2023年 留学生必見!カナダ・バンクーバーでの部屋探し(後編)

シェアハウスの個室の例。一般的にベッドと勉強机、クローゼットが設備されている事が多い。Photo by Japan Canada Today
シェアハウスの個室の例。一般的にベッドと勉強机、クローゼットが設備されている事が多い。Photo by Japan Canada Today

 海外に留学するならだれもが通る「部屋探し」の試練。それに最近のバンクーバーは物価がかなり上昇し家賃も高くなっていて、お金をやりくりしなければならない留学生には厳しい経済状況になっている。そんなバンクーバーで、現役留学生たちはどのように住む場所を見つけて生活しているのだろうか。

 複数の留学生に話を聞いたところ、留学初めの1~3カ月はエージェントや学校を通してホームステイ先に滞在し、その契約期間が終わるまでに家を探してシェアハウスに移ったという人が多かった。ホームステイの契約終了の日が迫ってくるなかで、「明日から住む家が見つからない!」ということにならないよう、部屋探しのコツと注意点をしっかり押さえておきたいものだ。

 この記事では、シェアハウスの探し方や内見をするときの注意点などを留学生の体験談をもとに紹介する。後編は、部屋を探した留学生の体験記。

 前編はこちら。2023年 留学生必見!カナダ・バンクーバーでの部屋探し(前編)

シェアハウス

 シェアハウスとは、一軒家やマンションの一室を借り、キッチンやトイレ、バスルームなどを他の住人と共有しながら生活する住居のこと。最短契約期間が1年以上であることが多いコンドミニアムやアパートに対し、短期間の契約で安く部屋を借りることができることから留学生が多く利用している。

留学生の部屋探し事情

 留学生たちは実際どのような部屋に住んでいるのか、バンクーバーでシェアハウスをして生活している3人に話を聞いた。

Facebookマーケットプレイスで部屋探し(こじろうさん)
使ったサイト:マーケットプレイス
家賃:650ドル
シェアしている人数:3人
契約期間:6カ月
部屋探しを始めた時期:2カ月前から

 現在シェアハウスで1人部屋に住んでいるこじろうさんは、マーケットプレイスで部屋を見つけた。5月までは別のシェアハウスに滞在しており、その部屋はデンで窓がなかったことから1000ドル以内を条件に部屋探しを始めた。こじろうさんは2月ごろから部屋探しサイトを閲覧していて、冬場の2月、3月が条件のいい家が多く見られたという。
 マーケットプレイスを使ってよかった点は、部屋や共有スペースの写真や家賃が見やすく表示されていること。

クレイグリストで部屋探し(けいとさん)
使ったサイト:クレイグリスト
家賃:820ドル
シェアしている人数:3人
部屋探しを始めた時期:1カ月前から

 けいとさんは以前住んでいた部屋が980ドル。家賃が安くなったうえとても快適だという。以前の部屋で悩んでいたのは住人の夜中の騒音や生活音、冬場に暖房が効かなかったこと、そしてベッドが壊れていたこと。内見の際、ベッドを触って確認するのは遠慮してしまいがちだが、重要なところは一つずつ触って確認することがトラブルを避けるために大切だと話した。

3人で複数のサイトを手分けして部屋探し(たいがさん)
使ったサイト:マーケットプレイス・クレイグリスト・e-Maple
家賃:2300ドル
シェアしている人数:3人
契約期間:1年
部屋探しを始めた時期:2~3週間前から

たいがさんが3人で住むためのシェアハウスを探すときに送っていたメール。軽い自己紹介と持っているビザの種類、部屋を内見したい旨を簡潔に。フレンドリーで清潔な印象を持ってもらうことで好感度を上げ、内見のチャンスをつかむ。Photo courtesy of Taiga
たいがさんが3人で住むためのシェアハウスを探すときに送っていたメール。軽い自己紹介と持っているビザの種類、部屋を内見したい旨を簡潔に。フレンドリーで清潔な印象を持ってもらうことで好感度を上げ、内見のチャンスをつかむ。Photo courtesy of Taiga

 たいがさんの住むシェアハウスでは3部屋と共有スペースのついたワンフロアに友人2人と生活している。E-Maple、クレイグリスト、マーケットプレイスをシェアする3人で手分けして探した。50件以上メッセージを送り、3件内見した。部屋が決まったのはクレイグリストだ。
 家賃はワンフロアの契約なので3人で月2300ドル。ほかのルームメイトと話し合って、部屋の広さや収納スペースの大きさによって払う金額を700・780・820ドルと割り振った。友人2人は日本に帰国予定だったので、1年以上滞在するたいがさんが代表して契約し、友人が帰国するタイミングで次のルームメイトを迎えた。

シェアハウス探しの心得:留学生に聞いた、部屋を探すときに注意していること

  • 契約時にデポジットとして1カ月の家賃の半分をあらかじめ払う必要があることが多く、支払うときには契約書を書いてもらうなどの注意が必要。
  • 内見のために連絡をしてみても、返ってこないこともしばしば。連絡が返ってこなくても気にせずに次をあたろう。
  • 内見のさい、女性や一人で不安な人はだれかについてきてもらう。シェアハウスのオーナーも慣れている人が多いので、基本的には内見に人を連れてきても拒否されたりすることはない。1人か2人ならついてきてもらった方が無難だろう。

ホームステイ先を変更したい場合

 いまこの記事を見ている人のなかには現在ホームステイ中の人もいるかもしれない。話を聞いたけいとさんはバンクーバーに来て1カ月間のホームステイを予定していたが、食事にカビが生えているなど複数の問題があり、環境が良くないと判断して2週間でホームステイ先を変更したそう。

 海外に来てすぐのホームステイは、事前に家庭の様子を見ることができず、すでに決まった期間分の家賃を支払っていることも多い。もし身の危険を感じたり不快に感じたりすることがあれば、エージェントや学校に相談してプランを変更してもらうこともできるので、そういった選択肢も視野に入れて、バンクーバーでの留学生活をストレスなく過ごしたい。

まとめ

 留学生の部屋探しは、日本で部屋を借りるのとは方法も環境も異なる。シェアハウスは世界各国から留学生が集まるここバンクーバーで、家を共有しながら安く住むことができる有効な滞在手段。これからシェアハウスを探す予定の人は、今回紹介した部屋探しのコツを参考にして、安全で快適な部屋探しにつなげてもらいたい。

(取材 池田茜音)

*部屋探しは「自己責任で」と各サイトでは伝えているが、詐欺や暴力・差別などの被害を受けた場合は、学校や在バンクーバー日本国総領事館などに速やかに相談する。

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