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トルドー首相、別居を発表

 ジャスティン・トルドー首相は8月2日、自身のインスタグラムを更新し、妻ソフィ・トルドーさんと別居することになったと発表した。

 「多くの有意義で困難な話し合いの結果、別居する決断をした」と説明。「これまでと変わらず、私たちが築き上げてきたもの、そしてこれからも築き上げていくものすべてへ、そして、お互いへの深い愛情と尊敬を持つ親密な家族であり続ける」と続けている。そして最後にプライバシーに配慮するよう国民に求めてメッセージを終えている。

 その後、首相事務所(PMO)が、二人が「法的な別居合意に署名した」と公式発表。PMO報道官は声明で、「二人は別居の決定に関して、すべての法的・倫理的措置が取られていることを確認しながら進めてきたし、今後も同様に行っていく」と述べた。

 二人は結婚18年で、3人の子どもがいる。別居後も共同養育するとしている。

 在任中に別居した首相は、ジャスティン・トルドー首相の父、故ピエール・トルドー元首相以来2人目。

(記事 編集部)

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7月の失業率はほぼ横ばいも、景気後退の前兆を示す

 カナダ統計局は8月4日、7月の雇用統計を発表した。7月の雇用者数は6,400人減のほとんど変化なしと報告。ただ、失業率は0.1ポイント悪化の5.5%となり、3カ月連続で上昇した。

 業種別では、建設業(45,000人、2.8%減)、行政(17,000人、1.4%減)、情報・文化・娯楽業(16,000人、1.8%減)、運輸・倉庫業(14,000人、1.3%減)の4業種で雇用者数が減少した。一方で、医療・社会補助(25,000人、0.9%増)、教育サービス(19,000人、1.3%増)、金融・保険・不動産・賃貸・リース(15,000人、1.1%増)、農業(12,000人、4.6%増)の4業種では雇用が増加した。

 地域別では、アルバータ州(12,000人、0.5%増)、ニューブランズウィック州(4,200人、1.1%増)、プリンスエドワード島州(1,500人、1.7%増)で雇用が増加したが、マニトバ州(6,400人、0.9%減)、サスカチュワン州(5,700人、1.0%減)では減少した。その他の州では、ほとんど変化がなかった。

 統計局によると、1月から7月までの月間平均雇用者数は22,000人増加したが、1月から7月にかけての雇用率は0.5ポイント下降しているという。理由については、この期間に、人口の1.4%伸びに対して、雇用は0.7%しか伸びなかったためと説明している。人口が増加した理由はカナダ政府による移民受け入れ増加のためで、移民者の中心的労働年齢層の就職率は昨年同期比で2.3%減少したと報告している。

 失業率は5月の0.2%、6月0.2%に続き、7月も0.1%上昇した。失業率が3カ月連続で上昇したのは、新型コロナウイルス感染拡大初期の数カ月以来とも報告している。

 TDの最新予測によれば、景気は減速を続け、2024年第4四半期の失業率は6.5%まで上昇するという。

 カナダ銀行はインフレ率を抑えるために7月には政策金利を5%に引き上げた。金利引き上げの影響は徐々に国民の生活に影響を与えていくと専門家は予測している。

 カナダ銀行の次の発表は9月。今回の雇用統計がどのように影響するか注目されている。

(記事 編集部)

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プライドウィーク開幕、バンクーバー市役所にレインボー旗はためく

バンクーバー市役所前に掲げられたプライドウィーク開始を告げるレインボー旗。2023年7月31日、バンクーバー市。Photo by Japan Canada Today
バンクーバー市役所前に掲げられたプライドウィーク開始を告げるレインボー旗。2023年7月31日、バンクーバー市。Photo by Japan Canada Today

 バンクーバー市役所にレインボー旗が7月31日からはためいている。掲げられたのは、トランスジェンダー旗とプログレスプライド旗。

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州バンクーバーでは、28日からプライドウィークが開幕。2SLGBTQ+コミュニティの祭典が始まり、ダウンタウンのデイビィ・ストリートを中心にイベント盛りだくさんの1週間。

 そしてメインイベントはやっぱりプライドパレード。今年は5日、6日と2日間に渡り開催される。

 バンクーバー市役所では毎年プライドウィーク時にレインボー旗を掲げている。

プライドパレード2022。7月31日バンクーバーダウンタウン。Photo by Koichi Saito
プライドパレード2022。7月31日バンクーバーダウンタウン。Photo by Koichi Saito

