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Naomi Mishima

Naomi Mishima
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“Past Lives”
カナダ育ちの韓国人女性監督が贈るラブストーリー

映画 "Past Lives"; Photo courtesy of Elevation Pictures
映画 "Past Lives"; Photo courtesy of Elevation Pictures

こんにちは。バンクーバー在住の映画・ドラマライター、Lala です。

映画館で観られる大型映画だけでなく、ストリーミングサービスのドラマや小さな劇場でのインディペンデント作品まで、おススメの作品をどんどん紹介していけたらと思っています。

今回紹介するのはこちら。

「Past Lives 」(2023)セリーヌ・ソン監督

年初に開催されたサンダンス映画祭で絶賛を浴びて、2月のベルリン映画祭でも好評だった「Past Lives」(セリーヌ・ソン監督)。ずっと観たいなと思っていたところやっとバンクーバーでも上映になったので行ってきました。実はラブストーリーはそこまで好みではない私ですが、この映画は別格でおススメです。

12歳の時に韓国からカナダに家族と移り住み、現在はニューヨークでアメリカ人の夫アーサー(ジョン・マガロ)と暮らすノラ(グレタ・リー)。そんな彼女に会いに、幼い頃韓国で特別な相手だったヘ・ソン(ユ・テオ)が訪ねてやってくる。ニューヨークの街を観光するノラとへ・ソンの距離は時を超えてあっという間に縮まるが・・・というストーリー。そんな二人とアーサーの姿を観客は静かに見守り、時にハラハラしたりもするわけです。

映画自体はとても静かなトーンで進みます。「で、結局ノラは誰を選ぶの?過去なんて美化されるもんなんだから現実を見なさい!」と気持ちが早まる私も、登場人物たちの会話と演技が素晴らしくすごく豊かな小説を読んでいるように引き込まれていきました。今生きている人生って過去の何重もの自分の選択で作られているんですよね。

もしもあの時違った選択をしていたら、という「もしも・・・」のストーリーは珍しいものではないけれど、ここですごく私に刺さったのはノラが移民の子という背景。韓国を出ることを選んだのは彼女ではない点なんですよね。もしあのまま韓国で育っていたらヘ・ソンと恋人になっていたのか、それ以上に韓国人としてどんな人生だったのだろう、と考えてしまいました。実はソン監督自身も子どもの頃に家族とカナダに移住したそうです。10代での移住は言葉の習得だけでなくアイデンティティの形成にもとても大きな影響を与えるものです。北米で育ったアジア系として今の居場所を築いた彼女が紡ぐ「もしも」の物語は、カナダで移民として住んでいる私の中にもとても深く響きいろいろ考えさせられました。

Past Lives・・・「前世」、というタイトルの意味にもつながるエンディングは本当にもうヤラレタ!という感じです。俳優たちの演技、セリフ、間の取り方、ロケーションやカメラワークなども完璧で素晴らしいのだけど、そんな小難しい事は抜きにしてラブストーリーなんて普段は興味のない私も久しぶりにジーンときてしまうほどでした。

ソン監督はこれが監督デビュー作。半分以上?韓国語のアメリカ映画、おまけに切ない静かなラブストーリーなんて、少し前なら絶対に資金を集めることも配給先を見つけるのも難しかったと思われます。この流れに乗って今後も素敵な作品をどんどん作ってもらえたらな、と期待させてくれる一人です。

カナダではElevation Picturesが配給。

バンクーバーでの上映が少なすぎるので、正直もっと上映すべきー!と付け加えておきます。

バンクーバーでは5th Ave Cinemaで上映です。

映画 "Past Lives"; Photo courtesy of Elevation Pictures
映画 “Past Lives”; Photo courtesy of Elevation Pictures
映画 "Past Lives"; Photo courtesy of Elevation Pictures
映画 “Past Lives”; Photo courtesy of Elevation Pictures

Lalaのシネマワールド
映画に魅せられて

バンクーバー在住の映画・ドラマ好きライターLalaさんによる映画に関するコラム。
旬の映画や話題のドラマだけでなく、さまざまな作品を紹介します。掲載は不定期です。

Lala(らら)
バンクーバー在住の映画・ドラマ好きライター
大好きな映画を観るためには広いカナダの西から東まで出かけます
良いストーリーには世界を豊にるす力があると信じてます
みなさん一緒に映画観ませんか!?

