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Koichi Saito

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【インドから帰国した写真家、30年の悲願達成】斉藤光一

先月、私は30年越しでインドへの旅を果たしました。愛用のカメラと動画撮影用にiPhoneを携え、インドのガンジス川を主な舞台にした小説、遠藤周作の「深い河」の文庫本を手に持っての旅でした。

30年前、ワーキングホリデーでバンクーバーに降り立ち、当初は北米から、ヨーロッパそしてインドへの旅行計画を抱えていました。しかし、様々な事情からインド行きを果たせず、カナダからの帰国後は仕事と家庭に忙殺され、その夢は遠のいていました。

バンクーバーのワーキングホリデー時代に出会った当時学生の古賀義章さんとは、友人関係が今も続いています。彼は世界中のメディアから記事を厳選し、日本語に翻訳して掲載する雑誌「クーリエジャポン」の発案者であり、初代編集長となりました。また、バンクーバーでも3度講演会を開催しています。現在はJICAとの協力でインドでジェンダーに関する漫画を制作中です。彼の熱心なインドへの誘いに、インド行きを決意しました。

「数週間だけのインド滞在で何が分かる?」と言われるでしょうが、インドではシンプルに光と美しさを、カメラのファインダーを通して夢中で追い続けていました。人種のモザイクと言われるカナダに長く住んでおり、そこで培った経験が影響したのか、私がインドで撮った写真は、普段バンクーバーで撮る写真同様に、様々な人に分かりやすい写真が多かったようです。 今回、そこにビデオを組み合わせることで、インドへ行きたくても行かれない人にも、その場の雰囲気をより伝えることが出来ればと思っています。

30年の歳月を経て、果たした悲願の旅。これからも独自の手法で世界を切り取っていくことを私自身期待しています。

講談社国際ライツ事業部担当部長古賀義章さん(左)と写真家斉藤光一。インド、バラナシ、ガンジス川で。
講談社国際ライツ事業部担当部長古賀義章さん(左)と写真家斉藤光一。インド、バラナシ、ガンジス川で。

(寄稿 斉藤光一)

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「異国の地で育まれた夢、小礒和子さんのカナダ滞在と起業の記」カナダの魅力を語る~シリーズ第9回

小礒和子さん
PHONCS株式会社 代表取締役社長
カナダ滞在歴:バンクーバー2年

 私が今でも思い出すカナダのお気に入りの場所は、気持ちが落ち込んでいる時によく友達に連れて行ってもらったアメリカとの国境沿いの町、ホワイトロックです。どこまでも続く海岸線が印象的でした。
 あと、バンクーバーのイエールタウンというお洒落な地区も印象深いです。いつか成功してここで自分のビジネスを展開したいと夢見ていました。

 そして、私たちが挙式をあげたカナディアン・メモリアル教会も特別な場所です。ここで挙式を行う際にウェディングプランナーさんから、「あなたはプロデュースの才能があるので、一緒に考えていきましょう。きっと大丈夫」と言われ、何とかやりとげた自信から、今こうして那須でウェディングのプロデュースの会社を立ち上げ展開しています。その時のウェディングプランナーさんには感謝しかありません。

 私は東京で仕事をしていたのですが、どうしても“次のステップ”に進みたくて7年間勤めていた会社を辞めて、ワーキングホリデービザを使ってバンクーバーへ行きました。
 日本で働いていた会社を辞めてまで、カナダに行くということは正直、恐怖もありました。でも、やってみないと分からないと思って、一歩踏み出したら、そのまま日本にいた時よりすばらしい世界が広がったような気がします。

 昔から私はずっと自分で会社を起こしたいと考え、バンクーバーへ行ってからも、私は女性だけど会社を起こしたいと言い続けてました。

 バンクーバー国際空港の到着ロビーの花屋さんの大きな看板の仕事を私個人で受注したのですが、最初、その花屋さんのオーナーに「あなたのそんなつたない英語力で何を言っているの?」と笑われたことは今でも覚えています。
 でも私の過去のデザイン関係のポートフォリオを見てもらいながら、情熱だけで説得した感じです。私がプロデュースした看板はオーナーにとても気に入ってもらい、まわりの評判も良く、空港に長期間設置されていました。

