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Koichi Saito

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「瞬間を切り取る新たなカナダの視点、友理さんの東京の会社員生活からバンクーバーのクリエイティブへ」カナダの魅力を語る~シリーズ第4回

前林友理さん
フォトグラファー、グラフィックデザイナー
カナダ滞在歴:バンクーバー2年10カ月

 日本で会社勤めをしていましたが、体調を崩し自分と向き合う時間が増え、それまで自分自身とても狭い世界で生きてきたと感じ、海外での生活に挑戦することを決意し、会社を辞めてカナダへワーキングホリデーで渡りました。カナダに行くことを決めてからわずか6カ月後にはバンクーバーの国際空港に降り立っていました。

 バンクーバーではスタンレーパーク、リンキャニオン、グランビルアイランドがお気に入りの場所で、友達とよくピクニックに行ったりしていました。街中と自然が隣接しているバンクーバーはとても居心地が良かったです。

 私が思うカナダの魅力は、大自然とゆる~い人々です。たとえば、スーパーマーケットのレジで並んでいると、レジ係の人と私の前にいたお客さんが長話をしている場面に何度か遭遇しました。
 ある日、満員のバスに乗っていたら、突然バスドライバーがマイクを使って「こちらの方、今日が誕生日なので皆でお祝いしましょう」と言い、バスの乗客でハッピーバースデーの歌を歌った時もあり、驚きました。

 それと、一生懸命伝えようとすると、相手の方(カナダの人)は私の未熟な英語を真剣に聞こうとしてくれて、それに感動しました。カナダの人たちは本当に優しいなと思いました。

 今はYouTubeで英語の勉強ができ、世界中の美しい景色を見ることができますが、実際に外国に住んでみると思いもよらない出来事や出会いが毎日たくさんあります。そのような住んでみないとわからないことを多くの人に体験してほしいと思います。

 バンクーバー滞在中には、写真家の由起子オンリーさんや斉藤光一さんに師事し、写真撮影の現場で実践的なことを多く学びました。
 それらの経験を活かして、現在は日本で写真やグラフィックデザインの仕事をしています。人生の流れに任せて、今自分のできることを精一杯やってみること、それとオープンな気持ちで人に接していくことは、私がカナダ滞在中に学んだことです。だから現在の仕事に関するストレスが少ない状況を作ることができているのだと思います。

 いつか、夫と娘を連れてカナダへ行きたいです。そして、写真を撮りにギリシャに行きたいと思っています。むしろ、いつか必ず行きます。

(動画・記事 斉藤光一)

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「カナダ滞在で得た自信とスピークアップの重要性―通訳翻訳者、長尾愛さんの人生の教訓」カナダの魅力を語る~シリーズ第3回

長尾愛さん
大手製薬会社にて製造、品質監査などの通訳翻訳
カナダ滞在歴:エドモントン5年、バンクーバー10年

 アメリカ、オーストラリア、カナダでの生活を経験しましたが、カナダの住みやすさは私にとって最も魅力的でした。自分が自分らしくいられる国であり、異文化に触れることができる国。それがカナダです。
 大自然と街が共存し、教育基準も高く、国民性も日本と似ているので長期滞在でも難なく過ごすことができます。

 カナダの大自然の中で野生動物を数多く見てきましたが、木に寄りかかった授乳中の熊の親子に出会ったときはとても感動しました。また、オーロラは極寒のイメージがありますが、真夏のウィニペグリバーで湖に浮かぶオーロラは、すばらしくてとても幻想的でした。

 カナダの魅力は、マルチカルチャーの文化。世界中から集まった人々が尊重し共に生活しているところと、それぞれのバックグラウンドが異なっていても、カナダという一つの国で、自分らしく生活できるすばらしい国です。

 スピークアップの姿勢はカナダ滞在で学びました。最近は少しずつ変わってきてはいますが、基本的に日本人は物事を曖昧にし、Yes, Noをはっきりと伝えずに分かってもらえると思いがちですが、カナダでは自分の意見をはっきりと口に出して伝える必要があります。伝える習慣がつくことで、自分に自信を持つことができ、さまざまな恐怖心も回避できます。日本に戻った今でも、この教訓は生活や子育てに役立っています。

