平和の希望 3~投稿千景~

エドサトウ

 たぶん、清王朝が末期のころの話として「中国の東北地方を日本に譲ってもよいから、何とかしてほしい」ということがあったらしい。氏族の争いがあり、生産性は低く、しかもロシアが南下してくることなどに悩まされての発言であったのかもしれない。

 清王朝の溥儀が、後に満州国の皇帝となり、日本の関東軍が国防を担当して、それなりに日本と中国の属国のような満州国が出来て、鉄道も建設されて日本の産業も移されて発展をみた。農村部には27万の満蒙開拓団が日本から送り込まれて、農産物の生産に従事して、発展もしたのであろう。

 しかし、太平洋戦争が終焉に近くなると、日本にハルノートをアメリカから突き付けられて日本は中国から全面的に引き上げるように言われるが、満州国については存続を認めるようにも見える。また、日系人の資産凍結はしないともあるけれども、結局、望みをかけた日米の和平交渉の可能性はなくなる。天皇陛下は開戦には反対であられたが、大きな時代の流れにあがなう事も出来ず、ハワイの真珠湾攻撃が行われたのではあるまいか?

 あの時代を今日のウクライナの戦争と比較して見てみれば、ロシアの動きは、かつての日本軍と似ている。ロシア兵の多くの戦死者を出しながら、人口の20%のロシア人がいるウクライナの侵略を続けるロシアはいかなる解決を望んでいるのか?

 かつて、原爆が2度投下された日本のように、ロシアが局地的核を使うことが起こるのであろうか?

 あるいは、第3次世界大戦が東ヨーロッパから始まるのであろうか?私たちは同じ過ちを繰り返してはならない。

投稿千景
視点を変えると見え方が変わる。エドサトウさん独特の視点で世界を切り取る連載コラム「投稿千景」。
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