 現在、夫と共に栃木県の那須町でPHONCS(フォンクス)という会社を経営しています。夫とはバンクーバー滞在中に知り合い結婚したのですが、あの何とも言えない独特の空気感の中で、同じ時代を過ごしていたことで、口で説明しなくても感覚で分かりあえることが多々あります。

PHONCS株式会社:https://phoncs.com/

(動画・記事 斉藤光一)

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「挑戦の先に広がる成功、菅昌絵さんのカナダ留学とフードコーディネーションの仕事」カナダの魅力を語る~シリーズ第8回

菅昌絵さん
フードコーディネーター、デザイナー
カナダ滞在歴:バンクーバー3年

 中学生の頃から海外に行きたいと思って、親に相談しましたが、女の子ひとりで行くことに反対されました。それは高校生になっても同じでした。
 大学に入り、アルバイトで渡航資金と滞在費を貯め、親を説得する計画を練りました。生活費は1年間分を貯め、安全な場所で住むつもりや、カナダで何をしたいのか、その後の目標などを伝えました。実家で計画を話すと、父に「ひと晩考えさせてくれ」と言われましたが、翌朝には了承してもらい、渡加できました。

 もし、今外国へ長期で行きたいと思っているけど、色々な事情で行けないのであれば、今は行けなくても、あきらめることはありません。あなたが外国へ行けるタイミングはきっと来るでしょう。今、行けなくても、いつか外国へ行くための計画を立てるのが良いと思います。

 当初、私はブライダルプランナーの資格を取得することが目標で、その後で違う国へ行くことも考えていましたが、バンクーバーが住みやすく、長く住みたいと感じ、途中でワーキングホリデービザに切り替えました。その後、レストランで働き、就労ビザを取得して大手ラーメン店のマネージャーを務めました。

 外国へ行ったら、行かなかった自分にはできない経験ができます。しかし、帰国子女の教育をしていたことで、同じ期間でも一生懸命努力した人と、とりあえず住んでいただけの人では、成長が全く違うことを実感しました。英語でなくても、外国へ行って自分が成長したいと思える目標があると、海外滞在後の成長がより明確になると思います。
 同時に、予想外のトラブルもたくさん経験して、たくましくなってきてください (もちろん、自分の命は何より大切に)

 帰国して、いろんなネタを海外経験者たちとシェアし合えるのも一つの醍醐味だし、困ったときに助けてもらった記憶と縁は、きっと長く続きます。

 また、カナダで生活することで、日本にいた時の安定感に感謝の気持ちを強く感じ、現在の普通の日常にも感謝の気持ちを持って過ごすようになりました。

 日本に帰国後、大学に復学し卒業し、帰国子女の家庭教師などを経て、現在はフリーランスとして、食とサステナビリティ関連の会社で、東京・虎ノ門にておむすび屋を運営しています。忙しい中でも週に3日は休みを作り、仕事以外の時間を大切にしています。

Sustainable Food Asia
https://sustainablefoodasia.com/

(動画・記事 斉藤光一)

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「留学生活からスケートボードビジネスの舞台へ:聡さんが綴るカナダ時代の思い出」カナダの魅力を語る~シリーズ第7回

大野聡さん
スカルスケーツ・ジャパン、オーナー
カナダ滞在歴:バンクーバー3年

 スノーボードをしながら冬のグラウスマウンテンから夜のダウンタウンを見降ろす光景や映画に登場するスタンレーパークからの風景に、私は魅了されました。
 都市と自然が絶妙に調和した街の雰囲気は、あまり危険を感じずに住みやすい環境であり、留学生活をより豊かなものにしてくれました。ロサンゼルスへ遊びに行った際、バンクーバーに戻ると、私は日本に帰ったような安心感を得たことを今でも覚えています。

