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Naomi Mishima

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フィギュアスケートGPシリーズ第2戦はバンクーバーで開催!チケットセールは今週から

Image photo provided by Skate Canada
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 国際スケート連盟(ISU)グランプリ(GP)シリーズ第2戦となるスケートカナダ・インターナショナルが、2023年シーズンはバンクーバーで開催される。

 毎年多くの日本人選手が活躍しているこの大会。オンタリオ州で行われた2022年大会では男子シングルで宇野昌磨選手が優勝。女子シングルでは渡辺倫果選手、ペアでは三浦璃来・木原龍一ペアが優勝している。他にも、三浦佳生選手、紀平梨花選手、横井ゆは菜選手らも出場。2023年も日本人選手の活躍が期待できる。

 2023年スケートカナダ・インターナショナルのチケットは、2023年4月24日(月)午前10時(東部標準時)に先行販売され、2023年4月27日(木)午前10時(東部標準時)に一般発売される。

 チケットはP1:350ドル、P2:300ドル、P3:275ドル、P4:225ドル(全てカナダドル)。パッケージには、全ての競技、木曜日の練習、エキシビション・ガラが含まれている。

 フィギュアスケートファンには楽しみな秋になりそうだ。

Skate Canada International

期間:2023年10月27日~29日
会場:the Doug Mitchell Thunderbird Sports Centre(ブリティッシュコロンビア大学内)
チケット:チケットマスターで販売(https://www.ticketmaster.ca
スケートカナダ・ウェブサイト:https://skatecanada.ca/

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バンクーバー日系人合同教会から5月のお知らせ

バンクーバー日系人合同教会

  • 教会日曜日日本語礼拝の案内

毎週日曜日午前11時より教会礼拝堂で行い、礼拝の後、軽食をいただきながら親睦の時を持っています。クリスチャンでない方も留学、ワーキングホリデーで来られた方も大歓迎です。

礼拝は教会礼拝堂およびZoom (ID 5662538165、パスコード1225)で参加できます。

  • 5月14日第2日曜日の礼拝は英語と日本語バイリンガルの案内です。

今月はファミリーサンデー・母の日の礼拝として行います。

  • 親子生け花クラスの案内:5月25日(木)午後1時30分から2時10分 費用15ドル(お花・器込み、申し込み締め切りは5月19日)
  • シニア・初心者ラインダンス 毎週土曜午前11時から12時 会費$1、踊った後、マックをいただきながら交流の時を持ちます。
  • Zoomで聖書を読む会(火曜、水曜)があります。お問い合わせください。
  • ダウンタウンイーストサイドでサンドイッチ手渡し:木曜日午前9時からの準備、10時半から11時の配布のボランティアを募集しています。

お問合せ:604-618-6491(テキスト可)、vjuc4010@gmail.com  牧師 イムまで

住所:4010 Victoria Dr, (Between 23rd and 25th Ave East), Vancouver

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

サレーNorthwood 合同教会 日本語会衆 礼拝

第3日曜日午後2時より 
住所:8855 156 St, Surrey, BC, V3R 4K9
お問い合わせ:604-618-6491(テキスト可)イム、kuniokazaki98@gmail.com 岡崎まで 

日系文化センター・博物館から5月のイベントのお知らせ

日系文化センター・博物館

6688 Southoaks Crescent, Burnaby BC V5E 4M7
TEL 604.777.7000 
info@nikkeiplace.org   www.nikkeiplace.org
受付・ミュージアム営業時間:火~土 午前10時~午後5時 休:日月祝
水曜日は午前10時から夜9時まで開館。

イベント

バンクーバー生け花協会とNNMCC主催
生け花スプリングショー2023
5月6日土曜日、11時〜16時
5月7日日曜日、10時〜15時
入場無料、寄付歓迎
グレーター・バンクーバーで活躍している数々の流派の生け花が一堂に会します。今年はロビーで日系盆栽協会の展示もご覧いただけます。

NNMCC & NNMCC Auxiliary主催
日系センター 春のバザー
開催日時 : 5月13日(土)11時〜16時
入場無料

フリマ、プラントセール(花きの鉢植え販売など)、お食事やおやつ、いろいろ楽しめるバザーへぜひお越しください。林ホール内のフリーマーケットでは、日本の食器や雑貨小物、日本人形、着物や浴衣など、状態のよい中古の品々が並びます。日系ガーデンでは、紫蘇をはじめとする日本の植物や春の植物が揃います。行列ができるほど大人気のまんじゅうや屋台もお見逃しなく。

