私がカナダに来たのは、語学留学がきっかけで、最初はオンタリオ州のセントキャサリンズという町に滞在しました。英語を学びながらワーキングホリデーも経験し、少しずつ現地の生活に馴染んでいったのを覚えています。その後はバンクーバーへ移り、免税店での接客、出版関連の仕事、日系文化センター・博物館での活動など、さまざまな経験を積んできました。
なかでも特に心に残っているのが、日系文化センターでの仕事です。日本文化を紹介するイベントの企画や、日本から訪れる方々のサポートを通じて、自分のルーツを活かしながら活動できたことに、大きなやりがいを感じていました。なかでも印象深かったのは、ゼロから作り上げた夏祭りの企画です。私はステージ担当として、2日間にわたるパフォーマンス構成を任されるという大役を担いました。準備は大変でしたが、当日たくさんの笑顔に出会えたときの感動は、今でも忘れられません。
また、そこで出会ったワーキングホリデーや留学中の若者たちが「日本ではできない経験ができた」と語ってくれることも、私にとって大きな喜びでした。最初は戸惑っていた子たちが、イベントをきっかけに少しずつ自信をつけていく姿を見るたびに、カナダでの時間が彼らにとって意味あるものになっているのだと実感し、私自身も大いに励まされました。
カナダの魅力のひとつは、「人と違うこと」がその人の個性や魅力として、自然に受け入れられている点です。誰かと比べたり、人の目を気にしたりせず、自分らしく自然体でいられる空気の中で過ごす心地よさは、かけがえのないものでした。
また、年齢や肩書きにとらわれず、誰もが対等に扱われるフラットな雰囲気も心地よく、年を重ねることをポジティブに捉え、それぞれのライフステージを前向きに楽しんでいる人が多いと感じます。そんな環境が、私自身をより自由にしてくれたのだと思います。
なかでも、バンクーバーの人たちは本当にフレンドリーで親切な方が多く、たとえ失敗しても「It’s OK!」「Nice Try!」と笑って励ましてくれたり、ときには一緒に笑い飛ばしてくれたりします。そんな“ゆるくてあたたかい”文化に触れるうちに、失敗を恥ずかしいと思わなくなり、むしろ前向きに行動できるようになったと感じています。
だからこそ、もし今「カナダに行こうか迷っている」のであれば、自分の可能性を信じて、ぜひ一歩踏み出してみてください。思い切って挑戦すれば、きっと何かが変わるはずです。
デザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)https://kiito.jp/
(記事・動画 斉藤光一)
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