 留学時代のエピソードとして、当時スノーボードへの情熱と学業の両立に挑戦し、毎日のようにスノーボードに明け暮れ、学校とのバランスを取る苦労もありましたが、それがかけがえのない思い出となりました。

 その時は私の生涯で一番勉強しました。また、友達との絆を深めた経験が私に充実した日々をもたらしました。他国の人々との交流も多く、カナダでは比較的すぐに友達ができ、その人間関係が日本では得られない充実した日々をもたらしてくれた、私のとても貴重な体験です。
 貧乏ながらも充実感ある生活、そしてその経験は現在も懐かしい思い出として私の心に蘇ります。特に当時の音楽を耳にするとなおさらです。

 留学中に得た教訓として、自己主張の必要性です。日本人特有の遠慮の文化が、海外では意見をはっきりと述べることの重要性に気づく契機となりました。現在の私の姿勢や主張の仕方にも反映されていると言えます。

 留学やワーキングホリデーに悩む人々へのアドバイスとして、興味があるならばとりあえず行くことをお勧めします。ネットの進化により情報収集が容易になった今、昔の私よりもずっと気楽に留学ができると思います。
 留学を通じて広がった視野や貴重な出会いが、今の私を形作る一因となっていますので、皆さんにもそれを少しでも知って欲しいです。
 英語について心配される方もいますが、私の学生時代の英語の点数は本当に酷かったです(笑)。でも、それなりに何とかなります。英語は話すための道具であって目的じゃないので!

 現在は、カナダのスケートボードブランドであるスカルスケーツの日本総代理店をやっています。このブランドは1978年にカナダで生まれ、80年代のスケートボードブームの時に世界中に広まりました。私は94年に日本で事業を始め、既に30年以上にわたり営業しています。拠点は岐阜県の土岐市という田舎に位置しています。

 その出会いは、留学当時、バンクーバーで通っていた学校の近くにスカルスケーツの本拠地のホットショップがあり、帰りによく立ち寄っていました。スノーボードを買ったことがきっかけで、社長のピーター・デュコム氏(通称PD)と仲良くなり、一緒にスケートボードやスノーボードに行ったりと楽しい時間を過ごしていました。そんな中で、日本でもこんな店をやりたいな~なんて話をし、「それはクールだ!いつかやろうぜ!」という感じになりました。
 帰国後、数年たってPDから電話があり、「昔話をしたあれ、まだ覚えてるか?日本でスカルスケーツの店をやるという話!もしまだやる気あるなら、来月日本に行って話をするから!」との提案からスタートしました。その電話からなんだかんだとずっとお店をやっています。
 カナダに行ったからこそ、こんな出会いもあり、チャンスもあったし、これがやりたい!と思えたことも見つかりました。もし、あの時に私がカナダへ行っていなかったら、今頃何をしていたのかを想像すると怖いですね。

スカルスケーツ・ジャパン
https://skullskatesjapan.com/

脂肪遊戯(Music)
https://www.youtube.com/@shibouyugijp

(動画・記事 斉藤光一)

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「由香さんのカナダでの挑戦と発見:自然、人々、そして新たな一歩」カナダの魅力を語る~シリーズ第6回

園田由香さん
インターナショナルスクール・講師アシスタント、保育士
カナダ滞在歴:モントリオール8カ月、バンクーバー1年

 私が12才の時に家族と暮らしたモントリオールがとても印象的に心に残っています。人生で初めての海外生活でしたので、クリスマス時の街中のイルミネーション、スーパーマーケット、現地の学校、スクールバスなど、見るもの全てがとても新鮮でした。大変なこともありましたが、今では全てが良い思い出です。

 カナダの魅力は、何と言っても壮大な自然です。カナディアンロッキー、ナイアガラの滝、スタンレパークなど、どこもすばらしかったです。そしてカナダの人たちも魅力のひとつです。関わった全ての方が、とても親切で温かい方ばかりでした。分け隔てなく接してくださる方々ばかりだった気がします。