このイベントで得られる収益は、日本文化の普及および日系カナダ人の歴史の保存と共有に努める日系センターの運営に活用されます。ボランティア、ドナー、ベンダー、そしてご来場いただく皆様に感謝いたします。

お知らせ

夏休み中に英語で学べる日本文化体験をしませんか。7月は毎週9~12才を対象に1週間のマンガキャンプ、8月は今年新たにティーン(13~15才)向けのクラブを週に1~2回開催します。ウェブサイトで詳細をご確認いただきお申込みいただけます。

日系センター・シニアラウンジは、水曜日の午後12時から3時まで、シニアの方々を対象とした新たな無料プログラムです。シニアの方々が気軽に集まり、くつろぎ、かつ健康増進を促す活動を楽しめる場所を提供します。不定期に開催されるセミナーやワークショップに参加して心身ともに健やかな生活を一緒に目指しましょう。さらにボランティアがエクササイズの指導やデジタル製品の疑問・質問に答え、年齢に合わせた環境への適応方法や自分らしい人生を過ごすためのサポートもいたします。

プログラム

日系センターでは日本語で開催されているプログラムをご用意しております。ぜひご参加ください。柔道・合気道・習字クラブ・歌声喫茶・日本舞踊・囲碁クラブ・そろばん・太鼓・フラダンス・ラインダンス・シニアバドミントン。

日系ブックストア

毎週 火・木・金・土、午前11時~午後3時、2階
日系ブックストアではご不要になった古本・文庫本・漫画・絵本の寄付を受付けております。営業時間内に2階のブックストアまでぜひお持ちください。

展示 

常設展:「体験:世代を超えて受け継がれる、困難を乗り越え立ち上がる力」
日系人の歴史を日本語で紹介しています。2階入場無料

特別展示

詩が生まれる場所
宮崎雅子と李淑美
3 月 18 日〜9 月 16 日
入場料 $5。NNMCC 会員・学生は無料。

ミュージアムショップ

日系の歴史の書籍、日本からの輸入品、地元作家によるハンドメイド品を取り揃えております。お気軽にお立ち寄りください。

会員募集

会員になるとミュージアムへの入場が無料になるほか、ミュージアムショップでの割引、特定のイベントやプログラムなどで割引特典があります。会費収入は施設の維持費と展示、イベント、プログラムを充実させるために使用されます。

S.U.C.C.E.S.S.リッチモンド「BCサービスカードアプリ登録方法」オンラインワークショップのお知らせ

テーマは「BCサービスカードアプリ登録方法」オンライン

日時:2023年5月5日(金)午前10時~11時半

申し込みリンク: https://success.jotform.com/231011061304837

お申し込みの締め切り:5月4日( 木 ) 午前9時 *登録フォームの締め切りがあります

—————————–

政府発行IDのひとつであるBCサービスカード、それのデジタル版IDを作ることができることをご存じでしたか? BCサービスカードアプリを使ってアカウントを作っておくことで、政府の様々なオンラインサービスへのログインを安全、迅速、簡単に行うことができます。

今回はデジタルナビゲーターのトレイシーがこのアプリの登録の仕方を説明します。

なお、5月24日(水)に続編として、今回のフォローアップとアクセスできるサイトの紹介や使い方を対面サービスで行う予定です。続編の開催場所はリッチモンドオフィスになります。

政府機関の手続きもデジタル化が進んでいます、どんどん活用していきましょう。

<内容>

·        BCサービスカードアプリの登録方法

·        BCサービスカードログインをして利用できるサイトやアプリの紹介

·        グーグルクロームにてウェブサイトを日本語翻訳表示する方法

—————————–

お申込み・問い合わせ:kozue.ito@success.bc.ca / 236-880-3392 こずえまで

日本語認知症サポート協会「オンライン de Cafe・笑いヨガ」

日本語認知症サポート協会「オンライン de Cafe・笑いヨガ」
「笑顔の力」を引き出そう〜「笑いヨガ」で、コロナに負けない体づくり〜

毎月、「笑いヨガ」を行っています。自宅にいながら参加できる、オンラインでのセッションです。

興味のある方、初めての方も大歓迎。楽しく一緒に笑いましょう!

