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GK高丘、ホワイトキャップスで今季MLS初勝利!

GK高丘、この日はホームで初めてピンクのユニフォームで試合に。CFモントリオール戦。2023年4月1日、BCプレース。Photo by Koichi
GK高丘、この日はホームで初めてピンクのユニフォームで試合に。CFモントリオール戦。2023年4月1日、BCプレース。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today

 MLSレギュラーシーズン初勝利は圧勝だった。バンクーバー・ホワイトキャップスFCは4月1日、BCプレースでCFモントリオールと対戦。試合開始30分こそ接戦だったものの、38分にゴールを決めると、あとは最後まで一方的な展開で今季6試合目で白星をあげた。

4月1日(BCプレース:16,046)

バンクーバー・ホワイトキャップスFC 5-0 CFモントリオール

試合は23分CFモントリオールのCamachoが2枚目のイエローカードで退場となり動き出した。1人多いアドバンテージでもホワイトキャップスはなかなか攻めきれなかったが、38分Whiteがゴールを決めると波に乗った。立て続けに得点し前半が終わって3-0とリード。後半にも2点を追加して、モントリオールを圧倒した。

無失点に抑えて「うれしかったですね」GK高丘

 5得点と大量リードだったとはいえ無失点に抑えられて「やっぱりうれしいかったですね」と素直に喜んだ。

 チームはMLSレギュラーシーズン初白星。「ちょっと時間かかりましたけど、6試合目でやっと勝ち点3取れたというところで率直にうれしいです」と語った。「クリーンシートで終われたので、そこは毎試合自分が目指してるとこなので、達成できてよかったなっていう気持ちです」

 無失点で終わったことを振り返り、「(ここまで)なかなか勝ててなかったですし、失点も続いていた中で、しっかりゼロで終わっていくことは、前半で3-0になりましたけど、そこで後半1点も相手にやらないっていうところを集中して。僕自身もそうですし、チームメイトも、そこをしっかり集中してゲームを終わらせられたっていうのは評価できるポイントかなと思います」と語った。

 これまで初戦黒星のあと引き分けが4試合続いた。それでもチーム状態は悪くなかったという。「試合の内容とかも良くなっていく感覚もありましたし、勝ち点3を取れる、勝ち点3はすぐそこにあるという感覚でいたので」とシーズン初めに感じていたチームへの手ごたえと同じ感覚を口にした。

 今月前半は2週間で5試合と厳しいスケジュールが続く。日本では経験しないレギュラーシーズンの長距離移動に「もう全然、慣れました」と余裕の笑顔。「距離は長いですけど、(移動)環境をしっかり整えているので、うまく自分もアジャストできてると思う」と高丘。それでも「日本の移動はすごい快適だった、楽だったなって」と笑った。

 今週はホームであと2試合ある。「日々、試合に向けてしっかり自分のベストをできるように調整をしたいなと思います」と語った。

「自分たちがチームとして上回っていたから勝てた」Sartiniヘッドコーチ

 Vanni Sartiniヘッドコーチは、試合後の会見で開口一番「とってもハッピーだ」と満面の笑みを見せた。常にポジティブなSartiniヘッドコーチだが、この日は選手たちへの称賛を惜しまなかった。

 「今日の勝利は(相手が)10人だったからではない。自分たちのサッカーが相手を上回っていたからだ」と語った。「おそらく相手が12人でも勝てただろう」とそれくらい良い内容だったと振り返った。

 大量得点が目立つが無失点に抑えただけでなく、この日は枠内シュート数もゼロ。「大量得点だったが、気を緩めることなく後半も攻めていったのが良かった」と評価。「今日は全てにおいてチームにいい方向に働いた」と笑顔で振り返った。

4月のホームゲーム

4月5日(水)LAFC戦(CONCACAF Champions Leagueファーストレグ)
4月8日(土)ポートランド・ティンバーズ戦
4月29日(土)コロラド・ラピッズ戦

この日はディフェンスも堅く、GK高丘も無失点に抑える。CFモントリオール戦。2023年4月1日、BCプレース。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
この日はディフェンスも堅く、GK高丘も無失点に抑える。CFモントリオール戦。2023年4月1日、BCプレース。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today

(取材 三島直美/写真 斉藤光一)

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展示のお知らせ「詩が生まれる場所-日系文化センター・博物館」

Where Songs Surface
「詩が生まれる場所」UTA GA UMARERU BASHO

3 月18 日から 9 月 16 日まで、写真家の宮崎雅子と李淑美による「詩が生まれる場所 」展が日系文化センター・博物館で開催されます。日本、カナダ、写真、そして物語を語るという共通点をもった 2 人のアーティストによる目に見えるものを超え、時間、場所、記憶を結びつける展示です。

開館時間:火曜~土曜午前10時~午後5時。水曜日は午前10時から夜9時

入場料 $5。NNMCC会員・学生は無料。

宮崎雅子は東京生まれで、現在はモントリオールで活動しています。単身カナダに移住し、カナダの多様性と寛容さに感銘を受けて新しい生活を築きました。宮崎雅子は、出身国の猿鬼の寓話を用いて、私たちの自然との関係性を問いかけます。手作りの紙や太陽光を使用するなど、有機的なプロセスと素材を使用。また、詩と写真を組み合わせて想像力を刺激します。

李淑美は、写真、ビデオ、場所に関する文章を通じて、自らの生活体験を素材にし、移住女性としてのアイデンティティにつながるテーマを探求します。彼女は10年前にカナダに移民し、自身の新しい故郷をアイデンティティを問われることなく所属できる場所として捉えています。フランスで生まれた彼女の家族のルーツは、両親や家族が若い頃に日本に居住した韓国人に遡ることができます。フランス語、日本語、そして韓国語を含む多文化の環境で育った彼女は、日本にある家族を頻繁に訪問し、祖母と深い絆を築きました。

日系文化センター・博物館コレクションからの物品も同時に展示されています。

展示にあたり、BC芸術評議会、BC州、カナダ芸術協議会、ケベック芸術文学評議会の支援に感謝します。

宮崎雅子のアーティスト・ステートメント:

