7月9日-15日 週刊カナダニュースまとめ読み

7月15日 カナダ銀行、金利据え置き

 カナダ銀行ティフ・マクラム総裁が会見を開き、政策金利を0.25パーセントに据え置くと発表した。新型コロナウイルス感染拡大の影響によるカナダの経済状況が改善されるまで、この状況はしばらく続くとみられると予測した。

7月15日 エアカナダが連邦政府に国境規制緩和を求める

 エアカナダは連邦政府にカナダ政府が実施している国境閉鎖措置について、「科学的根拠」に基づく対応を要請する書簡を送ったことが分かった。現在カナダでは不要不急以外の全旅行者の入国を拒否し、入国が許可されている場合でも入国後14日間の自己隔離を義務付けている。エアカナダは欧州連合や他の国々が実施しているような予防策を導入し、入国後の14日間自己隔離を撤廃するなどの対応を要請している。

7月14日 BC州衛生管理局長が航空会社の新型コロナ対応に懸念

 ブリティッシュ・コロンビア州衛生管理局長ボニー・ヘンリー博士は会見の中で、航空会社の新型コロナウイルス対策に懸念を示した。

 国内外からバンクーバー空港に到着した乗客に感染者が含まれていることに加え、数日後に曖昧な乗客情報などが提出されることから感染経路の確認が取れないと指摘。そのため、現在は感染者が確認された便名を公表し州民に注意を呼びかけていると説明した。

 カナダ運輸省はカナダ発着の全便に搭乗前の体温検査の実施とマスク着用を義務付け、さらに搭乗前に症状がある場合は搭乗拒否するよう指導している。

7月14日 BC州財務大臣、新型コロナ支援に62億ドル

 ブリティッシュ・コロンビア州キャロル・ジェームズ財務大臣は2020年度予算の最新予測を発表。新型コロナウイルス感染拡大による州民やビジネスへの支援が約62億ドルとなると発表した。

7月14日 バンクーバー中央図書館の利用を開始

 ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーでこの日から中央図書館など一部の図書館の利用が再開された。利用できるサービスは限定的だが約3カ月ぶりのオープンとなった。

7月14日 アメリカとの国境閉鎖延長が伝えられる

 カナダの各メディアは政府関係者の話として、アメリカとの国境閉鎖が8月21日まで延長されると伝えた。

 ジャスティン・トルドー首相は前日の会見で、トランプ大統領と国境閉鎖について協議していると明らかにしていた。

7月14日 オンタリオ州規制緩和第3段階へ

 オンタリオ州ダグ・フォード州首相は州内の規制緩和を第3段階に引き上げると発表した。7月17日から実施。レストランやバーが屋内で利用可能となるほか、スポーツジムや映画館などがオープンする。また集まることができる人数も、屋内ではこれまでの10人から50人に、屋外では100人となる。

 ただしトロントやハミルトン、ナイアガラなどの都市は対象外。トロント市ジョン・トーリ市長はフォード州首相の判断に賛成すると会見で語った。

 オンタリオ州全体では毎日の新たな新型コロナ感染者数は落ち着きを見せているが、トロント市や州南部ウインザー市ではクラスターが発生するなど状況は不安定のまま。フォード州首相は州全体が第3段階に引き上げられるよう引き続き努力すると語った。

7月13日 バンクーバーのキツラノプールがオープン

 バンクーバー市で人気の屋外プール、キツラノプールがこの日からオープンした。例年なら5月にプール開きとなるが、今年は2カ月遅れでの利用開始となった。新型コロナウイルス感染防止対策を実施しながらの利用となる。その他2カ所の屋外プールもオープンした。

 この日はエリザベスクイーン公園の植物園も再開した。

7月13日 ケベック州でマスク着用義務化

 ケベック州フランソワ・レガルト州首相は、公共の屋内施設でもマスク着用を義務化すると発表した。7月18日から実施される。レストランも今回の義務化の対象となっているが、「食事の時はもちろんはずすが、入出店する時、トイレなどの利用で席を立つときは着用しなければならない」と語った。12歳以上が対象で、呼吸疾患などの持病がある人は対象外。

