ラグーンに閉じ込められた子どものシャチ、救出を延期に

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州バンクーバー島ゼバロスで、ラグーン(外海から隔てられた水深の浅い場所)から出られなくなっている子どものシャチが、救出チームが与えたアザラシの肉を食べたと、各社が報じた。シャチが食べ物を食べたのは、3月23日に発見されてからおそらく初めてという。

 地元先住民によってkʷiisaḥiʔis(クイザヘイエス、勇敢な小さなハンターの意)と名付けられたシャチは4週間にわたりラグーンから出られず、地元の先住民と海洋哺乳類研究者、カナダ漁業海洋省(DFO)が救出活動を続けている。クイザヘイエスが海に戻って群れと再合流するには、狭く浅い砂州を通り抜けなければならない。

 地元先住民エハッテサトのチーフ、サイモン・ジョン氏によると、4月18日の夜にナチャトラト先住民がクイザヘイエスに向かってシャチの好物のアザラシ肉の塊(約18キログラム)を投げると、クイザヘイエスは肉を口で取って水中に潜ったという。

 2度目の救出作戦のために地引網船がキャンベル・リバーからゼバロスに来ていたが、前日にクイザヘイエスが肉を食べたことで作戦は一旦中止に。ジョン氏は次の救出作戦はおそらく1週間後くらいになると言い、「一休みするのにちょうどいい」と話した。

 DFOの海洋哺乳類コーディネーターのポール・コットレル氏は、今回の件で救出の選択肢が広がり時間的余裕もできたと話す。肉でおびき寄せて海へと導くことも考えられるという。コットレル氏は「(成功するかどうかは)クイザヘイエスがどう反応するか次第だが、我々は楽観視している」と話している。

 BC州ビクトリア市を訪問していたジャスティン・トルドー首相も会見でシャチについて「みんなで状況を見守っている」と言及し、DFOが全面協力していると聞いていると話した。

(記事 編集部)

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