カナダでダニ媒介感染症が拡大 ライム病に加えアナプラズマ症も増加

 カナダ各地でダニ(tick)の活動が活発化し、ダニが媒介する感染症への警戒が強まっている。特にライム病に加え、カナダ医師会ジャーナル(CMAJ)は7月、近年はアナプラズマ症(Anaplasmosis)が増加していると報告、医療関係者は早期発見と予防の重要性を呼びかけている。

 カナダ公衆衛生庁(PHAC)によると、ダニによって引き起こされる感染症として、ライム病(Lyme disease)、アナプラズマ症(Anaplasmosis)、バベシア症(Babesiosis)、ポワッサンウイルス病(Powassan virus disease)があるという。ライム病は2009年から全国的に増加しているが、CMAJの報告によりアナプラズマ症の増加にも注目が集まり、特にオンタリオ州、ケベック州、ノバスコシア州を中心に患者報告が増加している。

 ダニの生息域は気候変動などの影響で全国に拡大しているとされ、生息数も急増。eTick.caによるとオンタリオ州が最も多く、ケベック州、ノバスコシア州と続き、アルバータ州、マニトバ州、サスカチュワン州となっている。

 ライム病は、感染したマダニにかまれることで発症する細菌感染症。発熱、倦怠感、頭痛、筋肉痛、関節痛やダニにかまれた周囲が紅斑するなどが主な症状となる。

 アナプラズマ症もマダニによって媒介される感染症で、発熱、悪寒、強い疲労感、頭痛、胃腸症状などがみられる。症状は一般的な風邪やインフルエンザに似ているため見逃されやすいが、重症化すると心筋炎などを引き起こす可能性も報告されている。医師らは、ダニにかまれた記憶がなくても、森林や草地で活動した後に原因不明の発熱がある場合は受診を勧めている。

 予防策としては、長袖・長ズボンの着用、DEETやイカリジンを含む虫よけ剤の使用、屋外活動後の全身チェックが推奨されている。特に耳の後ろ、脇の下、膝の裏、髪の生え際などはダニが付着しやすい部位とされる。ペットを飼っている家庭では、散歩後のダニ確認も必要と促している。

 カナダ保健省は、ダニにかまれた後に発熱や発疹、強い倦怠感が現れた場合は自己判断せず、早めに医療機関へ相談してほしいと注意を呼びかけている。

(記事 北野大地)

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