友きたる2 ~投稿千景~

エドサトウ

 帰りのフェリーのラウンジの椅子にすわり、西に傾く太陽の光がキラキラする海を見ながら、彼とずうっと話をしていた。

エドサトウさん(右)と友人、ビクトリア市内で。Photo by Ed Sato
エドサトウさん(右)と友人、ビクトリア市内で。Photo by Ed Sato

 恩師の話、友の話、彼が今かかわっているNPOのプロジェクトの話などから、今の環境問題などを話しあった。彼が今取り掛かっているプロジェクトは地元の有り余る竹を使って、海を豊かにする仕事らしい。つまり、不必要になった竹を海岸の海中に固定して、魚が生育しやすい環境を創ることらしい。うまくゆけば、魚介類が増える可能性が考えられることは、この先の将来が楽しみであり、次の世代に豊かな海を残せるかもしれない。近年、日本の近海で漁獲量の不振が続いているのは、海流の温度が変化しているためでもあるらしいと彼は言う。

 僕の知識から言えば、今は太陽の活動の弱い時期の小氷河期に入っているのではと思うのである。そうなれば、益々、冬の暖房の為の燃料を消費せねば、現代文明は、維持できなくなるのではと、考えられなくもない。

 いやいや、何が正論で何が悪なのかよくわからないのが、二人の合意点であった。

 そんな話を1時間以上もしたであろうか、フェリーは港に近くなり、船内アナウンスで「まもなく船は接岸するので、お客様は車にお戻りください」と放送があった。北国の夏は、まだ8時過ぎでも明るい夕暮れ時である。そこからホテルまで友を送りとどけて、今日も無事に、穏やかに暮れてゆくのである。

 「だれも行ったこともない場所に行け!だれもやらなかったことをやれ!」と出口治明(APU学長)は若い人に言っておられる。友と僕の人生もまた、これと似た人生かもしれないと思いを巡らすのである。

ビクトリアにあるエンプレスホテル。Photo by Ed Sato
ビクトリアにあるエンプレスホテル。Photo by Ed Sato

投稿千景
視点を変えると見え方が変わる。エドサトウさん独特の視点で世界を切り取る連載コラム「投稿千景」。
これまでの当サイトでの「投稿千景」はこちらからご覧いただけます。
https://www.japancanadatoday.ca/category/column/post-ed-sato/

高畑勲監督デビュー作品「太陽の王子 ホルスの大冒険」バンクーバーで上映

「太陽の王子 ホルスの大冒険」の一場面。Photo provided by The Cinematheque
「太陽の王子 ホルスの大冒険」の一場面。Photo provided by The Cinematheque

 ジブリ映画でお馴染みの高畑勲監督の初長編アニメーション作品「太陽の王子 ホルスの大冒険」(英題:Horus, Prince of the Sun)がバンクーバーで上映される。

 上映館The Cinemathequeは、「高畑は、セルゲイ・エイゼンシュテインの『アレキサンダー・ネフスキー』の壮大なスケールと、この作品の5年前に自身が演出助手を務めた『わんぱく王子の大蛇退治』からインスピレーションを受けたようだ」と解説する。

 映画は、若き英雄ホルスが、才能と問題を抱えたヒルダや仲間と共に、恐るべき悪党グルンワルドを太陽の剣で倒すまでの冒険物語。

 「人間の葛藤と自然界の淡々とした美しさの間の野心的なバランスは、高畑監督のデビュー作を際立たせている」と評価。この作品で、高畑監督と宮崎駿監督が初めてアニメ制作で交わることになったことも紹介している。

 上映は2回。1回目は英語吹き替え版で、2回目は日本語の英語字幕版。日本語の声の出演には、市原悦子、平幹二朗、横森久、横内正、東野英次郎などの俳優陣が名を連ねている。1968年の作品。

「太陽の王子 ホルスの大冒険」

上映日時:
6月18日(日)11:00am(英語吹き替え版)
7月2日(日)4:00pm(英語字幕版)

会場:The Cinematheque(1131 Howe Street, Vancouver, BC)

ウェブサイト:https://thecinematheque.ca/films/2023/horus-prince-of-the-sun

「太陽の王子 ホルスの大冒険」の一場面。Photo provided by The Cinematheque
「太陽の王子 ホルスの大冒険」の一場面。Photo provided by The Cinematheque

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トロント日本映画祭で上映の2作品「ラーマ―ヤナ ラーマ王子伝説」「土を喰らう十二ヵ月」、バンクーバーでも上映決定

 現在開催されているトロント日本映画祭2023。カナダで邦画が集結する映画祭として毎年人気を博している。

 その中から今年バンクーバーで上映されることが決定している2作品、「ラーマ―ヤナ ラーマ王子伝説」と「土を喰らう十二ヵ月」を紹介する。

「ラーマーヤナ ラーマ王子伝説」(原題:Ramayana: The Legend of Prince Rama)

「ラーマ―ヤナ ラーマ王子伝説」より。Photo provided by Momo Films
「ラーマ―ヤナ ラーマ王子伝説」より。Photo provided by Momo Films

 1992年に製作された日印合作の隠れた傑作長編アニメーション映画が、新たに4Kデジタルリマスター版として復活する。ヒンドゥー教の聖典でありインドの2大叙情詩のひとつとも言われる「ラーマーヤナ」を日本が誇るハイクオリティなアニメ技術によって映画化。

 インドからはインドアニメ界の最高峰ラム・モハン氏が、日本からは佐々木晧一氏が、監督して参加。さらにインドから当代一流のシナリオライターや音楽監督、美術家、映画俳優が参加し、日本からは宮崎駿監督作品でも活躍していたアニメーターたちを含め総勢450人による10万枚以上の手書きセル画で、約8億円、9年をかけて完成した作品。

