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カナダと日本の学生を繋ぐ企業紹介イベントに約300名が参加

photo credit: Japan Canada Chamber of Commerce
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3月26日、BC(ブリティッシュ・コロンビア)州の学生と在バンクーバーの日系企業を繋げる企業紹介イベント「Nikkei Connect  Fair」をBC州で開催。企業33社と学生約300名が参加した。

今回のイベントは、学生団体「UBC Japan Career Network」と日本・カナダ商工会議所が共催。カナダBC州在住の学生とバンクーバーに拠点を置く日本企業の繋がりを支援したいという気持ちから2019年に始まり、今回で3回目。理念に共感した企業も複数社協力し、企業と学生の未来を繋ぐ大規模イベントとなった。

photo credit: Japan Canada Chamber of Commerce
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グローバル経験を活かすキャリア作りのきっかけに

「日本とカナダの仕事内容の違いや働き方を知りたいと思った。まだカナダに来て半年しか経っていないので、幅広い情報を求めている」

そう話したのは、日本からマーケティングを学びにカナダに留学している学生。学校を卒業後の進路はまだ決めておらず、今後のキャリアを考えるきっかけになったと話す。

また4年程前からカナダのBC州の大学に通う学生は、「日本企業がカナダで活躍していることを知れたのは嬉しかった。どのように海外で成功したのか興味深い」と話した。

参加した学生の大半は、語学力や海外経験を活かしたグローバル分野のキャリアを選択肢に入れているが、一方で社会人経験がない学生などは卒業後にどのような進路があるのか具体的なイメージがついていないことが多い。今回のイベントでは、就業条件だけではなく現地での働き方やキャリアパスなどを対話形式で企業担当者に質問できたため、学生にとって貴重な機会になったようだ。

photo credit: Japan Canada Chamber of Commerce
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⚫︎参加企業コメント

日本から飛び出した学生たちだからこそ、日本でできない経験を
     カナダ三井物産/余吾康志 バンクーバー支店長

photo credit : Koto Tajima
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「学生からは海外で就業するためのキャリアパスや必要なスキルについてなど、就業に関する多くの質問を受けた。日本から飛び出し世界を広げて挑戦している学生たちだからこそ、日本で経験できない経験を重ね納得のいく就職活動をしてほしい」

多様性の時代だからこそ、幅広い経験を通じ日本文化の発信へ
   桶屋久次郎/松田卓也 代表取締役

photo credit : Gaku Sugioka
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「学生と対話する中で、日本文化に興味がある学生が非常に多く嬉しい気持ちになった。これからインバウンドの需要も増えていく中で、こちらから日本文化を発信していくということが大切。多様性が求められる現代において、学生の方々には幅広く数多くのことを経験して欲しい」

ー 行ってみないとわからない、やってみないとわからないこと
  
  日本航空/小林美和 日本航空バンクーバー・セールスオフィス アカウントマネジャー

photo credit : Koto Tajima
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「非常に熱心な学生が多くて驚いた。自身の経験から、一つのことにこだわりすぎずに視野を広げるとうまくいくこともあると思っている。視野を広げて、行ってみないとわからない、やってみないとわからない経験をたくさんして欲しい」

⚫︎主催者、共催者インタビュー

やりたいことに飛び込んでいくことで、自然とキャリアが広がるはず
   日本・カナダ商工会議所/鈴木美和 理事

photo credit : Gaku Sugioka
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「面接のような堅い形式ではなくカジュアルに直接対話ができるこのような機会は、学生と企業の双方にとって貴重」。そう語ったのは、日本・カナダ商工会議所で理事を務める鈴木さん。

自身の経験から、「とにかく行動に移してほしい。それが初めはお金に繋がらないことでも、やりたいことに飛び込み経験を積んでいくことで、自然とキャリアが広がっていくはず」と学生たちに熱いメッセージを送った。

カナダで頑張る学生同士が繋がるきっかけに
     UBC(ブリティッシュコロンビア大学)ジャパン・キャリア・ネットワーク/廣田藍里

photo credit : Koto Tajima
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廣田さんは、「昨年と比べて見違えるほど多くの企業や学生が参加し、セミナーは会場に学生が入りきらなかった」と嬉しそうに話す。

自身もカナダの大学に通いながら日本での就職を志しており、同じ気持ちを持っている学生の力になりたいという気持ちがある。今後は企業インターンや選考に直接繋がるイベントに発展させていきたい、と意気込みを話した。

自分の強みを見つけて、それを自信に変えること
      在バンクーバー日本国総領事館/岡垣さとみ 首席領事

photo credit: Gaku Sugioka
photo credit: Gaku Sugioka

岡垣さんは、「想像以上にたくさんの学生が訪れており驚いた」と話す。同日、外交官と外務省の仕事に関するセミナーも行った岡崎さんは、学生から海外での働き方や具体的な外務省での業務内容など多くの質疑を受けた。

