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カナダ連邦下院総選挙は自由党が勝利も過半数に届かず少数派政権に

 第45回カナダ連邦下院総選挙はマーク・カーニー党首率いる与党・自由党が政権を維持することが決まった。自由党政権は4期連続となる。

 4月28日に行われた投開票の結果は総議席数343のうち、自由党169、保守党144、ケベック連合党22、NDP(新民主党)7、グリーン党1。第一党となった自由党は得票率が43%だったものの単独過半数の172議席にわずか3議席届かず、少数派政権となる。

 自由党マーク・カーニー党首は、アメリカのトランプ大統領の関税問題などを背景に、今年初めには敗北が確実視されていた党の情勢を逆転させた。日付が変わってからの勝利宣言では「内閣や党内でチームとして統治すること、国会の全ての党と建設的に協力すること」を重要視するとし、「住んでいる場所、言語、支持政党に関わらず、全てのカナダ国民のために政治を行う」と述べた。

 一方の保守党も41パーセントと高い得票率を記録し、16議席増やしたが、政権を奪還できなかった。しかもピエール・ポワリエブル党首が落選するという事態となった。同党首は2004年から議席を保持してきたオタワ市のカールトン選挙区から出馬したが、自由党のブルース・ファンジョイ氏に敗れた。それでも落選が確定する前の支援者へのスピーチでは党首続投を表明している。

 今回の選挙は自由党と保守党の2大政党一騎打ちとなり、そのあおりを受けたのがNDP。同党は大幅に議席を減らし、12議席必要な公式政党の資格を失った。ブリティッシュ・コロンビア州バーナビー・セントラル選挙区から出馬したジャグミート・シング党首も落選、自由党のウェイド・チャン氏に議席を明け渡した。シング党首は引責辞任を表明している。

 ケベック連合党も議席を減らしたがNDPほどではなく、イヴ=フランソワ・ブランシェ党首は自由党との協力に前向きな姿勢を示している。

 カーニー首相は一夜明けた4月29日には早速トランプ大統領と電話会談したことを明かした。

(記事 高城玲、三島直美)

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バンクーバーで開催中のフィリピンフェスティバルで車が突っ込み11人死亡

事件後、現場には多くの花束が手向けられていた。2025年4月28日、バンクーバー市。撮影 斉藤光一
事件後、現場には多くの花束が手向けられていた。2025年4月28日、バンクーバー市。撮影 斉藤光一

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州バンクーバー市で4月26日に開催されていたフィリピンコミュニティの催しで、群衆に車が突っ込む事件が発生した。死者11人、けが人多数が出る大惨事となった。

 バンクーバー市警察によると、事件が起きたのはバンクーバー市南部のイースト43番アベニューとフレーザー・ストリート付近。午後8時ごろ「ラプラプ・デイ・フェスティバル」で集まっていた人々の中にSUVが突っ込んだ。通行人や目撃者が容疑者の男を取り押さえ、駆けつけた警察官が逮捕した。

 死亡した11人は5歳から65歳。BC州保健省が確認したところでは死亡者を含む32人が病院に運ばれたという。バンクーバー市警は29日の会見でけが人は多数として詳細は明らかにしなった。現時点で日本人が事件に巻き込まれたという情報は入っていない。

 容疑者はバンクーバー市在住のカイジ・アダム・ロー(30歳)。警察は27日にロー容疑者を8件の第2級殺人罪で起訴したと発表した。テロの可能性は低いとしている。

 フェスティバルを主催したFilipino B.C.のRJアキノ代表は事件後、世界中から支援の声が届いていると話した。現場近くのセント・メアリー・ザ・バージン・サウスヒル教会で行われた祈祷集会には多くの人が集まったという。

 バンクーバー市警察スティーブ・ライ暫定本部長は、今回の事件を「バンクーバー市の歴史上、一番暗い日」だとし、「あまりにも無意味で理解し難い事件。この悲劇を防ぐことができなかったのかという問いがあることは承知している」と述べた。フェスティバルの警備計画については、リスクアセスメントに基づき専任の警官や警察車両の配備は不要と判断したという。