 私のワーキングホリデーでの滞在中は、今しかできないこと、カナダでしかできないことを少しでも興味があったらやってみよう!と思っていた1年間でした。スノーボードを習ったり、地元で有名なゴスペルのグループに参加したり、カナダ横断旅行をしたり、ウェディングコーディネーターの仕事を夏の期間働き、全てがとても良かったです。その時の自分のように何にでも挑戦するという気持ちは、今でも忘れずにいようと心がけています。

 ワーキングホリデーは最長でも1年間と短いので、何にでも挑戦するのがいいと思います。挑戦してみて、自分に合う合わないという経験ができます。その経験から新しい自分を発見できると思います。海外へ出るというのは不安もあると思いますが、将来何かのカタチでその経験した点と点が結びついていくと思います。

 私は常に子どもと英語に囲まれている自分がしっくり来ると感じていましたので、カナダから帰国後すぐに、英会話教室で英語講師として働き始めました。現在はインターナショナルスクールで外国人講師のアシスタント及び保育士として働いています。保育士の資格は、現在の職場で働き始めてから、必要性を感じ取得しました。
 先日、カナダデイケアで出会った友人が来日し、Early Childhood Education(幼児教育) についてお話しすることができました。ここでも、カナダ滞在中の経験が、いま現在の仕事と繋がった!と感じました。

 将来の夢は、いつか娘と一緒にカナダに長期で住むことです。カナダで私が多くを学んだように娘にも沢山の経験をさせてあげたいです。

(動画・記事 斉藤光一)

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「バンクーバーの自然と多様性に魅了された元ラグビー代表選手、二渡一行さんが語る異文化体験の価値」カナダの魅力を語る~シリーズ第5回

二渡一行さん
Rugby School Japan、課外活動&パートナーシップ担当
元ラグビー女子日本代表アシスタントコーチ、元ラグビー男子日本代表選手
カナダ滞在歴:バンクーバー12年

 約12年間、私はバンクーバーに住んでいましたが、私のお気に入りの場所はノースバンクーバーのディープコーブです。毎週末、妻と一緒に犬を連れてハイキングに出かけ、カフェでドーナツとコーヒーを味わうのが楽しみでした。

 バンクーバーの魅力は、前を見れば海があり、後ろには山が広がっています。夏はビーチで泳いだり山でハイキング、冬はスキーやその他のアウトドアアクティビティが楽しめる理想的な場所です。また、さまざまな国から来た人々がさまざまな考えを持って共に生活していることも魅力の一つです。

 私がカナダに住んでいた際に一番印象的だった経験は、同世代の人に比べて自分の考えがあまり明確ではなかったことです。カナダでの生活を通じて、自分を発見する貴重な経験がありました。自分の言いたいことや思っていることをはっきりと表現できるようになりました。

 カナダ生活で、自分が足りないものが多いと感じた経験は非常に重要でした。しかしその答えには簡単な答えはなく、多くの経験を通じてそれを見つけるチャンスを与えてくれたのがカナダでした。
 その経験を生かし、現在は日本でさまざまな挑戦に取り組んでいます。帰国してから7年が経ちますが、日本にはまだまだ自分の意見を言わない、言えない文化が残っていると感じます。それでも、私は自分の意見を常に述べるように心がけています。

 もし、あなたにカナダへ行くチャンスがあるのであれば、ぜひ行ってみてください!外国から見た日本は非常に興味深いものだと思います。カナダの人々は日本に対してどのように考えているのでしょうか?日本の文化はカナダでどのように受け入れられているのでしょうか?これらを自分で体験することは、その後の人生においても非常に有益だと思います。

 現在は、千葉県の柏市にあるイギリス系の全寮制の学校であるラグビースクール・ジャパンで働いています。主な仕事は、生徒たちが学校で学ぶIQ(知能指数)からEQ(感情知性、心の知能指数)への活用を企画検討し、展開することです。 また、学校の正課以外での活動として、本校生徒と実社会との懸け橋になるための活動も行っています。