「自分のやりたいことをみつけて、それに向けて努力すること。そして、自分の得意なことや強みを見つけて自信をつけてほしい」と語った。

団体と企業が連携するからこそ生まれる相乗効果
     DISCOインターナショナル/大掛 勲 CEO

photo credit: Koto Tajima
photo credit: Koto Tajima

グローバル人材に向けた就職イベントなどをサポートするDISCOは、今回アメリカやトロントで同様のイベントを開催したノウハウを無償提供する形で協力。

大掛さんは、「私たちは、グローバル人材を支援をすることがミッション。自分達だけでこのような大規模イベントを開催しようとすると難しいので、今回のように多くの団体と連携することは大変意義がある。自社も相乗効果を生むことに貢献できれば良いと思った」と話す。

現代ではSNSなどをきっかけに情報を得られることも増えたが、今回のような対面を通じた大規模イベントは、単なる情報収集だけではなく人と人との繋がりを作るきっかけになる。コロナ禍を経て、このようなイベントはグローバル化の促進に向け今後さらに需要が高まるだろう。

photo credit: Gaku Sugioka
photo credit: Gaku Sugioka

<参加企業一覧>

・あづまフーズ

・旅行会社エイチ・アイ・エス

・MYK ENTERPRISES LTD.

・エンジョイカナダ

・エンデバーツアーズ

・ENVIROWISE

・エーアールエー・プロフェッショナル・トラベル

・桶屋久次郎

・CANADA TOUR SYSTEM INC.

・カナダ三井物産

・KUNON Landscape & Design

・Global Vision Technology Vancouver Inc. (Gabby Academy)

・Coast Hotels

・在バンクーバー日本国総領事館

・JTOA

・JTB INTERNATIONAL CANADA LTD. / TOURLAND TRAVEL LTD.

・JAPAN PACIFIC TRAVEL SERVICE INC.(J-PAC TRAVEL)

・GPI NORTH AMERICA SERVICES INC.

・SKYLAND TOURS LTD.

・Daruma Japanese Market

・TSUKIJI FISH MARKET Inc.

・TRANS ORBIT CANADA TOURS, INC.

・日本旅行カナダ

・日本映像翻訳アカデミー株式会社

・日本航空

・Valuable Link

・Bridges International Insurance Services

・Bridge Language Consulting Inc.

・MAPLE FUN TOURS LTD.

・Life Assist Canada

・Listel Hospitality Group

・Remedios & Company

・WONDERLAND TOURS INC.

日系コネクト実行委員会>

⚫︎学生団体「UBC Japan Career Network」

廣田藍里

太田漱祐

⚫︎日本・カナダ商工会議所

サミー高橋

鈴木美和

世良奎伍(広報)

町田聖弥(広報)

田上麻里亜(取材・文)

⚫︎DISCOインターナショナル

大掛勲

(寄稿 日本カナダ商工会議所)

MLS日本人3選手がバンクーバーで対決、西のトップ争いはギャラクシーに軍配

好セーブを見せ前半を無失点に抑えたGK高丘。LAギャラクシー戦。2024年4月13日、BCプレース。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
好セーブを見せ前半を無失点に抑えたGK高丘。LAギャラクシー戦。2024年4月13日、BCプレース。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today

 今季の日本人対決が早くもバンクーバーで実現した。ホワイトキャップスGK高丘陽平とLAギャラクシーDF吉田麻也、山根視来がBCプレースで対決。MLS西カンファレンス1位、2位が激突した好カードで日本人選手3人が活躍した一戦は、ギャラクシーに軍配が上がった。

4月13日(BCプレース:25,026)
ホワイトキャップス 1-3 LAギャラクシー
先制点はLA。前半を0-0で終え迎えた後半、56分にJoveljicが決め0-1。ホワイトキャップスは再三のチャンスを作るも得点につながらず。しかし77分にようやくWhiteが4度目の正直でゴールして同点に追いついた。しかし、その後LAが2点を追加。シュート数では上回ったホワイトキャップスだったがゴールが遠い一戦となった。

高丘は悔しい黒星、吉田・山根に嫌な仕事をされた

 前節で西カンファレンス首位に躍り出たホワイトキャップスは、2位のLAギャラクシーをBCプレースに迎えての一戦となった。まだまだシーズン序盤とはいえ、西カンファレンストップ対決に、日本人3選手も気合十分だった。

 高丘は「1位、2位対決というところで、大事な試合でしたけど、勝ち点3を取れなくて悔しいです」と試合後に語った。

 日本人2人が相手チームにいたことを意識したかという問いには、「もちろん多少はしますし、やっぱり(2人とも)クオリティのある選手で経験もありますし、チームの中で向こうのディフェンスラインが安定していたのは、彼らが力を発揮していたからだと思います」とDF吉田、山根のプレーを評価した。

 また吉田、山根が直接得点に絡むことはなかったが、「ディフェンスだけではなくて、攻撃の部分でも試合を作ってましたし、うまくタメを作れてたと思うので、そういった意味では嫌な仕事をされたなと思います」とも語った。