日時:2023年5月18日(木)午後8時〜午後9時
会場:Zoom

参加費:初回無料、2回目からドネーション(e-Transfer、PayPalまたは小切手にて)

申し込み締め切り:2023年5月16日(火)
申し込みリンクhttps://forms.gle/THRXtecEvaPuyiAk9
*お申し込みいただいた方には、追って、参加方法をご案内いたします。

お問い合わせ先orangecafevancouver@gmail.com

主催:日本語認知症サポート協会(Japanese Dementia Support Association)
http://www.japanesedementiasupport.com

妹尾翠さんメモリアル、4月29日に

日加米対抗大学野球大会で国歌「君が代」を斉唱するNAVコーラス。右から2番目が妹尾翠さん。2019年8月19日、ブリティッシュコロンビア大学サンダーバード球場。Photo by Naomi Mishima
日加米対抗大学野球大会で国歌「君が代」を斉唱するNAVコーラス。右から2番目が妹尾翠さん。2019年8月19日、ブリティッシュコロンビア大学サンダーバード球場。Photo by Naomi Mishima

 NAVコーラスなどで活躍していた妹尾翠さんが4月8日に逝去した。78歳だった。

 妹尾さんは、音楽愛好家として知られ、NAVコーラス(国歌合唱団)を共同創設。さまざまな場面で活躍した。

 またオンタリオ州トロント市を拠点としていた日本語新聞日加タイムズのバンクーバー支部の記者としても活動。バンクーバー日系カナダ人コミュニティを精力的に取材し、執筆した。

 妹尾さんのメモリアルは4月29日にリッチモンド市で行われる。名前の「翠」にちなみ、緑色のアイテムを身に着けて来るよう呼びかけられている。

Celebrating the life of Midori Seo

日時:4月29日(土)午後1時
会場:Richmond Funeral Home(8420 Cambie Road, Richmond)

バンクーバーの男声合唱団Chor Leoni、創立30周年記念Galaを5月に開催

Photo by David Cooper/Chor Leoni
Photo by David Cooper/Chor Leoni

 バンクーバーを拠点に活動する男声合唱団Chor Leoniが、創立30周年を記念したファンドレイジングGala「Resound」を5月24日に開催する。

 このGalaでは、Bon Vivantが提供する高級料理とワインのペアリングやカクテルレセプションなどが楽しめるほか、サイレントオークションやライブオークションも開催される。また、合唱団が繰り広げる圧巻のパフォーマンスも。

 会場は、Chor Leoniが毎回コンサートを開催するセント・アンドリューズ・ウェズリー・ユナイテッド教会で、このために、内部をインドアガーデンパーティー仕様に模様替えして観客を迎えるという。

 このGalaでの寄付金は、青少年教育プログラムの充実、カナダ音楽の普及活動、そしてChor Leoniがより多くの観客を魅了するための活動に活用される。Chor Leoni アートディレクターのErick Lichte氏は、「人々は歌の力を今こそ体感する必要がある」と語り、Chor Leoniのこれまでの影響力を考慮すると私たちはその力を発信できると確信していると語っている。

Chor Leoni
 男声合唱団。2020年にはJUNO(カナダの音楽賞)にもノミネートされ、2019年にはChorus AmericaからThe Margaret Hillis Award for Choral Excellenceを受賞。北米だけでなく、シンガポールやインドネシア、イタリアやドイツなどでもパフォーマンスを披露している。

Resound: Chor Leoni’s 30th Anniversary Gala

日時:2023年5月24日午後6時
会場:St. Andrew’s-Wesley United Church(1022 Nelson St., Vancouver)
チケット:Galaチケット$300、Impresarioチケット$500、(Gala、Impresario共に1テーブル8人の料金あり)
チケットに関するウェブサイトchorleoni.org/resound

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「ラッシュ〜ヘヴィメタとプログレの美しき融合」音楽の楽園〜もう一つのカナダ 第10回

 4月の声を聞き、春の到来を感じる日々です。今年の冬は暖冬で、オタワ名物のリドー運河の天然スケート・リンクがオープン出来ませんでした。それでも、兎に角私にとって初めてのカナダの冬を無事に過ごすことが出来ました。実は、3月下旬に数日間ですが要務帰国しました。東京は既に桜がほぼ満開でしたが、オタワに戻ると氷点下10℃近くまで冷え込む日もありました。やはりオタワは世界一寒い首都なのだと実感した次第です。

 さて、北の大地カナダの音楽ですが、8000キロに及ぶ陸上の国境で米国と接し、大西洋を挟んで英国と向き合う地理的な状況もあって、英米からの影響が非常に大きい訳です。しかもカナダで売れたアーティストの多くが米国を拠点に活躍する事も多いです。その意味で米加の音楽はほぼ一体化しているようにも見えます。が、カナダは、米国とは幾分異なりヨーロッパ的なニュアンスを持つ個性溢れる偉大なバンドを輩出し続ける音楽の楽園です。そして、カナダを拠点に、北米で活躍しているバンドも少なくありません。今月は、ラッシュを取り上げます。