 会見に同席したバンクーバー市ケン・シム市長は、ロー容疑者が過去に精神状態に関連する救急隊や警察との接触が数多くあったことに触れ、精神疾患に関する根本的な対応の重要性を訴えた。

(記事 高城玲)

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留学生受け入れ制限に、バンクーバーのコミュニティカレッジ教師などが抗議集会

 ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市ダウンタウンのバンクーバー美術館前で4月25日、高等教育機関の教師やスタッフが留学生受け入れ制限に対する抗議集会を行った。

 連邦政府は2024年に国内の住宅事情や医療負担に対する改善策のひとつとして学生ビザ発給数に上限を課す措置を導入した。しかし多くの高等教育機関は留学生の授業料に大きく依存していたため深刻な予算不足に陥っている。

 今回の抗議集会はバンクーバー・コミュニティ・カレッジ(VCC)やメトロバンクーバーにある他の教育機関の教師が企画した。VCCのウェブサイトの声明では、この受け入れ制限措置は「計画も協議もないまま急速に導入された」もので、「プログラムの大幅な削減、教育機会の喪失、教職員の雇用喪失など、教育機関に壊滅的な打撃を与え、地域社会にも深刻な経済的影響をもたらしている」としている。

 VCC教職員組合タリン・トンプソン副組合長は集会で、VCCではすでに60人以上のスタッフが解雇され、今後さらに解雇は広がるだろうと述べた。ランガラ・カレッジ、キャピラノ大学、ダグラス・カレッジなど、他の高等教育機関も同様の問題に直面しているという。

 これに対してBC州高等教育・未来スキル省は声明で、留学ビザの変更は「一方的な決定だった」と連邦政府を非難。州政府として引き続き連邦政府に懸念を伝えていくとした。

(記事 高城玲)

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バンクーバー市東部で大規模火災発生、老舗靴メーカーも被害に

 ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市東部で4月23日、大規模な火災が発生した。複数の建物が焼け、地域で長年親しまれてきた店も被害を受けた。

 バンクーバー市消防署によると、火災があったのはイーストヘイスティングス・ストリートで、ナナイモ・ストリートとレイクウッド・アベニューの間。午前4時ごろに通報があり、消防隊員が駆けつけたところ建物裏手から煙が上がっていたという。

 建物3棟が燃えたが、いずれも屋内に人がいなかったため死傷者は出なかった。消防隊員約45人が消火にあたり、完全に作業を終えたのは午後1時ごろ。その間、道路は通行止めとなった。

 今回の火災で、イーストバンクーバーのアイコン的な店「Wohlford & Company(旧称 Dayton Boots)」や「Windsor Meats」が被害に遭った。Wohlford & Companyは1946年創業の靴メーカーでブーツの看板が目印。オーナーのホール・リスクさんはCBC電子版のインタビューに「ほとんどすべてを失った。どうしていいのかわからない。悪夢のようだ」と嘆いた。

 4月24日にはバンクーバー市警察が今回の火災には疑わしい点があると発表。重大犯罪課が捜査にあたっていると述べた。

(記事 高城玲)

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カナダ総選挙、保守党の選挙公約テーマは「変化」

 カナダ下院総選挙まで1週間を切るなかで、保守党のピエール・ポワリエブル党首が4月22日に選挙公約を発表した。「変化」をキャッチフレーズに掲げ、財政赤字を70%削減すると同時に所得税の引き下げを行うとしている。

 減税は200億ドル規模で、連邦所得税の15%削減、住宅購入時の消費税減税、カナダ製自動車の消費税減税などが含まれている。連邦所得税は最低区分について税率を現行の15%から12.75%にする。公約によると、これにより労働者は毎年900ドル、一般世帯では毎年1,800ドルの減税になるという。連邦所得税15%削減は4年かけて段階的に実施される。

