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バンクーバー国際映画祭:日本映画特集「巨匠と新鋭監督による感動物語」

Nagi Notes「ナギダイアリー」より。Photo provided by Vancouver International Film Festival
Nagi Notes「ナギダイアリー」より。Photo provided by Vancouver International Film Festival

 今年のバンクーバー国際映画祭(VIFF)は10月1日に開幕、11日まで多種多様な映画上映やイベントが開催される。毎年注目される日本映画は、良くも悪くも人間本来の姿を巧みに表現しているのが魅力。今年も期待を裏切らない作品が揃った。

 すでにラインナップは発表されているが、9月中旬に追加上映が予定されているので要チェック。

 これまでに発表されている日本映画を紹介する。

Nagi Notes「ナギダイアリー」(日加トゥデイ・メディアパートナー作品)
「自分らしく生きる」

Nagi Notes「ナギダイアリー」より。Photo provided by Vancouver International Film Festival
Nagi Notes「ナギダイアリー」より。Photo provided by Vancouver International Film Festival

 自然豊かな地方の町「ナギ」で、美術の制作と指導をしながら静かに暮らす彫刻家の寄子(松たか子)。ある日、かつての義理の妹である友梨(石橋静河)が訪れ、彫刻のモデルを通して二人は互いに心を開いていく。一方、頼子の美術教室に通う生徒の啓太(藤原聖)と春樹(川口和空)もまた、互いへの抑えがたい思いと向き合い始める。

 「淵に立つ」の深田晃司監督の新作「ナギダイアリー」は、創造性、エロス、そして「自己」といったテーマを繊細に探求する。監督自身による脚本は、複雑な背景や登場人物の心理、セクシュアリティ、そして芸術要素を巧みに織り交ぜて、言葉と沈黙、身振りや佇まい、遠くの物音や圧倒的な映像など、控えめでありながら深く、心のざわめきを優雅に描き出す。岡山県奈義町をモデルとした架空の町「ナギ」を舞台に、静かに深くヒューマニズムあふれる傑作ドラマ。

上映情報:https://viff.org/whats-on/viff26-nagi-notes/

Look Back「ルックバック」
「ひたすら夢を追う」

Look Back「ルックバック」より。Photo provided by Vancouver International Film Festival
Look Back「ルックバック」より。Photo provided by Vancouver International Film Festival

 独特の優美さと温かさでVIFFおなじみの巨匠・是枝裕和監督。今年は新作「ルックバック」で、再び夢のような青春物語に挑んでいる。

 主人公の藤野(出口夏希)はマンガ大好き少女。早熟で人気者の藤野は、学校新聞に毎週4コマ漫画を連載したりして、友達と仲良く充実した日々を送っていた。ある時、絵を描くのが誰よりも上手な不登校生徒、京本(蒔田彩珠)と出会う。後に二人は強力なタッグを組み、共にマンガを制作して大きな成功を収める。全ては順調だったが、ある日…。

 紙に描く鉛筆の音から、遠くに響く電車の音まで、ドキュメンタリー映画感覚で見る是枝映画。人の心を揺さぶると同時に、俳優の演出にも目をみはる。特に藤野と京本をそれぞれ演じる4人の演技は必見。

上映情報:https://viff.org/whats-on/viff26-look-back/

All of a sudden「急に具合が悪くなる」
「静かな時間の余白」

All of a sudden「急に具合が悪くなる」より。Photo provided by Vancouver International Film Festival
All of a sudden「急に具合が悪くなる」より。Photo provided by Vancouver International Film Festival

 哲学者と人類学者の間で実際に交わされた書簡に着想を得た、濱口竜介監督による日本、フランス、ベルギー、ドイツの国際共同製作で、初の海外ロケ作品「All of a Sudden(原題)」。監督は大半をフランス人俳優とフランス語のダイアローグで撮りあげ、会話や観察の時間の中に「誰かを思い、大切にすること」の意味を問いていく。

 パリ郊外の民間介護施設で働くマリー・ルー(ヴィルジニー・エフィラ)は、企業の効率性よりも尊厳や人間同士のつながりを重んじ、思いやりに満ちた施設の運営に取り組んでいる。そんな彼女の理想主義は他の介護スタッフから反発を招いていたが、ある日末期がんと闘う日本人劇作家・森崎真理(岡本多緒)との出会いからケアに対する彼女の理解はさらに深まっていく。友情を育む中で二人は死やケア、そ​​して人生を形作る社会システムについて哲学的な対話を重ねる。

 岡本はこの作品で2026年カンヌ国際映画祭女優賞を受賞した。

上映情報:https://viff.org/whats-on/viff26-all-of-a-sudden/

All the Lovers in the Night「すべて真夜中の恋人たち」
「切なく心に染みる感動」

All the Lovers in the Night「すべて真夜中の恋人たち」より。Photo provided by Vancouver International Film Festival
All the Lovers in the Night「すべて真夜中の恋人たち」より。Photo provided by Vancouver International Film Festival

 入江冬子(岸井ゆきの)は30代のフリーランス校正者。東京の片隅で誰とも深く関わらず、几帳面に整えられた静かな日々を送っている。冬子は人に言えない過去の秘密を持っていたため、周囲の世界から距離を置きながら生きてきた。だが穏やかな物理教師(浅野忠信)との出会いをきっかけに人とのつながりに触れ、長年かけて築いてきた自分の対人恐怖と向き合うことになる。

 川上未映子の小説を原作とする本作「すべて真夜中の恋人たち」は、都会の孤独と静かな自己発見を繊細かつ情感豊かに描く。岨手由貴子監督の優しい演出と、主演の岸井ゆきのによる繊細な演技が光るこの作品は、現代の孤独がもたらす切実な痛みを捉えつつ、再び世界とつながろうとする勇気を応援する。

上映情報:https://viff.org/whats-on/viff26-all-the-lovers-in-the-night/

“Out Mr. Matsura”
「過去を覗く扉を開ける」

"Out Mr. Matsura"より。Photo provided by Vancouver International Film Festival
“Out Mr. Matsura”より。Photo provided by Vancouver International Film Festival

 1901年、武士の家に生まれたフランク(栄)マツウラ(松浦栄)は、安穏した日本の生活を後にし、アメリカ・ワシントン州へ渡った。初期日本人移民の一人として、さらにシアトルからオカノガン郡へと移り住んだマツウラは、入植者、鉱山労働者、牧場主、コルビル連合部族の人々、そして同じ移民たちといった地元の人々の間に、自らの居場所を築き上げた。

 写真家として彼が残したオカノガン郡の地元行事、風景、人々の写真は、時代の「スナップショット」として、また地域の大切な遺産として、1世紀を経た今もその子孫たちに受け継がれている。Beth Harrington(ベス・ハリントン)監督は、マツウラがオカノガン郡の人々に与えた影響を振り返りながら、彼の写真に見られる意外なほどの遊び心に光を当て、写真の芸術と喜びにあふれた人生を浮き彫りにする。

上映情報:https://viff.org/whats-on/viff26-our-mr-matsura/

短編映画

Tristesse「トリステス」

Tristesse「トリステス」より。Photo provided by Vancouver International Film Festival
Tristesse「トリステス」より。Photo provided by Vancouver International Film Festival

