カナダde着物
第84話
*卒業式:着物で祝う一日*
お天気が良い日が続いているグレーターバンクーバー地域。いつもの年よりお日様をいっぱいに浴び、お得感が増している今日この頃です。
皆さま、雨の多い冬が来る前に、夏の日差しをたっぷり浴びて、心も身体も元気をチャージしておきましょう。(ビタミンも少しは蓄えられるといいですね。笑)

この時期に鮮やかに咲く菖蒲(あやめ)又は(しょうぶ)は、「うれしい知らせ」「優しい心」「優雅」「心意気」と言う意味があるそうで、卒業シーズンにお花を贈る際にはぴったりなお花かもしれません。
これから新しい一歩を踏み出す人へ「未来が花開くこと」を願いながら。

*今日の着物*Today’s Kimono*
「卒業式:着物で祝う一日」
カナダでは、5月から6月にかけて各地で卒業式が行われます。私の三人の娘の末娘も、ブリティッシュ・コロンビア(BC)州オカナガン地方にある大学University of British Columbia Okanaganを卒業しました。湖とビーチが広がるこの街は、彼女のお気に入りで想い出がいっぱいできたようです。
卒業式当日、私は色無地に小紋の着物、華紋の袋帯を合わせて参列しました。その後のお祝いランチは、オカナガンのワイナリーMission Hill Family Estate Wineryでいただきました。その際は同じ着物のまま、帯だけをモダンな博多袋帯に替えています。

乾いた空気と葡萄畑の新緑が広がるオカナガンの風景を思い浮かべながら、装いを選びました。同じ着物でも、帯を変えるだけで印象が大きく変わるのが不思議であり、また着物の楽しさでもあります。
旅行中は荷物の制約がありますが、帯や小物の組み合わせを変えることで、シーンに合わせた装いが楽しめます。 皆さまも、旅先でのひとときに、着物という選択肢を少しだけ取り入れてみてはいかがでしょうか。

*今日の集い*Today’s Gathering *
「お寺で生きがい講座*着物ワークショップを開催」
爽やかな青空が広がる週末、お寺には着物を愛する皆さんが集まりました。以前開催した「お寺で生きがい講座」の第二弾として、今回は着物ワークショップを開催しました。
講師にお迎えしたのは、「日本一ハードルの低い着付け講座」を掲げ、国内外で活躍されている秋田桃子先生です。廃棄される着物を未来へつなぐ活動にも力を注がれており、着物を通して生きがいを見つけることをテーマに、お話と実技をご指導いただきました。
皆さんは、着付けにはさまざまな方法があることをご存じでしょうか。TPOに合わせた着方はもちろんありますが、自分で楽しむ着物は、本来もっと自由であってよいものです。桃子先生が提案されるのは、「自分で着て、心地よく過ごせる、自分のための着付け」です。
その基本となるのは、「補正を使わない」「きつく苦しい着付けをしない」「難しく考えず、まずは着てみること」の三つ。特別な日の装いだけではなく、普段の暮らしに気軽に着物を取り入れてほしいという思いが込められていました。
私自身、特に驚いたのは腰紐を結ぶ位置です。近年はウエストの位置で締める方も多いそうですが、それでは内臓を圧迫し、苦しさの原因になることがあります。丹田の高さで締めることで、身体への負担が少なく、痛みや苦しさも感じにくくなると教えていただきました。
また、襟元を整えるために使う伊達締めは、帯を締めた後で外しても問題ないというお話にも驚きました。一般的な着付けで使われる小物を減らし、紐を一本でも少なくすることで、身体への締め付けを軽減できるそうです。
「当たり前」と思っていたことを見直してみると、新しい発見がたくさんあります。さらに興味深かったのは、昔の女性の下着についてのお話でした。腰巻きを用いることで足の付け根のリンパを締め付けず、身体を自然な状態に保つという考え方があったそうです。いきなり昔ながらの生活を取り入れるのは難しいかもしれませんが、股引きなどから試してみるのもよいかもしれません。昔の人は、着物を通して身体に負担をかけない工夫をし、健康を保っていたことを知り、とても勉強になりました。
講座では興味深いお話が次々と飛び出し、着付けの実演や実践的なご指導もあり、あっという間の2時間でした。
世界中を着物姿で旅し、その魅力を伝え続けている秋田桃子先生。またぜひバンクーバーにお越しいただき、お話を伺える日を楽しみにしています。

コナ ともこ
(和の学校@東漸寺 主宰)
*参照*
講師紹介
和装和ごころ研究家:秋田 桃子(あきた ももこ)女史
(ホームページ)
https://kimonokitai.com
(メルマガ)
https://resast.jp/subscribe/MTBlYmVkNzUyM

「着物語り」
コナともこさんが着物の魅力をバンクーバーから発信する連載コラム。毎月四季折々の着物やカナダで楽しむ着こなしなどを紹介します。
2020年8月から連載開始。第1回からのコラムはこちらから。
コナともこ
アラ還の自称着物愛好家。日本文化の伝道師に憧れ日々お稽古に励んでおります。
15年前からコキットラム市の東漸寺で「和の学校」を主宰。日本文化を親子で学び継承する活動をしております。
年間を通じて季節の行事に加え、お寺での初参り、七五三祝い、十歳祝い、元服祝い、二十歳祝い、結婚式、生前葬、お葬式などの設えと装いのお手伝いもさせていただいております。
*詳しくはコナともこまでお問い合わせ下さい。tands410@gmail.com
東漸寺は非営利団体で、和の学校の収益は東漸寺の活動やお寺の維持の為に使われています。
次女とバンクーバー近郊在住。
《和の学校@東漸寺》
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