 赤字削減についてポワリエブル党首は、官僚システムやコンサルティング、対外援助などの支出を抑えながら、資源関連産業の雇用による成長促進で実現すると述べた。今後4年間の赤字額は1,000億ドルと試算している。今年度に見込んでいる財政赤字468億ドルは増収と支出削減で313億ドルまで減らせるという。

 さらに公約では、自由党と同じく、アメリカへの報復関税による200億ドルの税収を見込んでいる。ポワリエブル党首はこの増収分を、減税と関税で直接的に影響を受ける産業への支援に充てるとしている。

 保守党の公約に対し、自由党のマーク・カーニー党首は「実体のない数字が並んでいる」と批判している。

 自由党、新民主党、ケベック連合党はすでに公約を発表している。保守党が公約を発表したのは期日前投票が終了した翌日。投開票は4月28日に実施される。

(記事 高城玲)

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カナダ総選挙終盤を迎える前に自由党とNDP、選挙公約を発表

自由党と新民主党の候補者の名前が掲げられたノースバンクーバー選挙区。2025年4月17日、ノースバンクーバー市。撮影 日加トゥデイ
自由党と新民主党の候補者の名前が掲げられたノースバンクーバー選挙区。2025年4月17日、ノースバンクーバー市。撮影 日加トゥデイ

 カナダ下院総選挙が終盤を迎える中、自由党マーク・カーニー党首と新民主党(NDP)ジャグミート・シング党首が4月19日、各政権公約を発表した。

 自由党の公約はトルドー前首相による2021年の公約から大きく方向転換した内容。今後4年間で約1,300億ドルの支出を見込んでいる。

 公約の柱は「団結、安全、保護、建設」。国防費として新たに180億ドル、住宅問題に120億ドルなど、すでに発表されていた項目に重点が置かれている。さらに、カナダ国内の各州との取引における障壁撤廃、カナダ製品の購入促進、アメリカの関税からの労働者保護、軍の再建と再投資、より強固な医療制度の構築などを挙げている。

 公約にはアメリカへの報復関税から見込まれる200億ドルの歳入も盛り込まれている。また今年の財政赤字については623億ドルを見積もっているが、2028・29年度までには赤字を150億ドル減らし、480億ドルまで縮小するとしている。

 一方NDPシング党首は、税制改革のほか今後4年間でメンタルヘルス対策に70億ドルを投じると公約。さらに資産1,000万ドル超の「超富裕層」に税を導入すると述べた。これにより毎年220億ドルの税収が見込めるとしている。

 またカーニー首相が撤回したキャピタルゲイン税の引き上げを再導入し、収入増を目指す。さらにアメリカ製品への関税を財源にした雇用保険の支給額引き上げ、ゼロエミッション車(テスラ製品除く)へのリベートなどを挙げている。

 投開票は4月28日。期日前投票は18日から4日間実施された。

(記事 高城玲)

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カナダ下院総選挙党首討論会、自由党カーニー党首に集中砲火

 連邦下院総選挙の期日前投票を前に4月17日、英語での党首討論会が行われた。前日にはフランス語での討論会も実施された。イースター連休前に各党首が英仏両語で激論を交わした。

参加したのは、自由党マーク・カーニー党首、保守党ピエール・ポワリエブル党首、NDP(新民主党)ジャグミート・シング党首、ケベック連合党イヴ=フランソワ・ブランシェ党首。グリーン党は16日に参加資格がないと選挙管理委員会から告げられ参加できなかった。

 17日、司会のスティーブ・ペイキン氏が最初に取り上げたのは「トランプ大統領と関税」。各党首とも同大統領によるカナダ併合に関する発言や経済的脅威に対し報復関税をもって対抗するべきとした。

 カーニー党首はトランプ大統領が貿易システムの再構築を目指すなか、カナダが自国の経済を自らコントロールすることが重要とした。問題をカナダ・アメリカ関係として捉えようとするカーニー党首に対し、ポワリエブル党首は減税や規制緩和などの必要性についても述べた。