 愛猫のクルミと娘のハナに捧げられた、監督の村岡由梨さんが自身に向けたビデオレター。幸せ、悲しみなど日常の詩情を捉え、書いた瞬間に過去となる詩は記憶の美しさ、一筋の月の光だと表現する。

上映情報:https://viff.org/whats-on/viff26-short-forum-4/

Husband’s Legs「おっとのあし」

Husband's Legs「おっとのあし」より。Photo provided by Vancouver International Film Festival
Husband’s Legs「おっとのあし」より。Photo provided by Vancouver International Film Festival

 冷え切った夫婦生活を送るランとケイ。ある日夫がマネキンの脚に「カズミ」と名前をつけ、常軌を逸したフェティシズムな愛情を注ぎ始めたため、2人の関係に異変が訪れる。

 八幡貴美監督によるヒューマンサスペンス。

上映情報:https://viff.org/whats-on/viff26-short-forum-9/

(記事 Jenna Park)

映画チケットプレゼントのお知らせ

 日加トゥデイでは今年もバンクーバー国際映画祭のチケットを合計20名にプレゼントいたします。

 ご希望の方は、件名欄にバンクーバー国際映画祭希望と記し、一般チケット、もしくは、Nagi Notes「ナギダイアリー」チケット希望と明記の上、お申し込みください。

 締め切りは9月21日(月)午後5時。応募先は、promo@japancanadatoday.ca

 当選は1人1枚となります。当選者には直接メールで連絡いたします。なお、当選チケットはコードのため、チケットはご自身でVIFFウェブサイトから入手する必要があります。

 たくさんのご応募お待ちしております。

(日加トゥデイ)

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「VIFF 2026 映画で世界を知る」第45回バンクーバー国際映画祭

会場に並ぶ2026年ポスター。2026年8月26日、バンクーバー市。Photo by Jenna Park/Japan Canada Today
会場に並ぶ2026年ポスター。2026年8月26日、バンクーバー市。Photo by Jenna Park/Japan Canada Today
会場に並ぶ2026年ポスター。2026年8月26日、バンクーバー市。Photo by Jenna Park/Japan Canada Today
会場に並ぶ2026年ポスター。2026年8月26日、バンクーバー市。Photo by Jenna Park/Japan Canada Today

プログラムとバランス

 今年で45回目を迎えるVIFFことバンクーバー国際映画祭は10月1日から11日まで開催される。8月26日には今年の上映作やプログラムが発表された。

 VIFFエグゼクティブ・ディレクターKyle Fostner(カイル・フォスナー)氏は「今年はVIFFにとって、新たな章の幕開けとなる年です」と前置きし、「『Institute for the Moving Image(映像文化研究所)』の立ち上げ、過去最大規模となるライブ・パフォーマンス、さらに今年は映画史に名を残す巨匠たちの魅力的な傑作映画と、世界各地から台頭する新世代の力強い才能による作品との『バランス』を取り入れています。創造性、好奇心、そして人間味あふれる芸術才能の発掘と革新の場としてVIFFは常に進化を遂げています」と話した。

VIFFエグゼクティブ・ディレクターのKyle Fostner氏(左)とプログラミング・ディレクターのCurtis Woloschuk氏。2026年8月26日、バンクーバー市。Photo by Jenna Park/Japan Canada Today
VIFFエグゼクティブ・ディレクターのKyle Fostner氏(左)とプログラミング・ディレクターのCurtis Woloschuk氏。2026年8月26日、バンクーバー市。Photo by Jenna Park/Japan Canada Today

 プログラミング・ディレクターCurtis Woloschuk(カーティス・ウォロシュク)氏は「今年のラインナップに含まれる全ての作品は、VIFFが支持する『文化への深い関わり』『進歩的な精神』『人々の心に響くストーリーテリング』を体現しています」と話し、「これらの作品は、映画の現在の姿を映し出すだけでなく、私たちが今生きている激動の時代をも反映しています。時に見る者に問いを投げかけるような作品であっても、その根底には家族や地域社会における愛や思いやりの尊さが描かれています」と上映作品の見どころも付け加えた。

 第45回VIFFでは長編映画162作品が上映される。ワールド・プレミア、インターナショナル・プレミア、北米プレミア、カナダ・プレミアに加え、短編映画、エピソード形式のシリーズ作品など計76カ国の作品で構成されている。ベテラン監督の最新作から、異例のドキュメンタリー、新人監督による新しい試みなど、長編、短編、ライブ演奏や特別イベント、アーティスト育成プログラムなども取り入れた内容となっている。

気になる世界中の文化

 VIFFのオープニングを飾るのは、ジェシー・アイゼンバーグ監督による「The Debut」。この作品は、演劇界特有の自意識過剰な空気を風刺しつつ、スポットライトを浴びることで初めて実現する「自己実現」の喜びを描く誠実なコメディ。

 映画祭のクロージングは、マーティン・マクドナー監督「Wild Horse Nine」。舞台は1973年、クーデター直前のチリ。長年の相棒であるCIAエージェント2人がそれぞれの暗い過去や渦巻く陰謀の中で予期せぬ事態へと向かっていく。

2026年見どころの紹介。2026年8月26日、バンクーバー市。Photo by Jenna Park/Japan Canada Today
2026年見どころの紹介。2026年8月26日、バンクーバー市。Photo by Jenna Park/Japan Canada Today

 日本からの長編映画は4本。大物監督が並ぶSpecial Presentations部門で2本上映される。カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に招待された濱口竜介監督の「急に具合が悪くなる(All of a Sudden)」と、ベネチア国際映画祭でプレミア上映を終えたばかりの是枝裕和監督の同名漫画原作実写版作品「ルックバック(Look Back)」。どちらも上映前からかなり注目されている。

 視点の優れたShowcase部門では、同じくカンヌ国際映画祭コンペティション部門に招待された深田晃司監督「ナギダイアリー(Nagi Notes)」(日加トウディ・メディアパートナー)と、カンヌ国際映画祭ある視点部門公式出品作品の岨手由貴子監督「すべて真夜中の恋人たち(All the Lovers in the night)」が上映される。

 その他の注目映画には、惜しくも今年初めに逝去した、VIFFの長年のプログラマーであり、北野武監督など数多くの東アジア映画監督を発掘・紹介してきたイギリスの映画評論家Tony Rayns(トニー・レインズ)氏の追悼作品として、韓国の階級分断を鋭く描き出したイ・チャンドン監督8年ぶりの新作「Possible Love」がある。

 他にもカナダ初公開となる、マルクス・シュラインツァー監督「Rose」(ベルリン国際映画祭最優秀演技賞受賞)、ホン・サンス監督「Nowhere to Lay My Eyes」(ロカルノ国際映画祭監督賞・最優秀演技賞受賞)など世界の長編映画が並ぶ。

