ケベック州でも新型コロナ通知アプリの使用開始へ

 ケベック州政府は5日の会見で、カナダ政府が推進している新型コロナウイルス感染者との接触の可能性を知らせるアプリ「COVID Alert」をダウンロードするよう州民に呼びかけた。

 カナダ政府とケベック州政府は10月5日共同声明で、ケベック州民がカナダのCOVID-19感染通知アプリ「COVID Alert」で使用するためのワンタイムキーを保健当局から受け取ることができるようになったことを確認したと発表した。

 フランソワ・レガルト州首相は「より多くの人が登録することでより正確に情報を発信でき、第2派の抑制につながる」と述べた。

 特にケベック州の現在レッドゾーンとなっている感染者が急増している地域では状況は「重大局面」であるとして、アプリを活用するよう促した。

 「できる限りすべての手を尽くして接触者を制限しなければならない。新型コロナ感染者の濃厚接触者の確認をすることは感染拡大防止のために重要で、すべての州民に協力してもらいたい」と語った。

 ケベック州での6日の新たな感染者は1,364人でこれまでの最多を記録。5日連続で新型コロナ感染者が1,000人を上回り、死亡者数も増加傾向にある。どんな手段を使っても感染者を減少させることが最重要課題となっている。

 アプリが発表された当初は、ケベック州政府は導入に難色を示していた。しかしこの日の会見ではレガルト州首相自身がアプリをダウンロードして簡単にできることを示す場面も。

 4月や5月のような最悪の状況を回避するためにも、アプリ導入は一つの手助けになると訴えた。

アプリのダウンロードは330万件

 カナダ政府によると新型コロナ感染通知アプリのダウンロード数は330万件という。

 6月にジャスティン・トルドー首相自らがアプリについて発表して以降、まずはオンタリオ州で試験的に開始。現在ではこの日発表したケベック州を含め、マニトバ州、サスカチュワン州、ニューブランスウィック州、ニューファンドランド&ラブラドール州で利用が可能となっている。

 連邦政府はまだ導入していない州にもこれから勧めていくとしている。

 ダウンロードは全国で可能で、iOSとAndroidのアプリストアからダウンロードできる。

懸念は政府によるプライバシーの侵害?

 アプリのダウンロードについてはプライバシー侵害の可能性を懸念して、なかなか浸透していないのが実情。発表当時はトルドー首相自身もダウンロードしたと記者会見でアピールしたが、それでも約330万件にとどまっている。

 政府の発表によると、COVID Alertアプリは無料で任意のもので、新型コロナ陽性と判定されたユーザーがアプリに入力できるワンタイムキーを保健当局から受け取るという仕組み。

 そのキーを陽性者がアプリに入力すると、COVID Alertは、少なくとも15分間その人と密接に接触した可能性のある他のユーザーに通知。通知されたユーザーには州の公衆衛生のアドバイスに基づいて次のステップを指示するという。

 プライバシーについては「すべての国民の機密性とプライバシーを保護するために、アプリは収集したデータを保護するための強力な手段を使用しており、ユーザーの位置情報を追跡したり、個人を特定できる情報を収集したりすることはない」と説明している。

カナダ政府のCOVID Alertについての説明サイト: https://www.canada.ca/en/public-health/services/diseases/coronavirus-disease-covid-19/covid-alert.html

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