 自由党が支持率でリードする中でカーニー党首が他の党首から集中砲火を浴びた。

 ポワリエブル党首はカーニー党首をジャスティン・トルドー前首相と結びつける戦略を繰り返した。ここ数年のインフレを引き起こしたのは自由党政権であり、カーニー氏はトルドー前首相に助言していたと非難。これに対しカーニー党首はインフレに関する助言はしていないこと、またカナダ銀行総裁として低いインフレ率を実現したことを主張した。

 一方シング党首はカーニー党首に「選挙前に雇用保険改革をするべきだった」と批判。ブランシェ党首は「アメリカの関税で打撃を受けたケベックの産業に対し、十分な支援をしていない」と指摘した。

 シング党首は、ポワリエブル党首に対しても「富裕層や企業を対象に減税をしようとしている」と非難。住宅問題については保守党政権で住宅担当大臣を務めたポワリエブル党首の実績に疑問符をつけた。

 中盤にはペイキン氏が各党首に「安全保障上の最大の脅威はなにか」について質問。ポワリエブル党首は「犯罪の激増」を挙げて強硬な治安対策を主張、カーニー党首は「中国」と答えた。シング党首は「違法な銃の密輸入」、ブランシェ党首は「アメリカへの軍事的依存」と述べた。

(記事 高城玲)

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バンクーバーで凶悪事件、強盗犯が従業員を金属バットで殴打

バンクーバー市キャンビー通りにあるバンクーバー市警。Photo by The Vancouver Shinpo
バンクーバー市キャンビー通りにあるバンクーバー市警。Photo by The Vancouver Shinpo

 ブリティッシュ・コロンビア州バンクーバー市南部にある小売店で4月16日、強盗に入った男が野球の金属バットで従業員に暴行を加える事件が起きた。

 現場はマリーン・ドライブとオンタリオ・ストリート近くの店舗。バンクーバー市警察によると、同日午後2時45分ごろに容疑者の男が店舗に入ってきて野球バットを含む数百ドル相当の商品を盗もうとした。従業員はこれを止めようとしたが、男がバットで複数回殴打したという。

 さらに男は現場から逃走しようとした際、追ってきた従業員たちにも暴行を加えた。通報を受けた警察は、目撃者の協力により現場で男の身柄を拘束した。暴行を受けた従業員は頭部と顔に重傷を負い、救急車で病院へ搬送された。

 男はダニエル・ブランドン・サミュエル・ヴァリュー容疑者(30歳)で、強盗・暴行などの罪に問われている。現在も勾留中で保釈審問が予定されている。

 CTV電子版の報道によると、同容疑者は17日に別件の容疑で州裁判所に出廷する予定だった。裁判所の記録によると同名で同じ生年月日の人物が、4月6日にバンクーバーで起きた事件に関連して、暴行、5,000ドルを越える窃盗、保釈命令違反の容疑で起訴されているという。

(記事 編集部)

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メトロバンクーバーのサレー市教育区、アメリカへのフィールドトリップを一時中止

オンタリオ州オタワ市にあるアメリカ大使館の星条旗。2025年4月2日。撮影 日加トゥデイ
オンタリオ州オタワ市にあるアメリカ大使館の星条旗。2025年4月2日。撮影 日加トゥデイ

 先行き不透明な昨今のアメリカの政情を受けて、メトロバンクーバーのサレー市教育区は域内の学校のアメリカへのフィールドトリップを全て一時中止すると発表した。

 サレー市教育区はブリティッシュ・コロンビア(BC)州最大の教育区。マーク・ピアメイン教育区長はサレー市はさまざまなバックグラウンドを持った生徒が集まっているとし、国境でのトラブルを避けるために中止に踏み切ったという。「生徒のなかには、両親の仕事のために一時的にカナダに滞在している生徒もいる。教育区は常に生徒やスタッフの安全を考慮している」

 同教育区では毎年40〜60の海外へのフィールドトリップが行われ、約半数の行き先はアメリカだという。内容はスポーツ関係からダンス・コンペティション、音楽など多岐にわたる。