 さらに、VIFFとジャーマン・フィルムズ(German Films)の共同企画による今年の特集映画はドイツ。「Focus on New German Cinema: Extreme Tension」と題し、心理的な深み、際立った映像美、そして社会への鋭い視点を備えた6本の長編映画が上映される。クリストフ・オットー監督「The Ballad From Wednesday to Thursday」やカイ・シュテニッケ監督「Trial of Hein」など、予告から緊張感が感じられる作品が登場する。

 ノンフィクション作品では、長編50本以上を放つ、実質的にカナダで2番目の規模を誇るドキュメンタリー映画祭とも言われるVIFF。今年は、バンクーバーのジョエラ・カバル監督「First Comes Love: Nakabingwit」、デービッド・エーレンライク監督「Relax, Open Your Eyes」、カナダの注目作としてマシュー・ランキン監督最新作「Ladies and Gentlemen, Brian Mulroney」、ショーン・メナード監督「Run Terry Run」、そしてエイドリアン・ブイテンハイス監督「Man in Motion: The Rick Hansen Story」などカナダ文化に触れられる。

 アーティスト・業界育成プログラムMedia Summit(10月3日から8日開催)の「VIFF Industry」と「Amp Music in Media Summit」は、現在進行中のプロジェクトに焦点を当て、ビジネスの発展を促すことを目的としている。脚本家、プロデューサー、編集技師、国際映画祭プログラマーなどが来加する。

 音楽と映像を結ぶ「VIFF Amp」には、国内外の数多くの有力レーベル、音楽スーパーバイザー、作曲家が参加する。「VIFF Live」特別企画は「An Evening with Mark Mothersbaugh(マーク・マザーズボーの夕べ)」。多作な映画音楽作曲家であるマーク・マザーズボーが、16人編成のアンサンブルを従えて一夜限りの特別コンサートを開催する。「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」、「天才マックスの世界」、「マイティ・ソー バトルロイヤル」、「LEGO® ムービー」、「A Minecraft Movie(原題)」など、輝かしいキャリア作品の数々が披露される。

 VIFF理事長Am Johal氏は「VIFFの魔法は単にスクリーン上で生まれるものではありません。それは何百人もの情熱あふれる人々の尽きることのないエネルギー、ビジョン、そして熱い思いによって、その土台から築き上げられているのです。VIFFはまさに、映画を愛する人々のための映画祭です」と締めくくった。

バンクーバー国際映画祭2026

期間:2026年10月1日~11日
会場:バンクーバー市内各映画館
チケット:大人22ドル、シニア20ドル、学生・ユース19ドル、アクセッシブル17ドル。そのほかVIFFメンバーや6枚・10枚パック料金などあり。詳しくはウェブサイト参照
ウェブサイト:https://viff.org/festival/viff-2026/

(取材 Jenna Park)

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偉大な伝統文化の記録を残し続けたい「粒子のダンス(particle dance)」岡博大監督インタビュー

岡監督、隈研吾氏、スタッフと一緒に。写真提供 湘南遊映坐
岡監督、隈研吾氏、スタッフと一緒に。写真提供 湘南遊映坐
レッドカーペットに登場した岡博大監督。2025年10月9日、バンクーバー市。Photo by Jenna Park/Japan Canada Today
レッドカーペットに登場した岡博大監督。2025年10月9日、バンクーバー市。Photo by Jenna Park/Japan Canada Today

バンクーバーでの撮影

 小雨のバンクーバー・ダウンタウンで2月13日、大きなカメラを持って撮影する一人の日本人映画監督がいた。昨年バンクーバー国際映画祭(VIFF)でチケットが完売し、VIFF関係者から大きく絶賛されたあのドキュメンタリー映画「粒子のダンス」の岡博大監督だ。

 大学生時代、岡監督はふと建築家の「隈研吾先生」の授業を受講し感銘を受けた。卒業後は東京新聞の記者になり、世界的に有名になった隈氏を紹介する記事の担当になった。書きながら再び隈氏の功績に感動し、次は彼の記録を映像で残したいと考えた。だが映画を自主制作で学びながら完成させるのは大変な作業、15年という月日がたった。その甲斐あって上映時間が2時間以上と長いドキュメンタリーにも関わらず、「おもしろくて飽きないからまた来た」と観客のリピーター効果に繋がった。

映画「粒子のダンス」より。© 2025 Hiromoto OKA / NPO SHONAN YUEIZA
映画「粒子のダンス」より。© 2025 Hiromoto OKA / NPO SHONAN YUEIZA

 監督はまずデンマークのコペンハーゲン建築ビエンナーレから招待され、バンクーバー国際映画祭に参加し、そして再びカナダのビクトリア映画祭に向かった。そこでも政府関係者や一般観客から万雷の拍手を受けた後、新しい友人や知人の待っているバンクーバーへ戻った。

レジデンス「Alberni by Kengo Kuma」。バンクーバー市ダウンタウン。写真 Jenna Park
レジデンス「Alberni by Kengo Kuma」。バンクーバー市ダウンタウン。写真 Jenna Park

 だがゆっくりと観光する暇もなく、バンクーバーのダウンタウンにあるアルバーニ・ストリートに直行した。そこには「粒子のダンス」の撮影当時は未完成だった隈研吾氏による超高層レジデンス「Alberni by Kengo Kuma」(1550 Alberni)があった。入り口付近の竹やぶなど一目で日本の伝統技術を感じられる43階建てで、ペントハウスからコールハーバーの景色を一望できる美しい建物。丸2日間、天気の様子をうかがいながら撮影していた岡監督によると、建物は太陽の向きによって表情が全く変わるという。そのため時間を変えて、同じ場所に何度も戻りながら色々な角度から撮影した。

岡監督、バンクーバーでの撮影時の様子。写真 Jenna Park
岡監督、バンクーバーでの撮影時の様子。写真 Jenna Park

 撮影中は常に真剣で表情も硬い岡監督だが、時折満足したような笑顔で建物の説明をしてくれる。ちなみにアルバーニの建物は超高級セレブ御用達のイメージがあるが、決して威圧的ではないという。

 「先に建てられた先輩ビル(隣)の景色を邪魔しないように、調和を考えて作られています」と監督が指す方向を見ると、確かに曲面デザインのカーブの合間から隣ビルの景色が保たれている。それは「周りの環境に気をつかい、人間に優しい隈研吾」を代表するバンクーバー作品だった。

日本での活躍

 カナダからの帰国後、すぐハンガリーのブダベスト建築映画祭に向かった。現地でさらに大きなスタンディングオベーションを受けた後、日本に戻って3月26日から「粒子のダンス」日本プレミアと全国上映が開始された。

 プレミア上映は、世界のアート作品を上映することで有名な東京都渋谷にあるシアター・イメージフォーラムで4週間連続上映。その後都内や地方の映画館へと移行する予定だ。ちなみに岡監督は観客の反応を自分の目で確かめたいと、ほぼ毎日上映されている映画館へ出向いて舞台あいさつもしている。

