Vancouver Airport, British Columbia; File Photo by Japan Canada Today
Vancouver Airport, British Columbia; File Photo by Japan Canada Today

~カナダでの自己隔離体験談~

 現在、カナダへの入国者は、症状の有無にかかわらず一部医療従事者を除き、14日間の自己隔離が義務付けらている。

 カナダ入国者は入国時にSelf Isolation Plan(自己隔離計画)の提出が求められていて、自己隔離の規則を破ると、違反者に最大75万ドルの罰金、もしくは禁錮6カ月が科される可能性がある。

 8月4日に行われた、ウェブセミナー、『コロナ後の日本とカナダの往来』(JTOA⦅在カナダ日系ツアーオペレーター協会⦆、日本カナダ商工会議所、企友会⦅順不同⦆主催)では、自己隔離はしていたが政府に提出した場所以外にいたために罰金を課された例もあると聞いた。

 カナダにこれから入国する予定で、自己隔離について不安に感じている人もいるだろう。6月に日本からカナダに入国した20代女性にメッセンジャーで話を聞いた。

***

Q.カナダへはいつ帰国しましたか?
A. 6月18日です。

Q. どの便で帰国しましたか。
A. エアカナダ8便(AC08)です。

Q.カナダ帰国の理由を教えてください。
A.カナダでの就職が決まっためです。

Q.SELF ISOLATION PLANの用紙で、ACCOMMODATION(滞在先)は何と書きましたか?(編集部 注:SELF ISOLATION PLANの用紙のPDFはページの下を参照)
A. シェアハウスです。

Q.食料品などの手配はされましたか?
A. 友人にグローサリーを頼んだり、デリバリーを利用しました。

Q.隔離場所までどうやって移動しましたか?公共交通機関のスカイトレインを利用しようとしたものの、乗れなかった人もいるという話もあります。
A. わたしはタクシーで帰ったのでスカイトレインで帰る人が止められるかについてはわかりません…。 

 ただ入国するまでにSelf Isolation Planの一環として(隔離場所までの)行き方も詳しく聞かれました。なので、スカイトレインが NGなら違う方法で帰ってくださいって言われるかもしれません。

Q.隔離中についてです。政府から電話はありましたか? 電話があったなら頻度、そして誰(Vancouver Coastal HealthやFraser Healthなど)から電話がありましたか?
A. 電話は2週間のうち2~3日おきに連邦政府と州政府からありました。Fraser Health からきたかは覚えてませんが、I’m calling on behalf of government みたいな感じで言われた記憶があります。

Q.日本では隔離中の保健所からの電話で、熱が何度だったか聞かれたそうですが、カナダの場合はどうでしたか?
A. 2週間以内に発熱などコロナの症状がありましたか?とは聞かれましたが、実際の検温の結果は聞かれませんでした。

Q. どこにいるか聞かれて、Self Isolation Planの隔離場所と違うところにいたら、罰金だったという人もいるそうです。電話でどこにいるか聞かれましたか?
A.  電話では、体調やQuarantine plan(隔離計画)の確認(期間や場所など)を聞かれました。そのほかに毎回聞かれたのは、どのようにグローサリーしているか、ご飯を食べて/作っているか、お風呂などに入っているか、外の空気を吸っているか、などでした。

 私はルームメイトがいる場所での隔離でしたが、窓もありプライベートバスルームもついているので、キッチンは使わずに部屋でほとんどの時間を過ごすというプランでした。

 最初に話したプラン通り事が進んでる、ということを電話で伝えたらなんの問題もなくパスできました。キッチンお風呂シェアの家なら他にもいろいろ言われるかもしれません。

Q. シェアハウスでもOKなんですね。プライベートバスルームがあるということも聞かれたのですか、それとも自分から話をされたのでしょうか?外に出られないと聞いたのですが、外の空気は吸いなさいということでしょうか?
A. シェアルームがダメとは書いていないので、大丈夫だと思います。プライベートバスルームについては、キッチンやお風呂などはどうするの?って聞かれた際に自分で答えました。

 外の空気を吸いなさい、というよりこちらの精神的健康を気遣ってる感じでした。窓やプライベートバルコニーなら出ても問題ないです。

Q. 最後にこれからカナダに入国する人にアドバイスをお願いします。
A. 他にこちらに帰ってきた人で、止められるのを恐れて嘘をついてしまったという話も聞きました。正直どこでバレるかもわからないので、私はちゃんと2週間、他人をリスクに晒すことのない隔離場所が確保できる人以外の渡加をオススメしません。

 違反者には罰金が科せられるか、拘留されてしまいます。

 私が6月にこちらへ帰る際はまだカナダの入国規制が厳しかった時だったので、帰国前のリサーチは欠かしませんでした。

 Air Canadaでの帰国だったのですが、もしカナダに到着してその後入国できなかった(編集部 注:入国許可が下りず、送り返されることもある)としてもそれは私の責任であり、払い戻しなどは受け付けないと言われました。チケットを取る前にCBSA(カナダ国境サービス庁)のウェブサイトに載っている入国制限がかかっていないカテゴリーには入っていたのですが、念のためにCBSAにメールで連絡も入れました。

 現在、カナダもコロナ第二波がきており、感染者も徐々に増えていっているので、必要最低限での渡航をおすすめします!

貴重なお話ありがとうございました。

カナダ政府に提出するSelf Isolation Plan

self-isolation-plan

*記事中の個々のサービスに関する感想は取材協力者の個人的な感想です。

(取材 西川桂子)

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