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Naomi Mishima

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急激なインフレに国民の80%は出費を抑えていると回答、世論調査で

 世論調査会社アンガスリードが8月22日発表した急激なインフレへの対応についての調査で、80%の国民が、何らかの形で出費を抑えていることがわかった。今年2月に実施した前回調査時の74%よりも増加した。

 カナダ統計局が今月発表した7月の消費者物価指数は前年同月比で7.6%上昇。6月の8.1%よりも上昇率は下がったものの、主な要因はガソリン価格の下落によるもので、食料品の価格は9.2%上昇している。

 食料品といった生活必需品の価格上昇により、国民はそれ以外の支出を抑えていると回答。これまで自由に使えていた金額を減らしたが57%、大型の買い物を先に延ばしているが42%、車の運転を控えている41%、旅行を中止・縮小が32%、寄付やチャリティの額を減少しているが27%、RRSP・TFSAへの金額をほかに回しているが19%だった。

 また国民の生活逼迫度についての調査では、52%が1,000ドル以上の急な出費に対応できないと答え、そのうち13%はあらゆる急な出費に対応できないと回答した。5,000ドルのボーナスをもらったらどのように使うかという質問については、38%は借金の返済に充てると回答。すぐに日々の出費に充てるは10%にものぼった。貯蓄は43%、大きな買い物をするは9%だった。

 地域別では、サスカチュワン州で58%が、東海岸州では50%が、5,000ドルのボーナスを借金返済に充てると回答し、他州よりも多くなっている。また、東海岸州、サスカチュワン州、アルバータ州で、ここ数カ月出費を抑えていると回答した人が他州よりも多かった。

 インフレ率抑制のためにカナダ銀行が金利引き上げを実施しているが、借金額が大きすぎて心配していると答えたのは39%。

 食料品店がインフレに乗じて利益を上げていると回答した人は78%だった。

 カナダ銀行は9月にも政策金利を引き上げる可能性が高いとみられている。

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ワインやスピリッツは1人1日3本まで、組合はストライキを強化

BCリカーストア。2022年8月。Photo by the Vancouver Shinpo
BCリカーストア。2022年8月。Photo by the Vancouver Shinpo

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州で8月15日から始まったBCリカーの従業員を含む労働組合BCGEU(The B.C. General Employees’ Union)のストライキが22日から強化された。

 組合は組合員の残業を22日から禁止すると発表。声明によると「BC州の公共サービスはあまりにも長い間、組合員の残業に依存しており、その背景にある制度的な問題に対処することが今回の交渉で達成しようとしていること一部」と残業禁止の理由を説明した。

 今回のストライキ強化でBC州政府が交渉を再開することを願っていると続けている。

 ただし、山火事に対応する消防士(BC Wildfire Service)は現在の山火事シーズン中は残業禁止対象外となる。

 組合側は、給与引き上げ率をインフレ率に連動するよう要求している。組合員の給与を守るのが今回の最優先事項という。

 組合によれば、給与引き上げをインフレ率連動制にするのはBCGEUが最初ではないと説明。BC州議会議員は2007年4月1日からすでに自分たちの給与をインフレ率連動制にしていると主張している。

 BCGEUは、山火事消火にあたる消防士やソーシャルワーカー、刑務官、保安官、BCキャノビス(大麻販売)ストア職員などから構成されているBC州公営としては最大の労働組合。

 8月15日からメトロバンクーバーのBCリカー・ディストリビューションセンター(配送センター)3カ所と、ビクトリアのホールセール・カスタマーセンターで、ピケラインを実施している。

 ストライキが始まって以降も、BC州政府との交渉は再開されていない。

ワインやスピリッツの購入を1人1日3本までに限定

 The Liquor Distribution Branch(LDB)は19日、BCリカーストアでの酒類購入について制限する声明を発表した。1人が購入できるのは全ての商品を対象に1種類(1バーコード)につき1日3本まで。ただしビールは対象外。

 政府は、BCGEUのストライキ期間、全ての州民が公平に購入できるようにするものだと説明している。

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「日系祭り」10周年、最大規模で楽しく華やかに

日系祭り実行委員会委員長阿久沢さん(左)と日系文化センター・博物館事務局長フォスターさん。2022年8月、日系文化センター・博物館ロビーで。Photo by The Vancouver Shinpo
日系祭り実行委員会委員長阿久沢さん(左)と日系文化センター・博物館事務局長フォスターさん。2022年8月、日系文化センター・博物館ロビーで。Photo by The Vancouver Shinpo

 日系文化センター・博物館で毎年9月第1週末に開催されている「日系祭り」が、今年で10周年を迎える。

 昨年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で「ミニ祭り」として開催されたが、今年は例年よりも規模を大きくしてパワーアップ。イベントもフードもこれまで以上に充実し、より家族で一緒に時間を過ごせる工夫を凝らして、楽しさ倍増となっているようだ。

 日系祭りを前に、日系文化センター・博物館事務局長ケーラ後新門フォスターさんと、日系祭り実行委員長ルイーズ阿久沢さんに話を聞いた。

10年目は全てが充実、浴衣着付けも神輿も復活、フードトラックやビアガーデンも拡大!

