カナダ連邦議会が解散、総選挙へ

 カナダ連邦議会が15日解散した。ジャスティン・トルドー首相がメアリー・サイモン総督に議会解散を伝え了承された。これにより、カナダは総選挙に入った。

 トルドー首相は15日の記者会見で、今国民に新型コロナウイルス感染拡大収束後のカナダについて問いたいと解散の理由を説明した。自由党が進める、コロナ後の経済雇用策、気候変動問題対策、中間所得層支援などを選挙の争点としてあげている。

 カナダは現在新型コロナ感染拡大第4波に突入している。野党からはコロナ感染が増加しているこの時期にあえて感染拡大の危険を冒しても総選挙をする必要があるのかと批判の声が上がっている。

 トルドー首相がこの時期に解散総選挙をあえて実施した背景には、コロナ対応で自由党の支持率が高い今のうちに過半数を取りたいとの狙いがある。2019年に実施された総選挙では、トルドー首相のスキャンダルもあって、自由党は過半数を取れず、現在は少数派政権となっている。

 また野党第一党の保守党は党首が交代したばかり。エリン・オトゥール党首の知名度はまだまだ低い。こうした要素がこの時期に自由党が過半数を取る絶好の機会と判断したとみられている。

 トルドー首相は今年の春にも解散総選挙に踏み切るかと推測されたが、急激なコロナ感染拡大のため見送られた。

 現在の各党の議席数は、自由党155、保守党119、ケベック連合党32、新民主党24、無所属5、グリーン党2となっている。

 投開票は9月20日。5週間の短い選挙戦となる。

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