岡監督、隈研吾氏、スタッフと一緒に。写真提供 湘南遊映坐
岡監督、隈研吾氏、スタッフと一緒に。写真提供 湘南遊映坐

 そんな多忙中の4月8日、日本からインタビューに応じてくれた監督は、クロアチアの国際サウンド&映画音楽祭(International Sound & Film Music Festival)からの招待を検討しているところだった。この映画音楽祭は、世界三大映画音楽祭の一つで、今回の映画の音楽担当の藤本一馬さんが奏でるジャズ音楽も高い評価を受けた。ドキュメンタリー映画なのに、癒し効果の雰囲気を作りだしている音楽が同時に評価されるのは珍しいほど快挙だ。

 監督が追う隈研吾氏も最近はロンドンのナショナル・ギャラリー新館建設のオファーを受けたばかり。次の作品にも期待がかかるが、監督自身の会社「湘南遊映坐」は非営利の一市民団体。費用工面などの苦労を抱えつつ、絶えず観客の喜ぶ作品を作りたいとチャレンジしている。隈氏のプロジェクト以外にも、現在希少になってきている東北の気仙大工の存在を知ってもらいたいと撮影している。地味な職人とされる彼らにもスポットライトを当てようとする岡監督の姿は、監督が語る隈研吾氏の「温厚で謙虚さ」に通じるものがある。

 今後の監督のスケジュールや映画の上映予定は、www.particledance.jpでフォローできる。バンクーバーでの今後の上映にも期待したい。

隈研吾氏も東京上映に参加。写真提供 湘南遊映坐
隈研吾氏も東京上映に参加。写真提供 湘南遊映坐
音楽担当の藤本一馬さん(左)と岡監督。写真提供 湘南遊映坐
音楽担当の藤本一馬さん(左)と岡監督。写真提供 湘南遊映坐

(取材 Jenna Park)

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「Scarlet」人はなぜ生きるのか

Photos: 2025 Sony Pictures Classics
Photos: 2025 Sony Pictures Classics

 細田守監督の最新作『果てしなきスカーレット』は昨年秋頃からトロント経由でカナダでの上映が決まっていたほど期待されていた。

 まず冒頭から自然の景色の美しさが飛び込んでくる。人混みや森の中の画像など本物のようで、まるで自分がそこにいて歩いているような感覚になる。これが日本アニメならではのテクノロジーだと感心している暇がないぐらい、ストーリーはどんどん進んで行く。

 舞台は16世紀末のデンマーク。最愛の父が叔父クローディアスの野望と母の裏切りによって殺された王女スカーレットは、復讐に失敗して「死者の国」で目覚める。そこはすっかり荒れ果てた人類最後の世界で、人々は物を奪い合い殺し合っていた。中世から来たスカーレットは、旅の道中で、現代の日本から時を超えてやってきた看護師の聖と出会う。戦いを一切望まず、どんな敵でも救おうとする聖の優しい人柄に触れ、スカーレットも自分を失くす前に人生をやり直すそうとする。切ない感動で大人も十分に共感できる作品。

 2月6日より一週間IMAXで、13日よりシネプレックスなどで一般上映される。

Photos: 2025 Sony Pictures Classics
Photos: 2025 Sony Pictures Classics

(記事 Jenna Park)

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Nuremberg「自国を背負って生きるということ」

「ニュルンベルグ裁判のシーン」Photo by 2025 Sony Pictures Classics
「ニュルンベルグ裁判のシーン」Photo by 2025 Sony Pictures Classics

 ジェームズ・バンダービルト監督による新作映画「Nuremberg」は、戦争の勝ち負けに関係なく国のために尽くして悩む人間の姿を描いている。

 舞台は戦後のドイツで、1945年から1年間、連合軍によって行われた「ニュルンベルグ裁判」。被告人はナチ党の最高幹部アドルフ・ヒトラーの後継者だった空軍総司令官ヘルマン・ゲーリング(ラッセル・クロウ)など22人の軍人と関係者。

 アメリカ人精神科医のダグラス・ケリー(ラミ・マレック)は、ヒトラーと対立した経歴のある空軍出身のゲーリングが、警察によるユダヤ人虐殺をどれだけ知って司令していたのか気になった。カリスマ性があり英語も話せて聡明なゲーリングだったが、裁判ではナチ党を弁護し検察官と対決したりする。映画は死刑執行直前に独房内で服毒自殺をしたゲーリングの最期までを描く。

 戦後80年を迎えた今年、「世紀の裁判」映画の原作はジャック・エルハイによるノンフィクション「The Nazi and the Psychiatrist」。両親が自分を逃して犠牲になったユダヤ系軍人、弁護の余地なく判決を待つドイツ人被告、証拠検証にてこずりながら裁判に挑む検察官、同情心を抑えながら与えられた任務を果たす精神科医など、裁判に関わる人たち個々の苦悩がスリラー的に展開する。

 「君たちはただ戦争に勝っただけ。私自身が負けたわけではない」などナルシストと称されたゲーリングを、名優ラッセル・クロウが最高に演じてくれる。

(記事 Jenna Park)

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“Blue Moon” 笑顔の裏に隠された友情、出世、恋愛物語

「Blue Moon」より。Photo by 2025 Sony Pictures Classics
「Blue Moon」より。Photo by 2025 Sony Pictures Classics

 リチャード・リンクレイター監督による俳優イーサン・ホーク主演の映画「ブルームーン」には、どこか哀愁が漂う。映画は、「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」で知られる有名なソングライター・コンビ、ロジャース&ハートこと作曲家リチャード・ロジャースと作詞家ロレンツ・ハートのあまり知られていない晩年を描いている。

 1943年3月31日、演劇「オクラホマ!」が初めて上演された日の夜、作詞家のローレンツ・ハート(イーサン・ホーク)は、25年間もコンビを組んで仕事をしてきた相棒の作曲家リチャード・ロジャーズ(アンドリュー・スコット)が初めて自分以外の作詞家と組んで大成功した初日公演を観劇する。ハートは自分の居場所を失くして、バーのマスターや見知らぬ客に自分の過去の成功、哲学や最近気になっている20歳の女学生(マーガレット・クアリー)の話をするが…。

 一昔前までハンサムで恋愛映画の主人公だったイーサン・ホークが、150cmの中年男性に変身して若い女性に対してかなりの気持ち悪さを見せてくれる。だが彼が抱えているアルコール依存、これまでの恋愛失恋歴、長年の友情に終止符、そして時代に乗り遅れた芸術家という状況を考えると同情してしまう。映画は予算が少ないながら、俳優の頂点に達したホークの1人劇にぜひ注目したい。

(文 Jenna Park)

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「映画を作りたい人へ捧げる」バンクーバー国際映画祭セミナー

VIFFシアターでのセミナーの様子。2025年10月7日、バンクーバー市。Photo by Jenna Park/Japan Canada Today
VIFFシアターでのセミナーの様子。2025年10月7日、バンクーバー市。Photo by Jenna Park/Japan Canada Today
左からSung Moonさん、Rebecca Steeleさん、Seo Woo-Sikさんと通訳。2025年10月7日、バンクーバー市。Photo by Jenna Park/Japan Canada Today
左からSung Moonさん、Rebecca Steeleさん、Seo Woo-Sikさんと通訳。2025年10月7日、バンクーバー市。Photo by Jenna Park/Japan Canada Today