ロックの歴史

 ラッシュの成り立ちをより良く知る上で、ロックの歴史を概観するのも意味があると思います。

 1956年、エルビス・プレスリーが彗星の如く登場します。エド・サリバン・ショーに出演し、その声と官能的な歌い方とロックンロールのビートで全米を虜にします。「ハートブレイク・ホテル」が全米1位を獲得した頃からロック・ミュージックは怒涛の勢いで発展します。英国では、エルビスの影響を受けたビートルズが誕生。ティーンエイジャーの圧倒的な支持を得て社会現象にまで発展します。しかも、単なるエンターテイメントの域を超えて、音楽的に怒涛の勢いで成長し、既存のポップ・ミュージックを革新しました。その影響は留まるところを知らず、ローリング・ストーンズ、ザ・フー、キンクス、クリーム、ディープ・パープル等々数多の偉大なバンドがロンドンから世界に多彩な音楽を発信します。

 1970年にビートルズは解散しますが、そこからロック・ミュージックは加速度的に進化します。最大の要因は、シンセサイザーやメロトロン等の最先端技術を導入したキーボード群の登場です。ジャズやクラシック音楽の素養のある鍵盤奏者が、それまでのエレキ・ギター中心のロック・バンドのあり方を大きく変えます。キング・クリムゾン、ピンク・フロイド、イエス、エマーソン・レイク&パーマ等のプログレッシブ・ロック系のバンドが台頭します。

進化の波がカナダを襲いラッシュが生まれた

 そんなロック・ミュージックの進化は、幾つもの波となって北の大地カナダにも繰り返し押し寄せます。そして、その影響を受けつつロックはカナダで独自の進化を遂げます。その好例がラッシュです。3人のメンバーはいずれ劣らぬ溢れる才能の持ち主。ゲディー・リーは歌、ベース、シンセサイザーを担当。アレックス・ライフソンはギターを筆頭に弦楽器。ニール・パートはリズムの鬼にして文学少年。北米におけるプログレッシブ・ロックの先駆者にして、ボストン、ミスター・ビッグ、ガンズ・アンド・ローゼズ等の米国のバンドにも影響を与えています。優れたアルバムを何枚も発表しています。2013年には「ロックの殿堂」入りしました。

 しかし、ロック史の論評や名盤特集で取り上げられる事は残念ながら少ないのです。シングル盤の大ヒット曲が少なく商業的に大成功とは言い難く、成功した同僚バンドとは異なりカナダを拠点とし続けた事も影響しているかもしれません。

 改めてラッシュを聴けば、時代の先を行く画期的バンドであったと再認識します。正当に評価される日が来ると確信しています。

「パーマネント・ウェイヴス」

 代表作は1980年発表の『パーマネント・ウェイヴス』です。4つの要素が絶妙の比率で溶け合っています。

 第1に、旋律と歌詞。音楽の核心です。ポップにして哀愁を感じさせ、時に刺激的なメロディーです。加えて、純文学からSFまで造詣の深い本の虫であるドラム奏者にして詩人のニールが書く深遠な歌詞が深みを与えます。言葉が旋律に乗り素晴らしい歌が生まれます。

 第2に、ゲディー・リーのヴォーカル。透明感のある芯の強い声です。極めて正確な音程で、超高音域を軽々と歌い、“魔女”の如き声と評されることもあります。唯一無二です。敢えて例えるならば、ジョン・アンダーソン(イエス)とロバート・プラント(レッド・ツェッペリン)とアクセル・ローズ(ガンズ・アンド・ローゼズ)を足して3で割ったような特別な声です。

 第3に、引き締まったバンド・サウンド。ニールは躍動感溢れるリズムを刻みかつ多彩なパーカッション群で色彩感抜群です。ゲディーが弾くベース・リフが曲の骨格を構築。その上に、アレックスのエレキ・ギターが舞います。着実なコード・ワークから超高速フレーズを駆使したアドリブまで自由自在です。聴く者の胸を掻き毟り、何か素晴らしい事が始まる予感を与えます。

 そして、第4の要素がプログレッシブ・ロックの神髄シンセサイザーを活用したシンフォニックな音創りです。聴く者の脳を刺激します。クラッシック音楽として権威の塊のように扱われている音楽も、それが作曲された当時においては時代の最先端を行く音楽だったのだと感じます。

