スタンレーパークの樹木16万本伐採に反対の声高まる

ダウンタウンバンクーバーから臨むスタンレーパーク。File Photo by Japan Canada Today
ダウンタウンバンクーバーから臨むスタンレーパーク。File Photo by Japan Canada Today

 スタンレーパークの約16万本の木を伐採するというブリティッシュ・コロンビア(BC)州バンクーバー市の計画に反対の声が高まっている。2月8日に始まったオンライン請願書には3月20日時点で16,000人以上の署名が集まった。

 バンクーバー公園庁はすでに伐採を始めている。バンクーバー市当局によると、スタンレーパークではヘムロック・ルーパー蛾が大量発生し、ウエスタン・ヘムロック、ダグラスファー、グランドファーを含む多くの木に被害を与えているという。木の除去は森林全体の環境を改善し、人身事故や森林火災のリスクを軽減すると説明する。

 同庁は、伐採されているのは死んだ木で、その大部分がヘムロックであると話している。そして今後はレッド・シダーやダグラスファーなど、森林火災やルーパー蛾になどに対してより強い品種に取って代わるだろうと期待している。

 しかしオンライン請願者を始めたマイケル・カディッツ氏は、バンクーバー市は木の除去に関する科学的根拠を示しておらず、多くの「健康に見える木」も伐採されているとウェブサイト内で主張。今回の措置に関して住民の意見を聞くパブリック・コンサルテーションが不十分で、木の除去は生態系に悪影響を与えるとも訴えている。除去に反対している環境活動家たちは、新しい木が成長するまでに数十年かかると懸念を示している。

 バンクーバー市は16万本を今後5年で除去する予定。

(記事 編集部)

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