(記事 編集部)

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トルドー首相、大規模内閣改造を実施も大臣の男女同数は変わらず

 ジャスティン・トルドー首相は7月26日、大規模な内閣改造を実施した。変更がなかったのは8大臣のみ。今回入閣しなかった7元大臣のうち、4人は次期選挙に出馬しない意向を内閣改造前から公表、3人は議員を続けるも入閣できなかった。

 注目されたのは、アニタ・アナンド元国防大臣。2021年10月に就任して以来、ロシアのウクライナ侵攻など難題に当たっていたが、今回は予算庁長官に就任。国防大臣には元緊急事態準備大臣のビル・ブレア議員が就任した。

 トルドー首相と親しいとされるドミニク・ルブラン州政府間関係大臣は、公安大臣を兼任する。住宅問題・インフラ・コミュニティ大臣には元移民大臣のショーン・フレーザー議員が若干39歳で就任。トルドー政権にとって次期選挙までに大きな課題となる住宅問題に当たる。

 現在開催されているFIFA女子ワールドカップの1次ラウンドで敗退したサッカー女子代表とサッカーカナダとの問題などに当たるスポーツ大臣には元雇用・労働力開発・障害者対策大臣のカーラ・クアルトゥロウ議員(ブリティッシュ・コロンビア州選出)が再就任。本人もパラリンピックに出場した経歴を持つ。

 フェイスブック・インスタグラムを運営するMetaのカナダニュース排除問題などに当たる遺産大臣には元スポーツ大臣のパスカル・セント‐オンジ議員が就任した。

 今回の内閣改造で変更がなかったのは、クリスティア・フリーランド副首相兼財務大臣、メラニー・ジョリー外務大臣、フランソワ-フィリップ・シャンパーニュ革新・科学・産業大臣などの主要閣僚。

 新人では、新しく創設された市民サービス省の大臣にBC州バーナビーノース‐シーモア選挙区のテリー・ビーチ議員が就任した。

 トルドー首相は、「住宅、生活費のインフレ、金利など、我々は大きな経済的課題に直面している」と記者会見で語り、新閣僚と新たな挑戦にフレッシュなエネルギーを取り入れることは経済チームにとって重要だったと説明した。今回の内閣改造でも、トルドー首相を除いて、大臣は女性19人、男性19人で男女同数となっている。

 次期選挙は2025年秋の予定。7月26日にアバカスが発表した世論調査の結果では、保守党支持が38%で自由党の28%を上回っている。

(記事 編集部)

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行方不明のサレーの子ども2人を無事保護、大人2人を逮捕

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州サレーRCMP(連邦警察)は、7月19日からアンバーアラート(緊急速報)を発令して行方を探していたBC州サレー市の子ども2人がアルバータ州で見つかったとして、緊急速報を解除したと30日に発表した。

 31日には記者会見を開き、詳細を発表。アルバータRCMPの協力の下、30日午後7時20分ごろに男の子(10歳)と女の子(8歳)を無事保護し、アルバータ州で待っていた父親に引き渡したと報告した。

 また、子どもたちと一緒にいた大人3人のうち、ヴェリティ・ボルトン容疑者(45歳)とアブラグザス・グラゾフ容疑者(53歳)を逮捕、もう一人は拘束したが逮捕していないと発表。31日には、ボルトン容疑者は親権命令に反する誘拐2件の罪で、グラゾフ容疑者は14歳未満の誘拐2件の罪で起訴され、アルバータ州で出廷すると説明した。

 5人はエドモントン市から東に200キロの町エドソンにある住宅にいたという。子ども2人が最後に目撃された町から700キロ離れていた。

 サレーRCMPは、BC州のみならず、アルバータ州や遠くはニューブランスウィック州まで市民から435件の通報があったと公表し、市民やメディア、他の警察機構の協力に感謝した。

*7月30日に、子どもが無事保護され、アンバーアラート(緊急速報が)が解除されたことから、子どもたちのプライバシー保護のため、2人の名前と写真は、全ての記事から削除しました。容疑者の名前は警察の発表通り公表しています。

(記事 編集部)

