1月のインフレ率2.9%に鈍化も住宅価格のみ前月から上昇

 カナダ統計局は2月20日、2024年1月の消費者物価指数(CPI)を発表した。1月は前年同月比で2.9%上昇し、2023年12月の3.4%に続いて上昇したものの伸び率は鈍化した。

 要因はガソリン価格の大幅下落。12月の1.4%増に比べ、1月は4.0%減となった。ガソリン価格を除いた1月のCPIは前年比3.2%増でカナダ銀行の3%以下の目標を超えている。

 インフレ率の伸びが鈍化したのは食料品価格も同じで、12月の4.7%増に比べ1月は3.4%にとどまった。食料品価格の減速は広範囲に及び、肉類が2.8%、その他の調理食品4.2%、乳製品1.5%、ベーカリー製品4.0%、生鮮果物1.9%だった。価格が下がったのはベーコンで8.4%減、エビ・エビ類は3.4%減となった。

 その他では、航空運賃と旅行ツアー料金が下落。航空運賃は、12月の9.7%減に比べ1月は14.3%減とさらに値下がりした。ただ航空運賃は通常、年末年始の高需要が落ち着く1月に下落すると当局は分析している。

 物価指数8項目のうち唯一上昇したのが住宅価格。12月の6%増よりも上昇して1月は6.2%だった。

 この日、ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市で記者会見したジャスティン・トルドー首相は、インフレ率が収まりを見せていることに「良い兆候」と言及。今後政策金利の引き下げについてはカナダ銀行が独自判断するだろうと期待した。現在のカナダ銀行の政策金利は5%。

(記事 編集部)

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