連邦職員12万人によるストライキの可能性、PRカードやビザ発給への影響も懸念

 先週のカナダ歳入庁(CRA)職員に続いて、連邦職員約12万人の大多数がストライキ実施に賛成したと労働組合The Public Service Alliance of Canada(PSAC)が4月12日、発表した。

 職員は13州・準州全国で勤務しており、ストライキが実施されると連邦政府が提供するサービスに大きな影響が出るとされている。

 もしストライキが実施されれば、23省庁が影響を受ける。中でも、歳入庁、外務省、移民・難民・市民権省は、申請などの手続きが遅れるなどの直接的な影響が出る可能性がある。

 歳入庁職員の労働組合でPSACグループの一つThe Union of Taxation Employee(PSAC-UTE)は現在CRAと交渉中という。ただストライキになれば、タックスリターンなどの処理が遅れるなどの影響が出ると歳入庁は発表している。

 外務省は、「国民の安全、安心、健康に影響を及ぼす可能性のある全ての必須サービスを維持する」としている。トラベルアドバイスなどのサービスは影響を受けない一方で、「市民権やパスポートサービスを含む領事サービスは、在外公館のネットワークを通じて引き続き提供されるが、遅れが生じることが予想される」という。その他、文書認証や輸出入許可証のサービス、CanExportプログラムなども影響を受ける可能性があると発表している。

 移民・難民・市民権省は、申請書などのオンラインや郵送での提出やオンラインアカウントは影響なく利用できるが、以下には遅れなどの影響が出るとしている。

・申請書類の処理、・市民権授与式を含む対面での予約またはイベント、・Eメール、電話、ソーシャルメディアを通じた連絡への返信、・領事館での市民権・パスポートサービス、・カナダでのパスポートサービスなど。永住権カード(Permanent Resident Card)の更新も同省への申請のため影響を受ける可能性がある。

 労働組合はストライキを実施する場合、72時間前までに通達する義務がある。ウェブサイトによるとPSACは「連邦政府の公共サービス職員を代表する最大の労働組合で、新型コロナウイルス感染拡大時にはCERBや緊急ビジネスローンなどの重要な支援プログラムを国民のために記録的な速さで実施。また、軍事基地の清掃員や調理員、事務員や整備員、貿易関連、沿岸警備隊の捜索救助隊、教師、消防士、雇用保険やパスポート申請、移民書類の手続きなど、国民が頼りにしている」仕事に就いているという。

 PSACは5グループからなり、UTEも含まれる。組合員は約159,000人で、そのサービス内容は多岐にわたっている。

 カナダ政府は「現在、PSACと交渉している」と発表している。

 カナダ環境省や、州営のカナダポスト、CBC(カナダ放送協会)、カナダ輸出開発公社(Export Development Canada)などは労働組合が違うため今回のストライキに影響しない。

(記事 編集部)

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