフルエンサーご夫婦(*3)のように、いつまでも新しいファッションに挑戦しつつも、昔からある日本人の優しさを忘れないで表現できたらと思います。

日系ミニ祭り*夫婦でお出かけ*日系文化センター博物館にて。Photo courtesy of Tomoko Kona
日系ミニ祭り*夫婦でお出かけ*日系文化センター博物館にて。Photo courtesy of Tomoko Kona
黒デニム着物*猫と毬 半幅帯。Photo courtesy of Tomoko Kona
黒デニム着物*猫と毬 半幅帯。Photo courtesy of Tomoko Kona

重陽の節句(*1)
菊湯、菊酒、菊枕……。菊を様々に用いて長寿を願う「重陽の節供」は、「菊の節供」とも呼ばれている。今では五節供の中でも影が薄くなったが、五節供を締めくくる行事として、昔は最も盛んだったそう。

重陽の節句について http://www.i-nekko.jp/nenchugyoji/gosekku/chouyou/

デニム着物(*2)
着物をカジュアルに楽しみたい方に人気のデニム着物。ストレッチ性があり、一年を通して爽やかに着られるところがデニムの特徴である。さが美 https://sgm.co.jp/kimonodayori/denim/

お揃いコーデが素敵なインフルエンサーご夫婦(*3)
bonさんとponさん 
https://www.instagram.com/bonpon511/

***引用***

暮らしの歳時記 http://www.i-nekko.jp/


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