再び、会場に大集合! 興奮と熱気に包まれて
ブリティッシュ・コロンビア(BC)州バーナビー市の日系文化センター・博物館(日系センター)で3月12日、第5回ジャパンボウル・メトロバンクーバー大会が開催された。ジャパンボウルとは日本語を学ぶ高校生が日本語と日本文化の知識を競い合うクイズ大会で、1992年にワシントンDC日米協会の設立で開始。現在では世界12カ国で開催されている。
メトロバンクーバー大会はJETプログラム同窓会BC・ユーコン支部(JETAABC)の主催で、2018年に初開催。昨年は新型コロナウイルス感染拡大によりオンラインで開催したが、今大会は規制が緩和され、再び日系センターに大集合。ラジオ体操や文化紹介、パフォーマンスが加わり、日本が好きな高校生たちの熱気で盛り上がった。
待望の対面開催
会場入り口ではまずワクチン接種証明の確認、受付、会場案内、カメラやビデオ撮影など、実行委員やボランティアが担当部署で忙しく動き回っていた。
幕開けは、JETプログラム同窓会BC・ユーコン支部(JETAABC)会長で、今大会実行委員のダニエル・マーカウィックさんによる太鼓演奏。参加者たちの気を引き締めるように、場内に太鼓の音色が響きわたった。
開会式では羽鳥隆在バンクーバー日本国総領事が「対面で開催できることになり、この日を楽しみにしていました。今日の経験を基に、みなさんがもっと日本に興味を持って勉強するきっかけになることを願っています」と語り、実行委員のJETAABC、参加校、協力団体やスポンサーに謝意を述べ、参加者に「がんばってください」と日本語でエールを送った。
早押しクイズでスピード感
5回目を迎えた今大会には7つの高校から14チームが出場。参加者には日本語能力だけでなく、日本の歴史や地理、文化や習慣、政治や芸術まで幅広い範囲での質問が出される。出題担当は、ダニエル・マーカウィッツさんと日本語教師の須藤三香さん。はっきりとした口調で英語での質問や日本語の文章を読み上げた。
午前中に行われた予選では、各質問に対し30秒以内にチーム代表者が答えを解答用紙に書き込む。記入方法は「ABCから選択」「ひらがなで書く」「英語で書く」など各問題によって指示がある。羽鳥総領事も自分の席でクイズに挑戦した。
休憩をはさんだ午後は、予選を勝ち抜いた3組が決勝に進出。ステージの上で早押しボタンを押す形式は、まるでクイズ番組を見ているようなスピード感。場内は熱気と興奮に包まれた。
結果は次の通り。
優勝:センテニアル・セカンダリー(コキットラム市)のチーム「The Pillar Men」
準優勝:ポート・ムーディー・セカンダリー(ポートムーディー市)のチーム「なまえがない」
3位:R.A. マクマス・セカンダリ―(リッチモンド市)のチーム「もも」
引率の先生たちからは「生徒たちは来年に向けて闘志が湧いてきたようです」「こういうイベントをコミュニティで企画開催してもらえるのは本当にありがたいです」などの感想が聞かれた。
オンライン会議で進めた準備
全員でラジオ体操、JETAABC会員エドワード・コーさんのギター演奏でJポップ、裏千家淡交会バンクーバー協会・高橋社中による茶道デモンストレーションと呈茶(ていちゃ)、バンクーバー沖縄太鼓によるパフォーマンス、そして総領事館のスティーブ・シュバリエさんによるJETプログラムや奨学金制度の紹介、ドアプライズなど、文化紹介やエンターテイメント性あるプログラムが満載だった。
新型コロナ禍のため、企画段階からほとんどのミーティングをオンラインで行った。昨年12月のオミクロン株感染者急増で、対面開催が可能かは1月になっても見通しがつかなかった。準備期間も含めると合計33人がイベント運営に関わり、当日は JETAABC理事・会員ほか23人のボランティアが参加。抜群のチームワークで大会を終了した。
「今大会が成功裏に終わったのは、たくさんのボランティア、先生方の協力と生徒たちのやる気、パフォーマーやコミュニティのご協力とご支援のおかげです。一緒に作り上げていくことで、このイベントは今後も成長し続けることでしょう」と感想を述べた実行委員のタイ・ラムさん。
同じく実行委員のダニエル・マーカウィッツさんも「対面で行えたことで、大変盛り上がりました。むずかしい問題もあったと思いますが、チャレンジしていくことは必要ですね」と来年への意気込みを見せた。
(取材 ルイーズ阿久沢)
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