西村元貴さん
8directions代表
カナダ滞在歴:ビクトリア5年、バンクーバー12年
こんにちは、西村元貴です。今日は3歳の息子・健生(けんせい)と一緒に浜松城公園に来ています。ここは徳川家康がかつて居城とした場所で、歴史を感じられると同時に自然も豊かで、子育てをする上でとても気持ちの良い環境です。
私はカナダに17年間暮らしていました。最初の5年間はビクトリアで大学と専門学校に通い、その後バンクーバーで12年間生活しました。バンクーバーでは、RBC(ロイヤル・バンク・オブ・カナダ)のデザイン部門に勤務した後、ブリティッシュ・コロンビア大学(UBC)に転職しました。大学では、教授の学会発表用資料の作成や、学内出版物のデザイン・印刷などを担当していました。
カナダでの生活を通して最も強く感じたのは、人々がプライベートの時間を非常に大切にしているということです。日本ではどうしても仕事中心の生活になりがちで、家族との時間が後回しになることも少なくありません。しかしカナダでは、仕事の後や週末は当たり前のように家族や友人との時間を優先しており、それが心のゆとりや生活の質の向上につながっているように感じました。
また、カナダで働いていた時に印象的だったのは、実に多くの国の人々と共に仕事ができたことです。アメリカやカナダ国内だけでなく、ヨーロッパ、アフリカ、南米、アジアなど、さまざまな文化や価値観を持つ人々と触れ合いながら一つのプロジェクトを進めた経験は、私にとって大きな財産になっています。
現在は日本に帰国し、浜松を拠点に留学生の支援活動を行っています。具体的には、日本に留学している学生たちが卒業後に日本での就職を目指す際のキャリア支援や、企業とのマッチングなどをサポートしています。奨学金を受けて日本に来ている学生の中には、残念ながら就職先が見つからずに帰国を余儀なくされるケースもあります。私自身が海外で学び、働いた経験があるからこそ、彼らの不安や悩みに寄り添い、実践的なアドバイスができると自負しています。
自身の経験を活かして、留学生と企業の間に信頼関係を築き、多様性を尊重する社会づくりに貢献していきたい。それが、今の私の目標です。
カナダに興味のある方には、ぜひ一度現地に足を運んでみてほしいと思います。たとえば、私が住んでいたビクトリアは、街と自然が近接しており、気軽に山や海へ出かけられる美しい場所でした。また、カナダの定番料理「プーティン」もおすすめです。日本ではなかなか味わえない一品ですので、ぜひ試してみてください。 カナダでの経験と、今浜松で取り組んでいること。そのどちらも、私にとってかけがえのない財産です。
(記事・動画 斉藤光一)
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