日系祭り2019、盆踊りの風景。Photo by Manto Artworks
日系祭り2019、盆踊りの風景。Photo by Manto Artworks

 フォスターさんは「今年はフルスケールで開催します」と笑顔を見せた。祭りといえばやっぱりフード。例年よりフードトラックを大幅に増やし、日系センターの南側に「フードトラック・プラザ」が登場する。ここでは入場前にフードを買える。もちろん祭りでの屋台も健在で、こちらはガーデン内に並ぶ。

 フードとくれば次はドリンク。今年はビアガーデンが拡大する。例年なら日系ガーデンの一角で飲めていたアルコール類だが、今年は日系ガーデン内ならビールや日本酒を片手に子どものイベント参加を見守るということもできる。

 というのも、例年は館内で開催されていた子ども用のゲームが、今年は日系ガーデンで行われる。「親子でイベントを楽しんでもらいたい」と言う。

 ガーデンでは櫓も立ち、盆踊りもあり、今年は神輿も復活する。しかも、これまでは土曜日だけだったが、今年は、土・日曜の両日に神輿が出る。祭りの本領発揮だ。

 さらに、人気の「浴衣の着付け」も復活する。新型コロナの影響で人に接触する着付けは昨年は実施できなかった。しかし、阿久沢さんによると「浴衣を着て、写真を撮って、会場内を歩いてと、日本の祭りの雰囲気を楽しめる、人気のイベントなんです」と言う。女性だけではなく、男性用と子ども用も用意。「日本文化を体験していただきたいですね」と話した。

 館内ではマーケットプレース、日系カフェ、パフォーマンスやワークショップ、古本市に加え、今年は指圧ルームが初登場。

 フォスターさんは「例年より内容も充実させ、場所も拡大して、より多くの人を(日系祭りに)迎え入れたいと思っています」と語った。

日系祭りを始めた先人に感謝したい

 「この日系祭りの10周年を迎えるにあたり、最初に実施した先人に感謝したい」と阿久沢さん。

 日系祭りは日系センターにとって、1年で最大のファンドレイジング・イベントだという。日系センターはバーナビー市のコミュニティセンターではないため、運営管理資金を自分たちで調達する必要がある。設立から20年、「日系コミュニティの先人が残したこの建物や文化センターとしての役割を継続するための大事なイベントとなっています」と話した。

2022年日系祭り、9月3日、4日開催

 今年は9月3日(土)、4日(日)に開催される。入場料は大人2日間10ドル(8月28日までに購入なら8ドル)、17歳以下、65歳以上、日系センターメンバーは無料。「メンバーは会員証を忘れずに持参してください」とフォスターさん。

 入り口で混雑しないように今年は入場口を3カ所用意。事前にチケットを購入していればさらにスムーズ。

 日系祭り開催中は地下駐車場は有料(10ドル)となり、こちらは早い者勝ち。1度駐車すればスポットを確保できるわけではないので注意。「路上パーキングを探す方は、近隣に迷惑がかからないようにお願いします」とのこと。

 できれば公共交通機関での来場を勧めている。スカイトレインだとエドモンズ・ステーションが最寄り駅。歩いても約10分(ただし上り坂)で、目印はフードトラック・プラザ。最寄り駅からバスを利用すると日系ガーデン前で下車できる。

 また館内はかなり混雑するので、安全のためベビーカーはガーデンのみで使用可。入場口で預かってくれる。

 フォスターさんによると、今年は昨年のような新型コロナ規制は今のところないという。ただ「今後なにか公衆衛生規制が発表されれば、その時は対応します」と準備も怠りない。

 現在ボランティアは約200人。フォスターさんは「フェスティバルパートナー、支援者、スポンサー、そしてボランティアの皆さんに、第10回日系祭り開催が実現することを感謝しています。そして、皆さんをまた迎えられることをうれしく思います」と語った。