私は、現実の瞬間を捉え、想像力を刺激するために、ストーリーテラーとしての役割を担い、人間が自然の一部であるという位置を考えます。私は写真に魅力を感じています。それは、そうでなければ逃げてしまう現在の瞬間を止めることができるからです。私は場所のオーラに遭遇したときに写真を撮ります。私のアプローチは、詩と写真を組み合わせて、見えるイメージを超えたストーリーを展開し、想像力を刺激することです。

ウェブサイト masakomiyazaki.com

李淑美のアーティスト・ステートメント:

李淑美は、写真家に加え、写真のプロフェッショナルな教育を受けた後、ビデオ、インスタレーション、パフォーマンスアートなど、さまざまなメディアで活動しているアーティストでもあります。彼女の両親は韓国から日本に移民しており、彼女自身はフランスで生まれ育ちましたが、両親から日本の教育を受け、流暢な日本語を話すことができます。現在は、夫と子どもたちとともにカナダのモントリオールに住んでいます。彼女の人生経験は、韓国に関するほとんどの文脈を持たないものの、アジア系フランス人アーティストとして、親から子への文化の継承の記憶を考えることを繰り返し行っています。

彼女の作品「ふるさと」では、彼女の両親や祖父母の子供時代の思い出を呼び起こす場所を直感的に探しています。彼女自身が2人の子供の母親になってから、彼女自身の家族のためにふるさとを創造するための探求が増えました。彼女は、和歌山の山間の村を家族の先駆者として何度か訪れ、この日本の田舎の場所に強く結びついたと感じました。後に彼女は、この場所を家族に紹介することを決めました。作品「ふるさと」は、自然を通じて自分自身のルーツと再びつながる記憶の集合体に、観客を没入させる写真と音の体験です。

日本好き高校生たちが知識を競うクイズ大会「ジャパンボウル2023」開催

JETプログラム同窓会BC・ユーコン支部(JETAABC)から実行委員のみなさん。2023年3月11日、日系文化センター・博物館。Photo by Akane Ikeda/Japan Canada Today
JETプログラム同窓会BC・ユーコン支部(JETAABC)から実行委員のみなさん。2023年3月11日、日系文化センター・博物館。Photo by Akane Ikeda/Japan Canada Today

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州バーナビー市の日系文化センター・博物館で3月11日、ジャパンボウル・メトロバンクーバー大会が開催された。ジャパンボウルは日本語を学ぶ高校生たちが日本語や日本文化についての知識を競いあうクイズ大会で、今年で6回目。

日本式のオープニングからはじまった予選ラウンド

Stephanie Mathuraさんによる弓道パフォーマンス。2023年3月11日、日系文化センター・博物館。Photo by Akane Ikeda/Japan Canada Today
Stephanie Mathuraさんによる弓道パフォーマンス。2023年3月11日、日系文化センター・博物館。Photo by Akane Ikeda/Japan Canada Today

 開会式はシンガーソングライターPico Masakiさんの琴演奏によるオープニングセレモニーとラジオ体操で幕を開けた。

 今回のジャパンボウルには14校から、2~3人で構成された27チームが参加。約80人の高校生が会場に集まった。予選ラウンドでは全40問の出題があり、決勝戦に上がる3チームの選考が行われた。休憩時間には出題された問題や今後の問題についてにぎやかに議論し合う生徒たちの様子に、参加者の真剣度が垣間見られた。

 出題は例年の地理、環境、文化や礼儀作法、時事問題に加え、毎年異なるスペシャルトピックが事前に知らされる。今年のスペシャルトピックは500年~1600年の歴史、環境問題やグリーンテクノロジー、現代文学、日本の漫画など。漫画についての問題は、世界的に知られているものからマニアックなものまでさまざま。幅広い知識問題に対し、生徒たちは一喜一憂しながら日本語(ひらがな、カタカナ、漢字)、英語と指定される言語を使って集中した様子で回答していた。

 午前の問題が終了するとホッと一息。JETプログラムで日本での滞在経験があるというStephanie Mathuraさんによる弓道のパフォーマンスが披露された。日本の伝統的なスポーツである剣道や柔道に比べてあまり知られていない弓道を、実際に学生たちに素引きを体験してもらいながらその魅力を紹介した。

参加者全員でよさこいにチャレンジ

「APPARE Yosakoi Vancouver」のみなさん。笑顔いっぱいに迫力の演技を披露。2023年3月11日、日系文化センター・博物館。Photo by Akane Ikeda/Japan Canada Today
「APPARE Yosakoi Vancouver」のみなさん。笑顔いっぱいに迫力の演技を披露。2023年3月11日、日系文化センター・博物館。Photo by Akane Ikeda/Japan Canada Today

 ランチ休憩をはさんだ午後からは、「APPARE Yosakoi Vancouver」がよさこいの演舞を披露したのち、よさこいの講習会が開かれ、全員でチャレンジ。生徒や教師、実行委員も参加して、会場が一体となってよさこいの踊りを楽しんだ。

決勝ラウンド

総領事館にまつわるクイズで笑いを誘う丸山総領事。2023年3月11日、日系文化センター・博物館。Photo by Akane Ikeda/Japan Canada Today
総領事館にまつわるクイズで笑いを誘う丸山総領事。2023年3月11日、日系文化センター・博物館。Photo by Akane Ikeda/Japan Canada Today

 3チームが進出した決勝戦では会場の前方に回答者席が設けられ、全20問の決勝戦が行われた。早押しで回答権を獲得する問題では、日本の最新の時事問題や流行を含む難易度の高い出題にもかかわらず、次々にボタンを押して発言し、接戦となった。

 見事優勝したチーム「Katsudon」のメンバーの中には、2年連続でジャパンボウルに参加した生徒も。昨年の大会について、「もっと挑戦的な問題が多かったと思うし、決勝ラウンドの問題の中には誰も正解できないようなものもあった。だから、今年はより多くの問題に正解できるようになったと思う。それでも大変だった」と語った。大会に向けてチームで半月ほど勉強したという。また、「まさか上位に食い込めるとは思っていなかった」と口々に話し、笑顔を見せた。

