日本に一時帰国、入国体験をレポート17:12月3日羽田到着(前編)

機内で配られた書類と検査後に渡された赤紙。Photo by © The Vancovuer Shinpo
機内で配られた新型コロナ対策用の説明書類と羽田空港での検査結果でCOVID-19陰性だった後に渡された赤い紙。Photo by © The Vancovuer Shinpo

 日本政府が3月に決定した「新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う水際対策強化に係る新たな措置」で、日本に渡航すると、空港からの移動には、公共交通機関(鉄道、バス、タクシー、航空機 (国内線)など)は使用できず、事前に家族らによる送迎、レンタカー手配するなどの移動手段の確保が必要になっている。(12月10日現在)

 これまで多くの入国体験を寄せてもらったが、今回は12月3日に羽田空港から入国した最新の体験談を寄せてもらった。日本では折しも新型コロナ感染者数が急増している中での帰国となった。

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バンクーバーから羽田へ、一時帰国を決める

 日本への一時帰国を決めた。両親が精神的にすでにいっぱい、いっぱいのところまできていて、顔を見せて安心させたいというのが一番の理由だった。

 新型コロナウイルス感染が拡大してから、それまで以上に電話でのやり取りをしていたものの、やはり顔が見たいと言う。オンラインという手もあるが、インターネットを全くやらない両親に無理にオンラインを強いるのは酷だと思った。

 ブリティッシュ・コロンビア州では両親の元に帰るのも、今年はなるべく控えてほしいという要請が出ているが、日本の場合は手続きさえ踏めば移動はそれほど制限されていない。

 ということで帰国を決めた。本音では、少しバンクーバーを離れたいという自分の希望もあった。

 帰国時期は完全にリモートでできる準備を整えるのと、両親との希望とのバランスで決めた。正直、9月くらいから帰ってきてほしいと言われていたが、秋になって日本政府の海外からの入国について動きがあったこともあり、それを見定めからというタイミングで師走の声をきいた最初の便での帰国となった。

ガラガラのバンクーバー空港、セキュリティもヒマそうだった

午後1時ごろのバンクーバー空港ロビー。Photo by © The Vancouver Shinpo
新型コロナで厳しい規制が出ているBC州。12月2日午後1時ごろのバンクーバー空港ロビー。Photo by © The Vancouver Shinpo

 時期が決まると次はどの空港に着くかだが、「成田は遠いからそのタイミングでは仕事が終わって迎えに行けない」と言われて、ほぼ強制的に羽田着に決まった。

 バンクーバーから羽田へは現在全日空が週3便で飛んでいる。12月最初は2日発、3日着。これに決まった。

 12月2日午後1時、バンクーバー空港に到着すると聞いていた通り、人はほとんどいなかった。座席は指定せずに予約。荷物を預けるときに聞くと、「3-3-3配列で3座席に誰か(一緒に)座ることはないですね」と言われた。この時点で、横になって寝られると思った。

 セキュリティは通常の国際線のセキュリティではなく、国内線のセキュリティに集約されたままだった。セキュリティに入る前に体温チェック。指定の位置に立ってチェックされたようだ。

 セキュリティに入ると担当者も明らかにヒマそうで、「待ってました!」とばかりにチェックされた。まず入ってすぐにパソコンを布みたいなもので数カ所こすって機械にかけて調べられた。これは通常でもよく見かける光景。でも、自分が対象になったのは初めてだった。

 次は金属探知機。荷物をチェックの機械に通して、自身が金属探知機のゲートをくぐるとピンポーンとなった。???。おかしい。実はこの日、身に着けていた金属は腕時計のみ。

 それでも「こっちに寄って」と言われて、金属はないかと聞かれて「ない」と答えるとシャツを上げてウエストを見せなさいと言われた。おそらくボタンをチェックするのだろうと思ったのだが、この日はスウェットパンツをはいていた。金属製のボタンなど絶対にないけど、しかたなく言われた通りにすると、また布みたいなものでウエスト辺りをこすられて、ついでに手のひらまでこすられて、機械にかけて大丈夫だと言われた。ばい菌でもついていると思われたか?と思ったが、単にヒマだったのだろう。

この日の国際線。Photo by © The Vancouver Shinpo
12月2日午後のバンクーバー空港の国際線便数。Photo by © The Vancouver Shinpo

 利用者よりも職員の方が多いのだ。この時にセキュリティを通っていたのは3人だけ。職員は15人以上いた。みんなヒマそうにおしゃべりをしていた。

 国内線から国際線へ抜ける途中でまたまたチェックポイント。こちらでもヒマそうな2人の男性職員が話していた。私の顔を見ると「Tokyo?」と笑顔で言ってきたので「Yes」と言って抜けた。

 ゲート前の待合場所でも人はまばらだった。これだけ少ないと逆に緊張する。警察官(のように見えたが実際には警察か、国境警備か、警備員かは分からない2人組)もヒマなのか、ゲートで待っている人の荷物をやたらチェックしていた。単身の男性がターゲットになっているようだった。警察官がゲートで待っている人の荷物をあんなに調べているのは見たことがない。みんな特にあやしそうには見えなかったから、やっぱりヒマだったのかもしれない。

 まだ飛行機にすら乗っていない。ここまででもかなりおもしろい体験だった。乳児連れの母親がいた。こんなときでも子どもは無邪気だ。マスクの着用が必要ないので、思いっきりな子どもの笑顔だけが、いつもの空港の安心できる風景だった。

機内で入国について気になることが…

 フィジカルディスタンスをしながら搭乗。飛行機が飛び立ってしばらくして機内で入国用の書類が配られた。

 全部で4枚。加えていつもの税関申告書。書類を読んでいるとあることに気づいた。1枚足りない。滞在先の住所などを記載する申告書が足りない。渡らされた説明書には「質問票、健康カード」のすべてを機内で記入の上、到着後提出となっている。しかし質問票がなかった。

後編ではいよいよ羽田で唾液検査体験。しかも申告書類に新しい試みが…続きは後編で

機内で配布された書類。Photo by © The Vancouver Shinpo
機内で配布された日本政府厚生労働省の新型コロナ対策書類。健康カードとラインアプリによる健康確認同意書。Photo by © The Vancouver Shinpo

*記事中の個々のサービスなどに関する感想は取材協力者の個人的な感想です。

(取材 西川桂子)

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