 ピアメイソン教育長は教員にBC州を含むカナダ国内の旅行を検討するよう勧めているという。一方で将来的にアメリカへの旅行が可能になることを望んでいると述べた。

 サレー市教育区の措置はニューブランズウィック州のフランス語教育区に続くもの。同教育区ではハイスクールのオーケストラのアメリカ旅行をキャンセルすると発表した。

 BC州のほかの教育区では同様の措置は取っていない。しかしバンクーバー市教育区は声明で、現在はアメリカへのフィールドトリップを禁止してはいないものの要望を受けた場合には政治情勢を考慮すると述べている。

(記事 編集部)

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ごみ箱に捨てられたミニチュアプードル、順調に回復

 バンクーバー市のごみ箱で4月2日、けがをしたミニチュアプードルが発見されるというショッキングな事件が起きた。

 オスカーと名付けられたこの犬を発見したのはテリー・スパローさんと婚約者のクリスタ・ブリスクさん。ブリティッシュコロンビア大学近くにあるパシフィック・スピリット・リージョナルパークを散歩している途中、ガムを捨てようとごみ箱のふたを開けてオスカーに気づいたという。

 発見時のオスカーは骨折や股関節脱臼などのけがを負い、鳴くことも歩くことも出来ない状態だった。けがの原因については分かっていない。またマイクロチップをつけていたが未登録状態で飼い主を探すのは難しいという。

 現在は手術を受けて順調に回復している。オスカーの支援には7,000ドルの寄付が集まった。不足分は治療にあたっているCanada West Veterinary Specialistsが補足した。

 警察と動物保護団体BCSPCAはこの件についての情報を求めている。BC州の動物虐待防止法では、動物の遺棄には最高75,000ドルの罰金および最長2年の禁固刑が科せられる。カナダ刑法に基づいて有罪となった場合には最高1万ドルの罰金および最長2年の禁固刑が科せられるという。

(記事 編集部)

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日本とカナダの学生&企業を結ぶキャリアフェアに約480人が集結!

2025年3月25日、BC(ブリティッシュコロンビア)州バンクーバー市にて、日本とカナダに関わりのある学生と企業を繋ぐキャリアイベント「Japan Connect」が開催された。

カナダに拠点を置く日系企業28社と、BC州の学生/社会人およそ480名が参加。活気溢れる1日となった。

今回のイベントは、UBC大学の学生団体「Japan Career Network(JCN)」と日本・カナダ商工会議所の共催で実現。世界最大級の日英バイリンガル向け就活イベント、ボストンキャリアフォーラム(通称ボスキャリ)を主催するキャリタスも企画運営に携わった。

2019年より「Nikkei Connect」の名で親しまれたこのイベントは、改名し今年で第4回目の開催。今年は過去最大規模、昨年度の1.5倍以上の参加人数を記録した。


参加者の声

学生にとっては企業と直接会話出来るチャンスとなった「Japan Connect」。まず今年の参加者の声を聞いてみよう。

「これからしっかり将来のことを考えないと、と思ったタイミングだったので、様々な企業の話を聞いてみたいと思い参加した」

そう話すのは、日本で社会人経験を積んだのちカナダにCo-op留学で来た学生。プログラムの一環で、カナダでの就職を目指しているという。イベントの規模の大きさに驚いたのと同時に、様々な企業が出展していて興味深かったと語った。

同じくCo-op留学で来た学生は、「日本に帰ればすぐ就活が始まるので、日本企業だけではなく、カナダにある企業を色々見られるのはありがたい」と話した。今回のイベントでカナダの企業文化や働き方に触れることで、日本だけでは見えなかったキャリアの視点が得られた様子だった。