 高丘にとって3失点はレギュラーシーズン今季初。すでに無失点試合を2回達成しているだけに、注目の一戦で今季最多失点は悔しい黒星となった。

日本人対決より、1、2位での激突を意識

ホワイトキャップスWhiteのシュートは決まらず...。守るのは吉田(中央)と山根(右端)。LAギャラクシー戦。2024年4月13日、BCプレース。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
ホワイトキャップスWhiteのシュートは決まらず…。守るのは吉田(中央)と山根(右端)。LAギャラクシー戦。2024年4月13日、BCプレース。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today

 山根は「(高丘は)もともと知っている選手なので、そこは意識しますけど、それよりもやっぱり1位、2位対決。僕たちの方が1試合多かったので、ここでなんとしても勝ち点3を取ってひっくり返したいという思いがありました」と高丘との直接対決より、チームの勝ち点3にこだわった。「自分の仕事を集中しようっていう今日はそういう思いが強かったですね」。

 チームとしても、「それぞれがやることをもう1回やろうっていうゲームだったので、試合前に与えられた自分の仕事っていうのを今日は徹底するっていうのはチームみんながしっかりできたゲームだったかなと思います」。

 吉田は「1位対決だったんで絶対勝ちたかったですし」とやはり首位奪還を一番にあげた。「試合は前半から、多分今までで一番いい形で試合運びができたんじゃないかなと。戦術的な準備もしっかりできてたんで、それを練習でやったことを試合に落とし込めてたなという印象です」と振り返った。

 ホワイトキャップスの印象について、吉田も山根も「守備が固い」「失点が少ない」印象と守備をあげた。

 山根は「高丘選手の牙城を崩さなければいけないなとは思ってました」と語り、吉田は3得点に「後半に1-1 になって流れを持っていかれそうになった時に、また自分たちが(流れを)引き戻したのはよかったなと思います」とホワイトキャップスのディフェンスを崩した攻撃を勝因に挙げた。

 次に両チームが対戦するのは9月21日、ロサンゼルス。山根は「こういう日本じゃないところで、日本人の選手と一緒に高め合っていけるっていうのはすごくすばらしいことだと思うので、また次も楽しみにしてます」と語った。

5月・6月のホームゲームhttps://www.whitecapsfc.com/

5月4日(土)7:30pm オースティンFC戦
5月25日(土)7:30pm インテルマイアミFC戦
6月1日(土)7:30pm コロラド・ラピッズ戦
6月29日(土)7:30pm セントルイスシティSC戦

試合終了後に話す高丘とLAギャラクシー山根。同じ横浜市出身で少年時代から知っている仲という。LAギャラクシー戦。2024年4月13日、BCプレース。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
試合終了後に話す高丘とLAギャラクシー山根。同じ横浜市出身で少年時代から知っている仲という。LAギャラクシー戦。2024年4月13日、BCプレース。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today

(取材 三島直美/写真 斉藤光一)

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落語会

5月12日(日)

開場 2:00pm 開演 2:30pm

日系文化センター・博物館 6688 Southoaks Crescent, Burnaby

社会人落語サークル「笑紫会」会員、元「県南落語組合」会員、由布川亭銀歯(ゆふがわてい ぎんば)による公演をお楽しみください。日本語のみでの公演となります。一席目「老婆の休日」、二席目「野ざらし」。ウェブサイトよりご予約ください。入場料:ドネーション。https://centre.nikkeiplace.org/events/rakugo2024/

無料手品ショー

手品を日系社会に広めるため、20分のマジックショーを無料で提供してます。

各日系団体の次のイべントで手品を披露したいと思います。

もし興味がありましたらemailで連絡ください。

webarts3000@yahoo.com

サッカーを通した交流を楽しむ「Soccer Fun Day」開催

 サッカーを通して交流を楽しむイベント「Soccer Fun Day」が3月17日、ブリティッシュコロンビア大学(UBC)で開催された。主催はジョイアスFC(Joyous FC)、協賛はUBC教育学部幼児教育学科、フェリシアこども短期大学、後援在バンクーバー日本国総領事館。

 初夏を思わせる陽気の中、朝から子どもたちの声が即席サッカーグランドに響いた。この日は約150人が参加。経験者だけでなく、サッカーに興味がある子どもたちも参加して楽しいサッカー教室となった。

 在バンクーバー日本国総領事館・岡垣さとみ首席領事は、「このイベントは、日系を含めすべてのコミュニティにふれあいの場を提供するすばらしいイベントだと思います。このようなイベントを通して多文化社会への理解が深まることを願っております」とあいさつ。始蹴式では小学生の時に授業はもちろん昼休みも放課後もサッカーをやっていたという見事なボールさばきで大役を果たし「気持ちよかったです」と笑顔を見せた。