 日本に帰国してから13年がたちました。カナダ滞在中に身に付けたビジネス能力や語学力を生かし、フリーランス通訳翻訳や大手鉄道企業のIT運用を経験し、現在は大手製薬会社で製造や品質監査などの通訳翻訳をしています。
 カナダ滞在中はワーキングホリデーからの日本食レストラン、留学エージェント、語学学校でのマーケティングディレクター担当勤務を経たことにより5年後を見据えた行動をとるようになりました。
 今後も目標を持ち続けながら、日々スキルアップできるようがんばっていくつもりです。

 将来の夢は家族で再びカナダを訪れることです。みんな自然が好きなので、絶対に気に入ることでしょう。また、他国籍のおいしい食事も家族に経験してほしいです。

(動画・記事 斉藤光一)

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「バンクーバーではマイノリティ留学生、高井洋季さんの成長と新たな挑戦」カナダの魅力を語る~シリーズ第2回

高井洋季(ひろき)さん
西伊豆町(静岡県)役場 地域プロジェクトマネージャー
特定非営利活動法人 国際ボランティア学生協会(IVUSA)理事
カナダ滞在歴:バンクーバー3年

 アメリカのコミュニティーカレッジからUBC(ブリティッシュコロンビア大学)に編入し、3年間学生として過ごしました。景色も美しいキツラノビーチで友人たちとのBBQは、懐かしい思い出です。

 私が思うカナダの魅力は、移民の方が多いということもあるのでしょうが、現地の方からするとマイノリティである日本の留学生とかも、温かく受け入れてくれるところです。あとバンクーバーは町に近いところにある大自然が上手く街と調和しているところでしょうか。

 2011年3月11日に発生した東日本大震災の際、友人と共にバンクーバーで即座に支援活動を始めました(Japan Love Project)。最初は留学生を中心に数名でスタートしましたが、日系コミュニティやビジネス関係者、地元のコーヒーショップなどから温かいサポートを受けました。
 街頭募金は1か月弱でしたが、その後サイレントオークションやチャリティーイベントを通じて、1年間で約50万ドルを赤十字を通じて日本に送ることができました。この経験を通じて、カナダの方々の温かさ、異文化への理解と受け入れの深さを強く感じました。

 バンクーバーは非常に多様な移民が暮らす街で、中国系の方も多く、白人がマジョリティではない環境です。私たち日本人もその中でコミュニティのマイノリティであると感じました。この多様性の中で、文化や宗教観を含めてさまざまな人々と共に生活し、コミュニケーションの取り方などを学ぶ機会が豊富で、多くのことを学びました。

 海外へ出ようか迷っている人たちへですが、大体のマジョリティの人たちは日本国内で大学へ進学して就職するということだと思うのですが、他人と違う価値観は自分を違う環境におくことで身に付けることが出来ると思います。
 今その年齢しか出来ないこともあると思います。後々行かずに後悔するなら海外へ出てみてください。きっと何かが見つけられると思うので是非行って欲しいです。

 カナダの大学を卒業後、日本に帰国してNPO法人の職員として国際協力や地方創生の仕事に従事していました。ご縁があり、約3年前から西伊豆町で地方創生のプロジェクトに携わっています。
  この町はバンクーバーに似ており、非常に気に入っています。自然も豊かで、自ら畑を耕したり、椎茸を栽培したりしています。また、田舎独特の特徴かもしれませんが、人間関係が非常に近く、とても親しみやすい環境です。この町で味わえる美味しい料理や、日本一と言われる夕焼けを見に、ぜひ訪れていただきたいです。

静岡県西伊豆町 : https://www.town.nishiizu.shizuoka.jp/
NPO国際ボランティア学生協会(IVUSA)https://www.ivusa.com/

カンボジアの小学校建設の際、連れて行った日本の大学生とホームステイ先の家族。写真提供:高井洋季さん
カンボジアの小学校建設の際、連れて行った日本の大学生とホームステイ先の家族。写真提供:高井洋季さん

(動画・記事 斉藤光一)

