初夏 ~投稿千景~

エドサトウ

 朝食をすまして、朝一番でコーヒー豆をグランディングして作ったブラックコーヒーの残りを持って、雲一つない青空が広がり、すっかり青葉の茂れる初夏の風景となりし庭の白いガーデンチェアーに座り、残りのコーヒーをすする。

 遠くから、大通りを走っているであろう通勤の車の音がかすかに聞こえる。7時ころになると朝の少し冷ややかな青空にジェット機が東から西の空へ横切ってゆく。深夜に東部カナダのトロントから飛んできた飛行機かもしれない。バンクーバーの街を通り過ぎて海の上を旋回して空港に着陸するのであろう。東部からくる旅行者、あるいは出張のビジネスマン達の新しい一日が始まろうとしている。

 しばらくすると大型のヘリコプターがゴーとプロペラの音を立てて飛んでいく。

 僕は、また、もう一口、コーヒーをすする。穏やかな初夏の我が家の朝の風景である。すると、交通情報をテレビやラジオに知らせるオレンジ色の小型ヘリコプターが僕の頭上をかすめて飛んでいった。おだやかな朝、穏やかな晩年の人生に何の不服があろうか?

 今日は、ガーデニングに使う小型エンジンの分解修理中のものを終わらせて、向かえ隣に借りた小さな畑に夏野菜づくりの準備をするつもりであるけれど、どうなることやら?風の吹くまま、気の向くままのおもしろき我が人生なり。来月初めに高校時代からの友がバンクーバーに旅行でくるというから楽しみであるが、家の掃除は気持ちが重たい小生である。妻に先立たれた未亡夫の悲しいところでもある。

投稿千景
視点を変えると見え方が変わる。エドサトウさん独特の視点で世界を切り取る連載コラム「投稿千景」。
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