アルバータ州政府、BC南部を通る新パイプラインルートを発表

 マーク・カーニー首相とアルバータ州ダニエル・スミス州首相は7月2日記者会見で、同州からブリティッシュ・コロンビア(BC)州沿岸まで伸びる新たな石油パイプライン建設プロジェクトについて発表した。

 アルバータ州の悲願であるパイプライン建設には、BC州北部沿岸のタンカー航行禁止措置が大きな障壁となっていた。しかし今回発表された計画では、これまで検討されていた北部沿岸ルートではなく、BC州南部を通る新ルートが採用されることとなった。エドモントン北東のブルーダーハイムからバンクーバー南部のデルタにあるターミナルを結ぶこのルートは、既存のトランスマウンテン・パイプラインにほぼ沿う形になる。パイプラインは1日あたり100万バレル以上の輸送能力を持ち、原油はタンカーでアジア市場に運ばれるという。

 同プロジェクトは連邦政府の主要プロジェクト事務局に正式に提出された。スミス州首相は「このパイプラインによる利益は、今後数十年にわたり州政府と連邦政府に数十億ドル規模の歳入をもたらし、私たちと提携する先住民コミュニティにも富をもたらす」と述べた。

 一方、BC州デービッド・イービー州首相や先住民は、これまで環境への懸念などからパイプライン建設に反対していた。しかしカーニー首相は7月2日、スミス州首相との会見に先立ちBC州でイービー州首相と会談。同日の共同記者会見では、イービー州首相はパイプライン建設についてはBC州政府の権限外との認識を示した。

 その内容は、タンカー航行禁止措置の維持、パイプライン承認時に起こりうる環境問題や原油流出の財政リスクを連邦政府が負担すること、BC州がパイプライン通過の対価として財政補償を受けることなどが盛り込まれている。イービー州首相は、この合意によってプロジェクト支持を強制されるわけではないとしつつも、BC州として法廷闘争は行わない考えを示した。

(記事 高城玲) 

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