 続いてあいさつした在バンクーバー日本国総領事館・丸山浩平総領事は、ジャパンボウルを運営しているJETプログラム同窓会BC・ユーコン支部に感謝の言葉を述べた。参加者のクイズに対する情熱や日本への愛にも敬意を表し、日本とカナダの関係を強化し、すばらしい未来に導く若い力へ期待した。

 JETプログラム同窓会BC・ユーコン支部でボランティアとしてジャパンボウルの運営に参加したBronwyn Oshustさんは技術チームとしてコンピューターのセットアップや音源を担当したという。今回のジャパンボウルについて、「たくさんの人や学生が来てくれてうれしかった。彼らが楽しんでいるのを見て私も楽しむことができた」と話し、また「JETのメンバーにも会えるし、コミュニティに恩返しができるいい機会でもある」とにこやかに語った。

 最後に2023年度のジャパンボウルは日本の伝統的な慣習「一本締め」で幕を閉じた。

2023年ジャパンボウル・メトロバンクーバー大会結果

優勝  「Katsudon」Centennial Secondary school(コキットラム市)
準優勝 「4-ever」Richmond Secondary school(リッチモンド市)
3位  「大吉」R.A. McMath Secondary school(リッチモンド市)

ジャパンボウル

 初めて開催されたのはアメリカ・ワシントンDC。高校生を対象としたローカル大会として1992年に始まった。その後世界各地に広がり、現在はカナダをはじめ、ブルガリア、デンマーク、フランス、イタリアなど10カ国以上で開催されている。出題範囲は言語にとどまらず、日本の文化、社会、歴史、日常生活、時事問題など。高校生たちのより高いレベルでの学業達成と、実社会でのコミュニケーション力や文化的な知識を身につけることを目的としている。BC州での大会は毎年、JETプログラム同窓会BC・ユーコン支部(JETAABC)によって運営されている。

JETプログラム同窓会

 JETプログラム(日本との交流・教育プログラム)の参加者が帰国後に各国で発足させた同窓会組織(JETAA)。現在は世界17カ国、52の支部があり会員は6万人以上。JETAABCは、JETAAのブリティッシュ・コロンビア(BC)・ユーコン支部。JETAABC – JET Alumni Association of British Columbia (JETAABC)

見事なチームワークで優勝した「Katsudon」。2023年3月11日、日系文化センター・博物館。Photo by Akane Ikeda/Japan Canada Today
見事なチームワークで優勝した「Katsudon」。2023年3月11日、日系文化センター・博物館。Photo by Akane Ikeda/Japan Canada Today
準優勝のチーム「4-ever」。2023年3月11日、日系文化センター・博物館。Photo by Akane Ikeda/Japan Canada Today
準優勝のチーム「4-ever」。2023年3月11日、日系文化センター・博物館。Photo by Akane Ikeda/Japan Canada Today
3位のチーム「大吉」。2023年3月11日、日系文化センター・博物館。Photo by Akane Ikeda/Japan Canada Today
3位のチーム「大吉」。2023年3月11日、日系文化センター・博物館。Photo by Akane Ikeda/Japan Canada Today

(取材・写真 池田茜音)

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「永日*花と香を手向ける」

カナダde着物

第45話 *利休忌*

 サマータイム、北米ではDaylight Saving Timeと呼ばれていますが、太陽の光を少しでも長く浴びたい私たちの「春、最初の一歩」ですね。

 その頃になりますと雛人形を飾る家ではカラフルな色が増え、ようやく冬から春へと季節が移り変わることを実感できます。

 お寺でお供えするお花とお香は、穏やかな雰囲気で私たちを包みます。

 まだ続いている、戦乱の中で暮らす人々にも心落ち着く場所がありますように。

Seagull in English bay, Photo by ©Manto Artworks
Seagull in English bay, Photo by ©Manto Artworks

*今日の着物*Today’s Kimono

「着物で法要や式に参加する」

 着物は品と格式を持ち、どのような場面でも対応できるマルチな民族衣装です。

 是非、お祝いだけでなく、故人を偲ぶ会や法要などに着物で参加されることをお勧めいたします。

 着物や帯を選ぶ際には、亡くなった方にご縁のあるものや、生前にいただいたものなどを召されますと、残されたご家族と深く温かい会話ができるでしょう。

「利休忌での着物」

 毎年、お寺の桜が咲くころに千利休を偲ぶ利休忌が行われます。茶道のお稽古をされている方、お寺にゆかりのある方などが参加され、千利休が大成させた「わび茶」の本来の意味を改めて想い、手を合わせます。

 わび茶とは、豪華絢爛な品評会の茶の湯ではなく、人と人との精神的な交流とおもてなしに重点を置いたもので、人の内面に目を向け、精神を磨くことを目的とします。

 そのような場面での着物はどのようなものがいいでしょうか。(*1)

 千利休は最近に亡くなった方ではないので、黒だけにこだわる必要はないそうです。

 旧暦の雛祭りも近く、芽吹きの時期と重なりますので、生命力を表した草花の文様や柄などでもいいのではないでしょうか。

 ひと文字が施された帯もあります。「夢」などが代表的です。

 今回は、カナダ人の皆さんも大好きな桜柄の帯を選んでみました。

 咲き誇る花、散りゆく花の様は、どこか千利休の人生を思い起こさせますが、茶道で桜を床の間に飾ることはありません。

利休忌の着物。写真:コナともこ
利休忌の着物。写真:コナともこ

*今日の和の学校*Today’s Gathering

「お寺で利休忌と茶筅供養」

 忌とは、命日の意味ですが、居士の畏敬の念を込めて敬う気持ちを表す日でもあるそうです。

 今年は3月26日、日曜日に東漸寺本堂にて利休忌と茶筅供養が行われました。

 花曇りの中、大勢の方がお参りに来られまして、お稽古や自宅用で古くなった茶筅を持参され、感謝の気持ちを込めて供養が行われました。

 古きをもって新しきを知る、春はそのような気持ちになります。

 お寺の桜は、薄いピンクの蕾は膨らみを帯び、もう少し気温が上がれば開花となりそうです。

 これからの時期、イベントや行事のお出掛けが楽しみですね!(*2)

