FIFAワールドカップ2026:トロントでポルトガルが、バンクーバーでスイスがベスト16へ

ロナウドが史上最年長ゴールのポルトガル劇的勝利でベスト16進出 クロアチアはVAR判定に涙

トロントスタジアムでのポルトガル対クロアチア、試合開始前のセレモニー。2026年7月2日、トロント市。撮影 日加トゥデイ
トロントスタジアムでのポルトガル対クロアチア、試合開始前のセレモニー。2026年7月2日、トロント市。撮影 日加トゥデイ

 熱波がトロントを襲った7月2日、トロントスタジアムは気温30度超の暑さを超える熱気に包まれた。

 注目の一戦、FIFAワールドカップ2026決勝トーナメント1回戦(ベスト32)、ポルトガル対クロアチア。試合は1-1でアディショナルタイムまでもつれる激戦の中、ポルトガルが劇的な決勝ゴールを決めた一方、クロアチアは終了間際に決めた同点弾がVARによって取り消される波乱の結末。ポルトガル代表がクロアチア代表に2-1で逆転勝利を収めベスト16進出を決めた。

 この日の試合はトロントで行われるワールドカップ最後の試合。クロアチアとポルトガルの強豪2チームの対戦に、会場には43,036人が詰めかけ、試合開始前から熱い声援が響き渡っていた。

試合開始前、続々と会場入りするポルトガルファン。2026年7月2日、トロント市。撮影 日加トゥデイ
試合開始前、続々と会場入りするポルトガルファン。2026年7月2日、トロント市。撮影 日加トゥデイ

ポルトガルが主導も、クロアチアが先制

 前半は立ち上がりからポルトガルが試合を支配した。開始4分にはラファエル・レオンのパスからブルーノ・フェルナンデスが決定機を迎えたが、GKドミニク・リバコビッチの好守とDFの体を張ったブロックに阻まれる。その後もクリスティアーノ・ロナウドのフリーキックやレナト・ヴェイガのヘディングなどでゴールを脅かしたが、クロアチアの粘り強い守備を崩し切れないまま前半が終了。

 一方、後半開始からイゴール・マタノビッチを投入したクロアチアは攻撃が活性化。53分、ヨシプ・スタニシッチのクロスをイバン・ペリシッチが押し込み、先制点を奪った。さらにその直後にはマタノビッチが追加点を決めたかに見えたが、オフサイドとなり、VARにより得点は認められなかった。

ロナウドがW杯決勝トーナメント初ゴール

 反撃に出るポルトガルは62分、ロナウドが鮮やかにゴールネットを揺らしたものの、これもVARでオフサイドの判定。それでも68分、ポルトガルがPKを獲得すると、ロナウドが冷静に中央へ蹴り込み同点とした。

 このゴールはロナウドにとってワールドカップ決勝トーナメントで初得点。さらに男子ワールドカップ決勝トーナメント史上最年長得点記録を更新した。

ラモスが劇的決勝弾 クロアチアはVARに泣く

 試合終盤は両チームとも激しい攻撃をしかけ、会場のムードは最高潮に。

 75分にはマテオ・コバチッチがポスト直撃のシュートを放つなどクロアチアが勝ち越しに迫るが、GKディオゴ・コスタの好守にも阻まれる。

 すると後半アディショナルタイム4分、途中出場のゴンサロ・ラモスがヘディングでシュートを決め、ポルトガルが土壇場で勝ち越しに成功した。

 しかし試合はまだ終わらない。クロアチアはアディショナルタイム12分、ヨシュコ・グバルディオルがゴールを決め奇跡的に追いついたかに見えた。しかしVARによりイゴール・マタノビッチが直前にボールに触れていたことが確認され、オフサイド認定。ゴールは取り消された。

 この判定に納得できないクロアチアサポーターはピッチへボトルやビール缶を投げ込み、試合は一時中断。会場には大きなブーイングが響き渡ったが、残り時間はポルトガルが逃げ切った。

 試合後ポルトガルのロベルト・マルティネス監督は「ボールに内蔵されたチップが検知したためオフサイドと判断された。これは事実であり、誤認や主観的な判断などではない」と強調した。この日の試合では両チーム合わせて4つのゴールがVARで取り消しに。クロアチアのズラトコ・ダリッチ監督は「今日の審判と判定には言いたいことはたくさんある」と悔しさをにじませながら「しかし、選手たちは最後まですばらしい戦いを見せた」と選手を称えた。

