今年のバンクーバー桜まつり(Vancouver Cherry Blossom Festival)が3月27日から始まった。28日にはバンクーバー市イエールタウンのデイビッド・ラム公園で開会式が行われ、公式に幕を開けた。
フェスティバルのイベントの一つ、ビッグピクニックが行われていた同公園では、桜を愛でる多くの人々の熱気と少し肌寒い空気をまとった満開の桜が開幕を祝福していた。
今年で第20回となるバンクーバー桜まつり

発起人リンダ・ポールさんは今年でバンクーバー桜まつりが20回目となることを喜んだ。「実際には21年前に始まりましたが、フェスティバルは第20回となります」と話す。第1回は駅を囲むように咲く桜並木が美しいダウンタウンのバラードステーションで開会式が行われた。設置されたのは「Cherry Gem Stage」。それから約20年。この日のステージも同じだった。

「(開会式は)約10年バラードステーションでしたが、その後クイーンエリザベス公園になって、このデイビッド・ラム公園に移りました。広いし、交通のアクセスもいいし、なにより桜がとてもきれいだし」。
今では当時よりもイベントも増え、多くの市民から愛されるバンクーバーの春の風物詩となった。「人々がこんなに『さくら』を好きだなんてほんとにうれしいです」。ポールさんは日本で見た桜の美しさに魅了され、人々が楽しむ花見をバンクーバーで再現したいと奔走したという。「日本の人にとって桜がどれだけ重要なものかは理解しているつもりです。だから、日本の桜まつりをそのまま持ってくるわけではなく、ウエストコーストスタイルで実現出来たらと思いました。時々日本の人から『日本人ではない人が始めてくれたのがうれしい』と言われることがあります」。それは違った角度から「さくら」への特別な思いをカナダで表現してくれるからということだと理解していると話す。

20回目を迎えるまでには紆余曲折があったと振り返ったが、今後はさらにイベントを増やしていきたいと意欲を見せる。フェスティバルの実行委員長はアンドレア・アーノットさんに委ねたが、以前にあったプロジェクトマッピングの復活や新しいイベント、色々なコミュニティとのコラボなどアイデアは尽きない。そして、5年後も、10年後も、「バンクーバーの人々が一緒になって楽しめるフェスティバルであってほしい」と語った。

今年が2回目の参加となった在バンクーバー日本国総領事館・髙橋良明総領事は、昨年は雨の開会式となったが「今年は晴れ間が見えて、バンクーバーらしさを味わいながら明るい中での桜は最高だと思います」と満開の桜を楽しんでいた。そして、「バンクーバーの人々が桜まつりをすごく大切に継続してくれていることは、本当にうれしいと思います」と語った。
開会式には植樹も、ますます広がる日加友好の証
開会式の後には公園内で植樹の式典も行われた。バンクーバー桜まつり実行委員会によると現在バンクーバーには約4万3千本の桜があるという。中には朽ちる木もあり、毎年きれいな花が咲くようメンテナンスされている。

最初にバンクーバーに桜が贈られたのは戦前の1930年代初め。神戸と横浜の市長から500本が贈られた。それらはバンクーバー市スタンレーパーク内にある日系カナダ人戦没者慰霊碑の周りに植えられた。今でもこの時期に美しい姿を見せている。
その後も日本からの贈樹は続く。1958年には当時のバンクーバー総領事館・田辺宗夫領事より「日加の永遠の記憶と友好」として約300本が贈られたという。この日開会式であいさつしたバンクーバー市公園庁トム・ディグビー委員が紹介した。
いまやバンクーバーに春を告げ、市民から愛される街の誇りとなった「SAKURA」。そんな歴史を知らなくても誰もがその美しさを愛でることができる友好関係こそが、戦前からバンクーバーに桜を贈った人々の願いだったに違いない。
日本とカナダは2028年に外交関係樹立100周年を迎える。それ以前から続く「日加友好の証」はこれからもずっと人々の努力と愛情でバンクーバーの春を桜色に染めていく。




(取材 三島直美)
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