アルバータ州で盛り上がりを見せているカナダからの分離独立の是非を問う住民投票請願について、アルバータ州上級裁判所(Court of King’s Bench)は5月13日、請願は無効と判断した。
請願は分離独立派団体「Stay Free Alberta」代表ミッチ・シルベストル氏が、5月4日にアルバータ州選挙管理委員会に提出したもの。同団体は、必要数178,000件を大幅に上回る302,000件の署名を集めたと主張している。
これに対し、先住民Athabasca Chipewyan First NationとBlackfoot Confederacyが「独立住民投票はアルバータ州成立以前に王権と結んだ条約に違反する」としてアルバータ州政府、州主任選挙管理官、シルベストル氏に対して訴訟を起こしていた。
シャイナ・レナード判事は、アルバータ州政府が先住民族との協議義務を果たしておらず、分離独立は条約上の権利を侵害するとし、アルバータ州政府は署名活動を許可する前に先住民族との協議義務があったとした。
「Stay Free Alberta」による請願は今回が2回目。アルバータ州政府は昨年12月に法改正を行い、「住民投票の設問は合憲でなくてはならない」「州選挙管理委員会は設問の合法性について裁判所の審査を求める権限を持つ」の2項目を撤廃した。
Stay Free Albertaは改正前に1回目の住民投票請願を提出していた。州主任選挙管理官ゴードン・マクルーア氏は、裁判所にこの請願が合憲かどうかの審査を委ね、州上級裁判所コリン・フィーズビー判事は「州民発議法の下では分離独立は追求できない」と判断した。
ところがアルバータ州政府の法改正は、この判決が出る前日だったため、独立派は新ルールの下で請願を再提出できるようになり、今回の2度目の請願に至った。
それでも、レナード判事は独立派は再申請を認められるべきではなかったと判断した。
一方アルバータ州ダニエル・スミス州首相は、今回の判決について「この判断は法的に誤っており、反民主的だと考えている」とし、控訴する考えを示した。
分離独立の動きを巡っては、さまざまな問題が噴出している。最近では、独立派とつながりのある団体が違法に選挙関連の個人情報へアクセスしていたことが明らかになり、州選挙当局と警察による調査が始まったことで運動は大きく揺らいでいる。
(記事 高城玲)
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