ストーリー

古代インド、コーサラ国の王城アヨーディアでは、3人の王妃に4人の王子が生まれ、それぞれ立派に成長した。宮廷内の陰謀により14年間にわたり宮殿を追放された王子ラーマは、絶世の美女シータ妃をともなって森に隠棲していた。そんな折、森の悪魔を退治したラーマは魔王ラヴァナの怒りをかい、妻シータを誘拐されてしまう。

猿軍の協力を得てシータの救出に向かうラーマ。しかし強力なラヴァナ軍との戦闘中に弟ラクシュマナは瀕死の重傷を負う。このとき猿軍の将ハヌマ-ンが天翔けてヒマラヤに飛び、傷を癒す薬草の生えた山をそのまま担いで運び、弟ラクシュマナの命を救う。やがてラーマ軍は“天の武器”を使ってラヴァナ軍を倒し、アヨーディアに凱旋する。

トロント日本映画祭上映:6月18日(日)午後1時

バンクーバーでは、VIFF Centre、RIO Theatreなどで上映予定。日時は未定。

「土を喰らう十二ヵ月」(英題:The Zen Diary)

「土を喰らう十二ヵ月」より。Photo provided by Momo Films
「土を喰らう十二ヵ月」より。Photo provided by Momo Films

 沢田研二、松たか子主演、料理研究家・土井善晴が料理監修を務めた話題作。長野の雄大な自然を背景に、四季折々の食で綴る人生ドラマ。

 監督・脚本は「ナビィの恋」「ホテルハイビスカス」の中江裕司。脇を固めるのは、西田尚美、尾美としのり、檀ふみなどのベテラン俳優。原案は、水上勉の料理エッセイ「土を喰う日々-わが精進十二ヵ月-」(新潮文庫)。

 バンクーバーではVIFF Centreで9月に上映が決定している。

ストーリー

作家のツトムは人里離れた長野の山荘で一人暮らしをしている。山の実やきのこを採り、畑で育てた野菜を自ら料理し、季節の移ろいを感じながら、原稿をしたためている。時折、担当編集者で恋人の真知子が、東京から訪ねてくる。食いしん坊の真知子とふたり、旬のものを料理して一緒に食べるのは楽しく、格別な時間。歳の離れた恋人がいて、悠々自適な暮らしをするツトムだが、13年前に亡くした妻の遺骨を墓に納められずにいる。

トロント日本映画祭上映:6月17日(土)午後7時

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「夢はアメリカでスポーツアナリスト!」福田泰雅さん:iTTTiバンクーバー~私のカナダ留学体験物語~

メイプルリーフ・ジャーニー :私のカナダ留学体験物語
“Maple Leaf Journey: My Canadian Study Abroad Story”

福田泰雅(ふくだ たいが)さん  16才 香川出身、兵庫在住
iTTTi Vancouver(イッティ・バンクーバー)www.ittti.ca
5カ月コース(インタビュー時2カ月半経過)

福田泰雅さん(16才)香川出身、兵庫在住。 iTTTi Vancouver(イッティ・バンクーバー)5カ月コースに通っている。Photo by Koichi Saito
福田泰雅さん(16才)香川出身、兵庫在住。 iTTTi Vancouver(イッティ・バンクーバー)5カ月コースに通っている。Photo by Koichi Saito

カナダ留学のきっかけと目的:将来、私はスポーツアナリストとして働きたいです。スポーツアナリストは選手個人やチームに対して有益な情報収集、分析、データ解析などの仕事をします。英語ができることは有利だと考え、留学を決めました。最終的にはアメリカでスポーツアナリストとして働き、親に恩返ししたいと思っています。

通っている英語学校iTTTi Vancouverについて:先生方がとても丁寧に教えてくれますし、さまざまな国の生徒と交流しながら学ぶ機会も多くあります。この学校を選んで本当に良かったと思っています。最初はBe動詞が何なのかさえよく分からなかったのに、学校内ではEnglish Only(英語のみ使用する)という環境でとても大変でした。でも、単語を組み合わせるなどして積極的に話すように心掛けました。2カ月半が経ち、毎日が楽しく過ごせています。

バンクーバー・ダウンタウンにあるiTTTi Vancouverでの授業風景。Photo by Koichi Saito
バンクーバー・ダウンタウンにあるiTTTi Vancouverでの授業風景。Photo by Koichi Saito

バンクーバーでお気に入りの場所:学校の近くにある公立図書館は、モダンで広々とした空間で、屋上のバルコニーからはバンクーバーの景色を眺めながら、クラスメートと一緒に宿題をしたりするのが、学校後の楽しい時間です。

日本へ帰国して、一番最初にやりたいこと:まずは家族と一緒に過ごし、カナダでの経験についてたくさん話したいです。その後、友達と一緒に「ラウンドワン」など、日本にしかない場所に行って遊びたいです。

バンクーバー・ダウンタウンにあるiTTTi Vancouverで、ランチ後に友だちと。Photo by Koichi Saito
バンクーバー・ダウンタウンにあるiTTTi Vancouverで、ランチ後に友だちと。Photo by Koichi Saito

