バンクーバー国際映画祭、大林宣彦監督の戦争三部作を上映

 バンクーバー国際映画祭(Vancouver International Film Festival: VIFF)が『Obayashi’s Tragedies of Youth trilogy』として、大林宣彦監督の3作品を上映している。

 『Obayashi’s Tragedies of Youth trilogy』は『花筐/HANAGATAMI』、『この空の花 長岡花火物語(Casting Blossoms to the Sky)』、『野のなななのか(Seven Weeks)』の3作品で日本では戦争三部作と呼ばれている。

 オンライン上映はブリティッシュ・コロンビア州からのみ、8月19日(午後11:59)まで視聴できる。また『花筐/HANAGATAMI』は劇場でも上映する。

上映作品

『花筐/HANAGATAMI』

 1941年の春、アムステルダムに住む両親の元を離れ、佐賀県唐津に暮らす叔母(常盤貴子)の元に身を寄せることになった17歳の榊山俊彦(窪塚俊介)の新学期は、アポロ神のように雄々しい鵜飼(満島真之介)、虚無僧のような吉良(長塚圭史)、お調子者の阿蘇(柄本時生)ら学友を得て“勇気を試す冒険”に興じる日々。

 肺病を患う従妹の美那(矢作穂香)に恋心を抱きながらも、女友達のあきね(山崎紘菜)や千歳(門脇麦)と“不良”なる青春を謳歌している。しかし、我が「生」を自分の意志で生きようとする彼らの純粋で自由な荒ぶる青春のときは儚く、いつしか戦争の渦に飲み込まれてゆく。

 「殺されないぞ、戦争なんかに!」・・・俊彦はひとり、仲間たちの間を浮き草のように漂いながら、自らの魂に火をつけようとするが……。
(花筐/HANAGATAMI公式ウェブサイトhttps://hanagatami-movie.jp/より)

【キャスト】
窪塚俊介、満島真之介、長塚圭史、柄本時生、矢作穂香、山崎紘菜、門脇麦、常盤貴子

劇場上映
8/22(日)7:15 pm
8/24(火)7:00 pm
8/26(木)7:45 pm
8/28(土)7:15 pm

劇場 
VIFF Centre – Vancity Theatre
1181 Seymour St, Vancouver

チケット(劇場) 
19歳以上 $15.00
19歳以上の学生 $10.00
シニア(65歳以上) $13.00

VIFFの花筐サイトはこちらから。

この空の花 長岡花火物語(Casting Blossoms to the Sky)

 新潟県長岡市の“長岡まつり大花火大会”をモチーフに描くヒューマンドラマ。長岡市を取材に訪れたひとりの女性新聞記者(松雪泰子)が、過去と現在をつなぐ不思議な体験をする。戦禍や新潟県中越地震を乗り越えてきた長岡市の歴史を浮き上がらせる、セミドキュメンタリーでもある。

【キャスト】
松雪泰子、高嶋政宏、原田夏希、筧利夫、笹野高史、草刈正雄、犬塚弘、片岡鶴太郎、柄本明、根岸季衣

VIFFの「この空の花 長岡花火物語」サイトはこちらから。

野のなななのか(Seven Weeks)

 北海道芦別市で古物商を経営する元病院長の鈴木光男(品川徹)。92歳で息を引き取った光男の告別式と葬儀の準備をするため、親族が故郷に集まる。大学教授の冬樹(村田雄浩)、原発に関わる仕事をする春彦(松重豊)、看護師のカンナ(寺島咲)らが久々の対面を果たしていると、清水信子(常盤貴子)という女が訪ねてくる。

 光男の親族は清水を通して1945年に起きた旧ソ連軍の樺太侵攻で光男が体験した出来事を知る。

 タイトルの「なななのか」は、四十九日のこと。

【キャスト】
品川徹、 常盤貴子、 村田雄浩、 松重豊、 柴山智加、左時枝、猪股南、寺島咲、窪塚俊介、安達祐実

VIFFの「野のなななのか」はこちらから。

(取材 西川桂子)

合わせて読みたい