ラッシュ誕生秘話

 ラッシュの原型となるバンドの結成は1968年8月に遡ります。トロント近郊のウィローデール地区での出来事です。音楽的早熟の高校生アレックスは15歳にして、幼き頃からの友人と3人組のバンドを結成。練習を重ね、初公演に臨みます。場所は、トロント郊外ノース・ヨークの聖セオドール・カンタベリー英国教会の地下に設けられていた青少年センターです。実は、公演が決まった段階では、未だバンド名は有りませんでした。簡潔にして特徴的な名称が良いという事で、ラッシュ(Rush)と決めます。この初公演で、メンバーは25カナダ・ドルの報酬を得たと云います。

 その後、アレックスと2人の友人は練習に明け暮れ、ラッシュとしてライブ活動を続けますが、メンバー間の実力差が目立ち始めます。圧倒的なアレックスのギターに見合う優れたヴォーカルを探します。と、ベース奏者兼リード・ヴォーカルとして参加するのが同い年のゲディーです。この2人の出会いこそラッシュの核心です。知る人ぞ知る地元のバンドに成長します。が、高校生であるが故に様々な制約がありました。例えば、酒類を出す店舗等には出演出来ませんでした。が、1971年に飲酒年齢が18歳に引き下げられ、高校生とはいえメンバーが18歳になっていたラッシュはクラブ出演が可能になります。幅広い年齢層の客の前で演奏することでバンドの実力は飛躍的に上がります。しかも出演料を稼ぎながら。若くして、プロ意識に芽生えていく訳です。そして、大手マーキュリー・レコードと契約します。

 デビュー盤『ラッシュ』は1973年11月に録音、翌74年1月にリリースされます。全8曲は全てゲディーとアレックスの作品。この時、2人とも弱冠20歳。偉大なバンドのデビュー盤には、そのバンドの過去と未だ見ぬ将来の可能性が潜んでいます。ラッシュの場合もそうです。レッド・ツェッペリンの影響は顕著ではあるものの、鋭角的ギターと超高音ヴォーカルには甘過ぎないポップ感が溶け込んでいます。ラッシュの個性の萌芽です。恐るべきロック小僧がその全貌を見せ始める訳です。

 幸先良く、国境の直ぐ南の米国はオハイオ州のDJ達がデビュー盤収録の「ワーキング・マン」を好んでオンエアします。商業的成功に直結した訳ではありませんが、ラッシュの認知度が高まって行きます。次の音盤が期待されます。ラッシュの飛躍の鍵を握る新ドラマーとしてニール・パートが加入。1974年12月の事です。ここに鉄壁の3人組ラッシュが完成します。

危機の克服

 新生ラッシュは、75年2月『夜間飛行』を発表。怒涛の勢いで、75年7月には続く『鋼の抱擁』を録音し9月に即刻リリースします。ラッシュ流ヘヴィメタルをコアなファンは高く評価します。しかし、商業的には全く駄目。マーキュリー・レコードは契約打ち切りを決めます。音楽は芸術ですが、レコード会社は私企業です。利益が不可欠です。エンタメ業界の厳しい現実です。

 1976年2月、ラッシュは最後の録音に臨みます。この時、メンバーは弱冠22歳。怖いもの知らずの好奇心の塊です。一方、野心も巨大です。ここで3人は生き残りを賭けて従来の路線からの大胆な脱皮を図ります。ラッシュ・サウンドの核であるヘヴィメタルを維持しつつシンセサイザー等を大胆に導入して交響曲的な楽曲で勝負をかけます。それが「西暦2112」です。ここにヘヴィメタとプログレが融合したラッシュの個性が確立します。商業的にもカナダのチャートで5位、米国では61位と善戦。首は繋がりました。そして、上述の「パーマネント・ウェイヴス」が大成功する訳です。そして、名盤を生み続けます。

最終章

 何事にも終わりはあります。2012年6月、ラッシュ最後のスタジオ音盤「クロックワーク・エンジェルズ」がリリースされます。不動の3人組は既に59歳。とは言え、瑞々しいサウンドは、とても還暦直前の親父が奏でているとは思えません。ゲディーの声も健在です。商業主義に負けぬラッシュの核を刻んでいます。

 2015年は、新生ラッシュ誕生から40年の節目という事で「R40」と銘打ち3ヶ月余にわたる北米ツアーを敢行します。が、終了後、ニールは、自身の腱鞘炎が悪化し引退の意向を明らかにします。波乱万丈の半世紀に迫るラッシュの音楽的冒険は、スタジオ音盤19枚、ライブ音盤11枚を残し、このツアーを最終章として完結しました。名実ともに最後の音盤となる「R40 LIVE」はCD3枚組で全30曲、収録時間195分57秒。音質はさて置き、ラッシュの歴史と真髄が詰まった名盤です。

