漁具に絡まったザトウクジラを4日間かけて救出

 カナダ漁業海洋省(DFO)が、4日間かけて漁具やロープ、ブイなどが絡まったザトウクジラを救出した。同省の海洋哺乳類コーディネーター、ポール・コトレル氏は「最も時間のかかった救出活動のひとつ」と話した。

 救出は、ブリティッシュ・コロンビア(BC)州北部沿岸のプリンス・ルーパートとハイダ・グァイの間で行われた。クジラは、明らかに数カ月に渡って漁具が絡まった状態で、頭部にもロープが絡まり口を開けることができなかった。コトレル氏によると「どこから手を付けていいのかわからない状態だった」という。

 救出チームはロープなどを50カ所切断し、クジラの体から絡まったものを取り外した。クジラは長期間、何も食べていない状態で、呼吸のために浮上することも困難なほどひどい状態だったが、救出後は元気を取り戻した様子だった。しかし体に多くの傷を負っているため、DFOは様子を見ていくという。

  コトレル氏は、BC州沿岸で漁具がクジラの体に絡まるケースが増えているとし、この海域へのクジラの流入との関連性を考えているという。クジラの保護団体はDFOに対し、外部団体も救出活動を行えるよう、トレーニングや設備の提供を求めている。

(記事 編集部)

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