ロナウドらがディオゴ・ジョタへ勝利を捧げる

試合終了後、元ポルトガル代表FWディオゴ・ジョタの背番号21のユニフォームを掲げるロナウド。2026年7月2日、トロント市。撮影 日加トゥデイ
試合終了後、元ポルトガル代表FWディオゴ・ジョタの背番号21のユニフォームを掲げるロナウド。2026年7月2日、トロント市。撮影 日加トゥデイ

 試合終了後、ロナウドは昨年交通事故で亡くなった元ポルトガル代表FWディオゴ・ジョタの背番号21のユニフォームを身にまとい追悼。チームメートとともに勝利を亡きチームメートへささげた。

モドリッチにとって最後のW杯が終了か

 敗れたクロアチアは大会から姿を消し、40歳のルカ・モドリッチにとっては5度目のワールドカップが終幕。試合後には、レアル・マドリードで長年ともにプレーしたロナウドとモドリッチがピッチ中央で抱擁を交わす場面も見られ会場からは大きな拍手が送られた。

 ラウンド16に進んだポルトガルは7月6日、ベスト16でスペインと対戦する。

バンクーバーではスイスとアルジェリアが対決、軍配はスイスに

 決勝トーナメント1回戦(ベスト32)のスイス対アルジェリアの試合は、バンクーバー市BCプレースで行われた。会場を圧倒したのはアルジェリアファン。試合前恒例の応援合戦では、大ボリュームでFIFAランキング格上スイスに挑むアルジェリア選手を後押しした。

BCプレースで大声援を送るアルジェリアファン。2026年7月2日、バンクーバー市。撮影 斉藤光一/日加トゥデイ
BCプレースで大声援を送るアルジェリアファン。2026年7月2日、バンクーバー市。撮影 斉藤光一/日加トゥデイ

ベスト32に進んだアフリカ勢としてヨーロッパの一角を崩したかったが…

 ベスト32は6月28日、カナダ対南アフリカの試合で始まった。半数以上を占めるヨーロッパチームに続き、アフリカからも9チームが勝ち上がった。しかしここまですでに4チームが敗退。次戦でカナダと対戦するモロッコのみがベスト16に勝ち上がっている。アルジェリアも、アフリカ勢としてはモロッコに続きたいところだ。

スイス、中央からエンボロ(#7)が放ったゴールがネットに突き刺さる。2026年7月2日、バンクーバー市。撮影 斉藤光一/日加トゥデイ
スイス、中央からエンボロ(#7)が放ったゴールがネットに突き刺さる。2026年7月2日、バンクーバー市。撮影 斉藤光一/日加トゥデイ

 しかし、先制点はスイス。序盤はアルジェリアが攻撃を強めるもゴールが遠くなかなか得点できない。そのすきをついてスイスが10分、少ないチャンスを逃さず先制。ネット左ゴールラインぎりぎりからヨハン・マンザンビが中央で待つブリー・エンボロにパスを送りゴールを決める。アルジェリアは前半終了間際に2本シュートを放つが惜しいところで決まらず、前半は1-0とスイスがリードして折り返した。

 後半に入り同点に追いつきたいアルジェリアだが出鼻をくじかれる。後半開始1分の46分、アルジェリアの守備の隙をついてスイスのダン・ンドイエが決めて2点目。これがダメ押しとなった。アルジェリアは再三のチャンスもゴールにつながらず、敗退。堅い守りでアルジェリアの攻撃を封じたスイスがベスト16に駒を進めた。

試合終了のホイッスルが鳴り、倒れこむアルジェリア選手たち。2026年7月2日、バンクーバー市。撮影 斉藤光一/日加トゥデイ
試合終了のホイッスルが鳴り、倒れこむアルジェリア選手たち。2026年7月2日、バンクーバー市。撮影 斉藤光一/日加トゥデイ

 スイスはこれで3試合連続勝利。うち2試合はBCプレース。次戦も7月7日BCプレースで、7月3日のコロンビアとガーナの勝者と対戦する。

 7月7日はバンクーバーで行われる最後の試合。ベスト16という見ごたえのある試合が期待できる。

両チームの激しい攻防が続く。#11はスイス2点目を決めたンドイエ。2026年7月2日、バンクーバー市。撮影 斉藤光一/日加トゥデイ
両チームの激しい攻防が続く。#11はスイス2点目を決めたンドイエ。2026年7月2日、バンクーバー市。撮影 斉藤光一/日加トゥデイ

(取材 トロント・宮井みちる/バンクーバー・三島直美 写真・斉藤光一)

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