始蹴式でシュートする岡垣首席領事(左)と朝日のジョン・ウォン会長。2024年3月17日、UBC。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
始蹴式でシュートする岡垣首席領事(左)と朝日のジョン・ウォン会長。2024年3月17日、UBC。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today

 日系カナダ人野球チームとして始まった朝日チームの朝日ベースボールアソシエーション会長ジョン・ウォンさんは「今回このような形で出席できて光栄です。私は野球を通してコミュニティへの貢献をしているわけですが、スポーツを通した社会貢献という意味では同じような立場にあります。天気に恵まれ、UBCのこの施設でサッカーを楽しんでください」とスポーツを通したコミュニティ交流に目を細めた。

日系カナダ人を中心としたJoyous FC「コミュニティでサッカーを楽しめる環境を整えたい」

Soccer Fun Dayでサッカーを楽しむ子どもたち。2024年3月17日、UBC。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
Soccer Fun Dayでサッカーを楽しむ子どもたち。2024年3月17日、UBC。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today

 日系カナダ人で構成されるサッカーチームJoyous FCを中心に、この日は地元コミュニティとサッカーを通して交流する機会となった。

 UBC教育学部教員の長谷山康一さんは、「私たちのサッカー・コミュニティの活動が文化を超えて、地元の全ての人たちのために学び合える場を提供し、そして楽しさを共有でき、多文化共生のシンボルとなるような機会を作りたいと思っていました」と今回のイベントへの思いを語った。

 自身は当日に体調不良のため参加できなかったが「良い天気の中で、参加者の皆さんには思い切り体を動かし、楽しんでいただけたようです」と喜んだ。

 Joyous FC代表馬目広三さんは、この日のイベントについて「今日はこういう形で皆さんが楽しめる場を作っていただいたUBCの長谷山先生にすごく感謝しています」と語った。日系の子どもたちを中心に、サッカーを楽しむこと、Joyous FCを知ってもらうことを目的に開催したイベント。ボランティアやコーチ陣にも感謝の言葉を述べ、「これを機にこれからも参加者にジョイアスの活動に参加してもらえればうれしいと思います」と語った。

 Joyous FCは2009年に4人から始めた日系人のサッカークラブという。年齢に制限はなく、現在は約120人が参加している。

 チーム構成を日系にこだわった理由は、バンクーバーで毎年行われる大人のアマチュアサッカー大会で16カ国の枠の中に日本がなかったことと説明した。日本チームを作りたいという思いから、ワーキングホリデーや学生で構成したチームを作ったがメンバーの入れ替わりが頻繁になるため、ならばバンクーバーの日系人の子どもたちを育てようと考えたという。「バンクーバーで育った子どもたちが日の丸を背負ってプレーできるような場があるので、そういうシチュエーションをイメージして、子どもから大人までのチームとしてジョイアスを作りました」と話した。

 今後は「強い弱いに関係なく、皆さんがサッカーを楽しめる環境を整えていきたい」と語った。

Soccer Fun Dayでサッカーを楽しむ子どもたち。2024年3月17日、UBC。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
Soccer Fun Dayでサッカーを楽しむ子どもたち。2024年3月17日、UBC。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
Soccer Fun Dayでサッカーを楽しむ子どもたち。2024年3月17日、UBC。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
Soccer Fun Dayでサッカーを楽しむ子どもたち。2024年3月17日、UBC。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
Soccer Fun Dayでサッカーを楽しむ子どもたち。2024年3月17日、UBC。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
Soccer Fun Dayでサッカーを楽しむ子どもたち。2024年3月17日、UBC。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
Soccer Fun Dayでサッカーを楽しむ子どもたち。2024年3月17日、UBC。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
Soccer Fun Dayでサッカーを楽しむ子どもたち。2024年3月17日、UBC。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
Soccer Fun Day、みんなで元気に!2024年3月17日、UBC。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
Soccer Fun Day、みんなで元気に!2024年3月17日、UBC。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
ダンスを披露後に記念撮影。2024年3月17日、UBC。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
ダンスを披露後に記念撮影。2024年3月17日、UBC。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today

(写真・動画 斉藤光一/記事 編集部)

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第11回  終活ノートは書いてなんぼです!~Let’s 海外終活~

終活は新しい大人のマナー

叶多範子

​​2017年以来、北米で約7年ぶりの皆既日食が観測されたのはつい先日の4月8日でしたが、残念ながらバンクーバーでは雨で見ることができませんでした。しかし、他の地域では観測できた方もいらっしゃるのではないでしょうか?

さて前回までに4回にわたり、エンディングノート(終活ノート)の必要性と重要性をお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか?