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サレーの子ども2人が行方不明で緊急速報を発令、母親が誘拐か

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州のサレーRCMPは7月19日、サレー市在住の子ども2人が誘拐されたとして、アンバー・アラート(緊急速報)を発令した。

 行方不明となっているのは女の子(8歳)と男の子(10歳)。2人は母親のヴェリティ・ボルトンさん(45歳)に誘拐されたと見られている。

 子どもたちは6月28日にサレーを離れた。ヴェリティさんとケローナ市でキャンプ旅行をし、7月17日に第一次親権者の父親のもとに戻る予定だったが、帰ってこなかった。のちの捜査で、子どもたちとヴェリティさんが訪れるはずだったキャンプ場の予約は、キャンセルされていたことがわかった。

 2人が最後に目撃されたのは7月7日。メリット市のガソリンスタンドの防犯カメラに2人の姿が写っていた。その後、7月15日にヴェリティさんがカムループス市の食料品店で目撃されたが、店内に子どもたちの姿はなかった。

 また20日の警察発表によると、ヴェリティさんは、彼女の父親と交際相手のアブラクシス・グラゾフさん(53歳)と共にいる可能性があるという。

 警察は、ヴェリティさんの精神状態、健康状態、また子どもたちの世話をする能力に対して懸念を抱いている。そのため、子どもたちと大人3人の画像、特徴、車両情報などを公開し、情報提供を呼びかけている。

 警察は、もし子ども2人や、ヴェリティさん、もしくは公開しているヴェリティさんらが使っていると思われる車を見かけた場合には、近づいたりせずに警察に911通報するよう呼び掛けている。RCMP公開情報: https://www.emergencyinfobc.gov.bc.ca/amber-alert-19jul23/

*7月30日に、子どもが無事保護され、アンバーアラート(緊急速報が)が解除されたことから、子どもたちのプライバシー保護のため、2人の名前と写真は、全ての記事から削除しました。容疑者の名前は警察の発表通り公表しています。

(記事 編集部)

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メトロバンクーバーで飲料水確保のため、ステージ2の散水制限を実施

芝生の水まき規制が5月1日から始まる。Photo from Metro Vancouver Facebook
芝生の水まき規制が5月1日から始まる。Photo from Metro Vancouver Facebook

 メトロバンクーバー広域連合は、8月4日(金)より、すべての芝生への散水を禁止する散水制限ステージ2を実施すると7月28日に発表した。今年5月1日から節水のステージ1を実施しているが、引き続き高い水需要と暑く乾燥した天候が予想されるため節水のステージを引き上げると説明している。

 メトロバンクーバーでは通常、毎日10億リットルの処理済み飲料水を供給しているが、夏場は芝生の散水など屋外での使用などで、その量は50%以上も増加。今年は5月に入ってから地域全体の水の消費量は昨年より約20%増加しているという。

住宅用の節水ステージ2は以下の通り。

  • 芝生への散水は一切禁止
  • 樹木、低木、草花には、手撒き、浸水ホースや点滴灌漑は常時利用可
  • 菜園はいつでも水やりが可能
  • 噴水のような水場は使用不可
  • 限られた状況を除き、車道や歩道などの洗水禁止

 商業用など非住宅用施設も同様の制限を受ける。また、ゴルフコースやスポーツフィールドでの散水量は減少させる必要があるが散水は可能。水遊び場は、利用者が操作できるスイッチがない限り、運営することはできない。

 違反した場合は、1件につき最高500ドルの罰金が科せられる。

 前回メトロバンクーバーがステージ1を超えたのは2015年。この年は比較的乾燥した状況で積雪量も少なかった。

 水の使用制限は、メトロバンクーバーの飲料水節約プランの一環。水需要の多い時期や、水不足時、緊急時に、飲料水の屋外での使用を管理するために、加盟自治体やその他の利害関係者とともに策定された地域政策。

 メトロバンクーバー広域連合は、21の自治体、1つの選挙区、1つの先住民族からなる連合体であり、地域規模のサービスを共同で計画・提供している。https://metrovancouver.org/

(記事 編集部)

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BC州政府、サレー市に市警察SPSへの移行計画続行を命じる