2022年日系祭り

日時:9月3日(土)、4日(日)午前11時から午後7時まで
会場:日系文化センター・博物館(6688 Southoaks Crescent, Burnaby)
入場料:大人10ドル(2日間)、17歳以下、65歳以上、日系センター会員は無料
行き方:公共交通機関スカイトレインのエドモンズ駅から歩いて約10分、もしくはメトロタウン駅かエドモンズ駅でバス#119に乗り換えSperling Aveで下車
HPhttps://nikkeimatsuri.nikkeiplace.org/

(編集部)

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アニメ、ゲームを通じて日本文化を発信「2022夏 アニメレボリューション」

アニメレボリューション2022。7月31日バンクーバーダウンタウン。Photo by The Vancouver Shinpo
「鬼滅の刃」のコスプレでポーズを決める来場者。アニメレボリューション2022。7月31日バンクーバーダウンタウン。Photo by The Vancouver Shinpo

 バンクーバーコンベンションセンターで7月29日から31日までの3日間、アニメコンベンションイベント「2022夏アニメレボリューション」が開催された。

 日本文化の発信と、アニメやゲームなどを通じ、ファンとクリエイターの交流促進を目的とする「アニレボ」は毎年夏に開催されている。

 2020年は新型コロナウイルス感染拡大により中止となったが、今年は昨年に続き開催にこぎつけた。

 会場内は、販売商品を楽しむメインイベント会場のボールルーム、コンサートやゲストとの写真撮影を楽しむベンダーホール、座席付きで展示物や講演会を行うルームがあり、各セクション3カ所に分かれていた。

 このイベントは、日本から大物声優が訪れることがイベントの目玉の一つ。来場者の中には、シアトルやモントリオールから駆けつけたファンもいた。

日本からのゲストは古谷徹さんと小西克幸さん

 今年のゲストは、ベテラン声優の古谷徹さんと声優・俳優として活動する小西克幸さん。古谷さんは「巨人の星」の星飛雄馬役、「機動戦士ガンダム」アムロ・レイ役、「美少女戦士セーラームーン」タキシード仮面役など数々の代表作を持つベテラン声優。小西さんは、「鬼滅の刃」の宇髄天元役などの代表作のほかゲーム好きの一面もあり、多方面で活動していることで知られている。

 ゲストについては、あらかじめオンラインで応募をした方の中から抽選が行われ、当選したラッキーなファンのみ、写真撮影、サイン会などで直接会うことができた。またルームで質疑応答の時間も設けられ、ゲストはファンのさまざまな質問やリクエストに応じていた。

 3日間を通じ会場内に設置してあったゲストの登場を予告する顔写真パネルをスマホで撮影する来場者の姿もあり、ゲストの人気ぶりが垣間見えた。

イベントの思い出に購入者が年々増加、公式キャラクター「千革メイ」グッズ

アニメレボリューション2022。7月31日バンクーバーダウンタウン。Photo by The Vancouver Shinpo
販売スタッフのエミリアさんは公式キャラクター「千革メイ」をPR。アニメレボリューション2022。7月31日バンクーバーダウンタウン。Photo by The Vancouver Shinpo

 入り口にはアニレボの公式キャラクター「千革メイ」のグッズが売られていた。アニレボの公式ホームページにプロフィールが掲載され、ファンもいる。日本語の「革命」にちなんだ名前だ。

 「千革メイ」のコスプレをして来場する人や、今年しか販売しないグッズを目当てに訪れる人の姿もあった。一番人気はクリアファイル。販売スタッフによると、キャラクターのファンでなくても、アニレボにきた思い出に残る品として、年々買う人が増えているということだった。

コスプレイヤーのケイティさん「バンクーバーと日本の人々をアニメが繋いでくれる大切なイベント」

コスプレイヤーのケイティさん。Photo by The Vancouver Shinpo
コスプレイヤーのケイティさん。アニメレボリューション2022。7月31日バンクーバーダウンタウン。Photo by The Vancouver Shinpo

 会場で話を聞いたコスプレイヤーのケイティさんは、今年で5回目の参加。イベントでは壇上でピラティスを教えるイベントに登場し、ファンと写真撮影などで交流した。

 ケイティさんは「日本のポップカルチャー、アニメカルチャーはすばらしい。バンクーバーと日本はとても遠く文化も異なります。ですが、アニメが国境を越えて人々を繋いでくれます。大切なイベントで、素晴らしい機会です」と話した。

 イベントのメインはコスプレやコンサートだが、それ以上に人々の心に残るのは同じアニメを愛する仲間との交流だ。アニメファンと一口に言っても好みは十人十色。だが、鬼滅の刃に登場する人気キャラクターのコスチュームを纏う人を見つけたファンが「伊之助!」と声をかけている場面があり、コスチュームや持参したアイテムをきっかけに交流が始まる場面が何度も見られた。