Rugby School Japan:https://rugbyschooljapan.ed.jp/

(動画・記事 斉藤光一)

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佐藤派糸東流空手、氷点下のバンクーバーで恒例の寒稽古

 朝の気温がマイナス5度まで下がったバンクーバーで毎年恒例の佐藤派糸東流空手の寒稽古が1月13日に行われた。

 毎年1月第2土曜日にダウンタウンのイングリッシュベイで行われる寒稽古は今年で52回目。この日指導したUBC糸東流空手インストラクターのマイク・ナカツ氏は「今年は最近では最も寒い寒稽古となりました」と語った。

 それでも参加したメンバーは寒さを気にする様子もなく、「いち、に」と大きな声を出しながらうっすらと雪が残る海岸で稽古に励んだ。最後には全員で海に飛び込み、2024年の寒稽古を完遂した。

身を切るような冷たい冬のバンクーバーの海に入って寒稽古。2024年1月13日、バンクーバー市イングリッシュベイ。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
身を切るような冷たい冬のバンクーバーの海に入って寒稽古。2024年1月13日、バンクーバー市イングリッシュベイ。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today

 ナカツ氏は寒稽古をする意味は現代こそ大切だと語る。「最近は、フードでも家でオーダーしてデリバリーしてもらったり、仕事ですら自宅からリモートでできたりと、何事も簡単になっています。そんな時代だからこそ、自分自身を鍛えるということが重要です」と言う。「寒稽古は自分自身への挑戦といえると思います」

 海を前にして、「できない、無理だ」と言うのではなく、「とにかく行動することが大切なのです」と話し、「人生において何事も同じです。自分の100%を出し切れば、できるということだと思います」と語った。

 佐藤派糸東流空手道国際連合は佐藤明師範が指導するバンクーバーに拠点を置く空手道場。1970年代に道場を開き、現在ではバンクーバーのみならずブリティッシュ・コロンビア州各地やケベック州、海外にもメンバーを持つ。

 1月の寒稽古以外にも、バンクーバー日系コミュニティでは8月に開催されるパウエルフェスティバルや9月の日系祭りなどでもパフォーマンスを披露。秋には「Sato Cup」を主催している。またコモンウェルスやパンナム、世界選手権などの国際大会にもカナダ代表選手を輩出している。

佐藤派糸東流空手道国際連合: https://www.shitoryu.net

寒さの中、大きな声を出しながら稽古に励む。2024年1月13日、バンクーバー市イングリッシュベイ。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
寒さの中、大きな声を出しながら稽古に励む。2024年1月13日、バンクーバー市イングリッシュベイ。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
佐藤派糸東流空手道寒稽古の様子、「寒稽古は自分自身への挑戦」。2024年1月13日、バンクーバー市イングリッシュベイ。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
佐藤派糸東流空手道寒稽古の様子、「寒稽古は自分自身への挑戦」。2024年1月13日、バンクーバー市イングリッシュベイ。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
新年の寒稽古で身も心も清らかに。2024年1月13日、バンクーバー市イングリッシュベイ。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
新年の寒稽古で身も心も清らかに。2024年1月13日、バンクーバー市イングリッシュベイ。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
佐藤派糸東流空手道、寒稽古のあとで。2024年1月13日、バンクーバー市イングリッシュベイ。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
佐藤派糸東流空手道、寒稽古のあとで。2024年1月13日、バンクーバー市イングリッシュベイ。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today

(動画 斉藤光一/記事 編集部)

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「瞬間を切り取る新たなカナダの視点、友理さんの東京の会社員生活からバンクーバーのクリエイティブへ」カナダの魅力を語る~シリーズ第4回

前林友理さん
フォトグラファー、グラフィックデザイナー
カナダ滞在歴:バンクーバー2年10カ月

 日本で会社勤めをしていましたが、体調を崩し自分と向き合う時間が増え、それまで自分自身とても狭い世界で生きてきたと感じ、海外での生活に挑戦することを決意し、会社を辞めてカナダへワーキングホリデーで渡りました。カナダに行くことを決めてからわずか6カ月後にはバンクーバーの国際空港に降り立っていました。