 同州では公共交通機関利用時のマスク着用がこの日から実施されている。

7月13日 トルドー首相、WEチャリティ委託を謝罪

 ジャスティン・トルドー首相は新型コロナウイルス感染対策の一環として若者を支援するプログラムCanada Student Service Grant(CSSG)をWEチャリティに委託したことについて、自身の家族が関わっているにもかかわらず決定したことは配慮が足りなかったと朝の会見で謝罪した。

 プログラムの支援金、約9億ドルをWEチャリティに委託したことについて、野党は委託への決定が不透明と批判。さらに、トルドー首相の母親や弟が多額の報酬を受け取っていたことが明らかになり、批判の声は強まっていた。

7月13日 CEWSの12月まで延長を発表

 トルドー首相はこの日の朝の会見で、Canada Emergency Wage Subsidy(CEWS)を12月まで延長すると発表した。同プログラムの延長は2回目。5月13日に12週間の延長を発表し、8月29日までとなっていた。

 同プログラムは従業員給与の75パーセントを政府が補助する支援で、3月27日に導入された。

7月10日 バンクーバーの遊園地プレイランドが開園

 ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバーにある遊園地プレイランドが開園した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で今夏の開園は絶望的とみられていたが、対策を講じての開園となった。

7月10日 NHL再開のハブシティがトロントとエドモントンに決定

 NHL(ナショナル・ホッケー・リーグ)はシーズンの再開を前にハブシティをオンタリオ州トロントとアルバータ州エドモントンに決定したと発表。8月1日から試合が再開する。

7月10日 6月の失業率がやや改善

 カナダ統計局が発表した6月の失業率は12.3パーセントで5月の13.7パーセントよりやや改善した。6月の就業者数は95万3,000人で、フルタイムが48万8,000人、パートタイムが46万5,000人。6月は求職者数も増加していると報告した。

 求人が多い業種は卸売・小売り、宿泊・飲食、ヘルスケア・ソーシャルケア、建設・製造となっている。

 州別の失業率は、ブリティッシュ・コロンビア13.0パーセント、オンタリオ12.2パーセント、ケベック10.7パーセント、アルバータ15.5パーセント。

 主要都市では、BC州バンクーバー13.1パーセント、オンタリオ州トロント13.6パーセント、ケベック州モントリオール15.1パーセント、アルバータ州カルガリー15.6パーセント。

7月10日 ユネスコジオパークに東海岸2カ所が登録

 ユネスコ世界ジオパークに、ノバスコシア州のファンディ崖郡とニューファンドランド&ラブラドール州のディスカバリーが登録された。カナダではこれで5カ所となる。

 他にはニューブランスウィック州のストーンハンマー(2010年)、ブリティッシュ・コロンビア州タンブラー・リッジ(2014年)、ケベック州ペルセ(2018年)がある。

7月9日 BC州で先住民族への差別行為をした病院の調査が開始

 ブリティッシュ・コロンビア州で常習的に行われていたと報告されている病院での先住民族に対する差別行為について、この日から本格的に調査を開始すると発表した。調査の指揮を執るのはターペルランフォード氏。この日の記者会見でまずは先住民族の人々に体験談を共有するよう協力を呼び掛けた。

 BC州の救急措置室で医師や看護師らが運ばれてきた先住民族の人々に対して体内アルコール度数を当てる「ゲーム」を行っていたことが報告され、BC州ディクス保健大臣が調査すると約束していた。

7月9日 トルドー首相の家族がWEチャリティから多額の報酬

 自由党政権が新型コロナウイルス対策の一環としてボランティアに励む学生を支援するCanada Student Service Grant(CSSG)プログラムをWEチャリティに委託した件で、同チャリティ団体がジャスティン・トルドー首相の母親と弟に多額の講演料を支払っていたことが明らかになった。

 カナダ政府はプログラムのための約9億ドルをWEチャリティに委託、ボランティアの時間に応じて学生に配布される予定だった。しかしWEは政府からの委託を7月3日に辞退することを表明した。

 トルドー首相はWEの辞退は残念としながらも、政府高官の助言によるWEへ委託した政府の判断に誤りはなかったと会見で強調した。

 野党からは9億ドルもの支援を1団体へ委託した経過が不透明と説明を求めている。