体験コーナー、地元クリエイターの出店

完成したピカチュウを手に笑顔。アニメレボリューション2022。7月31日バンクーバーダウンタウン。Photo by The Vancouver Shinpo
完成したピカチュウを手に笑顔。アニメレボリューション2022。7月31日バンクーバーダウンタウン。Photo by The Vancouver Shinpo

 公式キャラクターグッズのほか、ここでしか買えないものや、手作りで世界に一つだけのアート作品など地元クリエイターの作品なども販売されていた。

 体験コーナーでは、イラスト体験、プラモデルの組立体験ができ、親子で訪れている人の姿もあった。会場に両親と共に訪れた兄妹は、「ポケットモンスター」の人気キャラクター・ピカチュウのプラモデル作りに夢中に。兄妹は、父のアドバイスでパーツの向きを変えたり試行錯誤しながら、完成するまでの工程をスピードを競争しながら楽しんでいた。

 開催3日間を通し、例年の入場者は1万人以上。初日と最終日、会場内には市外や国外からこの日のために訪れたスーツケースを持つ来場者の姿も目立った。会場周辺にもコスプレの撮影や交流のみで訪れる人もいるため、ビジネスや旅行で足を向ける人々に加え、バンクーバー港周辺は活気に満ちていた。

(取材 生沼未樹)

会場運営を支えたクリエイターら。Photo by The Vancouver Shinpo
会場運営を支えたクリエイターら。アニメレボリューション2022。7月31日バンクーバーダウンタウン。Photo by The Vancouver Shinpo
場内の人々のようす。アニメレボリューション2022。7月31日バンクーバーダウンタウン。Photo by The Vancouver Shinpo
場内の人々のようす。アニメレボリューション2022。7月31日バンクーバーダウンタウン。Photo by The Vancouver Shinpo
コンサートのようす。Photo by The Vancouver Shinpo
コンサートのようす。アニメレボリューション2022。7月31日バンクーバーダウンタウン。Photo by The Vancouver Shinpo
ジブリ作品「魔女の宅急便」のコスプレ。Photo by The Vancouver Shinpo
ジブリ作品「魔女の宅急便」のコスプレ。アニメレボリューション2022。7月31日バンクーバーダウンタウン。Photo by The Vancouver Shinpo
「ワンピース」のルフィとナミ。Photo by The Vancouver Shinpo
「ワンピース」のルフィとナミ。アニメレボリューション2022。7月31日バンクーバーダウンタウン。Photo by The Vancouver Shinpo

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合気道教室@日系センター

合気道は年齢・性別を問わず、いつでも誰でも学べる日本武道です。

当会は合気道を通じ日本文化の理解と普及、地域の健康増進に寄与することを目的とした、BC州登録非営利団体です。

現地在住日本人とカナダ人がバーナビー市の日系センターで一緒に楽しく稽古しています。

場所:日系センター (Nikkei National Museum & Cultural Centre)
日時:火曜・木曜 午後7:00 ~ 8:00、土曜 午前11:30 ~ 午後12:30

初心者大歓迎、見学自由です。現在は12歳以上の参加者を募集しています。子供クラス(6歳〜11歳)は休止中です。

詳細はメールでお問い合わせ頂くか、当会ウエブサイトをご覧下さい。

合気道バンクーバー祥門会

お問い合わせ info@vancouveraikido.com
ウェブサイト http://vancouveraikido.com

グレーターバンクーバー動物園から逃げたオオカミ、1匹は死体で発見

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州オルダーグローブにあるグレーターバンクーバー動物園から、オオカミが逃げ出す事件が発生した。

 同園は16日朝、SNS上で臨時閉園を発表。同日午後、「少数のオオカミが逃げ出した」と声明を出し、一般への危険はないとした上で、BC Conservation Serviceと協力して捜索中と伝えた。その後、1匹は道路脇で死んでいるのが見つかった。

 同園によると、16日未明に施設周辺のフェンスと、オオカミ9匹と子ども6匹の住む囲いが破壊されていたのがみつかったという。ラングレーRCMP(連邦警察)は、不法侵入と公共物破損の疑いで捜査を進めている。17日時点で監視カメラ映像はなく、侵入方法や容疑者の情報は全く得られていないという。

 行方不明だったもう1匹は19日に無事に保護された。動物園の声明によると、無事だったのはテンペストという名前の1歳のメスで、同園付近にいたところを保護され、園内の家族の元に戻ったという。

 死体で見つかったのはチアという3歳のメスで、声明では「テンペストが結果的に朗報だったことに安堵しているが、チアを失ったことがいまだに信じられない」と発表。ただ今回の事件でコミュニティから受けた支援に感謝すると述べた。