国境を越えた映画のコラボ

 バンクーバー国際映画祭では映画上映だけではなく、セミナーやコラボイベントも多く開催されている。10月7日には「Co-Producing Across the Pacific: Bridging Canadian and Korean Stories」と題するセミナーがVIFFシアターで開催された。

 これはSpotlightイベントの一環で、太平洋の国境を越えて結ぼうとする新しい試み。第1回のセミナーには映画をこれから作りたい人や映画関係者など多くが参加した。

映画を作る基本

 映画を作るためにはまず観客を知らなければならない。今観客は何を求めているのか、作り手はまず彼らの声に耳を傾ける。歴史物では事実の背景をリサーチして忠実にストーリーを伝える。良い人、悪い人などキャラクターにも焦点を当てる。作る、繋ぐ、改革するなど映画作りの基本を学ぶことが大切。そして何よりも後世に残すことを考える。何も残せなければ映画の未来はない、というぐらい自分の情熱を伝え残すのが大切だ。

 オープニングからいきなりそんな助言的な発言が飛び出したセミナー。この日のゲストは韓国からCEOで「Okja」などのプロデューサーSeo Woo-Sikさんと、Jeonju映画祭のプログラマーSung Moonさん、そしてカナダからは国際映画製作をしているRebecca Steeleさんの3人がスピーカーとして参加した。

 「韓国映画にはアメリカ・ニューヨークみたいな大きな予算はないし、ハリウッド的な1人の強いヒーローを作るのも容易ではない。韓国の男優においては80%がデートしたいタイプで、夫風でなくロマンチックな男性が求められています」とSeoさんが話すと会場が爆笑した。

 「韓国政府はこれまで30年以上映画を推薦していて、公私に関わらず外国からの映画製作に協力的です。税額も映画の大きさを考慮してくれるし、少ない予算のために値引き交渉もできます」とSungさんが話すと、「まず自分が何を作りたいか、何を提供できるかをクリアにすること。ただ資金が欲しいというだけはでなく、相手側に与えるものも必要。コラボはギブ&テイクを踏まえて交渉する」とSeoさん。「例えばこの俳優と一緒に写真が撮れるという利点はグラントやファンディングに使える」と笑った。さらに「自分のストーリーのアイデアと、映画祭のこんな映画を探しているがマッチすれば、もっとファンディングが出る」とも話した。 

国際コラボについて

 「最近は映画祭でもアジアとヨーロッパなど国際コラボの作品が増えました」とSungさん。Seoさんは「コラボでは各国の法律や税金についてプロデューサー同士がまず話し合う」と話す。「例えば、ある監督は大きな機材を注文して全く必要なかったにも関わらず、50%の予約料が取られて予算に響いたこともあります」と説明した。カナダのSteeleさんも「マリファナが認められているカナダでは、吸わないと仕事ができないスタッフが数人いて、彼らはロケ地からすぐ帰国しなければなりませんでした」とつけ加えて、「システムやカルチャーの違いは事前に知っておかなければならない事項です」と忠告した。

 また、韓国では映画の予算・ロケーションやスタッフなどのコンタクトリストが用意されているので外国人の監督でも予算の見積もりはしやすいが、美しい景色が撮れるカナダでは州ごとに税金や法律が違うし、各プロデューサーの報酬も違う、「どうやって税金の返金が受けられるのかなど、誰に聞いたらいいのか全く分からなかった」など、Seoさんはこれまでの国が違うからこその苦労話も披露した。

 観客から「韓国でゲリラ撮影(撮影許可なし)でも警察に捕まらないか」という質問には、「そうすると上映させてもらえなくなるかも」と笑って、「予算が少ないインディーズ映画だからディスカウントをください」と積極的に政府に頼んだ方がいいと回答。ちなみにSeoさんのようなプロデューサーはいつも次のコラボ作品を探しているので、ぜひ映画の大小に関わらず積極的にプロジェクトの声を上げてほしいとのことだった。

VIFFシアターでのセミナーの様子。2025年10月7日、バンクーバー市。Photo by Jenna Park/Japan Canada Today
VIFFシアターでのセミナーの様子。2025年10月7日、バンクーバー市。Photo by Jenna Park/Japan Canada Today

(取材 Jenna Park)

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映画「あかし」がVIFFでワールドプレミア!吉田真由美監督インタビュー

「あかし」より。Photo by VIFF
「あかし」より。Photo by VIFF

 「今は緊張していますが、やっとここまで来れたって感じです」と、笑顔でインタビューに応じた吉田真由美監督。2017年に監督・主演した短編映画「あかし」が、ブリティッシュ・コロンビア州映画界のSpotlight Awardsで新人賞を受賞した当時は、自分で脚本、監督、主演、プロデュースの全てをこなし「4つくらい帽子をかぶっていないと不安になるんです」と話していた。

 YouTubeで無料配信していたその短編映画が、約9年後さらに大きくなって今回長編デビューする。しかも初プレミアの舞台はバンクーバー国際映画祭(VIFF)の目玉、世界各地から選ばれた注目作品が上映されるPlayhouse劇場。「この映画とは長いつきあいだった」と監督が認めるぐらい映画「あかし」には監督自身のプライベートな思い出がある。

映画のストーリー「『あかし』は、世代と時を越えて紡がれる愛の物語」

「あかし」より。Photo by VIFF
「あかし」より。Photo by VIFF

 バンクーバーでアーティストとして奮闘するカナ(吉田真由美)は、祖母(木野花)の葬儀のために10年ぶりに東京へ戻ってくる。長い海外生活のせいで、故郷に居場所を見いだせずにいるカナ。これをきっかけに、祖母と自分だけが共有していた秘密――祖父(村井國夫)にもう一人の女性(松原智恵子)がいたこと――を思い出すカナは、偶然にも昔の恋人ヒロ(田島亮)と再会する。物語は祖父の長きにわたる愛人関係と交差し、家族に隠されてきた真実が少しずつ浮かび上がっていく。やがてカナは、愛に生きることの代償と、夢と責任のはざまで揺れる人生の選択に向き合っていく。

色彩パレットのような映像

吉田真由美監督。Photo by 2025 Pender PR
吉田真由美監督。Photo by 2025 Pender PR

 祖母のために作った映画なので、これから見てくれる人たちの反応が最初は心配だったという監督。だが色々な人に脚本を読んでもらっているうちに、このストーリーはユニバーサルで世代を超えて誰にでも通用すると感じた。そこで映像も従来なら過去がクラシックな白黒、現在は鮮明なカラーのところ、過去は愛人同士の目線で振り返るために鮮やかなカラー、現代の葛藤に普遍性を持たせるためにカナのストーリーは白黒でクラシカルに見せるという手法を選んだという。

 「鮮明な記憶をたどっている祖父の目線には色があると思ったんです」と監督。「逆にかなの描写は白黒に感じました」と続けた。「いつの時代でも人は心の葛藤を持っています。今ある感情に色をつけずに見たら本質を感じ取ってもらえるのでは」と思ったという。「ナチュラル」という言葉が似合うくらい時間が止まったように変化しながら映画は進んでいく。

