充実したサービスのバンクーバー図書館を使いこなす 1

     ローマのコロッセオを彷彿とさせるデザインのバンクーバー中央図書館は、市の施設で、60万人以上が利用者登録をしている。バンクーバー市には中央図書館以外にも20カ所に分館がある。

     バンクーバー図書館による隣組スタッフへの図書館サービスの説明に参加した。多彩なサービスのうち、特に日本人や日系人に知ってほしいというものを、バンクーバー図書館のコミュニティ司書エミリー・ソブールさんが紹介した。

     バンクーバー市に住んでいなくてもバンクーバー図書館のカードを持っていれば、施設やサービスを利用することができる。

     ソブールさんから聞いた充実したサービスの内容と、基本の使い方ガイドをシリーズでリポートする。

    バンクーバー図書館の新型コロナ対策

     パンデミックにより休館していたバンクーバー図書館だが、2020年7月14日から順次再開した。現時点で工事中のオークリッジ以外は全て開館している。ただし、すべてのサービスの再開までにはまだ時間がかかりそうだ。

     新型コロナウイルス感染防止対策として、入館人数を制限、館内は一方通行となっていて、フロアの矢印に沿って移動する。マスク着用も義務付けられていて、忘れた人には使い捨てマスクを無料で提供している。

     入口には手指消毒用のアルコールを設置しているほか、セルフチェックアウトの機械は1日2回念入りに消毒をしているという。

    豊富な日本語の蔵書

     多文化主義の国カナダにあるバンクーバー図書館は、さまざまな言語の書籍をそろえている。日本語も例にもれず、特に中央図書館には小説、実用書、マンガなど、現在、約9000冊の日本語の蔵書がある。日本語書籍については、大人だけでなく子ども向けの書籍も人気が高いという。

     「バンクーバー図書館では定期的に貸し出しデータを調べて、人気の著者やジャンルを確認して、その著者が書いた本を蔵書に加えるようにしています」とエミリーさん。

     「ウェブサイトのSuggest a Purchase 、館内のコメントカード、 もしくはinfo@vpl.caにEメールすることで、図書館に購入のリクエストをすることもできます」と説明した。

    バンクーバー市内在住でなくてもOK!
    図書館のカードで利用できるサービス

    デジタルライブラリで自宅にいながら日本の雑誌、新聞を読む
    バンクーバー在住(登録住所)以外も利用可

     エミリーさんが日系コミュニティに知ってほしいと紹介してくれたサービスの一つは、日本語の雑誌や新聞も利用できるデジタルライブラリだ。

     電子ブックサービス、VPL to Go(Over Drive)は登録住所がバンクーバーでなければ利用できないが、デジタルライブラリはバンクーバー在住でなくても利用することができる。

    利用方法
    1. バンクーバー図書館のウェブサイト(www.vpl.ca)でDigital Library(デジタルライブラリ)にカーソルを合わせる。

    2. 表示されるメニューのうちのDigital Newspaper(デジタルニュースペーパー、デジタル版新聞)をクリック。

    Digital Library (バンクーバー図書館のウェブサイトvpl.caのスクリーンショット
    Digital Library (バンクーバー図書館のウェブサイトvpl.caのスクリーンショット)

    3. 「Press Reader」の「Access now(今すぐアクセス)」をクリック。

    PressReaderを選ぶ  (バンクーバー図書館のウェブサイトvpl.caのスクリーンショット
    PressReaderを選ぶ  (バンクーバー図書館のウェブサイトvpl.caのスクリーンショット)

    4. Electric Resource Authenticationのページが表示されるので、VPL Library Card(Barcode)Number(バンクーバー図書館のカード番号)とPINを入力。

    5. ログイン情報が正しければ、「Your login was successful」(ログイン成功)と出てくるので「CONTINUE(続ける)」をクリック。Press Readerのページが表示される。

    6. 日本語の新聞、雑誌を選ぶには、「Press Reader」の「Language(言語)」でJapanese(日本語)を選ぶ。

    LanguageでJapaneseを選ぶ  (バンクーバー図書館のウェブサイトvpl.caのスクリーンショット
    LanguageでJapaneseを選ぶ  (バンクーバー図書館のウェブサイトvpl.caのスクリーンショット)

     2020年2月現在、新聞は毎日新聞、雑誌はnonno 、Men’s nonno、waraku(和楽)、サライ、婦人画報、美しいキモノ、EVENなど41誌の最新号やバックナンバーを読むことができる。

    毎日新聞やその他、日本語の雑誌を読むことができる (バンクーバー図書館のウェブサイトvpl.caのスクリーンショット
    毎日新聞やその他、日本語の雑誌を読むことができる (バンクーバー図書館のウェブサイトvpl.caのスクリーンショット)


    (情報は2021年2月時点)

    (取材 西川桂子)

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