 ヘヴィメタとプログレを融合させロック・ミュージックの進化を体現したラッシュ。カナダの誇るロック史に刻まれるスーパー・バンドです。

(了)

山野内勘二・在カナダ日本国大使館特命全権大使が届ける、カナダ音楽の連載コラム「音楽の楽園~もう一つのカナダ」は、第1回から以下よりご覧いただけます。

音楽の楽園~もう一つのカナダ

山野内勘二(やまのうち・かんじ)
2022年5月より第31代在カナダ日本国大使館特命全権大使
1984年外務省入省、総理大臣秘書官、在アメリカ合衆国日本国大使館公使、外務省経済局長、在ニューヨーク日本国総領事館総領事・大使などを歴任。1958年4月8日生まれ、長崎県出身

カルラ15 ~投稿千景~

エドサトウ

 九州歴史博物館を出たトオルとカナは、近くのラーメン屋さんで博多の名物ラーメンを食べながら、話を続ける。

 トオルが「横穴の石窟古墳は高句麗あたりで見られるらしいけれど、その出来上がりの形とか、大きな石の積み上げ方は日本の古墳の方がすぐれているように見えることは、日本には縄文時代から受け継いだ、かなり高い文化がミャンマーとかベトナム方面から、日本へ伝えた海洋民族がいたと想像すれば、エジプト文明とかかわったユダヤ人の一部が日本に来ていたのだろうと考えられなくもない」と言えば、カナも「日本の能は『ギリシャ悲劇』と共通点があるというけれど、田中先生の『日本にやって来たユダヤ人』を読めば、<日本の建国の紀元前660年に第二派として渡来したユダヤ人の一部が諏訪に入り、守矢氏の血統につながったということでしょう。守矢氏を中心にした諏訪の地へ、出雲で王朝を築いていた秦氏の集団が、同じ同化したユダヤ人として移住したことが『古事記』では、建御名方神の諏訪入りとして、描かれたのではとーーー>あるから、当然、エジプト方面から、長い年月をかけて日本へ来たユダヤ人から『ギリシャ悲劇』の影響を受けたとも想像できるわ!」と言えば、トオルが「同感だ」と答える。そして「弥生時代は約一万年続いた縄文時代が大きく変化した時代か?西日本は冬もわりと暖かいから蚕もかうこともできたし、鉄が入ってくれば、農業生産も飛躍的に伸びて、そこへ渡来人が寒気で食料が少なくなり、大量に移住してきたりして、いろいろ問題が起きて、スサつまりヘブライ語で馬を意味するらしいのだけれど、日本名のヤマトタケルスサノウノミコトが馬に乗り日本中を回り、統一国家を創ったと想像するのも楽しいな!それに、壬申の乱のころまでは朝鮮には、あまり大した文化もなかったという説もあるから、縄文文化から発展した日本の方が文化的には高かったようにも思えるけど。今日は楽しい一日だったよ」

 二人は最終の新幹線に乗り、帰路につく。新幹線が静かに動き出すと、二人はいつの間にか居眠りをしていた。

 古代の日本から二千年、エジプト文明以上の文明をつくりあげた現代日本文化も面白きものである。

 カルラは現代の火の鳥とも言うべき新幹線に乗り時空の旅をしているのであろうか。いや、バーチャルの世界かもしれない?

投稿千景
視点を変えると見え方が変わる。エドサトウさん独特の視点で世界を切り取る連載コラム「投稿千景」。
これまでの当サイトでの「投稿千景」はこちらからご覧いただけます。
https://www.japancanadatoday.ca/category/column/post-ed-sato/

さくらデイズ・ジャパンフェア、雨の中でも楽しんだ2日間!

 さくらデイズ・ジャパンフェアが4月15、16日、バンデューセン植物園で開催された。あいにくの雨模様だったが、多くの人が訪れ、見頃を迎えた桜を愛でながら、日本を楽しむ2日間となった。

 バンクーバー桜まつり(Vancouver Cherry Blossom Festival:VCF)の一環として毎年開催されるジャパンフェアは、バンクーバーにいながら日本のフードや文化を楽しめるのが魅力と毎年大人気。すっかりバンクーバーの春の風物詩となっている。

