ホーム開幕戦でホワイトキャップスがギャラクシーに辛勝、高丘と吉田の日本人対決が早くも実現

GK高丘、LAギャラクシーの攻撃を阻止するも...。2025年3月2日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
GK高丘、LAギャラクシーの攻撃を阻止するも…。2025年3月2日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today

 昨季のMLSカップ王者LAギャラクシーをホームに迎えホワイトキャップスが競り勝った。GK高丘陽平は最少失点に抑え、ホーム開幕戦白星に貢献した。

ホワイトキャップス 2-1 LAギャラクシー(BCプレース:21,124)

 先制点はホワイトキャップス。試合開始早々の3分にAdekugbe(DF)が決め1-0。前半は緊張感のある攻防が続いたが、39分にギャラクシーが同点に追いついた。ギャラクシー吉田(DF)からボールが得点につながた。後半も激しい展開となったが87分、White(FW)がヘッドで決め2-1とリード。9分間のアディショナルタイムも守り切り、勝利した。

開幕から2連勝、ホームで勝ち点3を取れたのは大きい

 試合は序盤からピリピリした雰囲気だった。前半にはWhiteが珍しく感情をあらわにして相手選手と押し合いする一触即発の場面もあった。ホワイトキャップスは先取したものの、先制弾を放ったAdekugbeが負傷交代。前半終了間際にはGK高丘が弾いたボールをギャラクシー選手に押し込まれ同点に。後半も緊迫する展開の中、決勝点を決めたのはWhiteだった。前半で合わせられなかったヘッドが見事に決まり、喜びを爆発させた。

 GK高丘は「前回のポートランドのアウェイに引き続き、しっかり勝ち点3を取れたっていうのは大きい」と振り返った。MLS開幕戦となった2月23日のポートランド・ティンバーズ戦では土砂降りの雨の中、4-1と大勝した。

ホワイトキャップスに2点目が入って喜ぶ高丘。2025年3月2日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
ホワイトキャップスに2点目が入って喜ぶ高丘。2025年3月2日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today

 この日はホームだが相手は昨季のMLS王者。簡単ではないが、「去年はこういう拮抗した試合で勝ちきれないことが多かった中で、今年はそこを改善してる最中で今日しっかり勝ち切れたのは良かった」と拮抗した試合で競り勝ったことを喜んだ。

 今季から指揮を執るソレンソン監督の下「大事に自分たちのマイボールの時間を増やそうっていうのを取り組んでいる」と言う。「立ち位置のことだったり、キーパーがどうやってゲームに関わっていくのかっていうのは監督からもミーティングやグランド内でよく言われている」と昨季との違いを説明する。

 そうやってもぎ取った王者からの1勝。昨季はギャラクシー相手に2戦2敗だった。今季のキャップスについてギャラクシーの吉田麻也は「監督が変わったので、やり方はかなり変わって、断然良くなったなっていうのは1つありました」と分析した。この日のギャラクシーの戦いは前々日まで練習に参加していた山根視来(DF)をけがで欠いたことで「実質この形の準備をする時間がなかったのはチームにとってはかなり痛かった」と振り返った。

バンクーバーで早くも日本人対決が実現

 昨季は4月だった吉田・山根との日本人対決が今季は早くもホーム開幕戦で実現した。山根はけがのため出場しなかったが、高丘も吉田もフル出場。この日は日本人ファンも多く見られた。

 試合後に日の丸を掲げるファンに近寄って握手などに応じた吉田は「バンクーバーは日本人が多いって聞いてるんで。ロサンゼルスも多くて、よく見に来てくれるんですけど、バンクーバーも高丘がいて、さらに僕らとの試合だったら行ってみるかっていう感じで、それをきっかけにサッカーを見に来てくれたらうれしい」と話す。「僕自身も、例えば野球選手やバスケットボール選手で日本人の方が(海外で)がんばっているのを見てエネルギーをもらうし、僕らもそういう一端を担えれば、少しでもそういう形で何かエネルギーを与えられたらうれしいです」。

 高丘は、吉田についてクオリティの高いプレーをするすばらしい選手だと対戦して改めて思うと語り、「そういった選手とこうやって真剣勝負の場で対戦できるっていうのは僕自身もうれしいですし、バンクーバーにいる日本人の方にとっても大きな試合なのかなと思います」と語った。

試合後に日の丸を振っていたファンに駆け寄ったあと、サウサンプトンFCのファンと握手するLAギャラクシーの吉田。2025年3月2日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
試合後に日の丸を振っていたファンに駆け寄ったあと、サウサンプトンFCのファンと握手するLAギャラクシーの吉田。2025年3月2日、バンクーバー市。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today

3月のホームゲームhttps://www.whitecapsfc.com/

3月8日(土)6:30pm CFモントリオール戦
3月22日(土)7:30pm シカゴ・ファイヤーFC戦

(取材 三島直美/写真 斉藤光一)

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