 バンクーバーではスタンレーパーク、リンキャニオン、グランビルアイランドがお気に入りの場所で、友達とよくピクニックに行ったりしていました。街中と自然が隣接しているバンクーバーはとても居心地が良かったです。

 私が思うカナダの魅力は、大自然とゆる~い人々です。たとえば、スーパーマーケットのレジで並んでいると、レジ係の人と私の前にいたお客さんが長話をしている場面に何度か遭遇しました。
 ある日、満員のバスに乗っていたら、突然バスドライバーがマイクを使って「こちらの方、今日が誕生日なので皆でお祝いしましょう」と言い、バスの乗客でハッピーバースデーの歌を歌った時もあり、驚きました。

 それと、一生懸命伝えようとすると、相手の方(カナダの人)は私の未熟な英語を真剣に聞こうとしてくれて、それに感動しました。カナダの人たちは本当に優しいなと思いました。

 今はYouTubeで英語の勉強ができ、世界中の美しい景色を見ることができますが、実際に外国に住んでみると思いもよらない出来事や出会いが毎日たくさんあります。そのような住んでみないとわからないことを多くの人に体験してほしいと思います。

 バンクーバー滞在中には、写真家の由起子オンリーさんや斉藤光一さんに師事し、写真撮影の現場で実践的なことを多く学びました。
 それらの経験を活かして、現在は日本で写真やグラフィックデザインの仕事をしています。人生の流れに任せて、今自分のできることを精一杯やってみること、それとオープンな気持ちで人に接していくことは、私がカナダ滞在中に学んだことです。だから現在の仕事に関するストレスが少ない状況を作ることができているのだと思います。

 いつか、夫と娘を連れてカナダへ行きたいです。そして、写真を撮りにギリシャに行きたいと思っています。むしろ、いつか必ず行きます。

(動画・記事 斉藤光一)

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「カナダ滞在で得た自信とスピークアップの重要性―通訳翻訳者、長尾愛さんの人生の教訓」カナダの魅力を語る~シリーズ第3回

長尾愛さん
大手製薬会社にて製造、品質監査などの通訳翻訳
カナダ滞在歴:エドモントン5年、バンクーバー10年

 アメリカ、オーストラリア、カナダでの生活を経験しましたが、カナダの住みやすさは私にとって最も魅力的でした。自分が自分らしくいられる国であり、異文化に触れることができる国。それがカナダです。
 大自然と街が共存し、教育基準も高く、国民性も日本と似ているので長期滞在でも難なく過ごすことができます。

 カナダの大自然の中で野生動物を数多く見てきましたが、木に寄りかかった授乳中の熊の親子に出会ったときはとても感動しました。また、オーロラは極寒のイメージがありますが、真夏のウィニペグリバーで湖に浮かぶオーロラは、すばらしくてとても幻想的でした。

 カナダの魅力は、マルチカルチャーの文化。世界中から集まった人々が尊重し共に生活しているところと、それぞれのバックグラウンドが異なっていても、カナダという一つの国で、自分らしく生活できるすばらしい国です。

 スピークアップの姿勢はカナダ滞在で学びました。最近は少しずつ変わってきてはいますが、基本的に日本人は物事を曖昧にし、Yes, Noをはっきりと伝えずに分かってもらえると思いがちですが、カナダでは自分の意見をはっきりと口に出して伝える必要があります。伝える習慣がつくことで、自分に自信を持つことができ、さまざまな恐怖心も回避できます。日本に戻った今でも、この教訓は生活や子育てに役立っています。