 今年もフードや出店などが植物園内に並び、1日では回り切れないほどのイベントが目白押し。2日間で約9,000人が訪れ、雨など気にせず楽しむ人々の姿が見られた。

バンクーバーになくてはならないイベントに

さくらデイズ・ジャパンフェアでの鏡割り。左から:Mr. Richard Whitehead of EDGE Construction, Mr. Scott Jensen-Commissioner of Vancouver Park Board, Ms. Linda Poole-Founder of The Vancouver Cherry Blossom Festival, 丸山浩平・在バンクーバー日本国総領事、塚本隆志・ジャパンフェア実行委員会委員長。2023年4月15日、バンデューセン植物園。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
さくらデイズ・ジャパンフェアでの鏡割り。左から:Mr. Richard Whitehead of EDGE Construction, Mr. Scott Jensen-Commissioner of Vancouver Park Board, Ms. Linda Poole-Founder of The Vancouver Cherry Blossom Festival, 丸山浩平・在バンクーバー日本国総領事、塚本隆志・ジャパンフェア実行委員会委員長。2023年4月15日、バンデューセン植物園。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today

 鏡割りやティーセレモニーに参加した在バンクーバー日本国総領事館・丸山浩平総領事は今年が初参加。バンクーバーで桜の木が大切にされていることが日加の友好協力関係の象徴だと思うと同時に、「国境を越えた友情協力関係が大きな意味を持つ今、こういうすばらしいフェスティバルがバンクーバーで開催され、多くの人が来ていることをうれしく思います」と語った。

 VCFの発起人リンダ・ポールさんは、「カナダ人の私が始めたからこそ、私にとって毎回新しい日本を発見できるという視点でフェスティバルを開催できているのが成功の秘訣かもしれないですね」と笑った。

 「日本から来た人から見れば当たり前のことも、私には常に新鮮な感じがあります。それが魅力ですね。ジャパンフェアはもうバンクーバー桜まつりにはなくてはならないベントです」とその魅力を語った。

第1回は2009年、新型コロナでの中止も乗り越え新しい局面へ

満開になった桜の下で、開催されたジャパンフェア。2023年4月16日、バンデューセン植物園。Photo by 2023 © MIYUKI PHOTOGRAPHY
満開になった桜の下で、開催されたジャパンフェア。2023年4月16日、バンデューセン植物園。Photo by 2023 © MIYUKI PHOTOGRAPHY

 ジャパンフェアが始まったのは2009年。当初はイベントや参加ベンダーも少なかったが、回を重ねるごとに多くなり、規模も大きくなった。

 第1回からジャパンフェア実行委員会委員長を務めている塚本隆志さんによると、今年で第13回になるという。バンクーバー・オリンピック/パラリンピック開催の時と新型コロナウイルス感染拡大の時にそれぞれ中止となり、1回はオンラインでの開催となった。

 紆余曲折をへてここまで来たジャパンフェア。塚本さんは「一番私がうれしいのは(ジャパンフェアが)バンクーバーでなくてはならないイベントになったということですよね」と語った。

 その魅力はやはり日本のフードや文化を体験できることと言う。またその他にも、バンクーバーだけでなく、先月行われたWBCでの日本代表の活躍、観戦していた日本人ファンの行動など、世界で発信されている日本人の気質そのものが受け入れられていることも人気の理由の一つではと見ている。

 ジャパンフェアでも、「日本人とはこういうマインドを持っているんだということも(文化やフードの魅力と一緒に)伝えていければなと思っています」

 そして継続的に開催できるように、これまではボランティアだけで運営していた2日間を昨年の混乱した経験を踏まえて今年から一部を運営会社に任せるなどの改革も試みた。毎回支えてくれているボランティアへの感謝の気持ちは誰よりも強い。ただ規模が大きくなっても継続できるように改革も必要だと感じている。

 1年を通して準備するジャパンフェア。毎年大変だと笑う。それでも「これからも楽しみにしてくれている皆さんの期待を裏切らないように、続けていける最善の方法を模索しながら、開催できるようにしていきたいと思います」と語った。