 16日から休園していた動物園は、20日から再開した。

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アボツフォードで子どもを家から拉致未遂、RCMPは容疑者の似顔絵を公開

アボツフォード警察が公開した容疑者の男の似顔絵。
アボツフォード警察が公開した容疑者の男の似顔絵。

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州アボツフォード市内で、家から子どもが連れ出されそうになる事件があったとアボツフォード警察が16日発表した。

 声明によると、事件が起こったのは15日午後8時30分ごろ。メープルストリート2700番台の家から、見知らぬ男が子どもを連れ出そうとしたと連絡が入った。男は開けっ放しだった1階のベッドルームの窓から侵入し、家の横から抜けて通りに連れて行こうとした。

 子どもは男を振り払って逃げ出し無事で、けがなどもなかった。男はどこかに立ち去ったという。子どもの年齢や性別については明らかにされていない。

 警察は子どもの証言に基づいて容疑者の似顔絵を作成、公開している。容疑者は濃い肌色の男で40歳くらい。身長178センチの普通体型で、茶色の短髪、ひげ面で、鼻ピアス、左腕に花の入れ墨がある。事件当時は、破れた青いTシャツとジーンズ姿で、青と白のスリッポンシューズを履いていた。

 この事件について目撃、またはビデオ映像などを持っている場合は、警察に連絡を(604−859−5225)。

 警察は、家のドアや窓にはきちんと鍵をかけるよう注意を促している。

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BC州で違法薬物過剰摂取による死亡者が1万人越え

 ブリティッシュ・コロンビア(BC)州検視局の発表によると、2022年前半期(1月1日から6月30日)までに違法薬物の過剰摂取で死亡した人が1,095人だったことがわかった。8月16日に予備データを発表した。検視結果次第ではさらに増える可能性があるという。

 今回の数字で、BC州が2016年4月に公衆衛生緊急事態を発令して以降で違法薬物過剰摂取による死亡者数の合計が1万人を超えた。

 報告書によると、過剰摂取に含まれる薬物は、ヘロイン、コカイン、MDMA、メタンフェタミン、不正なフェンタニルなどのストリートドラッグのほか、処方箋なしで入手または購入した薬物、もしくは処方薬とそれらの違法薬物の併用となっている。

 死亡者数が多いのは、バンクーバー、サレー、ビクトリアの人口密度が高い都市で、メトロバンクーバーで約60%を占めている。

 年齢、性別では30歳から59歳までの男性が多く、ほとんどは屋外ではなく室内で死亡している。

 リサ・ラポインテ局長は声明で「公衆衛生緊急事態が7年目となり、BC州では2016年4月以降、違法薬物によって1万人以上の命が失われ、7月も死亡者数は増え続けている」という事実を悲劇的と表現。「彼らは、さまざまな立場の男性、女性、若者で、同じ地域に住み、同じ職場で働き、同じスポーツチームでプレーしている人々。普通の生活を送っている人もいれば、困難に直面している人もいる。そうした仲間が至る所にある違法薬物の犠牲になっている」と述べている。

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北米野球独立リーグ オタワ・タイタンズがジャパンナイトを開催

始球式に臨むカミバヤシさん。Ottawa Titans Home game against the Sussex County Miners in Ontario on August 6, 2022. Photo: L. Manuel Baechlin/Ottawa Titans
始球式に臨むカミバヤシさん。Ottawa Titans Home game against the Sussex County Miners in Ontario on August 6, 2022. Photo: L. Manuel Baechlin/Ottawa Titans
試合前にはギター演奏も披露した在カナダ日本国大使館山野内勘二大使。Ottawa Titans Home game against the Sussex County Miners in Ontario on August 6, 2022. Photo: L. Manuel Baechlin/Ottawa Titans
試合前にはギター演奏も披露した在カナダ日本国大使館山野内勘二大使。Ottawa Titans Home game against the Sussex County Miners in Ontario on August 6, 2022. Photo: L. Manuel Baechlin/Ottawa Titans

 カナダの首都オタワを本拠地とするオタワ・タイタンズが8月6日の試合でジャパンナイトを開催した。

 北米野球独立リーグのフロンティアリーグに所属するタイタンズには、今年福田満樹捕手が在籍している。今年は北米から日本に野球が伝わって150周年を迎える記念の年でもあり、「野球を通じた日加の友情を祝い、日系コミュニティの連帯を深めることを目的」に開催された。