素敵なコラボ

 映画のクロージング・ソングは坂本龍一さんの「Aqua」。吉田監督はこの曲を聞きながらストーリー中の気持ちの整理ができたそうだ。「映画の軸になっています」と話す通り、愛、存在、繋がりの「あかし」が最後まで感じられる曲だ。

 さらに音楽担当のAndrew Yong Hoon Leeさんは、作曲家目線から常に「映画はアート」だとリマインドしてくれたと語った。出演俳優も松原智恵子さんや村井國夫さんなどのベテラン俳優が脇を固め、映画製作からすてきなコラボが実現したようだった。

 10月5日初日のワールドプレミアには日本から俳優も駆けつけて、吉田監督と一緒に舞台あいさつをする予定。

「あかし」

10月5日(日)6pm @Vancouver Playhouse
10月9日(木)3pm @Granville Island Stage

詳細・チケット情報はウェブサイトを参照:https://viff.org/whats-on/viff25-akashi/

「あかし」撮影の様子。Photo by 2025 Pender PR
「あかし」撮影の様子。Photo by 2025 Pender PR

(取材 Jenna Park)

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VIFF日本映画特集「映画ならではの多様な日本文化に触れる」

「見はらし世代(Brand New Landscape)」より。Photo provided by VIFF
「見はらし世代(Brand New Landscape)」より。Photo provided by VIFF

 バンクーバーが1年で最も華やぐ10日間、バンクーバー国際映画祭(VIFF)が10月2日に開幕する。すでに今年のラインナップも発表され、チケット販売も開始。徐々に雰囲気が盛り上がっている。

 今年のVIFFは例年以上に上映映画が多く、うれしいことに日本映画も日系や短編も含め10作品となっている。

 そこで今回は日本映画を紹介しよう。

「見はらし世代(Brand New Landscape)」団塚唯我監督

主演の黒崎煌代。「見はらし世代」(団塚唯我監督)より。Photo by VIFF
主演の黒崎煌代。「見はらし世代」(団塚唯我監督)より。Photo by VIFF

(日加トゥディ・メディアパートナー作品)

 舞台は再開発が進む東京・渋谷。主人公の蓮(黒崎煌代)は配送運転手として働く。母親を亡くして以来、疎遠になっていた父(遠藤憲一)とある日再会する。姉は父に全く関心がなく、黙々と自分の結婚の準備を進めている。蓮はこれを機会にもう一度家族だけで過ごしてお互いの距離を測り直そうと考える…。

 監督は短編「遠くへいきたいわ」の団塚唯我監督。「見はらし世代」はオリジナル脚本・初長編の作品で、日本人史上最年少の26歳で、いきなり今年のカンヌ国際映画祭の監督週間にも選出された。映画は渋谷の普遍的な家族の風景から、都市再開発がもたらす影響までを繊細に切実に描くと同時に、軽やかな新人監督ならではの日本映画に仕上がっている。

 日本では10月10日に全国公開。

https://viff.org/whats-on/viff25-brand-new-landscape

「あかし(Akashi)」吉田真由美監督

「あかし(Akashi)」より。Photo proided by VIFF
「あかし(Akashi)」より。Photo proided by VIFF

 バンクーバー在住の吉田真由美監督の映画「あかし」の主人公は、アーチストの夢を追って10年間バンクーバーに住み続ける山本かな(監督兼俳優の吉田真由美)。ある日祖母の訃報を聞き葬儀に出席するために東京へ戻る。昔付き合っていた男性ヒロ(田島遼)と再会し、祖母の過去をたどるうちに、家族の秘密や今まで感じたことのなかった感情に出合う。

 白黒とカラーの交差した撮影が、かなの感じる愛、義務、自分の居場所などの感情を豊かに表現している。世界初プレミアはもちろんバンクーバー国際映画祭。

https://viff.org/whats-on/viff25-akashi

「国宝(Kokuho)」李相日監督

「国宝(Kokuho)」より。Photo proided by VIFF
「国宝(Kokuho)」より。Photo proided by VIFF

 「壮大な芸道映画」を書くために3年間も歌舞伎の楽屋に入った原作者の吉田修一さん。ストーリーは歌舞伎役者の家に引き取られた主人公・立花喜久雄(吉沢亮)の50年の記録を描く。「任侠抗争」によって父を亡くした喜久雄は美しい顔立ちをしていたため、見初められて歌舞伎の世界へ。血筋と才能、歓喜と絶望、信頼と裏切りの中で苦しみながら進んで行く主人公が、国の宝になるまでを描く。

 監督は「フラガール」で日本アカデミー賞の最優秀作品賞、最優秀監督賞、最優秀脚本賞を受賞した李相日監督。4代目中村鴈治郎さんが俳優として参加し、女形を演じる俳優陣の歌舞伎指導にあたったという。喜久雄のライバル役に横浜流星、歌舞伎名門の当主に渡辺謙、さらに日本映画に欠かせない豪華俳優たちが結集する。

https://viff.org/whats-on/viff25-kokuho

「西海楽園(Saikai Paradise)」鶴岡慧子監督

「西海楽園(Saikai Paradise)」より。Photo proided by VIFF
「西海楽園(Saikai Paradise)」より。Photo proided by VIFF

 映画「まく子」と「バカ塗りの娘」でVIFFに登場した鶴岡慧子監督。これまで青森、群馬、長野など各地の風景を撮り続けてきた監督が、学生時代からの盟友で俳優の柳谷一成を主演にして、彼の生まれ故郷である長崎県西海市で撮影した作品。タイトルは実在し2007年に閉園した仏教テーマパーク「西海楽園」から来ている。

 東京で苦闘する俳優・カズナリ(柳谷一成)は、俳優としては行き詰まり、婚約も破談となるなど度重なる失敗の末に故郷の長崎県西海市に親友のウエハラ(上原大生)と帰ってくる。家族が営む小さな豆腐店や、懐かしい顔ぶれに温かく迎えられるが、彼の心には失敗の痛みが残り、見慣れたはずの街並みもどこか遠く感じられる。そんな宙ぶらりんな感情で、一成は幼なじみの親戚・ミキ(木下美咲)と出会う。彼女との交流を通じて、一成はかつて故郷の夢の象徴だった廃墟となった遊園地「西海楽園」へと導かれていく。

https://viff.org/whats-on/viff25-saikai-paradise

「まっすぐな首(A Very Straight Neck)」空音央監督

「まっすぐな首(A Very Straight Neck)」より。Photo proided by VIFF
「まっすぐな首(A Very Straight Neck)」より。Photo proided by VIFF

 昨年のVIFFで「HAPPYEND」が上映され好評だったニューヨーク在住の空音央監督。この最新作は今年8月のロカルノ国際映画祭でプレミア上映し、最優秀短編映画賞を受賞したばかり。

 首の激しい痛みと共に目覚めた女性(安藤サクラ)は自分の子ども時代の記憶を思い出す。悪夢が徐々に身体に影響して、過去と現在が混ざり合い、彼女はバランスを失っていく…。