利休忌2023東漸寺。写真:コナともこ
利休忌2023東漸寺。写真:コナともこ

利休忌の着物(*1)
https://ichiru.net/column/rikyuki/

春の日系イベント(*2)
4月1日 日系文化センター・博物館「お花見まつり」https://centre.nikkeiplace.org/events/ohanami2023j/
4月15日、16日 The Vancouver Cherry Blossom Festival「Sakura Days Japan Fair 」https://vcbf.ca/

参照

日本の行事・暦:http://koyomigyouji.com/index.html

日本の伝統衣装「和服」とは?https://japanese-bank.com/nihongo-how-to-teach/japanese-wafuku/

「着物語り」
コナともこさんが着物の魅力をバンクーバーから発信する連載コラム。毎月四季折々の着物やカナダで楽しむ着こなしなどを紹介します。
2020年8月から連載開始。第1回からのコラムはこちらから。

コナともこ
アラフィフの自称着物愛好家。日本文化の伝道師に憧れ日々お稽古に励んでおります。
12年前からコキットラム市の東漸寺で「和の学校」を主宰。日本文化を親子で学び継承する活動をしております。

年間を通じて季節の行事に加え、お寺での初参り、七五三祝い、十歳祝い、元服祝い、二十歳祝い、結婚式、生前葬、お葬式などの設えと装いのお手伝いもさせていただいております。

*詳しくはコナともこ までお問い合わせ下さい。tands410@gmail.com
東漸寺は非営利団体で、和の学校の収益は東漸寺の活動やお寺の維持の為に使われています。

カナダ人の夫+社会人と大学生の3人娘+老犬1匹(昨年末、虹の向こうへ)がおり、バンクーバー近郊在住。

和の学校ホームページ https://wanogakkou.jimdofree.com/
Facebook https://www.facebook.com/tomoko.kona.98
Instagram https://www.instagram.com/konatomoko/?hl

 

カルラ12 ~投稿千景~

エドサトウ

 弓を背負い馬に乗り、移動してゆくカルラは、日よけの麻の長い布を頭と首に巻いていた。顔の赤茶色の入れ墨がよく目立つ。まるで、激し色をした赤いアゲハチョウが舞っているようである。ようやく繭から孵ったアゲハチョウが大きな美しい薄い赤色の羽をつけて馬に乗り、舞いゆく姿は男装の麗人のごとくあった。

 遠い過去の日にも、ベトナムあたりが原産といわれる蚕と同種と思われる不思議な蛾が密林に舞っていた。絹の生産は、東南アジアで始まっていて、その歴史は五千年前までさかのぼり、日本には稲作と一緒に伝わったといわれる。

 北九州にはいろんな部族が住んでいて、一つの国を創っていた。その中でも、南朝鮮の海岸線まで影響を及ぼして支配(植民地化)していた島国の『イ国』があった。

 カルラ達も、自然と彼らの助けを借りて九州の一角に落ち着くのである。その多くの島国の集まりがジマ台国なのであろう。つまり、ジマに漢字を当てはめれば『島大国』なのであろう。

 南朝鮮の海岸線も同じ海洋民族なのか、『島大国』の一部であった。その島大国の『イ国』などをとおして、当時日本には無かった鉄の塊や、鉄器の農具などが運ばれてきて、北九州の博多近くの港も結構な賑わいであった。人や店も多く、カルラもタケも、この街にきてびっくりしたことであった。

 カルラ達の馬も高く物々交換ができたのである。

春の花。Photo by Ed Sato
春の花。Photo by Ed Sato

投稿千景
視点を変えると見え方が変わる。エドサトウさん独特の視点で世界を切り取る連載コラム「投稿千景」。
これまでの当サイトでの「投稿千景」はこちらからご覧いただけます。
https://www.japancanadatoday.ca/category/column/post-ed-sato/

第10回 スワミのお別れ準備 その1

 何だか忘れかけているけれど、あの時、桐島洋子(作家)さんのご主人、今は亡き勝見洋一氏、彼がずっと以前、突然「澄子さん、サイババって知ってる?」と聞いた。
 私は「知らないわ、なにそれ?」と聞く。彼が「サイババはね、今、インドにいるキリストかお釈迦様だと言われている聖者だ」と言った。それから、数ケ月たって、洋子先生からサイババの写真の絵ハガキを受信。一葉の絵ハガキには、彼女がサイババのアッシュラム(お寺と大修行道場を合わせた様な場所)に滞在中で、そこでの体験を書いてあった。早朝からサイババの祝福を受け、その至福感。彼女のその至福感、それが、ジーンと私に伝わった。
 何が何だか、なにも分からないまま、娘たちに「ママ、バッカみたい!」といつも通り笑われながら、でも、私は本当に、本当に、夢中で何処にあるか知らない、遠い遠い「プッタパルティ」を探し、南インドの小さな村、そこへ行ったのだ。つまり洋子先生が言った「至福感」、それを常に感じられる場所。多分、そこでの不思議体験後、何だかサイババが好きになったみたいだ。彼が言う「Love ever, no harm ever」それがサイババのエネルギーからきているのか、自然の宇宙エネルギーからきているか知らない。
 でもね、毎日の生活中、何かある度に「セレンディピティ」幸運をつかむ、多分、「アレー?これ本当?!」と言う体験、「幸せ!」を感じるようになったみたいだ。