また、企業側のボランティアとして参加した学生は、「企業も学生も、どちら側から見ても役に立つイベントだと思う」と語った。


参加企業の声

企業にとっては次世代の人材と直接繋がれる貴重な機会となった今回のイベント。参加企業の声を聞いてみよう。

日本航空株式会社 | ケーシー若林 総務スーパーバイザー 

感想:「日本航空にとても興味のある学生が沢山いて圧倒された。現地採用や本社部門の採用の情報についての質問が多くあった印象。」

参加者へメッセージ:「好きなことや色々な事にぜひ挑戦して欲しい。どんな経験でもプラスになる。」

在バンクーバー日本国総領事館 | 木山雅之 経済担当領事

感想:「会場全体からものすごい熱気を感じた。去年カナダに赴任したばかりなので、カナダで仕事をしたいと思っている日本の方々と出会える素晴らしい機会だった。」

参加者へメッセージ:「日本にいてもカナダで働いていても、日本の良さを時々思い出して欲しい。どこに行っても日本人として誇らしく生きていって欲しい。」

Crescent Moon Enterprises Ltd. GIFTS AND THINGS | 小野塚裕香 Supervisor

感想:「大盛況。皆とても意欲のある方々だと思う。会社が今後拡大していくにあたって、知名度を上げたく今回出展したが、想像以上に沢山の方がブースに来てくれ嬉しい。」

参加者へメッセージ:「カナダに来て、こういったイベントに参加している方々はきっと志の高い方々。ぜひ自分が楽しんで出来る仕事を見つけていって欲しい。」


実行委員の声

この大規模なイベントを陰で支えてくれた実行委員。そんな縁の下の力持ち達の声も聞いてみよう。

UBC学生団体 Japan Career Network(JCN)| 久保孝太朗 会長

感想:「昨年の規模を上回る盛り上がり様で嬉しい。参加企業含め、運営に携わって頂いた全ての方々には大変感謝している。このイベントは今後より一層良いものになると確信している。先輩方が作り上げたこの伝統を受け継いで、今後の世代の役員にも頑張っていって欲しい。」

参加者へメッセージ:「新たな出会いや繋がりをつくる中で、キャリアの選択肢を増やして欲しい。このイベントを通じて自身のキャリアパスへのヒントを少しでも見つけられたのなら非常に嬉しく思う。」

日本・カナダ商工会議所 | ウィットレッド太朗 副会長

感想:「このイベントで意外なコネクションが出来て、それがまた何か他の事に繋がるような、色々な意味でキッカケを作る場になったと思う。思いがけず、日本カナダ商工会議所に興味を持って入会したいと言う方やボランティアしたいという方にも出会えて、とても有意義な時間が過ごせた。今後はより参加者によりメリットを感じてもらえるイベントに発展させていきたい。」

参加者へメッセージ:「このイベントを通して何か次の新しいステップに繋がるような出会いや機会を見つけることが出来たなら嬉しい。今回参加出来なかった方もぜひ来年参加して、キャリアやネットワークが広がることに繋がる出会いを見つけて欲しい。」

Career-Tasu USA(キャリタスUSA)| 実川 奈那 Marketing Coordinator

感想:「JCNと日本・カナダ商工会議所のビジョンを叶えるサポートという形で今回運営に携わった。今年は昨年の1.5倍の規模に成長したので、これからこのイベントがどういう風に大きく発展していくのか楽しみ。」

参加者へメッセージ:「就活だけでなく、文化に興味がある方など幅広い層の方が参加している。ここで色々な人と繋がる事によって、未来を描くための視野が広がるきっかけになるだろう。」


まとめ ー 堅苦しさ無し! 新しい形のキャリアフェア

大盛況だった今回の「Japan Connect」。480名の学生/社会人と、28の企業。肩書きもバックグラウンドも違う沢山の人々が同じ会場に集まった。そこには、説明会や就活といった堅苦しい言葉では表せきれない、熱くリアルな会話が広がっていた。

勇気を出して企業ブースに足を運んだこと。初めて聞く業界の話を面白いと感じたこと。たまたま隣にいた学生との会話から、視野が広がったこと。そんなひとつひとつの小さなキッカケが重なって、きっとあなたの未来をかたちづくる土台になっていく。