日本では多くの書店で様々な終活ノートが売られているため、もしかすると既に持っている方もいらっしゃるかもしれませんね。

しかし「そのノートは書いて埋められていますか?」

この質問をすると、ほとんどの方が言葉を濁すか、正直に「実はほとんど書いていない」と答えます。

ノートを持っていなくても、パラパラとページをめくったことがある人ならご存じかもしれませんが、ほとんどの市販されている終活ノートはそれほど厚くはないものの、中を見るとかなりの項目があります。それを見て、「思ったよりも書くことが多くて驚いた」とおっしゃる方が意外と多くいらっしゃいます。

終活ノートは、あなたのこれまでの人生を振り返る履歴書であり、これからの希望や夢を描く未来への羅針盤でもあります。書く内容が難しいわけではありませんが、始めることが難しい、または続けることができないという方が多くいらっしゃるのも事実です。

その主な理由は以下の通りです。

  • 家事、仕事、子育て、介護などに時間を取られ、終活ノートを書くことが後回しになってしまう。
  • 期限が設けられていないため、「いつか」と思いながらも結局は手をつけない。
  • 一人で取り組むことが楽しくなく、やる気が続かない。
  • 書き進める中で疑問が生じ、調べているうちに書くのが億劫になる。
  • 途中でわからないことが出てきた際に、その点でつまずいてしまう。
  • 若さや健康を理由に油断してしまい、必要性を感じない。

このように、人によっては書き終えるまでのハードルが意外と高いんです。

終活ノートを作ることは確かにいくつかの挑戦を伴いますが、それでも自分や家族のためにとても有意義なことです。このプロセスを経ることで、自分の人生を振り返り、これから先、本当にしたいことは何か、どう生きていきたいかをじっくり考える良い機会にもなります。

私が今までに経験してきた中で、終活を行わなかったため、本人や家族が非常に困難な状況に陥ったケースを数多く目の当たりにしてきました。

痴呆症になった後や亡くなった後に、家族間での争いが起こったり、責任を押し付けあったり、途方に暮れるなど、様々な問題が生じています。これらの残念な例は、終活の重要性を物語っています。

ですので、せっかくの終活ノートを宝の持ち腐れにせず、ぜひ活用してくださいね!

*このコラムは終活に関する一般的な知識や情報提供を目的とするものです。内容の正確さには努めておりますが、必要に応じてご自身で確認、または専門家へご相談ください。このコラムを元にして起きた不利益は免責とさせていただきます。

「Let’s海外終活~終活は新しい大人のマナー」の第1回からのコラムはこちらから。

叶多範子(かなだ・のりこ)

海外終活アドバイザー・弁護士アシスタント
「終活をせずに亡くなった!認知症になって困った!途方に暮れた!!」を、「終活しておいて良かった!」「終活してくれていて、ありがとう!」に変えたい!そんな思いから2020年に終活アドバイザー資格を取得。海外在住の日本人向けの「海外終活」についての講座や説明会、ご相談はブログやFacebookなどのSNSをご覧ください。家族はカナダ人の夫+息子2人+猫1匹、バンクーバー在住。

ブログ: https://globalmesen.com/
Facebook: https://www.facebook.com/noricovancouver
Instagram: https://www.instagram.com/norikocanada/
Line公式: https://line.me/R/ti/p/%40490fuczh
その他SNS: https://lit.link/norikocanada
著書「海外在住日本人のための50代からの終活」:​​https://a.co/d/ad4OeLw

西川流カナダ彩月会第3回「温習会」開催に向けて

「西川流カナダ彩月会」(旧彩月会)、西川佳洋師範(前列中央)を囲んで。日系文化センター・博物館で。2023年2月。写真提供:西川流カナダ彩月会
「西川流カナダ彩月会」(旧彩月会)、西川佳洋師範(前列中央)を囲んで。日系文化センター・博物館で。2023年2月。写真提供:西川流カナダ彩月会

 西川流カナダ彩月会が第3回「温習会」を4月27日に日系文化センター・博物館で開催する。

 「温習会」とは、前回開催からこれまでに習った成果を発表する会のこと。前回は2017年。通常はもう少し短い間隔で開かれるが、今回は2020年からの新型コロナウイルス感染拡大による影響で7年ぶりの開催、そして特別な温習会となる。

 西川流師範西川佳洋(松野洋子)さんは開催を1カ月後に控え、「温習会は、もちろん会のため、1年以上一生懸命踊りのお稽古に励んできたお弟子さんたちの踊りの発表会ですが、(今回は)西川洋香、西川洋雪の『襲名披露の会』でもあります」と胸の内を明かした。

 2023年は、「彩月会」から2人が「名取式」を経て正式に西川流苗字内に入ることになった。かおりリトンさんが「西川洋香」を、芦田有希子さんが「西川洋雪」を授与された。2人は4月1日にオンラインを通してバンクーバーで名取式を終えた後、5月18日に名古屋市の西川流西川会会館を訪問。師匠の西川流四世西川千雅家元と家元補佐2人の前で踊りの披露を終えると、西川洋香、西川洋雪として稽古に励む日々が始まった。

