東京オリンピックで来日したカナダ人記者や選手が日本に夢中に!

 東京オリンピックで来日したメディア関係者やカナダの代表選手らによるSNSへの投稿が、日本で話題になっている。ユニークな内容で一躍、日本で有名になったカナダ人記者や選手の投稿を2回に分けて紹介する。

 前編のセブンイレブンに夢中になった『CBC』記者のデヴィン・ハーロウ(Devin Heroux)さんに続いて、後編ではメディア関係者や選手がSNSを通して日本人と交流する様子や日本での体験についてまとめた。

コンビニおにぎりに苦戦の元オリンピアン

『CBC』のレポーター、アナスタシア・ビュクシス(Anastasia Bucsis)さんのツイッターも大きな反響を呼んだ。

 アナスタシアさんは、コンビニで購入したおにぎりをうまく開けることができず、困った様子をビデオと「助けてください」のメッセージを7月26日にツイッターに投稿した。

 この投稿に対しては9日時点で再生回数145万回超。図解や動画、英語でのアドバイスが多数寄せられた。

 アドバイスのおかげで無事、おにぎり開封に成功。アナスタシアさんは報告とお礼に新たな投稿を行った。

 さらにこの投稿で日本のツイッターユーザーとのやりとりを見たスピードスケートの小平奈緒さんが「日本の皆さま、私のカナダの親友を励まし、助けてくださってありがとうございました」とお礼のツイートをした。

 アナスタシアさんは元スピードスケート選手で2010年バンクーバー、2014年ソチ冬季オリンピックに出場している。二人はこれまでに世界の舞台で一緒に戦った間柄だ。

 また、小平さんはアナスタシアさんに「おにぎりサプライズ」としておにぎり柄ソックスをプレゼント。アナスタシアさんは「カナダで履いて、あなたと日本のことを考えます」と返信した。

 このやりとりに、1万件の「いいね」が付き、
・会えなくてもお互いの思いが通じているのが伝わってきます。 奈緒さんとバクシスさんとの素敵な交流が見られて嬉しいです。
・素敵なプレゼントですね
・おにぎりがつなぐ友情!
と、感動のコメントが寄せられた。

 さらに8月7日にはファンからのプレゼントとともに「日本人は世界で最も親切!(The Japanese are the nicest in the world! )」と投稿。

 「日本に来てくれてありがとう。パンデミックが終わったらまた来てください(Thank you for coming to Japan. Please come again when the pandemic is over.)」と再来日を期待するコメントが相次いだ。

 アナスタシアさんは7月27日にも、車から顔を出す柴犬の姿を「日本が大好きです」のメッセージとともに投稿していた。

 そのほか、関係者が自由に利用できた日傘も気に入ったようだ。「北米は日本の傘の文化を学ぶ必要がある(North America needs to get on this Japanese umbrella culture)」と投稿。

最中アイスにメロンパンを楽しんだ、ソフトボール代表 

 ソフトボールカナダ代表のサラ・グロンウェゲン(Sara Groenewegen)選手は、tiktokに日本での滞在の様子を投稿している。サラさんはピッチャーで、カナダに銅メダルをもたらした3位決定戦でマウンドに立った。

 ボタンが多数ついたトイレの温水便座に驚いたり、雨の日に提供されたビニール傘に喜ぶ姿、メロンパンや最中アイスを楽しむ様子などを投稿している。ソフトボールのカナダ代表チームは愛知県安城市で事前合宿を行っていて、そのときのできごともまとめている。

 これらの投稿に「日本へようこそ」「日本を楽しんでください」「covid19が落ち着いたらまた日本にきてくださいね」「チョコもなかジャンボおいしいですよね」などと日本のファンからコメントが寄せられた。

 サラさんは2018年に感染症により重度の肺炎を患う。一時は生命が危ぶまれたというが何とか回復して、今回のオリンピック出場を果たした。

@saragroe

Another day here in Japan training for the Olympics ✔️#fypシ #softball #tokyo2020

♬ Beggin’ – Måneskin

美容院でVIP対応を受けた、セーリング代表

 セーリングのカナダ代表サラ・ダグラス(Sarah Douglas)選手は、選手村の美容院で4人に美容師が同時に対応するというVIP待遇に驚いて、ツイッターに「美容院で女王のように扱ってもらっている(Being treated like a queen at the hair salon)」と投稿した。

 この様子には東京オリンピックCBCのプロデューサー、ジャクリーン・ドアリーさんも「すごい(This is epic)」と投稿に対して返信を送った。

 海外からの選手団やメディア関係者らは行動を厳しく規制される中での来日となり、オリンピック開催となった。それでも、来日した人たちの多くが日本を楽しみ、パンデミックによる閉塞感が漂う中でこれらのSNSが人々を温かい気持ちにさせ、元気を与えてくれた。なにより日本の良さをカナダに、世界に、伝えてくれていた。

 アナスタシアさんは最後に「さようなら日本、大好き。Goodbye Japan, I love you」と投稿。おにぎり柄のソックスを履いて帰国の途に就いた。

(取材 西川桂子)

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