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州サレー市の警察組織を、計画通り市独自の組織SPS(Surrey Police Service)に移行するかRCMP(連邦警察)を保持するかの問題で、州政府が決断を下した。BC州政府マイク・ファーンウォース公安大臣は7月19日、サレー市にSPSへの移行計画を継続するよう指示した。

 サレー市議会は6月にRCMP保持を可決した後、州政府の判断を待っていた。ファーンウォース大臣は「サレー市民とBC州民双方の安全性を維持する道は、SPSをおいてほかにない」とし、カナダ国内のRCMPが人員確保に悩むなか、サレーRCMPが他地域のRCMPからの補充なしに必要な人員を確保する策を打てなかったと話した。

 SPS移行にあたり、州政府は1億5,000万ドルを支援するほか、戦略的アドバイザーとして、元BC州副首相でBC Hydro元CEOのジェシカ・マクドナルド氏を指名した。BC州政府は決定への報告書を公開している。

 サレー市では、2018年からダグ・マッカラム前サレー市長がSPS移行を進めていたが、ブレンダ・ロック現サレー市長と市議会はRCMP保持を主張。それに対し州政府はSPS移行を支持し、事態が二転三転した。ロック市長は州政府の決定について「見当違いであり、不正確な仮説に基づいている」と非難している。

(記事 編集部)

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BC州山火事、すでに過去最大面積を焼失

Wildfire in Donnie Creek, BC on May 28, 2023. Photo from BC Wildfire Service Twitter
Wildfire in Donnie Creek, BC on May 28, 2023. Photo from BC Wildfire Service Twitter

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州で続いている山火事の勢いが止まらない。The BC Wildfire Serviceが7月20日に発表した報告によると、現在州内では379カ所で山火事が発生、約半分は制御不可能としている。

 焼失面積は14,536平方キロメートルで、2018年の最大記録13,543平方キロメートルをすでに超えている。しかも山火事シーズンはこれからが本番。The BC Wildfire Serviceは、これからも晴天が続き、州全土で極度に乾燥した状態となっているため、山火事の発生も多くなると予想している。

 BC州政府ボウイン・マー危機管理大臣は18日、連邦政府からの支援を受けることになったと発表。カナダ軍と沿岸警備隊が消火活動の応援に駆け付ける。マー危機管理大臣は、「カナダ軍は消火活動に直接関与し、孤立したコミュニティの避難や計画・調整支援など、機動性と後方支援のためにヘリコプター2機とハーキュリーズ1機を提供する」と説明。カナダ沿岸警備隊は、BC州森林火災局の事故指揮所の管理、運営、管理活動を支援するなどの任務を担う。

 現在BC州では他州からのほかに、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、メキシコからも応援に来て、消火活動にあたっている。

(記事 編集部)

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カナダ6月のインフレ率は2.8%も、食料品は依然高く9%上昇

 カナダ統計局は7月18日、6月の消費者物価指数(CPI)を発表。5月の3.4%上昇に続き、6月は前年同月比2.8%上昇した。ただ、上昇率は鈍化しており、2021年3月以降では最も低い水準。

 減速幅はかなり広範で、ガソリン価格の下落が全体のインフレ率鈍化を導いたが、ガソリンを除いたインフレ率は、5月の4.4%に続き6月も4.0%上昇した。

 インフレ率上昇の要因は食料品と住宅ローン金利。6月の食料品価格は9.1%、住宅ローン金利は30.1%上昇した。

 食料品価格は5月の上昇率9.0%からほぼ横ばいとなったが、全項目の中では依然として高い。食料品の中でも上昇率が高かったのは、肉類6.9%、ベーカリー製品12.9%、乳製品7.4%、その他の調理食品10.2%。生鮮果実価格は、前年同月比10.4%と5月5.7%を上回った。外食は6.6%で、5月6.8%よりやや下がったものの、引き続きCPI上昇に貢献している。

 6月のガソリン価格は、前年同月比21.6%下落で、5月の18.3%を上回る下落率となった。ガソリン価格以外にも、携帯電話サービスが14.7%減、5月の8.7%より下落した。データプランの価格下落とプロモーションによるところが大きいとしている。また、インターネット価格も3.2%下落。主にオンタリオ州とケベック州でのプロモーションが価格下落を引き起こしていると分析している。