 「彩月会」は、西川千雅家元の承認を得て2023年6月16日に正式名称を「西川流カナダ彩月会」とした。

 そうして迎える今年の温習会。西川佳洋さんにとって特別な思いがある。「4歳の時から踊りを始めまして、50年以上踊りを教えています。西川洋香、西川洋雪の2人が西川流の苗字内に入れることを許されまして、私はとてもうれしくて、長い間踊りを教えて、踊り一筋に生きてきてよかったと思っています」と語っている。

 こうした特別な思いを胸に開催される第3回温習会。春の訪れとともに華やかで伝統的な舞台が待っている。

日本舞踊西川流カナダ彩月会「第3回温習会」

日時:4月27日(土)午後2時開演(1時30分開場)
会場:日系文化センター・博物館(6688 Southoaks Crescent, Burnaby)
入場料:10ドル(チケット問い合わせ先:604-584-8320)
特別ゲスト:フルート演奏者・小西千恵子さん、ピアノ演奏者・Danielle Leeさん

チケットプレゼントのお知らせ

西川流カナダ彩月会「第3回温習会」のチケットを抽選で、2名1組で5組(10名)にプレゼントいたします。ご希望の方は件名に「温習会チケット希望」と明記して、4月15日までにご応募ください。当日会場でチケットをお渡ししますので、メール内容にフルネームをご記載ください。

応募先:promo@japancanadatoday.ca

(記事 編集部)

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ホワイトキャップス快勝、GK高丘は50試合先発出場にクリーンシートで自ら花を添える

 ホーム4連戦の3戦目は快勝だった。GK高丘陽平は随所に好セーブを見せ、今季ホームで初のクリーンシート。この日が自身50試合目の先発出場で、自ら花を添えた。ホワイトキャップスはこの日の勝利で西カンファレンス首位に躍り出た。

4月6日(BCプレース:24,678)
バンクーバー・ホワイトキャップス 4-0 トロントFC
先制は6分。Whiteが相手ディフェンダーがクリアしようとしたボールを奪ってそのままゴール。29分にはFafaが2点目をあげた。後半はイエローカード6枚ともつれた展開となったが、81分にGauldがダメ押しの3点目、さらに89分にもVeselinovićが決めて快勝した。

GK高丘、好セーブ連発で無失点に

試合終了間際、GK高丘は逆方向に反応しながらも左足でシュートを止める。トロントFC戦。2024年4月6日、BCプレース。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
試合終了間際、GK高丘は逆方向に反応しながらも左足でシュートを止める。トロントFC戦。2024年4月6日、BCプレース。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today

 チームが4得点で盛り上がる中、GK高丘は冷静にゴールを守った。前半に片手で止めた場面や終盤の逆方向に来たシュートをかろうじて足で止めた場面も、「ある程度自分としては準備していた」と冷静だった。ただキャップスDFがクリアしたボールが際どいところでポールに当たって逸れた場面ではチームメートと苦笑い。「ラッキーだったなという部分もありましたし」と振り返った。

 シーズン2年目が始まったばかりで、すでに50試合先発出場を果たした高丘。昨季はレギュラーシーズンやプレーオフはもちろん、優勝したカナディアン・チャンピオンシップ、北米3カ国のチームが参加する夏に開催のリーグスカップ、北中米カリブ海サッカー連盟が主催するCONCACAFチャンピオンズ・リーグと、フル出場した大会が多かった。

 50試合先発出場は試合前にチームスタッフから知らされたと言う。「自分がこっちに来てからの日々をちょっと振り返りながら、積み重ねてきて50試合目を迎えられたっていうのはひとつ良かったですし、そういったゲームでクリーンシートで終えられたっていうのは、ひとつうれしいですね」と笑顔を見せた。

 試合後のインタビューではいつも反省を口にする高丘だが、この日は「90 分間通してゲームコントロールできたと思います」と語り、90分の中で相手にもチャンスがあるが、「そういったところで自分の仕事できればなと思って(試合に臨んだので)今日は無失点に抑えられてよかったです」と終始笑顔だった。

次戦はギャラクシーと上位対決、そして日本人対決

 ホワイトキャップスはこの日の勝利で前節まで首位だったLAギャラクシーを抜いて西カンファレンス首位となった。次戦ではそのギャラクシーと対戦する。しかも、ギャラクシーには日本人選手2人が所属。日本代表元キャプテン吉田麻也と今季入団した山根視来だ。

 高丘は「吉田選手もいますし、山根選手もいて、日本人対決っていうところでありますけど」と日本人選手との対戦に期待しつつも、「上位対決というものあってチームとしても上位に残り続ける、 1 位に続ける難しさっていうのはこれから出てくると思うので、そういうプレッシャーのかかった試合の中で結果が出せるようにしたい」と気を引き締めていた。

4月、5月のホームゲームhttps://www.whitecapsfc.com/

4月13日(土)7:30pm LAギャラクシー戦
5月4日(土)7:30pm オースティンFC戦
5月25日(土)7:30pm インテルマイアミFC戦

随所に好セーブを見せるGK高丘。トロントFC戦。2024年4月6日、BCプレース。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
随所に好セーブを見せるGK高丘。トロントFC戦。2024年4月6日、BCプレース。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today