オタワ在住日本人ソプラノ歌手橋本典子さんによる君が代斉唱。Ottawa Titans Home game against the Sussex County Miners in Ontario on August 6, 2022. Photo: L. Manuel Baechlin/Ottawa Titans
オタワ在住日本人ソプラノ歌手橋本典子さんによる君が代斉唱。Ottawa Titans Home game against the Sussex County Miners in Ontario on August 6, 2022. Photo: L. Manuel Baechlin/Ottawa Titans

 ジャパンナイトを飾ったのは、高知県よさこいアンバサダー絆・国際チームの演舞、音和太鼓(Oto-wa Taiko)の和太鼓演奏、日本人ソプラノ歌手橋本典子さんによる日本国歌斉唱、そして、在カナダ日本国大使館山野内勘二特命全権大使によるカナダとアメリカ国歌のギター演奏。

 始球式は、オタワ・ジャパニーズ・コミュニティ・アソシエーションのメリサ・カミバヤシさんが大役を務めた。野球を通じて日加の友好を温めたオタワの真夏の夜となった。

 試合はタイタンズが6−5のサヨナラ勝ち。ジャパンナイトを白星で飾った。福田捕手はこの日出場機会がなかった。

北米独立リーグ・フロンティアリーグ

福田捕手とカミバヤシさん。Ottawa Titans Home game against the Sussex County Miners in Ontario on August 6, 2022. Photo: L. Manuel Baechlin/Ottawa Titans
福田捕手とカミバヤシさん。Ottawa Titans Home game against the Sussex County Miners in Ontario on August 6, 2022. Photo: L. Manuel Baechlin/Ottawa Titans

 フロンティアリーグは1992年に設立、当初は、ウエスト・バージニア州、ケンタッキー州東部、オハイオ州北東部のチームで出発した。2019年10月にカナディアン-アメリカン・プロフェッショナル・ベースボールがフロンティアリーグと合併。現在は東西カンファレンス各8チームで構成されている。

 シーズンは5月から9月まで、全96試合。同リーグからは大リーグに選手やコーチを輩出している。

 オタワ・タイタンズは2020年末にリーグに参加。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、今季が初シーズンとなる。東カンファレンス所属。8月17日現在、カンファレンス2位につけている。

 カナダでは他に2チームがケベック州を本拠地としている。

ジャパンナイトの様子は、在カナダ日本国大使館のフェイスブックに動画が掲載されている。

在カナダ日本大使館フェイスブック:https://www.facebook.com/JapaninCanada

オタワ・タイタンズHP:https://ottawatitans.com/

始球式に臨むカミバヤシさん。Ottawa Titans Home game against the Sussex County Miners in Ontario on August 6, 2022. Photo: L. Manuel Baechlin/Ottawa Titans
始球式に臨むカミバヤシさん。Ottawa Titans Home game against the Sussex County Miners in Ontario on August 6, 2022. Photo: L. Manuel Baechlin/Ottawa Titans

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バンクーバー朝日パウエル祭で追悼慰霊式開催(寄稿)

バンクーバー朝日パウエル祭で追悼慰霊式。2022年7月30日。写真:©2022 Manto Artworks
右から、高井利夫さん(移民の父、工野儀兵衛のひ孫)、トミオ福村さん(朝日ベースボール・アソシエーション副会長)、サミー高橋さん(朝日ベースボール・アソシエーション理事・日本カナダ商工会議所会長)、ケイ上西さん(最後の生存旧バンクーバー朝日軍選手)、青木龍也僧侶(浄土真宗本願寺派・カナダ開教区バンクーバー仏教会)、現バンクーバー朝日軍主力選手(最後列)。2022年7月30日。写真:©2022 Manto Artworks

バンクーバー朝日は、戦前にバンクーバーパウエル街で結成された日系カナダ人の野球チームです。当時白人コミュニティでも熱狂的なファンが多かった、バンクーバーで最も有力なアマチュア・チームの一つでした。1941年に日本と連合国軍の間で戦争が勃発するまで、パウエル通りグラウンド(正式にはオッペンハイマー公園)を拠点に活動していました。2022年7月30日、3年ぶりの開催となったパウエル祭で、浄土真宗本願寺派・カナダ開教区バンクーバー仏教会の青木龍也僧侶が、旧朝日軍の選手たちに敬意を表し、追悼慰霊式を執行いたしました。記念式典は夏の日差しがまだ燦々と差す夕方5時から約20分間に渡りました。真っ赤なバンクーバー朝日のチームシャツを身に纏う現役選手、チーム関係者達が参列、祭りに足を運んだ人々も大勢加わり、厳かに黙祷をしました。バンクーバー仏教会の青木僧侶が戦前活躍された選手たちへの敬意と感謝を込めてお経を上げて下さり、参加者代表の方々が焼香しました。