留学を迷っている人へのメッセージ:自分はスポーツアナリストになりたいという目標を持って留学を決めましたが、目標があるないに関わらず、留学は英語を学ぶだけでなく、さまざまな価値を提供してくれると思うので、多くの人に留学を経験してもらいたいです。絶対に得られるものがあると思います。

留学先として、バンクーバーは人々が優しく、景色も美しい素晴らしい場所です。ここに来ることができて本当に良かったです。また必ず戻ってきたいと思います。

iTTTi Vancouverの仲間と。Photo by Koichi Saito
iTTTi Vancouverの仲間と。Photo by Koichi Saito

iTTTi Vancouver(イッティ・バンクーバー)

バンクーバー・ダウンタウン中心部、ロブソンストリート沿いに位置する語学学校です。「Because you are unique」という言葉をモットーに、生徒一人一人の目的やニーズに合わせた親身なサポートを提供しています。英語4技能を全体的に網羅する一般英語クラス、スピーキングにフォーカスした会話コース、テスト準備に特化したコースなど、イッティ・バンクーバーの英語クラスには、幅広い選択肢があります。アクティビティーも充実しており、毎日開催されております。学校内には広いラウンジやパティオがあり、教室の外でも生徒と先生、そしてスタッフとも交流が出来る場を設けています。www.ittti.ca

MLS日本人対決が実現、ホワイトキャップスは引き分けに

GK高丘陽平選手、FCシンシナティとの試合終了後にロッカールームの前で。2023年6月10日、BCプレース。Photo by Japan Canada Today
GK高丘陽平選手、FCシンシナティとの試合終了後にロッカールームの前で。2023年6月10日、BCプレース。Photo by Japan Canada Today

 バンクーバーでMLS日本人対決が実現した。GK高丘陽平を擁するホワイトキャップスは6月10日、FW久保裕也が所属するFCシンシナティと対戦。フォワード対ゴールキーパーのまさに「直接対決」を期待した。

6月10日(BCプレース:16,086)

バンクーバー・ホワイトキャップスFC 1-1 FCシンシナティ

前半からホワイトキャップスが得点機会を作り優勢に試合を進めるが相手GKの攻守に阻まれ得点できず。シンシナティもGK高丘の活躍もあり無得点で、前半を終える。試合が動いたのは83分。シンシナティAcostaが決め0-1。しかしキャップスはPKのチャンスを得てGauldがゴールし89分に同点に追いついた。

「相手がどこでもホームであるなら勝ち点3は取っていきたい」

 FCシンシナティは現在東カンファレンス1位。アウェイでも3勝1敗4分で、今季この1敗が唯一の黒星という強さ。GK高丘は「東の1位で大変でしたけど、相手がどこでもホームであるなら勝ち点3は取っていきたいなと僕自身は思っています」とホームでの勝ちにこだわった。

 ホワイトキャップスは序盤から積極的に攻めて、得点好機を何度も作った。しかし、なかなか得点できない。先制したのはシンシナティ。Acostaがネット左前から放ったシュートはゆっくりとした弧を描いてGK高丘の頭上を越え、吸い込まれるように右隅に。猛攻を続けてきたキャップスの一瞬のエアポケットのような時間に相手ゴールが決まった。結果的にはキャップスがPKのチャンスを得て試合終了間際に同点に追いついて引き分けたが、内容と結果のギャップにしっくりこない後味の悪さが残った。

 「僕らがボールをほとんど持ってましたし、そういう意味ではホームであればやっぱり勝っていかないといけないな」と高丘。「しっかり最後勝ちきれるようなチームになっていきたいです。僕自身も、ここ最近は毎試合失点が続いてしまっているので、もう 1 回無失点の試合をやって、僕自身もそうですし、チームも、無失点がどれだけ大事かってことを習慣づけないといけない。そういう意味では悔しい試合ではありました」と反省が口をついた。

北米で日本人ががんばっているということを発信していきたい

 バンクーバーでMLS日本人対決が実現した。試合中、久保はなんどもシュート機会をうかがうがシュートできたのは68分。キャップスのディフェンスに阻まれ、GK高丘までは届かなかったが、日本人対決が実現した。前半途中にはネット前で2人が並ぶ場面も。

 今季最初で最後のMLS日本人対決に高丘は「初めての感覚だったんで、なんか変な感じというか、(そんな感じ)はしましたけど、こうやってこの地で日本人選手ががんばってるんだってところを僕自身も発信していきたいなと思ってましたし、こっちで対戦できたのは1つ大きいというか、思い出の1つにはなったかなと思います」とこの日の対戦を振り返った。

 久保のプレーについては、「相手のシステム的にも、うちのディフェンスラインと中盤の間で嫌なところで受けるシーンがやっぱり多かったですし、そこをターンして仕掛けてくるっていうところはチームとしても警戒していたので、やっぱりクオリティがあるなと思っていました」と言う。「もともと代表のキャリアもある選手ですし、すばらしい選手であることは間違いないので、これからも切磋琢磨してやっていけたらと思います」と次の対戦を楽しみにしていた。