(取材 三島直美/写真・ビデオ 斉藤光一)

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日本酒の美味しさをバンクーバーで発信、酒ワークショップ開催

11社のスタッフが揃って。2024年2月23日、バンクーバー市内。Photo by Japan Canada Today
11社のスタッフが揃って。2024年2月23日、バンクーバー市内。Photo by Japan Canada Today

 日本酒類輸出コーディネーターのアクシスプランニング主催Sake Workshopが2月23日、ブリティッシュ・コロンビア(BC)州バンクーバー市で開催された。会場にはカナダで販売・輸入を手掛ける11社が自慢の日本酒を紹介。販売店関係者や日本酒愛好家などに勧めていた。

 この日会場に訪れたリッチモンド市でプライベート・リカーストア(個人酒店)Lennox Liquorを経営するHenry Leungさんは30~40種類の日本酒を扱っているという。「日本酒はとても人気です。日本には酒蔵がたくさんあると思うので、日本からもっと輸入されることを期待しています」と語った。

カナダでもっと日本酒の魅力を広めたい

 BC州日本酒協会小西隆之会長は、今回は協会に所属している会員だけでなく新しい輸入業者やカナダの酒造会社などにも参加・協力を呼びかけ、「できるだけ一緒にこういうイベントをして普及していきましょう」とカナダの日本酒関連業者が協力して発信していくことになったと話した。

 小西さんによると、カナダには各州に酒類を管轄するLiquor Boardという州立公社がありアルコール類の独占流通をしているため、カナダで酒類を製造・輸入販売する場合には高い税金や輸入・流通コストがかかるという。

 そのため日本酒販売だけではビジネスが成り立たないことも多い。イベントを開催してもプロモーションする自社販売商品ですら小売価格で購入しなければならないと説明する。

 そこで、今回は今年初めて国税庁認定コーディネーターによるイベントとして開催。このようなイベントを開催することで「費用を抑えながら日本酒を紹介できる機会を増やして、業界を盛り上げていこうと企画しています」。日本政府としても日本酒の海外展開に力を入れていく方向だという。

 日本酒販売にコストがかかるカナダだが、日本酒人気はかなり高いという。日本酒の輸出先として、アメリカや中国が多いが、東南アジアに続いてカナダとオーストラリアが7位、8位に来ると話す。欧米ではアメリカに次いで人気があるということで「ポテンシャルは高いと見ています」。高い税率や運送保管費用、州営公社店での少ない取扱量など、現在は高い壁が立ちはだかる状況だが、「業界が一緒になって盛り上げていければと思っています」。

 バンクーバーでは新型コロナウイルス感染規制が解除されて以降、日本酒の販売数は落ちているという。小西さんは「新型コロナが明け、旅行や帰国などでカナダを出るため、それまでお酒にお金を使っていた人が海外で使うようになっているようです」と分析する。2023年後半からそれが顕著に表れたと話す。

 それでも2024年は正常に戻りつつあると感じている。加えて円安の影響もあり海外への輸出を希望する日本の酒蔵も増えてきたという。日本政府も日本酒の輸出促進には積極的で「こういう機会はチャンスだと思って、一般の消費者にも日本酒の良さを知ってもらえるこうしたワークショップを続けていきたい」と語った。

 ワークショップでは日本酒の紹介のほか、料理に合う日本酒の選び方などもセミナー開催し、さまざまな楽しみ方を紹介している。

(取材 三島直美)

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「先祖への敬意を現在につなぐ『チーナ』に込めた想い」Cheena代表ショーン・リトンさんインタビュー(後編)

Cheena代表ショーン・リトンさん。Cheena事務所で。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
Cheena代表ショーン・リトンさん。Cheena事務所で。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today

 両親が立ち上げたビジネスを引き継ぎ、「クオリティに妥協せず、多くの人に喜んでもらえる商品を変わらず届けたい」と話すショーン・リトンさん。ビジネスとして商品開発への意欲を語る一方、「チーナ」がつなげている、先祖、祖母、そして両親への敬意が言葉の端々にあふれていた。

「極上のカナダグルメを楽しんでもらいたい」Cheena代表ショーン・リトンさんインタビュー(前編)

先祖はスコットランドからやってきた冒険家、祖母は著名なアーティスト

 会社名「チーナ(Cheena)」も、そのロゴも、食品を扱う小売店としてはかなり個性的だ。名前やロゴからはすぐにビジネスを想像できない。しかし、そこには先祖への敬意が込められている。

 「チーナ」は1978年にウェイン&かおり・リトンさんが創業した。ショーンさんの両親だ。

 先祖は冒険家として知られたAdam Grant Horneさん。1851年にスコットランドから移住しハドソン・ベイ・カンパニー(HBC)と契約、バンクーバー島ナナイモでの経営を任されていたという。その当時に地元の先住民族と信頼関係を築き、彼らの案内でバンクーバー島を探検したとされている。