 日本に帰国してから13年がたちました。カナダ滞在中に身に付けたビジネス能力や語学力を生かし、フリーランス通訳翻訳や大手鉄道企業のIT運用を経験し、現在は大手製薬会社で製造や品質監査などの通訳翻訳をしています。
 カナダ滞在中はワーキングホリデーからの日本食レストラン、留学エージェント、語学学校でのマーケティングディレクター担当勤務を経たことにより5年後を見据えた行動をとるようになりました。
 今後も目標を持ち続けながら、日々スキルアップできるようがんばっていくつもりです。

 将来の夢は家族で再びカナダを訪れることです。みんな自然が好きなので、絶対に気に入ることでしょう。また、他国籍のおいしい食事も家族に経験してほしいです。

(動画・記事 斉藤光一)

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「バンクーバーではマイノリティ留学生、高井洋季さんの成長と新たな挑戦」カナダの魅力を語る~シリーズ第2回

高井洋季(ひろき)さん
西伊豆町(静岡県)役場 地域プロジェクトマネージャー
特定非営利活動法人 国際ボランティア学生協会(IVUSA)理事
カナダ滞在歴:バンクーバー3年

 アメリカのコミュニティーカレッジからUBC(ブリティッシュコロンビア大学)に編入し、3年間学生として過ごしました。景色も美しいキツラノビーチで友人たちとのBBQは、懐かしい思い出です。

 私が思うカナダの魅力は、移民の方が多いということもあるのでしょうが、現地の方からするとマイノリティである日本の留学生とかも、温かく受け入れてくれるところです。あとバンクーバーは町に近いところにある大自然が上手く街と調和しているところでしょうか。

 2011年3月11日に発生した東日本大震災の際、友人と共にバンクーバーで即座に支援活動を始めました(Japan Love Project)。最初は留学生を中心に数名でスタートしましたが、日系コミュニティやビジネス関係者、地元のコーヒーショップなどから温かいサポートを受けました。
 街頭募金は1か月弱でしたが、その後サイレントオークションやチャリティーイベントを通じて、1年間で約50万ドルを赤十字を通じて日本に送ることができました。この経験を通じて、カナダの方々の温かさ、異文化への理解と受け入れの深さを強く感じました。

 バンクーバーは非常に多様な移民が暮らす街で、中国系の方も多く、白人がマジョリティではない環境です。私たち日本人もその中でコミュニティのマイノリティであると感じました。この多様性の中で、文化や宗教観を含めてさまざまな人々と共に生活し、コミュニケーションの取り方などを学ぶ機会が豊富で、多くのことを学びました。

 海外へ出ようか迷っている人たちへですが、大体のマジョリティの人たちは日本国内で大学へ進学して就職するということだと思うのですが、他人と違う価値観は自分を違う環境におくことで身に付けることが出来ると思います。
 今その年齢しか出来ないこともあると思います。後々行かずに後悔するなら海外へ出てみてください。きっと何かが見つけられると思うので是非行って欲しいです。

 カナダの大学を卒業後、日本に帰国してNPO法人の職員として国際協力や地方創生の仕事に従事していました。ご縁があり、約3年前から西伊豆町で地方創生のプロジェクトに携わっています。
  この町はバンクーバーに似ており、非常に気に入っています。自然も豊かで、自ら畑を耕したり、椎茸を栽培したりしています。また、田舎独特の特徴かもしれませんが、人間関係が非常に近く、とても親しみやすい環境です。この町で味わえる美味しい料理や、日本一と言われる夕焼けを見に、ぜひ訪れていただきたいです。

静岡県西伊豆町 : https://www.town.nishiizu.shizuoka.jp/
NPO国際ボランティア学生協会(IVUSA)https://www.ivusa.com/

カンボジアの小学校建設の際、連れて行った日本の大学生とホームステイ先の家族。写真提供:高井洋季さん
カンボジアの小学校建設の際、連れて行った日本の大学生とホームステイ先の家族。写真提供:高井洋季さん

(動画・記事 斉藤光一)

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「カナダでの体験が紡ぐ物語、岡田誠司氏の農村での新しい挑戦の序章」カナダの魅力を語る~シリーズ第1回