 試合終了後にはフィールドで高丘が久保に歩み寄って、2人で話していた。MLS入団について相談したのも久保だった。「本当にこっちに来る時に、たくさん相談に乗っていただいたんで、そういったところの感謝を伝えさせてもらったっていうのと、近況報告というかお互いに話したっていう感じですね」と笑顔を見せた。

6月はアウェイで今季初勝利を

 ホワイトキャップスはここまで17試合を戦って5勝5敗7分け22ポイントで西カンファレンス6位につけている。ただ、アウェイでは1勝もなく4敗3分け。

 チームは今週休養を取った後、6月21日コロラド・ラピッズ、6月24日ロサンゼルスFC、7月1日スポーティングKCと3試合アウェイが続く。どうしてもアウェイ初白星がほしいところ。

 「アウェイで勝ち点3を取れてないっていうのは、僕自身も引っかかるポイントであります」と高丘。ホームとアウェイで気持ち的に違うのかと問うと、「う~ん、ホームと同じようなメンタリティーというか勢いというか」と特に違いはないと言う。ただ、「アウェイゲームがよりアウェイゲームの感じをするというか。日本だとアウェイゲームはそんなにアウェイじゃない感じがするんですけど、こっちはアウェイゲームの位置づけが多少違うのかなっていうところは感じるんで、そこを踏まえつつ、勝ち点3を取れるようにしていきたいなと思います」と語った。

7月・8月のホームゲームhttps://www.whitecapsfc.com/

7月8日(土)7:30pm シアトル・サウンダーズFC
7月12日(水)7:30pm オースティンFC
7月15日(土)7:30pm ロサンゼルス・ギャラクシー
7月21日(金)7:30pm クラブ・リオン(リーグスカップ)
8月20日(日)7:30pm サンノゼ・アースクエイク

(記事 三島直美)

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S.U.C.C.E.S.S.リッチモンドよりオンラインワークショップのお知らせ「BC州における高校教育事情」

テーマは 「BC州における高校教育事情」

日時:2023年6月21日(水)午後6時~8時

申し込みリンク: https://success.jotform.com/231518919740865

お申し込みの締め切り:6月20日( 火 )午前9時

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カナダのバンクーバーで子育てをして10年ちょっとになります。日本でしか教育を受けてこなかった自分はカナダの教育制度が何がどうなっているのか全く知らず、手探りの状態で、周りのちょっと年上のお子さんをお持ちのママさんから情報取集をしています。お住まいの地域の学区によってシステムは違う、学校によってそして先生によって教わる内容が違う、など画一的ではないカナダの教育事情について語ることは難しいのですが、その多様性こそがカナダの教育の特徴なんでしょうね。

今回はセカンダリースクールの教育事情を中心に、留学コンサルタントの高林さんとセカンダリーで日本語を教えている宮本さんにお話しいただき、カナダでの子育てについて皆さんと情報交換ができる機会になればと思います。

<内容>

•        BC州セカンダリー教育の概要

•        カナダのインクルーシブ教育について

•        言語・文化継承教育について

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お申込み・問い合わせ:kozue.ito@success.bc.ca / 236-880-3392 こずえまで

JALTA保護者対象日本語教育講座 

JALTA日本語教育振興会主催で、保護者を対象に教育講座を7月22日7pmよりオンラインで開催します。 

多様性を重視する環境で学習することの特性や学習障害について学び、適切に子ども達をサポートするための情報を専門家に伺います。 

週1、2回日本語学校に通う子どもが、より楽しく充実した学習が出来るよう、保護者として適切な言葉掛けを考える良い機会となります。多くの方々のご参加をお待ちしています。申し込み方法など詳細は、ポスターをご覧ください。 

最後はGK高丘の好守で優勝をがっちり!ホワイトキャップスがカナダチャンピオンに!

 バンクーバー・ホワイトキャップスFCが2年連続でCanadian Champiohship優勝を果たした。

 6月7日BCプレースにCFモントリオールを迎えての決勝戦。接戦となった試合は、GK高丘の活躍もあり、ホワイトキャップスが2-1で制した。

6月7日(BCプレース:20,072)

バンクーバー・ホワイトキャップスFC 2-1 CFモントリオール

ホワイトキャップスは序盤から圧倒的に攻めるも、相手GKの攻守に阻まれ得点できず先制点は後半に入ってから。57分、この日初めて見せた相手GKのミスを逃さずWhite(24)がゴールして1-0。66分にはPKのチャンスにGauld(25)が確実に決めて2-0と突き放す。しかし、85分に1点を返され、91分にはあわや同点となるシュートをGK高丘が阻止。96分にもシュートを体を張って止め試合終了。キャップスが2年連続優勝を決めた。

カナディアン・チャンピオンシップ優勝はノルマだと思って

 GK高丘はこの日の試合を振り返って、「優勝が決まった瞬間はうれしかったです」と顔をほころばせた。試合は終盤にモントリオールが猛攻。91分にはゴールネット右上、止めなければ確実に同点に追いつかれていたシュートを阻止して、会場は高丘のファインプレーに大歓声が沸き起こった。