線香の煙が雲一つない青空に登り、黙祷中に一瞬物音がパッタリと消えたパウエル通りグラウンドの会場では、100年の時空を超え旧朝日軍選手が声を掛けあい、キャッチボールをしたり、バントや滑り込みの練習をする音が聞こえてくるような感覚に襲われました。1989年に公開されたフィールド・オブ・ドリームスという映画の “If you build it, they will come.” というよく知られたセリフのように、旧朝日軍の選手たちの霊がこのメモリアルのために戻って来てくれたのではないかと、焼香をしながら想いを馳せていた人達も多々いたことでしょう。オッペンハイマー公園の周りにパウエル祭に集まり行き交う人たちの姿が、戦前に仕事や学校を終えバンクーバー朝日の練習や試合を観に意気揚々と急足で歩く、日本人街の住人や近所に住む白人住人達の姿と重なりました。

日系史の一コマに刻まれるだろう今回の行事は、新朝日軍の発起人のひとりであり、朝日ベースボール・アソシエーションの理事と日本カナダ商工会議所会長を兼任される、サミー高橋さんが発案されました。それには、朝日軍の伝統と永劫を次世代に伝えていきたい、橋渡しをしたいという熱い思いと大義がありました。その目標を実現するため高橋さんは長年に渡り、野球を通して日本とカナダを結ぶ活動にも力を注いできています。今年2022年三月には、オンラインでバンクーバー朝日軍と和歌山桐蔭高校(旧制和歌山中学)の友好100周年記念イベントを朝日ベースボール・アソシエーションと日本カナダ商工会議所の共催で行いました。それがきっかけとなり、旧朝日軍追悼慰霊式を、その延長線上にある元祖朝日軍選手たちへの鎮魂と感謝の意を込め、敬意を表する目的を持ち、多くの関係者達の協力を得て日系コミュニティの伝統であるパウエル祭での実施に至ったのです。

2005年にBC州スポーツ殿堂入りを果たした伝説の日系人野球チームオリジナルメンバー、ケイ上西さん;パウエル通りグランドを見渡して昔を懐かしむ姿。2022年7月30日。写真:©2022 Manto Artworks
2005年にBC州スポーツ殿堂入りを果たした伝説の日系人野球チームオリジナルメンバー、ケイ上西さん;パウエル通りグランドを見渡して昔を懐かしむ姿。2022年7月30日。写真:©2022 Manto Artworks

参列者のなかには在バンクーバー日本領事館羽鳥隆総領事からのメッセージを代読された今村香代領事をはじめ、トミオ福村(朝日ベースボール・アソシエーション副会長)、他沢山の関係者が集まりました。強く関心を引いたのには、参列者の中に日系パイオニア移民や旧朝日軍選手の子孫である人たちの顔があったことです。日本からバンクーバーを訪問中であった、工野儀兵衛のひ孫にあたる高井利夫さん、そしてバンクーバー在住の工野儀兵衛のひ孫、ゲリー工野さんは、ひ孫同士の初めての顔合わせも果たしました。さらにオリジナルプレーヤーのひ孫、ワイリー・ウオーターズさん、タイ・スガの孫であるリン富田さんの顔もありました。特に上西功一(ケイ上西)さんは唯一生存されているオリジナルプレーヤーであり、わざわざこの日のために酷暑の中にもかかわらず、カムループスから息子のエド上西さんと駆けつけてくれました。式典では、エドさんが代弁者となり、ケイさんの式開催実現協力関係者たちへの感謝の気持ち、旧朝日軍の思い出なども詰まった謝辞と追悼辞を読み上げました。

感極まった式終了後、祭りに参加してたまたま式に参列したという女性が“なんて美しい瞬間だったのでしょう。まるで選手がそこにいるようでしたよ”と彼女の横にいる日系女性の肩を軽く抱いている姿が目に付きました。周りを見渡すと、人々の顔がとても穏やかになっていたのも見受けられたのです。魂を鎮められたのは旧朝日軍選手だけではなく、今に生きる現役朝日軍選手や関係者、そして偶然その場に居合わせた多くの参加者達でもあったのでしょう。バンクーバー朝日史を振り返ることは、古きをあたため新しきを知る、日系史を学び尊ぶことに繋がったと信じます。平和な気持ち、明日への希望をもたらしてくれ、バンクーバー朝日の強制解散から約80年後のパウエル通りグラウンドに、旧・新バンクーバー朝日チームやそのサポーターが再び集まれた事に心から感謝し、合掌。

(寄稿 日本カナダ商工会議所リポーター)