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「カナダでの体験が紡ぐ物語、岡田誠司氏の農村での新しい挑戦の序章」カナダの魅力を語る~シリーズ第1回

岡田誠司氏
筑波大学大学院客員教授、明治大学特別招聘教授
前バチカン特命全権大使、元バンクーバー総領事
カナダ滞在歴:オタワ6年、バンクーバー3年

 1982年に外務省に入り、オタワのカールトン大学大学院での3年間の研修を経て、1986年からオタワの日本大使館での3年間の勤務を経て、2013年からバンクーバーの総領事としての3年間。カナダには総計9年間の滞在でした。
 食料自給率は、日本が37%ほどであるのに対し、カナダは230%という桁違いの数字です。食料安全保障の観点から見ても、日本にとってカナダは極めて重要な国であることは疑いありません。

 カナダ最大の魅力は素晴らしい自然にあります。それは誰も異存はないでしょう。車で大陸を横断したのですが、東西で異なる自然環境と文化を有し、まるで異なる国々を巡るような魅力にあふれていました。私はカヤック、スキーなどアウトドアが好きで、カナダでは様々な場所で多様なアクティビティを楽しむことができました。
 それと日本から訪れる人たちにとって印象的だと感じるのは住民、地域、そして文化の多様性でしょう。
 民族の多様性という中のひとつで、バンクーバー滞在中には日系人の方々とのお付き合いが強くでき、その中で知った日系カナダ人たちが辿ってきた苦難の歴史については、その記録を残すべきだと強く感じています。

 2023年7月、42年間の外交官生活にピリオドを打ち、妻と共に筑波山のふもとの小さな農村に住み、大学で教鞭をとりながら、農業に打ち込んでいます。
 若い学生たちとの交流も頻繁で、彼らに対してひとつ伝えたいことは、ぜひ外国へ足を運んでみてほしいということです。外国に身を置くことで気づくことは多く、それがとても重要だと信じています。外国に滞在した経験から、自分がいた日本という国の本質を改めて見つめ、自らが日本人であることを深く理解することができます。これがグローバリズムへの一歩だと考えています。

 長年外交官として、外国に日本文化を紹介し情報発信してきましたが、日本の田舎ではそのような文化活動が少ないことに疑問を感じていました。三味線や能などを知ってはいるのですが、実際に触れる機会が乏しい現状に矛盾を感じ、戻ってきてからは地元のコミュニティで積極的に情報発信していくことを決意しています。高齢化が進む過疎の農村で、コミュニティを活性化させる道を模索しています。

(動画・記事 斉藤光一)

バンクーバー2023年の幕開け「ポーラーベアスイム」寒中水泳

 バンクーバーの元日といえば、イングリッシュベイのポーラーベアスイム、寒中水泳。過去2年は新型コロナウイルス禍でオンラインのみで実施。実際には行われなかったため、待ちに待ったイベントとなった。

 このポーラーベアスイムは、1920年元日にギリシャ系移民のピーター・パンテージス(Peter Pantages)さんと友人の計10人でイングリッシュベイに飛び込んだのが始まり。その後にポーラーベアスイム・クラブという水泳クラブを作り、ポーラーベアスイムと名付けられた。

 ピーターさんの孫娘リサ(Lisa)さんが現在のポーラーベアスイム・クラブの会長を務めている(動画内では台の上でカウントダウンをして赤い旗を振っている女性)。

 今年は103回目を迎え、5,000人以上の事前登録があり、当日は6,000人以上が参加。他にもそれを見守る家族、友人をはじめ、このイベントを見ようと大勢の人がイングリッシュベイに詰めかけた。仮装して参加する人も多いのがこのポーラーベアスイムのおもしろいところ。水温は6.5度と例年より低めだったが、みんなが3年ぶりの寒中水泳を楽しんだ。

毎年参加者に配られる直径3cmほどの参加缶バッチ。毎年デザインが変わり、今年はシロクマが膝を抱えて水に飛び込んでいるイラスト。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
毎年参加者に配られる直径3cmほどの参加缶バッチ。毎年デザインが変わり、今年はシロクマが膝を抱えて水に飛び込んでいるイラスト。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today

(写真・動画 斉藤光一)

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