 「ホッとした部分もありましたけど、去年優勝したことを聞いていましたので、自分が来て優勝し損ねたでは、僕が来た意味もないと思っていたので、このカナディアン・チャンピオンシップで優勝を取るのは一つのノルマだと思ってやってきました」との思いで臨んでいたという。

 最後も高丘がシュートを止めたところで試合終了のホイッスル。高丘を囲むようにチームメートが集まり、2年連続の優勝を喜んだ。

後半アディショナルタイムで見せたGK高丘スーパーセーブ。これが入っていれば同点に...。2023年6月7日、BCプレース。Photo by Koichi Saito
後半アディショナルタイムで見せたGK高丘スーパーセーブ。これが入っていれば同点に…。2023年6月7日、BCプレース。Photo by Koichi Saito
優勝が決まった瞬間、GK高丘を囲んで選手たちが喜びを爆発させる。2023年6月7日、BCプレース。Photo by Koichi Saito
優勝が決まった瞬間、GK高丘を囲んで選手たちが喜びを爆発させる。2023年6月7日、BCプレース。Photo by Koichi Saito

(写真・ビデオ 斉藤光一/記事 三島直美)

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友きたる ~投稿千景~

エドサトウ

ビクトリアのエンプレスホテル前のハーバーフロント。奥はBC州議事堂。Photo by Ed Sato
ビクトリアのエンプレスホテル前のハーバーフロント。奥はBC州議事堂。Photo by Ed Sato

 高校時代からの友が日本からやって来た。彼は、当時、クラスの級長で、まとめ役をしていた優秀な学生であったが、反対に僕は成績の悪い生徒であった。が、なぜか高校時代から50年以上の交際が続き、お互いに年金暮らしとなり、カナダのパラダイスのようなお花畑のブチャートガーデンを散策すれば、まるで、天国で再会した友と友のようであった。懐かしく楽しいパラダイスのようなブッチャートガーデンの旅はこうして始まった。

 ビクトリア市に行くフェリーの中から見える初夏の青い空にふわりとながれる白い雲のように流れ来た僕の人生を振り返れば何か感慨深いものがある。「ゆく河のながれはたえずして、しかももとの水にあらず。よどみにうかぶうたかたは、かつきえ、かつむすびて、ひさしくとどまるためしなし。」とあるように高度成長、バブル経済などの昭和の時代に生きながらえたのは、河のなかに生育する水コケのようにしっかりと岩にかりと張り付き、どんな大波にも耐えしのび、無事に人生の晩年をむかえられたことは、運のよい人生であったと思うのである。

ビクトリア市内。Photo by Ed Sato
ビクトリア市内。Photo by Ed Sato

 彼は、電気配線の設計技師をしていたが、晩年はジャイカのボランティアの試験にパスをして、東南アジアで仕事をしていたが、後に本採用になり、海外での仕事を続けていたが、コロナで一時退職となり、そのまま年金暮らしとなり、ようやくカナダの旅の計画を練りバンクーバーまでやってきたのである。が、東部カナダ「赤毛のアン」のモデルになった公園を夫婦で見れることを楽しみにしていたが、飛行機の到着が1時間遅れたためにすべてのカナダ東部の旅がキャンセルとなり、急きょ僕のいるバンクーバーにもどってきたのである。それで僕が車を運転をして、ビクトリア行きのフェリーに乗り、出かけた小さな旅の最初に寄ったところが、僕たちにはパラダイスのように見えるブッチャートガーデンであった。

 花が好きな奥さんとガーデニングの仕事をしていた小生が花の印象を話をするのは、また新鮮な感じがして楽しかった。ロイヤル博物館は、明日からのカンボジアにあるアンコールワットの展示の準備のために見学はできなかったが、ビクトリアホテル前の海岸線を散策するのも気持ちが良かった。

(続く)

投稿千景
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第2回 終活への様々な誤解 ~Let’s 海外終活~

終活は新しい大人のマナー

叶多範子

さて前回にも書いたように、終活と聞くと死を連想させ、縁起が悪いと感じる人がいたり、その他にも多くの方が誤解していると思う場面にでくわすことがあるため、今回は終活にまつわるよくある誤解についてお話ししたいと思います。

いきなりですが、ここで質問です。

みなさんは生命保険へ加入することは、縁起が悪いことだと思われますか?

みなさんの答えを訊く前に、まず生命保険はどのような理由で加入するのか?について確認してみたいと思います。多少の違いはあれどほとんどの方は、自分にもしものことがあったときに、遺された家族が困らないように加入されています。

終活も全く同じ理由です。

終活をする理由の1つは、遺された家族や周りの人が困らないようにしておくことです。

なので、先ほどの質問の答えが「いいえ」だったのなら、終活は縁起が悪い!というのは、誤った認識であるということがおわかりいただけたのではないでしょうか?