 短編映画だが、予告だけではホラーなのかアニメなのか内容も不明なのでこれは見てのお楽しみ。

https://viff.org/whats-on/viff25-a-very-straight-neck

「粒子のダンス(particle dance)」岡博大監督

「粒子のダンス(particle dance)」Photo proided by VIFF
「粒子のダンス(particle dance)」Photo proided by VIFF

 岡博大監督が大学時代の恩師、建築家・隈研吾氏を後世へ継承しようと、2010 年から15 年もかけて自主制作したドキュメンタリー映画。映像には世界16カ国80以上の建築プロジェクトが登場している。東日本大震災に伴う東北での復興プロジェクト、2020年東京オリンピック、新型コロナウイルス禍などで、絶えず新たな建築のあり方を問いながら提案し続ける隈氏。彼が普段旅する姿や建築教育の様子などを追う紀行映画。

https://viff.org/whats-on/viff25-particle-dance

「ルノワール(Renoir)」早川千絵監督

「ルノワール(Renoir)」より。Photo proided by VIFF
「ルノワール(Renoir)」より。Photo proided by VIFF

 舞台は1987年夏の東京郊外。主人公沖田フキ(鈴木唯)は感受性と想像力の強いまだ11歳の少女。闘病中の父(リリー・フランキー)と仕事に追われる母(石田ひかり)と3人で暮らしている。親から十分にかまってもらえないフキは、それぞれ別の事情を抱えた他の大人たちと出会う。

 監督はデビュー作「Plan 75」でいきなりカンヌ国際映画祭の新人監督部門で特別表彰を受けた早川千絵監督。この作品も今年同映画祭の最高となるコンペティション部門に招待された。

https://viff.org/whats-on/viff25-renoir

「レンタル・ファミリー(Rental Family)」Hikari 監督(言語:英語)

「レンタル・ファミリー(Rental Family)」より。Photo proided by VIFF
「レンタル・ファミリー(Rental Family)」より。Photo proided by VIFF

 日本・アメリカの共同制作で、日本人俳優・柄本明や平岳大が出演するコメディドラマ。監督は「37セカンズ」でベルリン国際映画祭パノラマ観客賞を受賞しているHikari(宮崎光代)監督。

 一人で東京に住む孤独なアメリカ人俳優(ブレンダン・フレイザー)は、ふとしたことから「レンタル・ファミリー」ビジネスで見知らぬ人たちの家族を演じることになる。だがそのうち彼も新しい家族と…。今月トロント国際映画祭でプレミア上映の作品。

https://viff.org/whats-on/viff25-rental-family

「Tears Burn to Ash」ナタリー・ムラオ監督

「Tears Burn to Ash」より。Photo proided by VIFF
「Tears Burn to Ash」より。Photo proided by VIFF

 日系カナダ人4世ナタリー・ムラオ監督の短編映画。

 タミーは20代の日系カナダ人女性。東京に到着した彼女は、バンクーバーに住む祖母が危篤であるという思いがけない知らせを受ける。タミーはその後の12時間を東京のナイトライフの中で過ごしながら、家族の死、過去とのつながり、そして自身の文化的ルーツという、避けられない喪失感と向き合うことになる。

https://viff.org/whats-on/viff25-tears-burn-to-ash

「その花は夜に咲く(Skin of Youth)」アッシュ・メイフェア監督

「その花は夜に咲く(Skin of Youth)」より。Photo proided by VIFF
「その花は夜に咲く(Skin of Youth)」より。Photo proided by VIFF

 舞台は90年代のベトナム・サイゴン。望まぬ性に生まれナイトクラブで働くサンとボクサーのナムは二人で静かに暮らしていた。だが高額な手術費が必要なサンのために、より稼ぎの良い闇の仕事を引き受けてしまうナム。運命が狂い始めた二人の愛の行く末は…。

 運命の鍵を握るミスター・ヴーン役に「侍タイムスリッパー」で好演した井上肇が、全てベトナム語で魅せてくれる。監督は「第三夫人と髪飾り」で注目されたベトナムのアッシュ・メイフェア監督。

https://viff.org/whats-on/viff25-skin-of-youth

バンクーバー国際映画祭

期間:2025年10月2日~12日
会場:バンクーバー市内10カ所
ウェブサイト:https://viff.org/festival/viff-2025
チケット:大人21ドル、シニア19ドル、学生・ユース16ドル、6枚チケットパック120ドル・10枚チケットパック180ド(チケットパック学生シニア料金あり)、その他詳しくはviff.org/ticket-infoを参照

(記事 Jenna Park)

VIFFチケット読者プレゼントのお知らせ

 毎年実施しているVIFF読者プレゼント。今年は日加トゥデイのメディアパートナー作品「見はらし世代(Brand New Landscape)」を10名に、好きな映画を選べる一般チケットを10名にプレゼントします。

 希望の方は件名に「VIFFチケット希望」として、「見はらし世代(Brand New Landscape)」もしくは一般チケットのどちらを希望するか明記してください。

 応募先は、promo@japancanadatoday.ca。締め切りは9月12日(金)午後5時。抽選の上、当選した方に直接連絡いたします。

 みなさまのご応募をお待ちしております。

(編集部)

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第44回バンクーバー国際映画祭「映画で見る世界中の文化」

VIFF今年のポスター。Photo by Jenna Park/Japan Canada Today
VIFF今年のポスター。Photo by Jenna Park/Japan Canada Today
記者会見の様子。Photo by Jenna Park/Japan Canada Today
記者会見の様子。Photo by Jenna Park/Japan Canada Today

 見たことのない世界の映画に触れて、自分の中で何かを感じる。そんな価値ある体験が意味ある変化を生み出すと、1982年に発足したThe Greater Vancouver International Film Festival Society。毎年バンクーバー国際映画祭の開催と、選りすぐった映画の上映をVIFF Centreで1年を通して提供している。

 2025年の今年も10月2日から12日まで、バンクーバー国際映画祭(VIFF)が開催される。今回は26本の世界プレミアを含む170本の長編映画と100本の短編映画(合計435回以上の上映)を、マクミラン・スペースセンター、グランビル・アイランドシアターやアリアンス・フランセーズを含む10カ所の映画館で上映。さらにシネマと音楽が合体するライブのショー、インサイダーが語る本音のトークイベントなどが、来加するトップアーチストや映画関係者によって上演される。

 オープニングはリチャード・リンクレーター監督による「Nouvelle Vague」。これはフランスのニューウェーブの始まりに関するコメディドラマで、レトロでフランスならではの楽しい画面の移り変わりが必見。クロージングはドイツのイド・フルク監督の「Köln 75」。1975年、16歳の音楽好き少女ベラ・ブランデスが偶然から当時最も売れたキース・ジャレットのケルン・コンサートを生み出す様子が描かれる。当日はピアニストChris Gestrinさんのピアノライブ付き。

 今回初の試みSpotlight on Koreaは、パク・チャヌク監督「No Other Choice」、ホン・サンス監督「その自然が君に何と言うの(What Does That Nature Say to You)」をはじめ、7本の韓国映画を一気に上映。新人監督(俳優はまだ未定)の舞台あいさつ付きで上映される。