 そして、それから10数年、時はもう2009年。その秋、サイセンターから、翌年、2010年8月に全カナダサイセンターの人達がスワミ(サイババ)の招きでプッタパルティでの世界大会に出席する。その参加希望者募集の通知を受け、日本人グループも参加、貴方も行かない?と誘われた。
 しかし、毎年、8月は私の孫が東京からやってくる。後の「シルク・ド・ソレイユ」で「デングリ返し」をするようになった孫だが、ここバンクーバーで、当時、毎年8月にジムナスティックのトレーニングを受けているのだ。それで、私はインド行きは不参加と答えた。
 所が、それから数ケ月後、2010年1月に入って間もなく東京の娘から、今年のレイナ(孫)「8月のトレーニングは7月に変更」と連絡があった。

 ここで「セレンディピティ」幸運をつかんだ!私はわぁー、インドへ行ける!
 直ぐにサイセンターへ8月のインド行き申請。又しかし、答えは「NO」。カナダからの参加者はすでに300人、同行者のユニフォームまで既に用意されていたのだ。 
 しかし、私はあきらめず、日本人グループのリーダー、シヤさんの手配でサイセンターのグループとは別行動、日本人グループ旅行に同行。プッタパルティ内では自分で宿泊所を取り、グループと別行動という条件で参加OKとなった。そして、2010年8月12日、私は日本人グル-プと一緒にインドへ出発。
 日本人グループは最初に「マイソール」へ行った。そこはインド南西部のカルナタカ州の都市で、1399年から1947年にかけてマイソール王国の首都になっていた所。
 市の中心部にある豪華なマイソール宮殿はオデヤ朝の中心となった宮殿で、ヒンドゥー教、イスラム教、ゴシック様式、ラージプート様式の融合が見られる所だ。
 ヨーロッパにある建物とは全く異なる素晴らしさがあり、想像もしなかった良い体験が出来た。

セレンディピティ(英語: serendipity)とは、素敵な偶然に出会ったり、予想外のものを発見すること。また、何かを探しているときに、探しているものとは別の価値があるものを偶然見つけること。平たく言うと、ふとした偶然をきっかけに、幸運をつかみ取ることである。

許 澄子
2016年からバンクーバー新報紙でコラム「老婆のひとりごと」を執筆。2020年7月から2022年12月まで、当サイトで「グランマのひとりごと」として、コラムを継続。2023年1月より「『セレンディピティ』幸運をつかむ」を執筆中。
「グランマのひとりごと」はこちらからすべてご覧いただけます。https://www.japancanadatoday.ca/category/column/senior-lady/

ヘンリー・ワカバヤシ氏へ外務大臣表彰授与「人生の師と仰ぐミナガワ氏と両親に感謝」

花束を受け取ったワカバヤシ夫人(中央)と外務大臣表彰を受賞したヘンリー・ワカバヤシ氏(左)、丸山浩平総領事と。2023年3月10日、在バンクーバー日本国総領事公邸。Photo by Saito Koichi/Japan Canada Today
花束を受け取ったワカバヤシ夫人(中央)と外務大臣表彰を受賞したヘンリー・ワカバヤシ氏(左)、丸山浩平総領事と。2023年3月10日、在バンクーバー日本国総領事公邸。Photo by Saito Koichi/Japan Canada Today

 ヘンリー・ヒロシ・ワカバヤシ氏への令和4(2022)年度外務大臣表彰伝達式が3月10日、在バンクーバー日本国総領事公邸で行われた。

 ワカバヤシ氏は、パシフィック・リエイコン・アソシエイツ社を共同創業、ブリティッシュ・コロンビア(BC)州の公共交通機関スカイトレインの建設やバンクーバー国際空港の拡張工事など重要インフラ事業を手掛ける。また日系コミュニティでは、日系文化センター・博物館やモミジガーデンの建設、隣組建物の改修工事にボランティアとしてかかわった。

 日系二世のワカバヤシ氏は、1980年代の日系カナダ人リドレス運動に参加し、バンクーバー日系カナダ人リドレス委員会副委員長として活躍。日系カナダ人の名誉回復と社会的地位向上に大きく寄与した。

 両親が日本人で、ブリティッシュコロンビア大学(UBC)卒業後はバンクーバーの三菱商事カナダに10年間勤めていたこともあり、流ちょうな日本語を話す。

 その活躍は日本とカナダの友好関係促進にも大きく貢献し、こうした功績が認められ、今回の受賞となった。

 丸山浩平総領事は、ワカバヤシ氏の数々の功績に触れながらも、自身の親戚から直接聞いたアメリカで経験した日系人としての苦難とワカバヤシ氏ら日系カナダ人が受けた差別的体験に思いを馳せ、個人的に心に迫るものがあると語った。こうした経験をへて日系カナダ人の名誉回復にバンクーバーで主導的に活躍したこと、カナダのビジネス界での活躍、日系コミュニティへの貢献など、多大な功績によるワカバヤシ氏への外務大臣表彰に改めて「おめでとうございます」と祝福した。

人生の師と仰ぐ人に出会えたことに感謝

ヘンリー・ワカバヤシ氏。この日のスピーチは英語だったが、実は流ちょうな日本語を話す。2023年3月10日、在バンクーバー日本国総領事公邸。Photo by Saito Koichi/Japan Canada Today
ヘンリー・ワカバヤシ氏。この日のスピーチは英語だったが、実は流ちょうな日本語を話す。2023年3月10日、在バンクーバー日本国総領事公邸。Photo by Saito Koichi/Japan Canada Today

 ワカバヤシ氏は、母と父の祖国である日本とカナダとの相互理解を促進する役割が受賞の理由であることに喜びを表し、両親や先人が自らを犠牲にしても、自分の子どもたちによりよい機会が得られるためにカナダに移民してきたことに「心から感謝する」と語った。

 そして、人生の師と仰げる人、ヒロ・ミナガワ氏に出会えた自分は幸運だったと振り返った。

 化学エンジニア専攻でUBCを卒業したワカバヤシ氏は、自分の学んだ分野での就職を希望したが当時化学エンジニアという仕事に就ける機会はなくJETROにパートタイムで就職。そんな時に戦後初めてカナダオフィスを開設した三菱商事会社のマネージャーだったヒロ・ミナガワ氏に声を掛けられたと話した。化学エンジニアとしての仕事を希望していたワカバヤシ氏にミナガワ氏は、「エンジニアにはいつでもなれるから、今は私の下で働いて、そしたら6カ月で立派なビジネスマンになれると言われた」と笑った。