もしもみなさんの周りで「終活なんて縁起が悪い!」と思い込んでいる人がいたら、ぜひ生命保険に入るのと同じことなんだよー、と説明してあげてみてください。(生命保険という言葉ですら縁起が悪いと思う人がいたら、そのときはお手上げかもしれませんが)

またその他によくある誤解で多いのは、

「まだ自分は若いから、終活はしなくていいでしょ?(=終活は歳をとってから、するもの)」

「お金持ちじゃないから、終活はしなくてもいい(=揉めるような金額は持ってないから不要)」です。

80代でも終活はまだ早いと感じる人もいれば、30代でもうやっておこうとする人もいます。当たり前のことですが、死なない人はいないのです。人には必ず寿命があって、それがいつ訪れるのかはほとんどの人が分からないので、老後に限らず安心して暮らすための準備は、どの世代であっても必要だといえます。

またお金持ちでなくても、終活は必要です。

その理由は色々あるのですが、敢えて2つ挙げるなら、持っているお金の多さや少なさに限らず、現代人の私たちは何かと「所有物が多い」からです。ミニマリストのように常日頃から必要最低限の物で暮らし、デジタル資産を含む、ほぼ全ての自分の所有物の存在と内容が自分以外の人に明確、または明確になるように準備されているのであれば、立派にその部分については終活ができていると言えるのですが、ほとんどの人がそうではないからです。

もう1つは、例えばうちは子供が2人だから、何も言っておかなくても、しておかなくても、子供たちが半分ずつに分けるから争うことはない!と思っていると、実は揉めることもあるんです。例えば他の兄弟や姉妹は、マンションの頭金や大学の資金を出してもらったが自分は出してもらってない、自分の方が親の面倒をみた!などの理由で、時には金額だけではなく、他の兄弟と比べてかわいがってもらった、もらっていないなど感情的な問題で揉めることもあるのです。

それでもそんな遺産争いが生じるのは、多額の遺産があるお金持ちの場合だけであって、うちには関係ないと思っている人のために、さらに付け加えるなら、裁判所のホームページにある司法統計年報家事事件編(令和元年度)によると、家庭裁判所で取り扱われた遺産分割事件のうち、遺産総額が5,000万円以下が全体の4分の3以上、つまり75%以上となっていま す。内訳は1,000万円以下が2,448件、5,000万円以下が3,097件で、延べ5,545もの件数に及んでいます。つまり当事者だけで解決できないケースが意外と少なくないのです。

遺産が少ないからこそ、その遺産を相続人同士でどのように分割するかの意見がまとまらないということもあるのです。

参考出典:家庭裁判所のホームページ

https://www.courts.go.jp/app/files/toukei/307/011307.pdf (2023年6月4日取得)

叶多範子(かなだ・のりこ)

海外終活アドバイザー

「なんの準備もなく、認知症になった」、「終活をせずに亡くなり、家族や周りの人が困った!トラブルになった!」を少しでも減らしたいという思いから、特に海外に住んでいる日本人の方を対象に、ご自分とご自身の大切なご家族のための「海外終活」の大切さと必要性を広める活動をしています。5月に初の電子書籍「海外在住日本人のための50代からの終活」を出版したばかり。

家族はカナダ人の夫+息子2人+猫1匹、バンクーバー在住。

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「4年ぶり人数制限なしの卒業式」グラッドストーン日本語学園

卒業生、教員、在バンクーバー日本国総領事館・丸山浩平総領事(前列中央)が揃って記念撮影。グラッドストーン日本語学園卒業式。2023年5月27日、日系文化センター・博物館。写真提供:Gladstone Japanese Language School
卒業生、教員、在バンクーバー日本国総領事館・丸山浩平総領事(前列中央)が揃って記念撮影。グラッドストーン日本語学園卒業式。2023年5月27日、日系文化センター・博物館。写真提供:Gladstone Japanese Language School

 日系文化センター・博物館で5月27日、グラッドストーン日本語学園の小学科・中学科・高等科の卒業式が行われた。第52回となる今年度は4年ぶりに人数制限が解禁され、卒業生やその家族が集まり、センター内のホールはほぼ満席となった。

 会場には入口から向かって左手前方に小学科、右手に中学科、そしてステージ上に高等科の卒業生が着席。高等科の卒業生たちは色とりどりの袴や振袖を身にまとい、華やかな卒業式となった。

 約1時間の式が終わると粛々としていた生徒たちの表情はホッとしたようにほぐれ、クラスメートと話したり、両親や先生とステージやセンター前の庭で写真を撮ったりと和やかな雰囲気に包まれた。

在バンクーバー日本国総領事館・丸山浩平総領事による祝辞。自身も中国語や韓国語などの言語学習に取り組んでいることをあげ、「今日は若いライバルの皆さんにお会いすることができ、気持ちを新たに勉強に取り組みたい」と語る。2023年5月27日、日系文化センター・博物館。写真提供:Gladstone Japanese Language School
在バンクーバー日本国総領事館・丸山浩平総領事による祝辞。自身も中国語や韓国語などの言語学習に取り組んでいることをあげ、「今日は若いライバルの皆さんにお会いすることができ、気持ちを新たに勉強に取り組みたい」と語った。2023年5月27日、日系文化センター・博物館。写真提供:Gladstone Japanese Language School