 An Evening with Marc Maronでは、コメディアンでポッドキャストで有名なマーク・マロンの「Are We Good?」を上映後、彼との長いQ&Aが予定されている。カナダのマシュー・ランキン監督は今回ゲストとしてLeading Lightsセクションを担当。日本でも有名なアキ・カウリスマキ監督の映画をはじめ監督が厳選した映画数本が上映される。

 期待のプレミア上映はジム・ジャームッシュ監督の「Father Mother Sister Brother」や、パオロ・ソレンティーノ監督の「La Grazia」などに加えて、カンヌ国際映画祭でジャファル・パナヒ監督が最高賞に輝いた「シンプル・アクシデント(It Was Just an Accident)」、さらにヨアキム・トリアー監督の「Sentimental Value」、またベルギーのジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟監督の「Young Mothers」も見逃せない。カナダのブリティッシュ・コロンビア部門では日系カナダ人の吉田真由美監督をはじめ地元の監督の新作が続々と登場する。

 個性的なラインナップとなった日本映画も気になるところ。上映作は以下の通り:

主演の黒崎煌代。「見はらし世代」(団塚唯我監督)より。Photo by VIFF
主演の黒崎煌代。「見はらし世代」(団塚唯我監督)より。Photo by VIFF

「国宝」李相日監督
「ルノワール」早川千絵監督
「見はらし世代」団塚唯我監督
「西海楽園」鶴岡慧子監督
「あかし」吉田真由美監督(カナダ)
「レンタル・ファミリー」Hikari監督(言語:英語)

 VIFFエクゼクティブ・ディレクターのKyle Fostner氏は「この世界が緊張と不安定な財政に苦しむ中、VIFFが成長して開催できることは光栄です」と語り、VIFF Board ChairのAm Johal氏は「この映画祭は今年もスタッフチームとボランティアの情熱で築かれています」と述べた。さらにプログラム・ディレクターのCurtis Woloschuk氏は「映画祭は観客にとって芸術が創造される興奮や、純粋に文化を伝えようとする作り手の決意に触れられる良い機会です」と締めくくった。

VIFFエクゼクティブ・ディレクターのKyle Fostner氏(右)とプログラム・ディレクターのCurtis Woloschuk氏(左)Photo by Jenna Park/Japan Canada Today
VIFFエクゼクティブ・ディレクターのKyle Fostner氏(右)とプログラム・ディレクターのCurtis Woloschuk氏(左)Photo by Jenna Park/Japan Canada Today

 今年のArtist &Industryプログラムのテーマは“Create. Connect. Transform”(作る、繋ぐ、変革する)。多様文化によるコラボを通して、シネマという共有ビジョンがさらに進化して形成されていく。

 一般チケットは8月28日12pmから発売されている。大人1枚21ドル、6枚もしくは10枚のチケットパックも購入できる。VIFF+や19歳から25歳のユースメンバー割引もある。プログラムはviff.orgと来月発行されるパンフレットで詳細が確認できる。

バンクーバー国際映画祭

期間:2025年10月2日~12日
会場:バンクーバー市内10カ所
ウェブサイト:viff.org/
チケット:大人21ドル、シニア19ドル、学生・ユース16ドル、6枚チケットパック120ドル・10枚チケットパック180ド(チケットパック学生シニア料金あり)、その他詳しくはviff.org/ticket-infoを参照

(取材 Jenna Park)

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“Don’t Let’s Go to the Dogs Tonight” 植民地時代に生きる少女

写真: 2015 Sony Picftures Classics
写真: 2015 Sony Picftures Classics

 7歳の少女の視点から語られる戦時中の人種差別。Alexandra Fullerの同名伝記小説を基に、映画は1980年のRhodesia(現在のジンバブエ)の独立を舞台とする。それまでは白人が土地を所有し農場などを営んでいたが、選挙で政権交代となりアフリカ人との立場が逆転する。監督は俳優のEmbeth Davidtz、主演はLexi Venter。

 白人農場で育ったボボ(Lexi Venter)は、小さい時からアフリカ人は危険なテロリストだと教えられてきた。母親(Davidtz)は銃を持ちながら寝るし、父親(Rob Van Vuuren)は兵役で家を出ることが多い。家族は常に農場を奪われることを恐れながら生活していた。ボボは一人で馬やスクーターに乗って自由に行動し、農場で働くアフリカ人のサラ(Zikhona Bali) とジェイコブ(Fumani N Shilubana)を訪ねる日々を送っていた。彼女は当然のように自分がアフリカ人より上だと思っていたが、サラを慕い、サラもボボを娘のように可愛がってくれた。だがそんなある日…

 監督自身も子ども時代に南アフリカで差別を経験していた。主演のボボが子どもなりに状況を理解しようとする姿、特にLexi Venterの素晴らしい演技に注目したい。映画は、昨年トロント国際映画祭のガラで上映され、今月18日からFifth Avenue Cinemas で上映中。

(記事 Jenna Park)

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「人と違う幸せを望む道」On Swift Horses

左からリー(ポウルター)、ミュリエル(エドガー=ジョーンズ)、ジュリアス(エロルディ)。Courtesy of 2025 Sony Pictures Classics
左からリー(ポウルター)、ミュリエル(エドガー=ジョーンズ)、ジュリアス(エロルディ)。Courtesy of 2025 Sony Pictures Classics

 舞台は50年代のアメリカ。年頃の男女は普通に結婚して家を買い、家庭をもうけるのが当たり前だった時代。ミュリエル(デイジー・エドガー=ジョーンズ)はカンザスで親から受け継いだ家で婚約者のリー(ポールター)と住んでいる。ある日韓国での兵役を終えたリーの弟、ジュリアス(ジェイコブ・エロルディ)が訪ねてくる。「大好きな弟だけど、彼は僕たちとどこか違うんだ」とリーは忠告するが、ミュリエルとジュリアスはソウルメートのように仲良くなる。やがてカリフォルニアに住みたいというリーの願いでミュリエルはサンディエゴへ、ジュリアスは一人でラスベガスへと向かう。ストーリーはミュリエルとジュリアス、それぞれのギャンブルと同性愛など二人の共通点を並行しながら進む。

 監督はこれが長編映画2作目となるダニエル・ミナハンで、主演は過去に「プリシラ(2023)」でエルビス・プレスリーを演じたカリスマ性のあるジェイコブ・エロルディと、可憐なデイジー・エドガー=ジョーンズ。共演も素敵なキャストでウィル・ポールター、ディエゴ・カルヴァとサーシャ・カレ。カナダ人シネマトグラファーのルーク・モンペリエによる撮影テクニックも見逃せない。どちらかというとハリウッドの賞狙いでなく、内容もレアで濃い。昨年のトロント国際映画祭でプレミア上映した作品。

 目の前にある普通の幸せより自分の本質に忠実になりたい。だが人と違う道には新たな試練がある。主人公たちの行方を見守りながら、友達と一緒に最後のシーンについて語りたくなる映画。バンクーバー公開は4月25日から。

Coutesy of 2025 Sony Pictures Classics
Coutesy of 2025 Sony Pictures Classics

(記事 Jenna Park)

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