 Adam Grant Horneさんのひ孫でショーンさんの祖母Georgina Abrams-Lyttonさんは著名なアーティストで、代表作には先住民族を描いた作品が多い。現在オタワのNational Gallery of Canada(カナダ国立美術館)にも所蔵されている。

 ショーンさんは「祖母はハイダ族ととても親しかったそうです」と話す。そしてその親密な関係を通してハイダ族をテーマにした作品をいくつも描いたと説明した。「その代表作の一つがカヌー(を描いた)作品です」

 1800年代半ばにカナダにやってきて先住民族との信頼関係を大切にしてバンクーバー島を探検した先祖の精神と、ハイダ族と良好な関係を築き、彼らの生活を絵画として残した祖母の思い。ショーンさんは「リトン家の歴史と現在を何らかの形で結びたいと思っていました」と話す。

ハイダ語で「最高のサーモン」を意味する「Cheena」

 ショーンさんによると、チーナのビジネスの始まりはウェインさんの経験とアイデアからだったという。日本からビジネスで来加した水産関係者をブリティッシュ・コロンビア州北部に案内した時、漁をしていた漁師が昆布を捨てていることに気づいた水産関係者が「これは日本では高級食材だよ」と言ったという。

 漁師が捨てていたのは数の子昆布。その言葉からヒントを得て、ウェインさんが数の子昆布を販売することを思いついた。しかもただ販売するだけではなく、きれいに切って化粧箱に入れた。日本へのお土産にサーモンも同様に用意した。当時スライスしたサーモンはなかったと話す。ここからお土産用のスライスしたスモークサーモン販売を思いついた。化粧箱に入れ高級感を出す。「地元産の原材料にこだわりクオリティの高い商品に付加価値を付けて日本向けに販売する」。それにふさわしい会社名は何かと考えたという。

 クオリティの高いカナディアンフードを通して、カナダと日本の架け橋となれる会社にふさわしい名前…。

 その時に先住民族との関係を大事にしているウェインさんの母Georginaさんに思い至った。「そこで祖母を通してハイダ族の首長に話して、自分たちの思いを伝えて父に渡されたのが『チーナ』でした」

 先住民族の首長から名前を与えられるのは稀なことだという。それから「いまでは著名となったアーティストのDonald Yeomanさんと両親とでチーナのロゴを完成させました」

 「Cheena」はハイダ語で「輝くサーモン」や「最高のサーモン」という意味だという。「この名前とロゴが示すものは、最高のカナディアンフード、カナダ産商品だと思っています」とショーンさん。Georginaさんが描いたハイダ族のカヌーの絵とAdam Grant Horneさんファミリーの写真は、チーナの名前とロゴと一緒にカナダ建国150周年を記念する限定ギフトボックスのデザインとなった。

 先祖と祖母がカナダで果たしてきた努力への敬意と両親への思いが一つになった。

日本の顧客に喜んでもらえる商品を

 カナダと日本をカナディアンフードでつなげたいという思いは今も変わらない。「台湾や韓国、中国にも輸出していますけど、最大のマーケットは日本です」と語る。

 常に日本の顧客に喜んでもらえる商品をという思いで商品開発している。「例えば、スモークサーモンジャーキーはビールだけでなく日本酒にも合う『おつまみ』として人気があります」と説明する。

 またメープルシロップは、本来は色が濃いほど濃厚な味わいが楽しめるが日本では淡い色のメープルシロップが好まれるという。そこで、日本向けに「メープルヌーボー(Maple Nouveau)」を用意した。「メープルシロップの収穫シーズンの最初の日に1回だけ採れる貴重なメープルシロップです」。全てのメープルヌーボーには限定番号が付けられ「特別な商品となっています」。

 アジア市場への進出が続くが「日本は私たちにとって最も大切で特別な市場です」とショーンさん。

 日本へのお土産商品から始まった「チーナ」。世代が交代し、事業が拡大しても、1978年にバンクーバーダウンタウン1号店を始めた創業時から、引き継いだフィロソフィーは変わらない。「クオリティに妥協せず、多くの人に喜んでもらえる商品を届けたい」。両親の思いを受け継いで、ショーン・リトンさんの挑戦はこれからも続いていく。

Cheenaカナダ社
1978年ウェイン&かおり・リトンさんがブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市に設立。スモークサーモン商品、メープルシロップ商品を主力として販売。日本や韓国などアジアを中心に展開している。
カナダから日本へ届ける専用サイト(日本語):https://cheenashop.com/
日本国内専用サイト(日本語):https://cheena.co.jp/
北米顧客用シーフード商品サイト(英語):https://cheena.com/
北米顧客用メープル商品サイト(英語):https://mapleterroir.com/

(記事 三島直美/動画 斉藤光一)

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