パウエル通りグラウンド(現オッペンハイマーパーク)にて、旧バンクーバー朝日軍選手のケイ上西さん、朝日ベースボールチーム記念碑の前ににこやかな笑顔で立つ。2022年7月30日。写真:©2022 Manto Artworks
パウエル通りグラウンド(現オッペンハイマーパーク)にて、旧バンクーバー朝日軍選手のケイ上西さん、朝日ベースボールチーム記念碑の前ににこやかな笑顔で立つ。2022年7月30日。写真:©2022 Manto Artworks
追悼慰霊式主要参列者一部の集合写真;在バンクーバー総領事館今村領事(最前列真ん中左)とケイ上西さん(最前列真ん中右)を囲んで。2022年7月30日。写真:©2022 Manto Artworks
追悼慰霊式主要参列者一部の集合写真;在バンクーバー総領事館今村領事(最前列真ん中左)とケイ上西さん(最前列真ん中右)を囲んで。2022年7月30日。写真:©2022 Manto Artworks

小説は事実より奇なり?!

Blue Tree Books

こんにちは!ご無沙汰しております。前回から時間が空いてしまいました(反省!)。

バンクーバー中央図書館への納品や3年ぶりのAnime Revolution 2022に出店者として初参戦するなど、奔走していました。

さて、「実話のようだが作者の意図や気持ちが入り込んでる」フィクションは数多くあります。司馬遼太郎や城山三郎が作り出す主人公のイメージは実物とかなり違うケースも多く、坂本龍馬の実像はそれほどでもないのは知られざる事実です。昔の小説家は陽が当たらない人物を持ち上げることで、へぇというストーリーにするのがテクニックの一つともされます。その中で今回は、「より事実に基づいたフィクション」を紹介したいと思います。

総じて、この手の小説はページ数が多くて分厚く重いので「積読」から抜き出すには勇気が必要です。ただ、読み始めると先を知りたい、ウィキペディアでチェックとどっぷりその世界にはまり込んでしまいます。

伊吹有喜著『彼方の友へ』(実業之日本社)は、実業之日本社創業120周年記念作品です。また、同出版社が発刊していた少女雑誌「少女の友」をモチーフとしています。

まどろむ佐倉波津子は、昔のことを振り返っています。それは、彼女を訪ねてくる人物が70年も前の「乙女の友」の特別付録を持って来たから。戦前、戦中、戦後と「乙女の友」の発刊に関わった波津子の人生を一緒に体験できる物語です。

第158回直木賞にノミネートされていて、現在の視点から主人公が幼少から大人になっていく様を回想する語り方から「朝ドラ」のようだ、という評もあったようです。確かに、朝ドラ的ですがおもしろいから良いと思います!

さて、実際の「少女の友」は1908年創刊、1955年休刊の少女向け雑誌で錚々たる作家が執筆する小説と中原淳一作の挿絵、付録とあいまって大ブームを巻き起こしたそうです。

小説では、挿絵作家は長谷川純司という名で登場します。戦前・戦中期の統制が厳しくなるにつれ、純司の描く乙女な絵は掲載不可となり、雑誌の内容も戦争色に変わっていく様が描かれています。

SNSが当たり前で自由に表現できる今では想像しにくいですが、戦争を知る世代が減少している中で、戦争の惨禍を小説で語り継いでいると思います。

一時帰国中に読んだこともあり、中原淳一さんの作品も気になっていました。本屋巡りもしましたが、ブックカフェも気になっていたので六本木にある「文喫」に行ったところ、なんとエッセイ画集がありました。嬉しい巡り合わせに嬉々とページをめくりました。服のデッサン、心地よい部屋作りのコツを絵付きで紹介していました。

次に紹介するのが、塩田武士著『罪の声』(講談社)です。2020年に映画化されたのでご存知の方もいらっしゃるかもしれません。

1984年と1985年に大阪府、兵庫県の食品会社を標的としたグリコ・森永事件をモデルにしたサスペンス小説です。

京都でテーラーを営む俊哉は、父の遺品からカセットテープと黒革のノートを見つけます。ノートには英文に交じって事件と関連のある文字が、テープからは子供の頃の自身の声が流れてくる。一方、昭和最大の未解決事件の真相を追う新聞記者とも交錯しながら過去の真実に迫っていくという内容です。

実際の事件は、未解決で既に時効となっています。ネタバレになるのでオブラートに包んで表現しますと、解が知りたいがために目がさえて夜更かししても後悔しません!

読み終わった後は、親に当時がどんな感じだったのと思わず聞いていました。

ではまた次回、お会いしましょう。

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