「かんがえごと3」~投稿千景~

エドサトウ

 太陽の黒点の活動が弱くなり、数年先には小氷河期に入るという科学者の話があり、1670年頃のようにイギリスのテムズ河の流れ水が氷ることが想像されるという。最近の大雨などの異常気象は、小氷河期の前ぶれで、強い寒気と温暖な湿った気流がぶつかって起こる現象のようにも見える。

 小氷河期と言っても、僕の考えでは、数度平均気温が下がるくらいではないかと思える。しかし、今頃の地球の温度は温暖化で2度以上近く平均値より高いわけだから、小氷河期は今よりも5度Cくらい寒くなるということかもしれないとすれば、冬気温がゼロ前後であればマイナス5度Cになるということであろうか?

 マイナス5度C以下の寒い日が続けば、池や川は厚い氷に覆われてアイススケートができるようになることが想像される。当然、北国の北海道とか、北欧やカナダ、ロシアなどは、今まで以上に農作物の収穫は望めなくなるのではと思われる。

 小生が出演した『Shogun 将軍』が、世界で話題になっているらしいが、興味半分で言えばイギリス人ブラックソン(三浦按針)が日本に漂着した1600年頃は、すでに小氷河期が始まっていて、異常気象により農作物の不作があったとすれば、食料などお金になるものを求めて新天地を目指すものがいたとすれば、英国からオランダの東インド会社の船に乗りアジアを目指した船団があったととしても不思議はない。

 当時、ヨーロッパの寒冷に比べれば、中国や日本はさほど強い寒冷期はなかったようである。であれば、東南アジアの中国、日本は、夢の国黄金の国であったかもしれない。

 「小氷河期(1300-1917)はこうだ。西ヨーロッパと中央ヨーロッパにおいて、IPCCとそれが評価する基礎となる査読つき研究では、干ばつは増加しておらず、したがって理論的に言って、干ばつ増加は人為的な気候変動によるものではないと結論づけている。(中略)将来、気温が2度C以上変化した場合においても、現時点ではIPCCは、現時点での科学的理解は変わるとは考えていない。」とあり、さらに「影響を受けやすい理由の一つは人間の強制力(訳注:CO2などによる温室効果などのこと)がない場合でも、気候は大きく変動するという事実である。」とロジャー.ビールキー.ジュニア(監修:キャノングローバル戦略研修所)の見解がある。

 「IPCCでは産業革命以降の地球温暖化を約0.8度Cとしておりますが、この大部分は小氷河期からの戻りに過ぎないかもしれません」とも言よしている。

 やがて来るであろうと想像される小氷河期に対して私たちは、十分なエネルギーの準備、備蓄をしなければなるまいと考えごとをする小生である。

*IPCC「Intergovernmental Panel on Climate Change(気候変動に関する政府間パネル)。1988年に世界気象機関(WMO)と国連環境計画(UNEP)によって設立された政府間組織。

投稿千景
視点を変えると見え方が変わる。エドサトウさん独特の視点で世界を切り取る連載コラム「投稿千景」。
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