カナダde着物
第80話
*参列者のキモノ*
旧正月が終わり、バンクーバー近郊の賑やかな雰囲気が静まり始めるころ、暦の上では春が訪れます。
春を司る女神といえば、佐保姫(さほひめ)。さまざまな木々が芽吹き、山全体がふんわりとやわらかく見えることから、山は春の女神がまとう衣に、そして霞(かすみ)はその衣の裾(すそ)にたとえられてきたといいます。
「霞の衣」は初春の季語でもあります。ノースショアの山々が霧に包まれて霞む光景を私たちはよく目にしますが、こうした表現を思い出すと、日々見慣れた景色にもいっそう彩りが感じられますね。

*今日の着物*Today’s Kimono*
「参列者のキモノ」
日本でもカナダでも、年間を通じてさまざまなお祝い事やレセプションが開かれます。そのような場に招かれたとき、「何を着ていこうか」と悩むことはありませんか。
ドレスコードがあったとしても、その場にふさわしい装いかどうか、浮いてしまわないか、日本よりも比較的カジュアルといわれるカナダであっても、会場に着くまで少し不安になることがあります。
日本にルーツを持つ私たちにとって、「せっかくなら着物で参加したい」と思うのは自然な気持ちです。ただ、ここはカナダ。自分が着たいものを着ればよいとはいえ、周囲の目にどのように映るのか、着物で参加してもよいのかと、気になる方も多いようです。
実際に、これまで着物レンタルをご利用いただいたお客様から最も多く寄せられた声は、「着物で行って、会場で目立ちすぎないでしょうか」というものでした。日本人らしい、思慮深く理にかなったご配慮だと感じます。
そこでまず主催者に確認したいのは、そのパーティーの目的や招待客についての情報です。目的によって着物で参加するかどうかを判断し、参加する場合には「慶事(けいじ)」か「弔事(ちょうじ)」かを踏まえ、どのような方々が出席されるのかも知っておきたいものです。
幸い、着物には目的に応じた種類や格式があります。それに沿って選べば、大きく場違いになることはありません。

先日、ある日本人女性の装いのお手伝いをしました。ご子息が結婚され、教会で式をあげ、その後にご家族やお友達と心温まるパーティーをされました。
日本から亡きお母様があつらえてくださった、色無地の着物があるとのことで、お祝いに相応しい「玉手箱」の袋帯を用意しました。
こういった色無地と言われる着物は、とても便利で用途が広いので、最初に着物をあつらえる方にはお勧めしています。
こちらは、青海波という地紋の色無地の着物で、お祝い事にぴったりな生地の柄になります。
カナダ人の皆様に、こういった着物の由来や地紋の意味を説明すると、とても喜ばれます。当地は移民の国で、沢山の国々から集まった人々が一緒に暮らしているので、それぞれのルーツを大事にし尊敬しあうのが、習慣になっているのでしょうね。今回も、お祝いの席で着物について花が咲いたことでしょう。
皆様も是非、機会がありましたら、着物で参列して見てはいかがでしょうか。

コナ ともこ
(和の学校@東漸寺 主宰)
*参照*

「着物語り」
コナともこさんが着物の魅力をバンクーバーから発信する連載コラム。毎月四季折々の着物やカナダで楽しむ着こなしなどを紹介します。
2020年8月から連載開始。第1回からのコラムはこちらから。
コナともこ
アラ還の自称着物愛好家。日本文化の伝道師に憧れ日々お稽古に励んでおります。
15年前からコキットラム市の東漸寺で「和の学校」を主宰。日本文化を親子で学び継承する活動をしております。
年間を通じて季節の行事に加え、お寺での初参り、七五三祝い、十歳祝い、元服祝い、二十歳祝い、結婚式、生前葬、お葬式などの設えと装いのお手伝いもさせていただいております。
*詳しくはコナともこまでお問い合わせ下さい。tands410@gmail.com
東漸寺は非営利団体で、和の学校の収益は東漸寺の活動やお寺の維持の為に使われています。
次女とバンクーバー近郊在住。
《和の学校@東漸寺》
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