 いつも繰り返し友人らに話しているのはと前置きして、「三菱商事で働くことを決心して、ミナガワ氏を自分の師と仰ぎ、彼の下で働けた幸運は、ハーバード大学でMBAを習得するよりも、自分のキャリアにとって有益なことだった」と語った。また、会社を立ち上げた後、大きなプロジェクトにかかわることになったのもミナガワ氏の協力があったからと話し、「今回の受賞をミナガワ氏に捧げたいと思う」と感謝の気持ちを表した。

 また日系二世として一世だった両親が家族に示した自分たちは国の犠牲者ではないという姿勢、誰も恨まないという教えがあったからこそ、日系カナダ人に対する強制移動政策を経験していたとしても、「日加両国のために全力で尽くすことができたと思う」と両親に感謝した。

 あいさつの最後には63年連れ添っている夫人や駆け付けた家族、友人の名前を笑顔で呼んで感謝を表した。

(写真 斉藤光一/記事 編集部)

ヘンリー・ワカバヤシ(へんりー・わかばやし)
Pacific Liaicon and Associates Inc.共同創業者(1970年)
UBC with a degree in chemical engineering(1958年卒業)
関わったプロジェクトは多く、上記以外には、バンクーバー・コンベンションセンター拡張工事、他には、EXPO 86、BC Ferries、BC Transit、VANOC(バンクーバーオリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会)for 2010 Olympic and Paralympic games、BC Hydro Site Cにもシニアアドバイザリーとして携わっている。
2008年カナダ勲章(Order of Canada)、2000年BC勲章(Order of British Columbia)受章。
2017年日系プレース・ファウンデーションThomas Shoyama Lifetime Achievement Award受賞。

外務大臣表彰

 国際関係のさまざまな分野で活躍し、日本と諸外国との友好親善関係の増進に多大な貢献をしている個人や団体の功績をと称えると共に、その活動に対する一層の理解と支持を国民に求めることを目的としている。

ワカバヤシ氏(左)と丸山総領事。2023年3月10日、在バンクーバー日本国総領事公邸。Photo by Saito Koichi/Japan Canada Today
ワカバヤシ氏(左)と丸山総領事。2023年3月10日、在バンクーバー日本国総領事公邸。Photo by Saito Koichi/Japan Canada Today
記念品贈呈時に笑顔を見せる丸山総領事(右)とワカバヤシ氏。2023年3月10日、在バンクーバー日本国総領事公邸。Photo by Saito Koichi/Japan Canada Today
記念品贈呈時に笑顔を見せる丸山総領事(右)とワカバヤシ氏。2023年3月10日、在バンクーバー日本国総領事公邸。Photo by Saito Koichi/Japan Canada Today

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「大麻とベープ」知ることから始めよう ‐ S.U.C.C.E.S.S.リッチモンド・オンラインワークショップ

4.20Day at Sunset beach, Vancouver, April 20, 2018; Photo by ©Pacific Walkers
4.20Day at Sunset beach, Vancouver, April 20, 2018; Photo by ©Pacific Walkers

 日本では大麻(キャノビス)は違法薬物とされているが、ここカナダでは所持も使用も合法だ。そこで今回は、3月7日、S.U.C.C.E.S.S.リッチモンドが主催したオンラインワークショップ「大麻とベープ」を紹介。連邦警察(RCMP)リッチモンドのジェイス・ロナリオ巡査が大麻の基礎知識や体に与える影響、法制度について解説した。

 大麻は人の体にどのような影響を及ぼすのか、子どもたちから遠ざける方法はあるのか。ロナリオ巡査の解説から学んだことを紹介する。

100種類以上の化学成分を含む大麻

 ワークショップは大麻についての知識の確認から始まった。大麻にはキャナビノイドという脳の細胞や体に作用をおよぼす成分を含む100種類以上の化学成分があり、インディカやハイブリットといわれる大麻草のことを指す。その中でも有名な成分がTHCとCBD。

  • THC:いわゆるハイと呼ばれる状態や、酩酊状態を及ぼす作用を持つ成分。
  • CBD:酩酊状態を起こす作用を持たない成分。THCの作用を抑えたり阻止したりするデータもあり、医療目的で使うための研究も行われている。

 ほとんどの大麻は葉っぱや花から作られており、生のもの、乾燥させているもの、オイル状のものがある。とくにオイル状のものには酩酊作用のあるTHCが3%以上含まれており、より濃縮された石油ベースのものには90%以上ものTHCが含まれる。

どのような方法で体に取り入れるのか?その影響は?

 大麻を使用する際に用いられる主な方法として4種類が挙げられた。1つ目はジョイントと呼ばれる道具を使ってタバコのように煙を吸う方法。2つ目はオイル状のものをクッキーなどの材料に加えて食べたり飲んだりする方法。3つ目はベーピングといい、乾いたものや液体のものを熱して蒸気を体に取り入れる方法。最後に濃縮された効果の強いものを吸うダビングという方法があると説明した。

 その中でもベーピングが、大麻を使用する若者のあいだで人気だという。ロナリオ巡査はブリティッシュ・コロンビア(BC)州では5人に1人の若者がベーピングを試したことがある、もしくは使用していると話した。

若者に人気のベーピングとは?

 ベーピングとは煙の出ないニコチンを、蒸気を発生させて吸い込む方法。ペンタイプの持ち運びやすい形状で複数のフレーバーから選ぶことができるため、社交の手段として使われているのも人気の理由の一つ。使用の理由はソーシャルネットワーク上でかっこいいと評判になっていることや、タバコの代わりに吸う、不安や抑うつ感と闘うため、単に暇だからとさまざまだった。

大麻使用で体にはどんな影響が?