 在バンクーバー日本国総領事館・丸山浩平総領事も参列。丸山総領事は「この学校で学ばれた皆さまはこれから日本とカナダ、カナダと世界、日本と世界、そのさまざまな領域での架け橋となる、そういう人材であると思います。架け橋となる皆さまのこれからの前途を心から祝して、そして皆さまの前途が明るいものであり、その活躍によって世界に平和が、協力関係が、友情が、さらに芽生えていくことをお祈りしております」とこれからの活躍を祈り、卒業生へお祝いの言葉を贈った。

卒業生の言葉

ステージに並び、学んだことわざや熟語を使ってそれぞれの思いを流ちょうに話す小学科の卒業生。2023年5月27日、日系文化センター・博物館。写真提供:グラッドストーン日本語学園
ステージに並び、学んだことわざや熟語を使ってそれぞれの思いを流ちょうに話す小学科の卒業生。2023年5月27日、日系文化センター・博物館。写真提供:グラッドストーン日本語学園

 卒業生たちは小学科、中学科、高等科と順にステージに立ち、ことわざや四字熟語を交えながら1人ずつ学園生活での思い出を話した。

 グラッドストーン日本語学園の生徒たちは平日に通っている学校に加え、毎週末の授業や宿題に励む。卒業生の多くが大変だったと口にする「言葉ノート」。毎日3つずつ漢字を練習し、毎週末のテストに向けて勉強した。読み書きだけでなく、練習した漢字を使って文を作る練習もするという。

 学園は、「塵も積もれば山となる」を目標に、毎日続けることで生徒たちが語彙を増やせることを目指している。漢字の意味を理解して文を書く力を伸ばすためにこの言葉ノートを実施しているという。多くの生徒たちは言葉ノートについて、大変だったがそのおかげでたくさんの言葉を覚えることができたと話し、生徒たちが真剣に学習に取り組んできたことが垣間見えた。

 保護者席からは「やっと肩の荷が下りたね」と卒業まで子どもたちを支えてきた親たちのほっとした声も聞かれた。

 グラッドストーン日本語学園の創立者の村上陽子園長は、卒業生が両親に手を引かれて入園・入学してきたときのことを懐かしく思い出すと話す。

村上園長から丁寧に証書を受け取る卒業生たち。2023年5月27日、日系文化センター・博物館。写真提供:グラッドストーン日本語学園
村上園長から丁寧に証書を受け取る卒業生たち。2023年5月27日、日系文化センター・博物館。写真提供:グラッドストーン日本語学園

 卒業生たちに向けては、本田宗一郎氏の「失敗を恐れるより、何もしないことを恐れなさい」という言葉を引用し、「失敗から学ぶことがたくさんあります。自分の可能性を信じて、やればできるんだと、熱い意欲を燃やして諦めずに何ごとも続けてください。自分で決めた道に向かって、希望を持って進んでもらいたいと思います」と笑顔でエールを送った。

 現在学園には、これまで卒業した生徒の子どもが60人通学しており、そのうち3人が卒業を迎えた。村上園長の孫も高等科を卒業した生徒の1人。多くの卒業生がまた自身の子どもに日本語を学ばせようと学園に帰ってくることに村上園長は、「二世代にわたり日本の文化を継承させようということを大変うれしくありがたく思います。そうした先輩から学び、私たちは保護者の皆さまのご協力、生徒の努力、教員の励ましと三者一体となって日本語教育に精進してまいりたいと思います」と話した。

グラッドストーン日本語学園

1971年に園長の村上陽子氏によって創立され、今年で52年となる。2歳から高等科まで一貫した日本語クラスを展開し、高学年は漢字検定や日本語能力試験などの試験を実施。日本語教育に加え、日本の文化や習慣を身につけることにも力を入れている。そのほか学園外からも参加できる習字クラブも行っている。
Webサイト: https://www.gladstonejls.com/

全員が起立し日本とカナダ両国の国歌、グラッドストーン日本語学校校歌を斉唱。厳粛な雰囲気に包まれる会場。2023年5月27日、日系文化センター・博物館。写真提供:Gladstone Japanese Language School
全員が起立し日本とカナダ両国の国歌、グラッドストーン日本語学校校歌を斉唱。厳粛な雰囲気に包まれる会場。2023年5月27日、日系文化センター・博物館。写真提供:Gladstone Japanese Language School
会場の外の庭でガッツポーズ、高等科卒業生。2023年5月27日、日系文化センター・博物館。写真提供:グラッドストーン日本語学園
会場の外の庭でガッツポーズ、高等科卒業生。2023年5月27日、日系文化センター・博物館。写真提供:グラッドストーン日本語学園
「高等科と小学科の2世代卒業生とその家族」。2023年5月27日、日系文化センター・博物館。写真提供:グラッドストーン日本語学園
「高等科と小学科の2世代卒業生とその家族」。2023年5月27日、日系文化センター・博物館。写真提供:グラッドストーン日本語学園

(取材 池田茜音)

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