今年大成功を収めたこのフェアが、来年はどんな風に進化し、どんな出会いを生むのか。すでに楽しみにしている人も多いはずだ。

<参加企業一覧>

  • Azuma Foods (Canada) Co., Ltd
  • Pio Creative Marketing
  • Life Assist Canada
  • TWIN WOODS HUMAN RESOURCE CORP
  • KM Pacific Investments Inc.
  • Japan Airlines Co., Ltd
  • PGT Education Inc.
  • Canadasenmon
  • Coast Hotels
  • Mitsui & Co. (Canada) Ltd.
  • VSWI Canadian Immigration Service Inc
  • TSUKIJI FISH MARKET Inc.
  • AK Japan Imports
  • take R enterprise.inc
  • Kanatani Trading Ltc. (D.B.A.) Windbell Motorcycle
  • Trans Med Consulting Services Ltd.
  • SADE Counselling
  • Okeya Kyujiro
  • CRESCO LTD.
  • BLOOM CONSULTING Inc.
  • Nikoniko Home Care
  • CRESCENT MOON ENTERPRISE LTD (GIFTS AND THINGS)
  • Maple Fun Tours
  • enjoi Japan KK / enjoi Innovation Inc
  • Vanmates Consulting Corp.
  • Remedios & Company
  • Japan Canada Chamber of Commerce
  • Japan Career Network

<Japan Connect 実行委員会>

  • 学生団体「UBC Japan Career Network」
    • 久保孝太朗
    • 保井祐理
    • 大西真央
    • 内田百香
    • その他JCN役員17名
  • 日本・カナダ商工会議所
    • サミー高橋
    • ウィットレッド太朗

著者: 西田珠乃(JCNマーケティング担当)
撮影: 乘峯良輔

(寄稿 日本・カナダ商工会議所)

MLSホワイトキャップス、バンクーバーに新しいスタジアム建設を検討

バンクーバーダウンタウンにあるBCプレース。バンクーバー・ホワイトキャップスがホームグランドとしている。撮影 日加トゥデイ
バンクーバーダウンタウンにあるBCプレース。バンクーバー・ホワイトキャップスがホームグランドとしている。撮影 日加トゥデイ

 カナダ・バンクーバーに本拠地を置く、MLS(メジャーリーグサッカー)バンクーバー・ホワイトキャップスFCは4月4日、バンクーバー市東部にあるPNE(Pacific National Exhibition)敷地内に新たなスタジアムを建設することを検討していると発表した。同クラブCEOアクセル・シュスター氏はチームをバンクーバーに留めるための長期計画の一環だと説明した。

 ホワイトキャップスのオーナーシップグループは昨年12月に同クラブ売却を決定し、現在準備を進めている。その中で次のオーナーが収益性を求めて、クラブを別の都市に移転させるのではないかという懸念が広がっている。

 今回発表されたスタジアム建設案について専門家は収益増加を狙った戦略の一つと説明する。スポーツ・コメンテーターのガープリート・シアン氏はCBCニュース電子版の取材に対し、ホワイトキャップスはメジャーリーグの中でも数少ない「自前のスタジアムを持たないクラブ」のひとつであり、それが同クラブのフランチャイズとしての評価を低くしている可能性があると指摘した。

 バンクーバー市当局もスタジアム建設について同クラブと話し合いを進めていることを認めた。バンクーバー市ケン・シム市長は4月7日、ホワイトキャップスの移転を阻止するために「出来ることは何でもする」と述べている。

 新スタジアムがPNE敷地内のどこに建設されるかなど詳細については公表されていない。また、市がどういう形で建設を支援するのか、公共交通機関の整備はどうするのかといった点についても、明らかにはなっていない。

 ホワイトキャップスは昨季にチーム創設50周年を迎えた。その間に、現在PNE内にあるエンパイアフィールド(前エンパイアスタジアム)、バーナビー市にあるスワンガードスタジアムをホームグラウンドとしてきた。MLSに昇格してからは1年目を除いてBCプレースをホームとしている。一時期はバンクーバー港近くに専用スタジアム建設の話が持ち上がったが実現しなかった。

(記事 編集部)

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