 大麻を使用することで起こりうる短期的、長期的な影響について、次のようなものが挙げられた。

  • 短期的な影響:口の渇き、食欲増進、体重の減少、短期記憶障害、リラックス作用。人によっては心拍数を上げる作用も。アルコールで酔ったときのような集中力や反応の鈍り。精神病、幻覚幻聴の作用をもたらすこともあり、不安や抑うつ感を悪化させることもある。
  • 長期的な影響:上記の症状に加え、すでに精神的な病気がある人には悪化の可能性がある。自殺動機、統合失調症や肺へのダメージ。知能や記憶力、IQ にも悪影響があることから発達途中の子どもや若者の知能を低下させることがある。依存症になるリスクが高く、日常的に大麻を吸っている25~30%の人が薬物依存に陥りやすいと言われている。

合法と違法の境界線は?

 医療用大麻は2001年に合法化され、2018年の大麻法の施行により19歳以上の成人の嗜好目的での使用も合法化された。では、どこまでが合法でどこからが違法になるのか。

 30グラムまでの所有や購入、販売(州政府からライセンスを取っている店に限られる)が許可されており、合法的に手に入れた苗や種も1家族につき4鉢までであれば栽培が可能。規定量を超えると違法になる。

 カナダ国内では合法化されているが、他国への持ち出し、海外からの持ち込みは違法。車でアメリカへ入国する場合でも車内に保管することはできない。帰国の時に所持する場合は国境での申告、医療目的での所持でも公的な書類を用意する必要がある。

リスクを減らすために

 オンラインで購入する場合、ライセンスを取っていない店から購入する可能性があることや、犯罪集団に個人情報を盗まれる可能性もあるとして注意を促した。

 ロナリオ巡査は、大麻の使用により起こりうるリスクを減らすために、脳が発達を続ける25歳までは使用をしないことを推奨した。子どもを持つ親にはよく話し合うこと、家で栽培・保管する場合は手の届かないところに置くことも勧めた。

 また、薬物過剰摂取(オーバードーズ)による最悪の事態を防ぐために「The good Samaritan law」という2017年に施行された法律を紹介した。近くにオーバードーズに陥っている人がいても捕まることを恐れて救急車を呼ばない、ということを避けて命を守るための法律である。

 オーバードーズの特徴として、意識がもうろうとしている、爪や唇が青い、喉が詰まって呼吸が遅い、反応がない、皮膚が冷たいなどの状態を挙げ、「見つけた場合は迷わず救急車を」と呼びかけた。

S.U.C.C.E.S.S.
1973年に設立。定住サービス、言語、雇用、コミュニティサービス、家族および若年世代向けビジネス健康サービス、各種ケア、ハウジング、出版などを行っている。永住権を持っている人、住み込みケアギバー、難民指定を受けている人、カナダ政府から保護認定を受けて在住している人を対象に無料でサービスを提供。ウェビナーや対面のワークショップの実施やコミュニティとのボランティア活動も企画している。

次回は4月に薬剤師による薬局システムや予防接種、薬剤師の近年の役割についてのワークショップを予定。ウェブサイト:www.successbc.ca

大麻とベープに関する参考情報

(取材 池田茜音)

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日系文化センター・博物館から春のイベントのお知らせ

日系文化センター・博物館

6688 Southoaks Crescent, Burnaby BC V5E 4M7
TEL 604.777.7000  
info@nikkeiplace.org   www.nikkeiplace.org

受付・ミュージアム営業時間:火~土 午前10時~午後5時 休:日月祝
水曜日は午前10時から夜9時
カナダでの日本文化の普及および日系カナダ人の歴史の保存と共有に努めています。

イベント

バンクーバー生け花協会とNNMCC主催
生け花スプリングショー2023

5月6日土曜日、11時〜16時
5月7日日曜日、10時〜15時

入場無料、寄付歓迎

グレーター・バンクーバーで活躍している数々の流派の生け花が一堂に会します。ワークショップもあります。今年はロビーで日系盆栽協会の展示もご覧いただけます。

NNMCC & NNMCC Auxiliary主催
日系センター 春のバザー

5月13日(土)11時〜16時
入場無料

フリマ、プラントセール、お食事とおやつ、いろいろ選べるバザーへぜひお越しください。林ホール内のフリーマーケットでは、日本の食器や小物、日本人形、着物や浴衣など、状態のよい日本の中古品が並びます。日系ガーデンでは、紫蘇をはじめとする日本の植物や春の植物が揃います。行列ができるほど人気のまんじゅうや屋台もお見逃しなく。

このイベントで得られる収益は、日本文化の普及および日系カナダ人の歴史の保存と共有に努める日系センターの運営に活用されます。ボランティア、ドナー、ベンダー、そしてご来場いただく皆様に感謝いたします。

プログラム

日系センターでは日本語で開催されているプログラムがあります。ぜひご参加ください。柔道・合気道・習字クラブ・歌声喫茶・日本舞踊・囲碁クラブ・そろばん・太鼓・フラダンス・ラインダンス・シニアバドミントン。

バーナビーで子供が日本文化体験

夏休み中に英語で学べる日本文化体験をしませんか?7月は毎週9~12才を対象に1週間のマンガキャンプ、8月は今年新たにティーン(13~15才)向けのクラブを週に1~2回開催します。ウェブサイトで詳細をご確認いただきお申込みいただけます。

日系ブックストア

毎週 火・木・金・土、午前11時~午後3時、2階
古本:文庫本・漫画・絵本を受付中。開店中に2階のブックストアまでお持ちください。

展示 

常設展:「体験:世代を超えて受け継がれる、困難を乗り越え立ち上がる力」

日系人の歴史を日本語で紹介しています。2階入場無料 

特別展示

詩が生まれる場所

宮崎雅子と李淑美

3月18日〜9月16日
入場料 $5。NNMCC メンバー、18歳未満は無料。

ミュージアムショップ

日系の歴史の書籍、日本からの輸入品、ローカルの手作りものを取り揃えております。お気軽にお立ち寄りください。shop.nikkeiplace.org

お得なメンバーシップ特典について

 今月は日系センターを応援していただいているビジネス、Chado Tea Houseを紹介します。NNMCC会員は、オンラインショップ chadoteahouse.com とイベントで10%の割引が受けられます。 Chado Tea Houseは、2005年にバンクーバーで設立され、日々飲むお茶からハイグレードなお茶まで、さまざまな機会に合わせた日本茶を提供しています。静岡から鹿児島まで、信頼できる茶園と協力して、月に一度、最高品質の茶葉を輸入しています。春の訪れを感じる桜茶二種類と優しくほっこり玉露かりがねくき茶、花粉の季節到来にはべにふうき茶がお薦め。鹿児島の知覧地区より特選煎茶も届きました。NNMCC会員に登録または更新して、NNMCCと地域の日系ビジネスのサポートをよろしくお願いします。

