カナダ、インドからの直行便乗り入れを一時停止へ、BC州ではすでに変異株を確認

 カナダ政府は22日、インドとパキスタンからの直行便乗り入れを30日間停止すると発表した。旅客定期便、プライベートジェットが対象で、貨物便は対象外。開始は22日午後8時30分(PDT:太平洋標準時)から。

 この日記者会見したオマー・アルガブラ運輸大臣は「インドとパキスタンからカナダに到着した航空旅客から新型コロナウイルスが検出された件数が増えてきていることから、カナダ運輸省は両国からの旅客直行便乗り入れを停止するよう航空情報(NOTAM)に通知を出した」と発表した。

 さらに、両国からカナダに入国する渡航者が乗り継ぎ便を利用する場合は、最終出発地でのPCR検査で陰性であることを証明しなければならない。カナダに到着してからは、現在すべての入国者に義務付けられている空港での検査やホテル隔離などの新型コロナ対策が実施される。

 パティ・ハイデュ保健大臣は、この措置によってカナダの公衆衛生専門家が新型コロナのインドで最初に確認された変異株について調査する猶予ができると語った。

 保健省の発表によると、4月7日以降カナダに到着した国際線のうち112便で少なくとも1人の感染者の搭乗が確認され、インドからは32便、パキスタンからは2便あったという。

 インドでは感染者が激増している。4月22日の新規感染者は約314,000人で、死亡した人は2,104人だった

BC州ではすでにインド変異株を確認

 インドで最初に確認された変異株B.1.617は、すでに国内で確認されている。

 22日に記者会見したブリティッシュ・コロンビア(BC)州衛生管理局長ボニー・ヘンリー博士によると、同州では4月4日までに39件確認されているという。

 4月11日以降バンクーバー空港発着の国際線で少なくとも1人の新型コロナ感染者が搭乗していたのは13便、そのうち8便がインド発バンクーバー着となっている。

 会見でヘンリー博士は連邦政府の今回の決定を支持すると語った。BC州でB.1.617の感染が急拡大しているという現状はないとしながらも、これからの調査が必要と説明した。

 BC州以外ではケベック州でも1件確認されている。B.1.617は、B.1.1.7(イギリスで最初に確認された変異株)やP.1(ブラジルで確認された変異株)のように「懸念される変異株」には現在のところ含まれていない。

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