車いすバスケットボール女子U25日本代表、充実のバンクーバー合宿で自信に

車いすバスケットボール女子U25日本代表とカナダ代表の練習試合の様子。2023年8月19日、リッチモンド市オリンピックオーバル。Photo by Koichi Saito
車いすバスケットボール女子U25日本代表とカナダ代表の練習試合の様子。2023年8月19日、リッチモンド市オリンピックオーバル。Photo by Koichi Saito

 車いすバスケットボールU25日本代表が8月18日、カナダ代表との友好試合に臨んだ。8月14日からバンクーバー入り。10月にタイで行われる世界選手権のための強化合宿も兼ねた今回の遠征は、色々と実りの多いものだったようだ。

 強化合宿はカナダ代表との合同合宿。初めは言葉の壁などに戸惑っていた選手たちだが、徐々に打ち解けて積極的に言葉を交わすようになったという。

 今回の遠征の合言葉は “Let’s Try!~communication & intensity~”。19日午後に行われた練習試合では、日本とカナダの選手が交じって2つのチームを作り、戦った。胸にカタカナで名前を貼っていたカナダ選手も。

 今回の代表チーム、最年少は日本が15歳、カナダが14歳。若い選手たちの交流はSNSの情報交換などでも有意義なものとなったようだ。

 リッチモンド市オリンピックオーバルで19日に行われた練習試合の後、日本代表キャプテン畠山萌選手に話を聞いた。

バンクーバーで自信をつけて世界選手権に臨む

練習を終えインタビューに応じる日本代表キャプテン畠山萌選手。2023年8月19日、リッチモンド市オリンピックオーバル。Photo by Koichi Saito
練習を終えインタビューに応じる日本代表キャプテン畠山萌選手。2023年8月19日、リッチモンド市オリンピックオーバル。Photo by Koichi Saito

 合宿前は不安でいっぱいだったという。「海外の選手には大きい人たちが多いので、力負け、パワー負けするかなとかすごい不安だったんですけど」と振り返る。「それなりに対策はしてきていたので、思っていた以上にやられずに対応できて。すごい点数の差とかをつけられるかなと思ってたんですけど、いいゲームができて一人一人、チームのみんなも自信がついて、世界選手権に向けてもっとがんばろうっていう風になっています」

 前日に行われた友好試合は惜しくも及ばず。バンクーバーでの国際試合で見えた課題はディフェンス。「リバウンドが少し小さいチームなので、取られちゃったりすることが多かったので。小さいなりにボックスアウトをしっかりして、リバウンドからの速攻だったりとかを行かれないように対策し、マンツーマンプレス、ディフェンスのプレスをもっと強化して、世界選手権に臨みたいかなと思っています」

 借りはタイで返したいと笑う。世界選手権では日本とカナダは同じグループ。「惜しくも昨日の試合は負けてしまったんですけど、その辺も含めて全て課題かなと思うので、世界選手権に向けて調整してもっともっと強くなってもっとトライしていいチームになっていきたいと思っています」

カナダ選手たちとの英語でのコミュニケーションでもLet’s try精神で

練習試合での畠山選手のシュート。2023年8月19日、リッチモンド市オリンピックオーバル。Photo by Koichi Saito
練習試合での畠山選手のシュート。2023年8月19日、リッチモンド市オリンピックオーバル。Photo by Koichi Saito

 「今回の日本のスローガンがLet’s try! communication & intensityということで、今回初めての合宿なので、カナダのチームとたくさん交流して、海外を知って慣れるとか、プレーでも大きい体の人(との試合の感じ)とかを知る、海外を知る、のがいいかなと思ってそういうテーマにしたんです。みんな交流できて話しかけたりだとか、そういうこともできたし、自分のいま持ってるプレー、できる範囲でのプレーを全力でみんな出し切ってトライできて。コーチから言われたこともしつつ自分の中でこう考えて判断してみんな試合できたので」

 コートの外でもLet’s Tryを実践した。「お昼ご飯を食べる時など、もうすごい交流して。カナダのチームもすごいフレンドリーな人たちが多いのでお話ししたりとか、SNS 交換したりだとか写真を撮ったりなどを1人1人みんな交流していました」。カナダ代表選手たちとのコミュニケーションもしっかりとできて、コート内外で実りが多かったとうれしそうに話す。

 バンクーバーで若い日加の選手たちが交流し、次の対戦へ一回りも、二回りも大きくなるきっかけとなりそうだ。

 畠山選手はバンクーバーは初めてと言う。「すごい!みんな優しくて。プレーヤーもそうですし、行きの道中で歩いてる時とか、ホテルでも、すごい話しかけてくれたりとか。みんな優しくて。すごくなんかいいところだな、っと。ちょっとプライベートでも行きたいなと」と笑った。

車いすバスケットボール女子U25日本代表とカナダ代表の練習試合の様子。2023年8月19日、リッチモンド市オリンピックオーバル。Photo by Koichi Saito
車いすバスケットボール女子U25日本代表とカナダ代表の練習試合の様子。2023年8月19日、リッチモンド市オリンピックオーバル。Photo by Koichi Saito
日加選手が交じっての試合形式練習。2023年8月19日、リッチモンド市オリンピックオーバル。Photo by Koichi Saito
日加選手が交じっての試合形式練習。2023年8月19日、リッチモンド市オリンピックオーバル。Photo by Koichi Saito
シュートの練習。2023年8月19日、リッチモンド市オリンピックオーバル。Photo by Koichi Saito
シュートの練習。2023年8月19日、リッチモンド市オリンピックオーバル。Photo by Koichi Saito
ベンチでの円陣で「オウ!」と腕を上げる日本代表。2023年8月19日、リッチモンド市オリンピックオーバル。Photo by Koichi Saito
ベンチでの円陣で「オウ!」と腕を上げる日本代表。2023年8月19日、リッチモンド市オリンピックオーバル。Photo by Koichi Saito

(取材 三島直美/写真 斉藤光一)

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