岡田誠司氏
筑波大学大学院客員教授、明治大学特別招聘教授
前バチカン特命全権大使、元バンクーバー総領事
カナダ滞在歴:オタワ6年、バンクーバー3年

 1982年に外務省に入り、オタワのカールトン大学大学院での3年間の研修を経て、1986年からオタワの日本大使館での3年間の勤務を経て、2013年からバンクーバーの総領事としての3年間。カナダには総計9年間の滞在でした。
 食料自給率は、日本が37%ほどであるのに対し、カナダは230%という桁違いの数字です。食料安全保障の観点から見ても、日本にとってカナダは極めて重要な国であることは疑いありません。

 カナダ最大の魅力は素晴らしい自然にあります。それは誰も異存はないでしょう。車で大陸を横断したのですが、東西で異なる自然環境と文化を有し、まるで異なる国々を巡るような魅力にあふれていました。私はカヤック、スキーなどアウトドアが好きで、カナダでは様々な場所で多様なアクティビティを楽しむことができました。
 それと日本から訪れる人たちにとって印象的だと感じるのは住民、地域、そして文化の多様性でしょう。
 民族の多様性という中のひとつで、バンクーバー滞在中には日系人の方々とのお付き合いが強くでき、その中で知った日系カナダ人たちが辿ってきた苦難の歴史については、その記録を残すべきだと強く感じています。

 2023年7月、42年間の外交官生活にピリオドを打ち、妻と共に筑波山のふもとの小さな農村に住み、大学で教鞭をとりながら、農業に打ち込んでいます。
 若い学生たちとの交流も頻繁で、彼らに対してひとつ伝えたいことは、ぜひ外国へ足を運んでみてほしいということです。外国に身を置くことで気づくことは多く、それがとても重要だと信じています。外国に滞在した経験から、自分がいた日本という国の本質を改めて見つめ、自らが日本人であることを深く理解することができます。これがグローバリズムへの一歩だと考えています。

 長年外交官として、外国に日本文化を紹介し情報発信してきましたが、日本の田舎ではそのような文化活動が少ないことに疑問を感じていました。三味線や能などを知ってはいるのですが、実際に触れる機会が乏しい現状に矛盾を感じ、戻ってきてからは地元のコミュニティで積極的に情報発信していくことを決意しています。高齢化が進む過疎の農村で、コミュニティを活性化させる道を模索しています。

(動画・記事 斉藤光一)

バンクーバー2023年の幕開け「ポーラーベアスイム」寒中水泳

 バンクーバーの元日といえば、イングリッシュベイのポーラーベアスイム、寒中水泳。過去2年は新型コロナウイルス禍でオンラインのみで実施。実際には行われなかったため、待ちに待ったイベントとなった。

 このポーラーベアスイムは、1920年元日にギリシャ系移民のピーター・パンテージス(Peter Pantages)さんと友人の計10人でイングリッシュベイに飛び込んだのが始まり。その後にポーラーベアスイム・クラブという水泳クラブを作り、ポーラーベアスイムと名付けられた。

 ピーターさんの孫娘リサ(Lisa)さんが現在のポーラーベアスイム・クラブの会長を務めている(動画内では台の上でカウントダウンをして赤い旗を振っている女性)。

 今年は103回目を迎え、5,000人以上の事前登録があり、当日は6,000人以上が参加。他にもそれを見守る家族、友人をはじめ、このイベントを見ようと大勢の人がイングリッシュベイに詰めかけた。仮装して参加する人も多いのがこのポーラーベアスイムのおもしろいところ。水温は6.5度と例年より低めだったが、みんなが3年ぶりの寒中水泳を楽しんだ。

毎年参加者に配られる直径3cmほどの参加缶バッチ。毎年デザインが変わり、今年はシロクマが膝を抱えて水に飛び込んでいるイラスト。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
毎年参加者に配られる直径3cmほどの参加缶バッチ。毎年デザインが変わり、今年はシロクマが膝を抱えて水に飛び込んでいるイラスト。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today

(写真・動画 斉藤光一)

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