ケベックで患者25人、カナダでサル痘の感染拡大

 カナダでのサル痘感染者数が16人になったと、カナダ公衆衛生局(PHAC)が5月25日に声明を出した。続いて26日にはケベック州のルク・ボワロ保健局長が、合わせて25人の感染が確認されたと発表した。

 患者はすべてケベック州で見つかっていて、14人はモントリオール市在住で、残りの患者も同市近郊に住む。さらに20~30人についてもサル痘の疑いがあるとして調べている。 

 現時点では地域のクリニックで治療を行っているが、PHACは事態に対応するため、ケベックにImvamuneワクチンを送った。Imvamuneは天然痘ワクチンだが、WHO(世界保健機構)も天然痘と似ているサル痘に最大85%の予防効果を示すとの見解を示している。

 ボワロ保健局長は「感染者と接触があった人にワクチンを提供する予定」と語った。

 日本の国立感染症研究所のウェブサイトによると、「サル痘は、サル痘ウイルス感染による急性発疹性疾患」で、「主にアフリカ中央部から西部にかけて発生している」という。

 しかし、2022年5月に海外渡航歴のないサル痘患者がイギリスで報告されたあと、ヨーロッパやアメリカでも患者の報告が相次いでいて、WHOをはじめ各国で調査が進められている。

 症状は発熱と発疹を主体とし、多くは2~4週間で自然に回復するが、小児などで重症化、死亡した症例の報告もある。サル痘の主な感染経路は接触感染や飛沫感染で、発熱、皮疹があり、サル痘が疑われる場合、マスクを着用し、咳エチケットを守り、手指衛生により、感染対策を行う。

 また、患者が使用したリネン類から感染した報告があることから、使用したリネン類や衣類は手袋などを着用して直接的な接触を避ける。

参考 
https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/408-monkeypox-intro.html

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