連邦NDP党首にルイス氏、「より左寄り」な政治を目指すと宣言

 連邦新民主党(NDP)の新党首にアビ・ルイス氏が就任した。NDPは3月29日にマニトバ州ウィニペグ市での党首選投開票結果を発表、5人の候補者で争った結果56%の票を獲得したルイス氏が党首に選ばれた。

 ルイス氏は直後のスピーチでNDPを「みんなで立て直していきたい」と熱く語った。会場にはマニトバ州NDP党首のワブ・キヌウ州首相も出席、ルイス氏の党首就任を祝福した。

 ただNDPの今後の道はかなり険しい。NDPは2025年4月28日に行われた選挙で大敗。24議席から7議席に減らし、公式政党(12議席が必要)の地位を失った。ジャグミード・シング党首(ブリティッシュ・コロンビア州バーナビー・セントラル選挙区)も落選、党首を辞任した。新党首が決まるまではドン・デイビス議員が暫定党首を務めた。この間に議員が1人自由党へと移党したため6議席になっている。

 ルイス党首(58歳)は30日に記者団の前で、党を「より左へと動かす」と語った。政策としては、化石燃料開発を後退させグリーンエネルギー主体へとシフト、超富裕層への税率引き上げ、公共交通機関の無料化、国営の食料品店設置、授業料無償化などを挙げた。

 石油や天然ガスを含む化石燃料開発後退にアルバータ州とサスカチュワン州のNDP党首は反発、ルイス党首から距離を置く構えを見せている。一方で、マニトバ州キヌウ州首相やブリティッシュ・コロンビア(BC)州NDP党首デイビッド・イービー州首相はルイス党首との協力に前向きな姿勢を示している。

 ルイス党首は現在議席を持たない。これまでに2回連邦選挙に挑戦しているが、2021年はウエストバンクーバー=サンシャインコースト=シー・トゥ・スカイ・カウンティ選挙区で、2025年はバンクーバー・センター選挙区で、いずれも3番手で落選している。今後はすぐには議席獲得に走らず、自身の考えを全国に訴えていくとしている。

 BC州バンクーバーを拠点とするルイス党首は、元ジャーナリストでドキュメンタリー映画製作者などの経験を持つ。妻は環境問題を提起した著書「This Changes Everything」が注目を浴びたナオミ・クライン氏。祖父は連邦NDP創設を手助けし1971~75年まで党首を務めたデイビッド・ルイス氏、父は70~78年までオンタリオ州NDP党首でカナダの国連大使も務めたスティーブン・ルイス氏で3月31日に死去が報じられた。

 ルイス氏はユダヤ教徒で、パレスチナ国家承認を支持し、イスラエルによるガザへの対応を「ジェノサイド」と認識するようカナダ政府に要求している。

(記事 北野大地)

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