ご支援のお願い

日系センターの運営は皆様からの寄付をはじめ、イベント・プログラムへの参加、また買い物をしていただくことによって支えられています。寄付については日系プレース基金へお問い合わせください。604-777-2122 gifts@nikkeiplace.org

「Sakura Daysジャパンフェア」2023開催のお知らせ

「Sakura Daysジャパンフェア」が2023年4月15日(土)と16日(日)の2日間、バンクーバーのバンデューセン庭園で開催されます。

13回目となるこのイベントは、バンクーバーさくらフェスティバルの一環で、日本の芸術文化や日系ビジネス、食文化の展示紹介を行う家族向けのフェスティバルです。

その詳細が次のウェブページに記載されていますので、ご覧いただき、御媒体により告知いただければ幸いです。
https://vcbf.ca/event/sakura-days-japan-fair-2023-april-15-16/

リッチモンド桜まつり、4月2日開催

Garry Point Park, Steveston in Richmond, Canada. Photo by Koichi Saito
Garry Point Park, Steveston in Richmond, Canada. Photo by Koichi Saito

 リッチモンド桜まつり(Richmond Cherry Blossom Festival)が、リッチモンド市の最南端スティーブストンで4月2日に開催される。スティーブストンは日系カナダ人と関係の深い街で、特に和歌山県からの移民が多いことで知られる。日系コミュニティにゆかりの建築物や施設も多い。

 そのスティーブストンを一面さくら色に染めるのが、BC和歌山県人会が寄贈したあけぼの桜。

 フェスティバルのホームページによると、スティーブストン・ギャリーポイントパークにある桜は、ミレニアムとBC和歌山県人会創立35周年を記念して、10年がかりで行われた美化プロジェクトの一環として植えられたものという。

 オリジナルの桜の木々は、2000年に久野庭園の隣に植えられ、植樹プロジェクトは2010年に完了した。

 このギャリーポイントパークにある255本の桜の美しさを紹介し、BC和歌山県人会から市に桜が寄贈されたことを記念して、2017年に始まったのがリッチモンド桜まつり。リッチモンド市が主催し、和歌山県人会が運営している。

 リッチモンドと和歌山県のつながりの深さに思いをはせ、今の日加の友好を楽しめるリッチモンド桜まつりは、4月2日(日)11時~4時まで、リッチモンド市スティーブストンのギャリーポイントパークで開催される。

公式ウェブサイト:https://richmondcherryblossomfest.ca/

久野庭園:1888年に和歌山県から初めて移住してきた久野儀兵衛にちなんで名付けられた。久野は、この地域の移民の父として知られ、海の向こうからリッチモンドにやってくる何世代もの移民のパイオニアとなった。

Garry Point Park, Steveston in Richmond, Canada. Photo by Koichi Saito
Garry Point Park, Steveston in Richmond, Canada. Photo by Koichi Saito
Garry Point Park, Steveston in Richmond, Canada. Photo by Koichi Saito
Garry Point Park, Steveston in Richmond, Canada. Photo by Koichi Saito

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カルラ11 ~投稿千景~

エドサトウ

 『古事記物語』に次のような話がある。「新羅の人がどっさり渡ってきました。竹内シュクネはその人々を使って方方に田へ取る池などを掘りました。ーーそれから、百済の国の王から、馬一頭と雌一頭に阿知吉師(あちきし)というものをつけて献上し、また刀や大きな鏡なども献じました。天皇は百済の王に向かって、お前のところに賢い人があるならばよこすようにおうせつけになりました。王はそれで、早速、和邇吉師という学者をよこしてまいりました。その時、和邇は十巻の論語という本と千文字という一巻の本を持って来て献上しました。また、いろいろ職工や鍛冶屋のタクソというものや、機織りの二ソというものや、そのほか酒の造ることが上手な仁番(ニホ)というものが一緒に渡ってきました。」

 最初の話に出てきた山葡萄酒を作るサムの遠い先祖になる人は、百済から来たニホという人であったのではと想像するのも楽しい。

 さらに、『日本の名著』の付録の中で井上光貞氏が「ーーーその倭というのは日本列島から渡ったのではなく、朝鮮半島の南部の方にいた倭氏がいたのだと言っておりますね。」と言えば、山本健吉氏が「騎馬民族ですか?」と問う。井上氏は「それがまず、考えられますね。それとは逆に、朝鮮半島の人達が、弥生時代以来に日本列島の中に、どんどん入ってきて、分国を沢山形成した。つまり、母国語があって、その母国語の分国、例えば二つの大きな分国がある。それが、吉備とか、出雲などもそうだというのですね。そのうち北九州の西の方にあった勢力が移りましてーーー」とあるのは興味深い。

 その頃か、南九州の火山が大噴火を起こして、その火山灰が空を覆い、毎日昼間でも薄暗い日々が宮崎の一帯に続くと、大地の草木は枯れて、人や馬が暮らすことは困難となり、カルラの一族もタケの一族も、すべての人は北に向かい移動してゆくのである。

投稿千景
視点を変えると見え方が変わる。エドサトウさん独特の視点で世界を切り取る連載コラム「投稿千景」。
これまでの当サイトでの「投稿千景」はこちらからご覧いただけます。
https://www.japancanadatoday.ca/category/column/post-ed-sato/

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