さくらデイズ・ジャパンフェア、三味線デュオ輝&輝、和太鼓演奏者・金刺敬大さん、ギタリスト中島有二郎さんによる演奏。2023年4月15日、バンデューセン植物園。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
さくらデイズ・ジャパンフェア、三味線デュオ輝&輝、和太鼓演奏者・金刺敬大さん、ギタリスト中島有二郎さんによる演奏。2023年4月15日、バンデューセン植物園。Photo by Koichi Saito/Japan Canada Today
さくらデイズ・ジャパンフェア、晩香坡神輿の会「楽一」による獅子舞。2023年4月15日、バンデューセン植物園。Photo by Japan Canada Today
さくらデイズ・ジャパンフェア、晩香坡神輿の会「楽一」による獅子舞。2023年4月15日、バンデューセン植物園。Photo by Japan Canada Today
さくらデイズ・ジャパンフェア、書道家姫洲(きしゅう)さんによるデモンストレーション。2023年4月16日、バンデューセン植物園。Photo by 2023 © MIYUKI PHOTOGRAPHY
さくらデイズ・ジャパンフェア、書道家姫洲(きしゅう)さんによる書道のデモンストレーション。2023年4月16日、バンデューセン植物園。Photo by 2023 © MIYUKI PHOTOGRAPHY
さくらデイズ・ジャパンフェア、Southern Wave Okinawan Music & Dance(サザンウェーブ 沖縄の唄と踊り愛好会)によるステージ。2023年4月16日、バンデューセン植物園。Photo by 2023 © MIYUKI PHOTOGRAPHY
さくらデイズ・ジャパンフェア、Southern Wave Okinawan Music & Dance Society(サザンウェーブ 沖縄の唄と踊り愛好会)によるステージ。2023年4月16日、バンデューセン植物園。Photo by 2023 © MIYUKI PHOTOGRAPHY

その他の写真は随時インスタグラムに掲載予定。https://www.instagram.com/jpncantoday/

(動画 斉藤光一/記事 三島直美)

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バンクーバー朝日ボランティアコーチ米澤(ハリー)幸也さんを偲んで

 バンクーバーでがんと闘っていた米澤(ハリー)幸也さんが4月6日、永眠した。最後の最後まで生きる望みがある限り治療を続けたいと生前語っていたと朝日ベースボールアソシエーション副会長福村十三郎さんは話した。

 米澤さんがバンクーバーに滞在していた期間は比較的短い。それでも彼のポジティブな言動は周りに良い影響しか与えなかったと振り返った。

 思い出は尽きないという。米澤さんはバンクーバーで学校に通いながら、バンクーバー朝日でボランティアコーチをしていた。チームで彼がいかに慕われていたかは、今年1月の新年会での様子が物語っている

 常に前向き、0.000001%でも可能性があることにはチャレンジする。朝日でボランティアコーチをするきっかけも本人の熱い希望によるものだったと福村さんは言う。「何度も、何度も、しつこくメールが来たんですよ。まだシーズンオフだと言っているのに」と笑った。

 日本でも、バンクーバーでも続けていたことがある。ゴミ拾いだ。以前に見たドキュメンタリーでゾウのお腹から大量のゴミが出てきたことにショックを受け、それ以来毎日ゴミ拾いを続けていたという。

 強い思いを持ち続け、実行できるのが「ハリーのすごさ」と語る。

 もう一つのエピソードは、阪神園芸への就職。米澤さんは就職を希望していたが当時求人は出ていなかった。でも求人がないからチャンスがないということにはならないらしい。求人がなくても就職できるチャンスがあると思えば、何度でも挑戦する。阪神園芸と言えば、甲子園のグランド整備を請け負っている会社として知られている。もちろん、スポーツ施設本部スポーツ施設部に就職した。

 福村さんによると、お父さんにとっても自慢の息子だったという。

 その生き方は、見逃し三振をしないと決めていた感じに似ていると語る。空振り三振なら納得できる。でもチャンスがある限りバットを振ってファウルで粘る。粘って、粘って、チャンスをつかむ。そんな人生だったのではないかと思う、最後は力尽きた空振り三振ではない、「きっとボールがなくなってしまったのだと思います」と話した。

 しかし、ハリーさんのあきらめない精神はきっとバンクーバー朝日の選手を含め、彼と触れあった全ての人に受け継がれていくだろうと期待している。15日には偲ぶ会がニューウエストミンスターで行われた。23歳の早すぎる旅立ちを、バンクーバー朝日の関係者、友人・知人が集まり、見送ったという。

 福村さんは「ハリーにかける言葉は『ありがとう』、その一言しかないです」と語った。

(文・三島直美)

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The 16th “Okuni Jiman –  I ❤️MY HOMETOWN: Okinawa” Zoom Event

With the cooperation and support from many people, we have introduced 1/3 of all the prefectures since we started in February 2021. 
This session features Okinawa.  Vancouver resident Yumeno and others will give a tour of their home prefecture highlighting its “chanpuru” or mixed diversity.

[Date and Time]

13 May 2023 (Sat) 19:00- Pacific Time
14 May 2023 (Sun) 11:00- Japan Time

[Registration]
https://forms.gle/UZ2hjJzCUYqd2B4k7

※Free Admission

[Archive]
Previous presentations can be found here:
https://okuni-jiman.blogspot.com/

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