 住宅ローン金利の上昇は、カナダ銀行の政策金利引き上げが大きく影響している。カナダ銀行は今月政策金利を5%とし、2022年3月から10回金利を引き上げている。

(記事 編集部)

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BC港湾労働組合、再ストライキ通告も数時間後に取り下げ

バンクーバー市ウォーターフロントにあるカナダ最大の貨物港バンクーバー港。Photo by Japan Canada Today
バンクーバー市ウォーターフロントにあるカナダ最大の貨物港バンクーバー港。Photo by Japan Canada Today

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州の港湾労働組合が7月19日に出した72時間前再ストライキ通告を数時間後に取り消した。労使交渉で再び決裂したことによるストライキ再開が回避されることになった。

 7月13日、港湾労働者組合(International Longshore and Warehouse Union:ILWU)と雇用者団体(B.C. Maritime Employers Association:BCMEA)は暫定合意に達し、ストは終了した。しかし合意を承認する段階になって、ILWUは、調停者が示した和解条件では現在または将来の組合員の仕事を守ることができないとし、これを拒否してスト再開を決めた。

 当初、ILWUは即日の7月18日にストを再開する予定だった。しかし連邦政府シームス・オレガン労働担当大臣が、第三者機関the Canada Industrial Relations Board (CIRB) が19日に72時間前の事前通告なしにストに入るのは違法であると決定したと言及。それを受け、19日朝に72時間前スト再開を通達、22日午前9時からストライキに入る予定だった。取り下げの理由は明らかにされていない。

 7月1日から2週間にわたって行われたストは、運送業を始めとする各方面に大きな悪影響を与えた。Greater Vancouver Board of TradeのCEOブリジット・アンダーソン氏は声明で、前回のストで約10億ドルの貿易品が影響を受け、解雇やビジネス閉鎖など深刻な事態を引き起こしたとしている。そのうえでスト再開となれば、ビジネスにさらなる打撃を与え、貿易パートナーとしてのカナダの国際的な信用も失墜するだろうと憂慮していた。

 BCMEAは19日の声明で13日に暫定合意に至った協定では、「ILWU労働者は4年間で19.2%の賃上げを受けることになり、その結果、ILWUの平均収入は、手当や年金を含めず、136,000ドルから162,000ドルに上昇することになる。提案された賃上げは業界平均を大きく上回っているが、ILWUリーダーシップはこれでは不十分だと判断した」と発表していた。

(記事 編集部)

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カナダ銀行、政策金利を5%に引き上げ

 カナダ中央銀行が政策金利を0.25%引き上げ、5%とした。今年3月、4月の発表では据え置いたものの、6月から引き上げを再開。中央銀行が2022年3月以降で金利を引き上げるのは今回で10回目となった。政策金利が5%となるのは、2001年4月以来。

 7月12日の声明でカナダ銀行は、「世界的なインフレは、エネルギー価格の下落と物価インフレ率の下降により緩和している。しかし、堅調な需要と逼迫した労働市場が、サービス業に持続的なインフレ圧力をもたらしている」と説明。「カナダ経済は予想以上に好調で、需要の勢いが増している。第1四半期の消費成長率は5.8%と驚くほど堅調」と好調なカナダ経済がインフレ率が予想以上に下がらない理由の一つとしている。加えて、前週にカナダ統計局が発表した労働市場調査報告によると6月の労働市場は6万人の雇用増加、住宅市場も好調を維持しているとも説明した。

 また、金利上昇が経済に浸透していくにつれて、今年後半から来年前半にかけて経済成長が鈍化し、平均1%程度になると予測。2023年の実質GDP(国内総生産)成長率は1.8%、2024年は1.2%と予測した。しかし、来年初頭には緩やかな供給過剰に転じ、2025年には2.4%に成長率が回復するとしている。

 カナダの5月のインフレ率は3.4%で、昨夏ピーク時の8.1%から大幅に下がっている。今年に入ってからのCPIインフレ率はほぼ予想通り下がっているが、その勢いはエネルギー価格の下落によるところが大きく、基調的インフレ率の緩和によるところは小さいと分析している。CPIインフレ率は、今後1年間は3%前後で推移し、2025年半ばに2%まで徐々に下降すると予測している。

 そのため、今後も政策金利引き上げの可能性が予想されている。次回の発表は9月6日の予定。

(記事 編集部)

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