高丘の守りも光った一戦でキャップス、ホーム最終戦で大勝 史上初の西1位でプレーオフへ

パスを出す高丘。試合後には足元でのプレーに手応えを示す一方、パスをカットされた場面を課題に挙げた。2026年11月1日、BCプレース。シアトル・サウンダーズFC戦。写真 斉藤光一/日加トゥデイ
パスを出す高丘。試合後には足元でのプレーに手応えを示す一方、パスをカットされた場面を課題に挙げた。2026年11月1日、BCプレース。シアトル・サウンダーズFC戦。写真 斉藤光一/日加トゥデイ

 バンクーバー・ホワイトキャップスFCの勢いが止まらない。11月1日、BCプレースで行われたシアトル・サウンダーズFCとの一戦は、開始わずか56秒の先制点を皮切りにゴールラッシュ。5-1の大勝で、レギュラーシーズン最後のホーム戦を華々しく締めくくった。

 前日にはクラブ史上初となるMLS西カンファレンス1位が確定。この日はファン感謝試合でもあり、3万人以上のファンが詰めかけた。歴史的なシーズンを象徴するような一戦となり、スタジアムは歓喜に包まれた。

11月1日(BCプレース:32,111人)
バンクーバー・ホワイトキャップス 5-1 シアトル・サウンダーズ

開始56秒で先制、FWホワイトはクラブ通算100得点を達成

ゴール前で体を投げ出してボールを守る高丘。後半57分には接触プレーの後、一時試合が中断する場面もあったが、その後もプレーを続けた。2026年11月1日、BCプレース。写真 斉藤光一/日加トゥデイ
ゴール前で体を投げ出してボールを守る高丘。後半57分には接触プレーの後、一時試合が中断する場面もあったが、その後もプレーを続けた。2026年11月1日、BCプレース。写真 斉藤光一/日加トゥデイ

 試合開始直後からホワイトキャップスが猛攻した。開始わずか56秒、GK高丘陽平から始まった攻撃がつながり、ライアン・ゴールドがブルーノ・カイセドへパス。カイセドのクロスにブライアン・ホワイトが頭で合わせ、早々と先制点を奪った。

 その8分後には、エディエル・オカンポのクロスをゴールドが決めて2-0。20分にはサウンダーズのデヤン・ヨベリッチが放ったシュートを高丘が防ぎ、相手に得点を許さない。さらに43分にはゴールドのクロスにマティアス・ラボルダが頭で合わせ、前半だけで3点のリードを奪った。

 後半もホワイトキャップスの勢いは衰えず、53分にはホワイトがこの日2点目を決め、クラブ公式戦通算100得点を達成。MLS昇格後のホワイトキャップスでは初となる快挙を成し遂げた。

 62分にサウンダーズのジョーダン・モリスに1点を返されたものの、69分にはアレクサ・ツベトコビッチが追加点を挙げ、終わってみれば5-1で大勝。シュート19本、枠内シュート10本と、攻撃力を見せつけた。

 高丘は試合後、「試合が始まった瞬間から自分たちのプレーができましたし、早い時間帯で点を取れたので、通して良い試合だったかなと思います」と手応えを語った。

 自身のプレーについては、「今日は足元でプレーすることが多かった」と振り返り、「何本か良いパスで相手を回避することもできました」と話しながらも、「でも何本かパスをカットされるシーンもあったので、そこはちゃんと修正していきたいです」と改善点も忘れない。5得点の大勝に浮かれることなく、冷静に自身のプレーを振り返る姿勢はいつもの高丘だった。

クラブ史上初の西カンファレンス1位 高丘が語るチームの成長

試合後、チームメートと肩を組み、スタンドのファンに手を振る高丘。レギュラーシーズン最後のホーム戦を5対1の大勝で締めくくり、サポーターと喜びを分かち合った。2026年11月1日、BCプレース。写真 斉藤光一/日加トゥデイ
試合後、チームメートと肩を組み、スタンドのファンに手を振る高丘。レギュラーシーズン最後のホーム戦を5対1の大勝で締めくくり、サポーターと喜びを分かち合った。2026年11月1日、BCプレース。写真 斉藤光一/日加トゥデイ

 ホワイトキャップスは10月31日、他チームの試合結果を受けてクラブ史上初となる西カンファレンス1位を確定させた。この日の勝利で今季の成績は18勝8敗7分、勝ち点61。レギュラーシーズンのホーム戦では11勝、勝ち点35を記録し、いずれもクラブのMLS昇格後最多記録を更新した。

 さらに、北米太平洋岸北西部カスケディア地域のライバル、シアトルとポートランド・ティンバーズとの対戦を4戦全勝で終え、2004年の創設以来初となる全勝で「カスケディア・カップ」優勝を果たした。

 2023年に加入した高丘はクラブ史上初の西カンファレンス1位について、「去年からチームとしても実力を着実につけてきていると思うので、安定して試合に勝てるようになってきていると思います」とチームの成長を語った。

 しかし、チームが目指すのは、その先にある。イェスパー・セレンセン監督は試合後の会見で「私たち全員が同じ目標を持っていることは分かっている。MLSカップで優勝することだ」と話し、「昨年はあと一歩だったが、今年も再びチャンスがある」と優勝への意欲を示した。

 高丘にプレーオフへの意気込みを聞くと、一言目に「去年決勝で負けているので」と昨季の敗戦に言及。その言葉に力を込め「一つ一つの試合をきちんと勝ち切れるように」と初優勝に照準を合わせていた。

3万2千人超の声援を背に、初のMLSカップ制覇へ

クラブの売却や本拠地移転の可能性が取り沙汰される中、「STAY CAPS STAY」と書かれたプラカードを掲げ、バンクーバーへの残留を訴えるサポーターたち。2026年11月1日、BCプレース。写真 斉藤光一/日加トゥデイ
クラブの売却や本拠地移転の可能性が取り沙汰される中、「STAY CAPS STAY」と書かれたプラカードを掲げ、バンクーバーへの残留を訴えるサポーターたち。2026年11月1日、BCプレース。写真 斉藤光一/日加トゥデイ

 この日は恒例のファン感謝試合「Fan Appreciation Match」。レギュラーシーズン最後のホーム戦を見届けようと、今季2番目に多い32,111人のファンがBCプレースに駆けつけた。

 大勢のファンの前で大勝したことについて高丘は「すごくたくさんのお客さんに来てもらえたので、そういったタイミングでしっかり勝ち点3が取れたというのが、内容も含めて一番大事だと思います」と振り返り、「これからのプレーオフに向けて、良い弾みがつくんじゃないかなと思います」とプレーオフを見据えた。

 ホワイトキャップスは11月7日、アウェーでCFモントリオールとのレギュラーシーズン最終戦に臨み、その後11月22日にBCプレースでMLSカップ・プレーオフ初戦を迎える。西カンファレンス1位を確定させたことで、プレーオフでは西決勝までホーム開催の優位性を確保した。

 昨季はMLSカップ決勝まで進みながらあと一歩で優勝には届かなかったホワイトキャップス。今季はカンファレンスの頂点に立ち、初のリーグ最高峰を目指す。プレーオフを前に見せた5得点の大勝はチームにとって大きな弾みとなりそうだ。

今後のホームゲーム
11月22日 MLSカップ・プレーオフ初戦(BCプレース)

(取材 田上麻里亜/写真 斉藤光一)

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